スマホのユーザー数は急激に改善

司会:それではただいまより質疑応答の時間とさせていただきます。ご質問のあります方は、係りの者がマイクをお持ちいたしますので、まず会社名とお名前からお願いいたします。

なお、なるべく多くの方からの質問を頂戴したいと考えておりますので、ご質問はお一人2つまでとさせていただきます。それではどうぞ挙手でお知らせください。

記者:東洋経済のタナベともうします。Sprintとグループの戦略について、これはVerizonも同じなんですけども、ポストフェーズの純増がタブレットの寄与がほとんどで、携帯電話自体の契約件数はマイナス20万件くらいになっています。これは上位のお客さんをなかなか奪い取れていないのじゃないかとも見えるわけですけど、そこら辺はどうなってるのか、と。

競争環境も、これはSprintですけども、始まることですし、価格とネットワークについてどのようにやっていくのか、教えてください。

孫正義:過去の決算の発表ということでは、まさにその通りなんですけども、ポストフェーズが大きく純減していたのが、マルセルの体制になって反転したというのは、先ほどのグラフであったとおりですが、直近の日時の状況ではですね、スマートフォンのユーザーも急激に改善してきておるということを、一言報告させていただきたいと思います。ですから、非常に好転しているとお伝え申し上げます。

他にいかがでしょうか。

記者:価格だとかネットワークについては、どのように。

:価格についても今積極的なマーケティング戦略をやっておりますけども、オペレーティングコスト、経営コストの効率化がだいぶ進んでおりますので、価格競争はこれからも当面続くと思いますけども、実質的なEBITDA、償却前の営業利益、こちらのほうでは、これから着実に改善していくと考えております。

最近は毎月のように新しい投資を行っている

記者:2点目です。グループの話なんですけども、持ち分では楽しみな会社っていろいろあると思うんですが、今回900億円くらいの営業利益の寄与があるガンホーが非連結化ということになって、Yahoo!が微増益、Supercellはめちゃくちゃ伸びてますけども、グループ全体でどう動かしていくのか。その中での役員の体制として、ニケシュさんがこうやって変わるわけですけども。

ごめんなさい、3点目になってしまうのかもしれないんですが、後藤さんと藤原さんが退任というのがこのタイミングというのも、ちょっと理解できていないところもありまして。業績が、どう成長させていくのかという話と、後藤さんと藤原さんの役目について教えていただけないでしょうか。

:はい、業績についてはですね、個別の一つひとつの企業については着実に伸びていると。ただし、最近毎月のように新しい投資を行っております。ものによっては売却もこれから進む可能性もありますね。

すべての会社がずっと伸び続けるわけではありませんので、またそれぞれの会社にはそれぞれのステージというのがあります。たまたまガンホーでいえば、今度東証一部に上場するというようなことを発表しましたので、それに伴い、ガンホーとしては自社株買いを行いたい、そして東証一部に上場したときに、さまざまな経営のステージに入っていく。

そういう意味でオファーがあったので、我々は自社株買いに応じて協力をしたというかたちになったわけですが、今後もいろんなインターネットの業界での投資と、それから回収というサイクルを回していきますので、買収したり、あるいは投資をしたり、あるいは一部現金化したり、というのはこれから頻繁に起こってきますので、連結における業績予想を出すというと、さまざまに、その数字に縛られるというのはよくない。

経営の意思決定をですね。会計上の数字に縛られるよりは、実質的な我々の企業価値の最大化を目指すには、売却だとか、投資だとかが、機動的に行えるように。そのためには、数字の発表を、予想をすべきではないし、また、しても、その後に結果が変わってくる可能性がある。ということで、予想を出さない。

でも、一つひとつの事業は着実に伸び続けているということで、我々としては、実質的な増収増益というのは続けられるだろうと思っているということが一点。

それから、藤原と後藤については、ソフトバンクがグループとして、今回社名も変えて、体制も変えるということになると、グループとして世界の戦略で経営陣の強化が、今なされていってるわけですね。

藤原は国内の通信の方のCFOの任務に特化しますので、グループの取締役というよりは、宮内を補佐して、国内の通信事業に特化する。後藤はそれに合わせて、世界のグループ戦略の中で、他にもたくさん有能な、ハイレベルな経営陣が加わっておりますので、そういうことで、ステージを変えよう、と。国内を中心とした経営陣ではなくて、世界を睨んだステージに変えよう、ということで、その任務を交代というふうになったということですね。他にいかがでしょうか?

