銘柄発掘|受注残126億円、高採算の「光デバイス装置」が伸びるデータセンター関連株
半導体製造装置向け部品が好調で業績予想を上方修正、3つの経路でデータセンター需要を取り込む技術商社
> 国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、ダイトロン(7609)を取り上げます。
半導体・電子部品の技術商社兼メーカー、2025年12月期売上高1,031.4億円
ダイトロンは、半導体・電子機器メーカーに部品や製造装置を販売する技術商社兼メーカーです。仕入販売に加え、顧客需要を生かした自社製品や、データセンター電源設備の設計・施工・保守も手掛けます。
2025年12月期の売上高1,031.4億円の商品セグメント別構成比は、GF事業を含む「電子機器・部品」が73.2パーセント、半導体などの加工・検査に使う「製造装置」が26.8パーセントでした。電子機器・部品で扱う主な商材は、産業用カメラなどの画像関連機器や、コネクター、ハーネスなどです。
また、この区分には、データセンター向け大型UPS(無停電電源装置)の設計・施工・保守を手掛けるグリーン・ファシリティー(GF)事業も含まれ、売上全体の7.1パーセントを占めます。注目したいのは、データセンター需要を取り込むのがGF事業だけではなく、製造装置や電子部品にも広がっている点です。
2029年に1兆7,817億円へ、データセンター需要を3つの経路で取り込む
国内のデータセンター向けコロケーション市場(サーバー設置スペースや電源などを提供する市場)は、2029年に1兆7,817億円へ、年平均12.9パーセントで成長する予測です。データセンターの新設・増設はUPSなど電源設備の需要拡大につながります。また、生成AIの普及に伴う高速・大容量通信ニーズの拡大を背景に、光デバイス分野の設備投資も活発化しています。
同社は、装置内で電力・信号を伝えるハーネスや、位置決め・外観検査に使う画像機器も供給しているため、データセンターの新増設で生じる需要を、施設(GF事業)、光デバイス製造装置、装置組み込み部品の3つの経路から取り込むことが可能になります。
データセンター向けUPS(無停電電源装置)を担うGF事業、受注残103.2億円・売上総利益率28.4%
第1の経路であるGF事業は、2025年12月期の売上高73.0億円を2026年12月期に91.8億円へ伸ばす計画です。2026年6月末の受注残は103.2億円です。
UPS本体に加え、電源設計、据付工事、稼働後の保守まで手掛けます。2026年4月から6月期の売上総利益率は28.4パーセントと、全社の21.7パーセントを上回りました。
データセンター光通信向け製造装置、受注残126.2億円で売上総利益率43.0%
第2の光デバイス製造装置は、光デバイスの切断・検査工程で使われます。データセンター向け需要を受け、2026年12月期上期の受注高は前年同期比87.3パーセント増の94.1億円、受注残は76.7パーセント増の126.2億円でした。
2026年4月から6月期の売上総利益率は43.0パーセントと高水準です。今後、積み上がった受注が同程度の採算性を保ちながら売上高に変われば、全社に占める高採算な製造装置の比率が高まり、利益率の押し上げ要因になります。
2026年12月期上期決算は半導体製造装置向け部品が伸び営業利益35.5%増
第3の経路は、半導体製造装置などに使われるハーネスや画像機器です。顧客の装置生産が増えれば、配線部品や検査用カメラの需要拡大にもつながります。
2026年12月期上期は製造設備向け部品などの販売が伸び、営業利益は前年同期比35.5パーセント増の50.5億円、営業利益率は7.6パーセントから8.5パーセントへ上昇しました。データセンター由来の部品売上高は非開示ですが、電子機器・部品の売上総利益増加が足元の全社増益を支えています。
通期営業利益を19.2%上方修正、3つの経路が時間差で成長を支える
こうした3つの経路からの需要は、すでに業績にも表れています。2026年8月3日には通期予想を上方修正し、売上高を5月公表の1,100億円から1,180億円へ7.3パーセント、営業利益を75.5億円から90億円へ19.2パーセント引き上げました。
上期は半導体製造設備向け電子部品や画像関連機器の販売が想定を上回り、電子機器・部品の売上総利益増加が