ニケシュ氏がソフトバンクに感じた「ロマン」とは?

記者:東海東京調査センターのイシノと申します。ニケシュさんに質問させていただきたいんですけれども、グーグルではなくて新ソフトバンクグループということで、何を1番魅力に感じられて孫さんの元に来られたのか?

世界戦略に参加される意気込みといいますか、どういうロマンを感じられて、とうぜん革新的なことをやられると思いますので、グーグルではなくソフトバンクグループで何ができるのか? さわりだけでもいいので是非教えていただければありがたいと思います。

ニケシュ:ご質問ありがとうございます。世界のインターネット企業なのかでも最高の企業とお話ができる時を、これまで楽しんできたわけですけれども。これまでのグーグルの成功をご覧いただければわかるように、彼らは既にビジネス、技術、いろいろな形でシェイプアップしてきたと思います。

孫社長に5年前にお目にかかって、時間をかけてお互いを知るにつれ、孫社長はビジネスイノベーターであると。(Google創業者の)ラリーやセルゲイと同じような形でビジネスの革新者であるというように確信を持ちました。そして孫社長からたくさんのビジネスのことをラリー、セルゲイとは別に学ぶことが多いと感じました。

それからたくさんの夜を仕事の会話をしながら、どうやって今後会社を変えていこうかという中で、孫社長のお言葉、例えば「全てのすばらしい会社というのはサイクルがあるんだ」と。革新が、ビジネスモデルもなくなって陳腐化していく中で、本当の意味で刷新力維持可能となっていくためには、そういった情熱のある創業家を見つけていって、我々がやっていくと。

そういった意味で孫社長、宮内さん、それからほかの経営陣とも一緒に、これまで孫社長が「趣味」とおっしゃってきていたこの37年ですか? その天才的な部分を維持して、今後さらに数年にわたって、ソフトバンクで伸ばしていけるのではないか。

そうすると今後非常に興味深いインターネットの企業らを、我々がサポートし、資金を供給して教育しという形で、さらに彼らが必要な燃料を我々が植えつけていけるのではないかと考えています。

孫社長「ニケシュは実質的な後継者」と明言

記者:TBSのドイと申します。よろしくお願いします。先ほど孫社長が「第2ステージに入った」ということで、社名も変更してということなんですが、なぜこのタイミングなのか? というのをひとつお聞きしたいのと、ニケシュ・アローラさん、事実上の後継指名と受け取ってよろしいでしょうか? この2点、よろしくお願いします。

:おかげさまで国内の通信の事業がだいぶ経営的にも軌道に乗ったとアメリカのSprintにおいても、マルセロを新CEOとして任命しSprint立て直しの方向性を今つけてきていると。また同時に、インターネットの革命というのはさらに今加速していると感じています。

そこでこの機会を逃したくない、ソフトバンクは機会をついに第2のステージとして、世界のソフトバンクに生まれ変わるというふうに心を決めたわけです。その時に、インターネットの世界一の会社で実質経営をやっておられたNO.2のニケシュが一緒にやってくれるとなるとですね、これはもうまさに「時に人を得た」ということになるわけです。

また彼は、大変有能な人材を、続々とこの9カ月の間に我々のソフトバンクグループにリクルーティングしてきて、今増やしております。これを一気に強化し、挑戦をしたいと思うわけです。

実質的な後継者指名という話がありましたけども、答えはイエスです。先ほどから説明しましたように、創業以来、特に上場して以来初めて、英文のタイトルで「President」と。厳密にいうと私が創業して間もない頃大病をして3年半ほど肝臓を患って入院していたときに一時的に会長という立場になりましたけども、退院して社長に戻ったわけですね。

その例外的な一時期を除いて言いますと、事実上初めて、英文で「President」というタイトルを彼に与えるということは、それなりに重要な意味を持っていると私はとらえております。もちろん私はまだ引退するつもりはありませんし、まだ当人は若いつもりでいますので、これまで通り第一線で経営を継続してまいりますけれども。

時期については今日ここで、正式には申し上げるつもりはありませんけどもニケシュが事故に遭わない限り、特別何かが起こらない限り、将来彼が最も重要な後継者候補であることを初めて明らかにしたというのが、今日の状況であります。他にいかがでしょうか?

「朝起きて真っ先に電話するのがニケシュ、寝る直前に電話するのがニケシュ」

記者:産経新聞のヤマサワと申します。お願いします。ニケシュさんが後継者で「イエス」ということなんですけれども、この9カ月間共にお仕事をされて確信を得たというふうにおっしゃっていますけれども、この間もいろいろなM&A、投資などあったと思うんですが、心に残るエピソードがあればというのが1点。

あともう1点は小さなことかもしれないので申し訳ないんですけれども、このところ国内の携帯3社の中で、御社の今の契約の純増数をどのように評価されているか? これについてコメントをお願いします。

:まず1点目のニケシュとの件ですけれども、さすがに世界で最大のインターネット企業で事実上切り盛りしていたわけですから、インターネットのテクノロジー、ビジネスモデル、人脈については、私を遥かに上回るだけの才覚を持っていますし、多くを学びました。

またお互いを刺激しあうということで、ディスカッションし合うことによって、投資の意思決定がより深まるということをだいぶ経験してきました。非常によかったなというふうに思います。

それに加えてで、人格というものが尊敬に値するものでないと、やはりやっていけませんよね。そういう点も9カ月共にしてきますと、だいぶ見えてくるという点がありますね。楽しくなきゃやっていけませんので、それを非常に楽しく一緒にやっていけていると思います。

1カ月のうちの1週間くらいは私もシリコンバレーに行っていますし、ニケシュも1カ月のうちの1週間くらいは毎月日本に来て、お互いに月の半分くらいは顔を合わせております。また、インドに行ったり中国に行ったり他の国々に一緒に出張することも多いです。

Face to Faceで会っていないときもほとんど毎日電話でやり取りしないとなんか……夜寝るのがね。朝起きて真っ先に電話するのが彼、寝る直前に電話するのが彼という状況で、ちょっとおかしいんじゃないかというくらい、仲良くやっているという状況であります。もちろん他にもメールもしょっちゅう、1日に何通もやり取りしていますので。

非常にそういう意味で楽しく、エキサイティングに一緒にやっていけていると。こんなことはですね、これまでインターネットの投資を行うということにおいては、私が積極的にクレイジーにアイディアを持って、なかなか話をする機会が社内にも外にも少なかったわけです。

まさにお互いが気心知れて、一緒に議論していけるというのは非常にすばらしいと感じました。本当に良かったと。これからもそういうかたちで継続していけるというふうに自分で心から確信を持てたので、今回そういうようなタイトルを発表したということであります。

ニケシュ:私の妻は、孫社長が電話をかけてくるのをあまり喜んではいませんけども、先ほども申し上げた通り、これまで9カ月間一緒にお仕事することができて非常に幸福に感じておりますし、私も彼にチャレンジをしてみたり、彼からチャレンジをされたりということで、グループとしてもよりよい議論ができるようになったと思います。

全く違う考えを持ち込んだり、社長から全く違う考えを持ち込まれたりということで、これまで通信のたくさんの時間をグーグルと、それからインターネットの企業でも非常に多くの時間を費やしてまいりましたけれども。

孫社長、それからチームもアジアについてよくご存知ということで、そのコンビネーションが今後我々にとって大きな意思決定に貢献できるのではないか、そういった意味で今後たくさんの起業家にもサポートができていくのではないかと思います。

Sprintの今後について「自信が深まってきた」

記者:野村證券のナツノです。2点ありまして、1点目はSprintなんですけれども、マルセロさんになって良い方向が見えてきているということだと思うんですが、また一方で財務的にはまだ純予算が下がり続けておりまして市場ではここを心配する声も、ウォールストリートではあるんですけれども、ここにどう対処されていくのか? というのが1点目です。

2点目はアリババなんですけれども、先日のカンファレンス交流を聞いていても、モバイルの課金化がどんどん進んでいくと、将来的にはPCよりも利益率がよくなるだろうと、ヤフーとは違うことをおっしゃっていて、非常に今後ソフトバンクの税引き利益を押し上げていくことは間違いないと思うんですけれども。

資産上の価値が上がるだけではなく、ソフトバンクの株主にとっても御社の税引き利益が増えるわけなので、例えば配当なり何らかの形で直接株主に還元できる手法はないのか? そのあたりについてはいかがお考えでしょうか?

:Sprintですけれども、3カ月前の決算発表のときと今日の私とでは、Sprintに対するコメントの表情がだいぶ違うというふうに感じたんじゃないかと思うんですけれども。正直な私の気持ちなんですね。

3カ月前の時にはご指摘の通り、今後Sprintがいったいどれほど借り入れ金を増やしていかなければならないのか? いつキャッシュフローだとか利益だとか、そういう面で反転できるのか? ということについて、私自身が確信を持てない、不安な部分がいっぱいありました。

しかし特にこの1カ月半、次世代のSprintのネットワークの設計に自ら深くかかわって。本当に毎日夜の2時くらいまでソフトバンクのネットワークのエンジニア、Sprintのネットワークのエンジニア、実際にSprintのネットワークのエンジニアが25人ほど3日くらい前から、この金土日、今日徹夜で来て我々のエンジニアと一緒に設計しております。

その中でSprintの次世代のネットワークについて、様々ないい感触を得たということで、私としてはだいぶ自分なりに方向が見えてきたと思います。数字で今コメントするわけにはいきませんけれども、腹の中の自信が自分の中で深まってきたということで、大変喜ばしいと思っております。

アリババについては先週取締役会が香港でありました。そこで次の10年について深く話したわけですけれども、本当にこれは楽しみな状況ですね。本当に良かったなあと。すでに世界で最大のeコマース企業になっておりますが、本当にこれが様々な角度で急成長できるという方向性がはっきり見えてきたと。

燃え盛る炎に薪を入れても、一瞬でさらに燃え盛るというような状況だと思いますが。いままさにアリババはそういう状況にあると。それをどう株主に還元するかと、その方法は何通りかありますけども。

今のソフトバンクから見ると非常に楽しみな成長のチャンスがいっぱいありますので、アリババも今成長の真っ盛りでありますので、今収穫期に入るよりはまだまだ伸ばしたほうがいいと。

アリババもソフトバンクもまだまだ今は、先ほどの30年サイクルで言うと、成長が止まって落ちていく時期には程遠いと思っております。今はそのほうが株主にとってはベターだと僕は思っているということです。他にはいかがでしょうか?

欧米を中心にネット業界の優れた人材を続々とスカウトしている

記者:読売新聞のサマタといいます。よろしくお願いします。組織論としてなんですけれども、社名変更の意図として、第2ステージに当たる象徴のものと見ていいかですとか。

経営陣の体制としてニケシュさんをNO.2、代表取締役副社長とするということでしたけど、今後の新ソフトバンクグループのほうの経営陣として改めて雇用するような外国人の方を増やしていくとか、何かお考えがあれば教えていただければと思います。

:ニケシュをNO.2として新ソフトバンクグループの世界戦略という体制をとるということが社名に象徴として表れいるわけです。ニケシュをNO.2として、また私の後継者候補の筆頭として、最も重要な候補として体制を整えたと。

私以上にニケシュはすばらしい人脈を持っておりますので、今アメリカ、ヨーロッパを中心にインターネット業界の優れた人材を続々とスカウトし始めていると。もちろんアジアを含めてですけれども。

この2、3年の間に、新しいソフトバンクグループのグローバル戦略の経営幹部を続々と増やしていきたいと。もうすでに始めておりますけれども、それを一気に強化していきたいというふうに思っております。

ニケシュ:今孫社長がおっしゃったとおり、グループというのは今後いろんなアセットを管理していく会社でもあり、最大のアセットは宮内さんがお持ちの国内の通信事業であるわけですけれども、孫社長が会長であられる事業ですけれども。国内の資産とそれから海外のアセットとそれはグループとして持っていくわけですが、実際のソフトバンクとしてブランドは日本国内で使われてきたと、これが今後宮内さんが率いられていく名前のところであると。

コンシューマービジネスとしては今後こちらの名前を使っていくと、今後グループのほうはさらに正しい方向性・資本を、後藤さんや皆さんと一緒に率いていくと言うことがグループの役割だと思います。そういったお金を今後の将来に投資をしていくということだと思います。

電気の自由化、電力の自由化はビジネスチャンス

記者:時事通信のイトウと申します。エネルギー事業についておうかがいしたいんですけれども、これまでの東日本大震災後、これまでの事業展開の総括をうかがいたいのと、それを踏まえて、来たる電力自由化に向けて、どのような事業戦略、構想を抱いているのかと。特に国内の電力需要というのは人口減のなかで縮小するとは思うんですけれども、その中でもビジネスチャンスというのはあると考えてらっしゃるのか、電力会社間の顧客の移動といいますか、顧客の流動が本当に起こるのかということについては、疑問をもっている人も多いと思うんですけれども、それについてどのような見解をいだいているのかを、おうかがいできればと思います。

:世の中が平穏無事なときには革新のチャンスというのはなかなか無いのですけれども、世の中が大きく切り替わるというときには新しいチャンスがうまれると。六十数年ぶりに電力の自由化が行われるということは、少なくともこれまで地域ごとに100パーセント独占されていた地域独占の電力市場が競争状況に入ると。

これは決定的なパラダイムシフトになり得るわけですね。そこにソフトバンクのチャンスがあると。各家庭で毎月支払う固定的な費用のなかに通信の費用と電気代の費用というのは、おそらく2大生活インフラの費用であろうと思いますね。そういう意味で我々は4000万人の人々から収入を得ているわけで、新たに多くのお客様に電気をセットで販売して、各家庭で電気と通信はひとつの支払いのなかで済ますことができるパッケージができるということには大きなチャンスがあるのではないかと考えるわけです。

そしてこの電気というのは新しい技術革新がこれから10年、20年、30年で起きうると私は考えております。スマートグリッドだとか、再生可能エネルギーだとか、色んな意味で新しい技術革新も起こりうると。そこにソフトバンクとしての挑戦しがいのあるチャンスがうまれると考えております。

いま一部報道でうわさされていることについて直接のコメントをするわけではないですけれども、電気の自由化、電力の自由化というのはソフトバンクにとってのビジネスチャンスだというふうに捉えております。

SIMロック解除は「総務省の方針通りに行う」

記者:フリーランスのイシノと申します。今日はさまざまなインターネット企業を買収してグループにしていくような戦略をお話されていましたけれども、そこはもうインターネット企業中心なのでしょうか、それともスプリントのような通信企業は視野に入っていないのかということを1点目でおうかがいしたいと思います。

2点目なんですけれども、モバイル事業に関してSIMロック解除が義務化されましたけれども、まだソフトバンクさんだけ手続きの詳細が発表されてませんけれども、SIMロック解除の義務化が業績に与える影響と、今後どのようなにしていくのかという点を教えていただければと思います。

:ソフトバンクが第二のステージとして世界に展開していきたい中心はインターネット企業への投資と、その戦略的グループ構成というのが中心になります。ただ、通信についても素晴らしいビジネス機会があれば、全くすべて目を閉じるわけではないと。よっぽど良い案件があれば、シナジーをとれるという案件があれば検討しないことはないと。

ただ、あくまでもインターネット事業を中心に拡大していくという形になります。SIMロック解除の件、国内でモバイルの純増だとか純減だとかの話がありますけれども、お互いに日本のいまのモバイルの顧客の実質的な純増、純減、あるいはSIMロックに関しては、ほとんどゼロサムゲームだなというところじゃないかと思います。

大きななにか変動が急激にやってくるという状況は考えにくいと、しばらくのあいだですよ。我々がボーダフォンジャパンを買収して、この事業に参入したときというのはモバイル・インターネットがはじまる前。今からはじまるというところにビジネスチャンスとして、急激な革新のチャンスとして業界がシャッフルすると。そこにビジネス機会を感じたわけですけれども、今はそういう状況というよりは、しっかりと今あるものを効率的にマネジメントして着実にピカピカに磨いていくということが今おこなうべき点であり、かつフリーキャッシュフローをしっかりと効率よくまわしていくと、まじめにしっかりとピカピカに磨いていくというのが今やるべきことだと。

もちろん各社が激しい戦いをし、真剣に勝負しているわけですから、手を抜くわけにはいかないですし、全力でお互いに競争しあうという状況にいまありますので、一切の手を抜いてはいけないと。SIMロック解除についても、各社がSIMロック解除、総務省の方針通りにいま行うと。我々も方針通りに、したがって行うという予定ではありますので、これまた先ほどのゼロサムゲームとほとんど変わらないという状況であります。

それでは、これで会見を終わらせていただきたいと思います。第二のソフトバンクの成長戦略、ぜひ世界のソフトバンクになるのを応援していただきたいと思います。ありがとうございました。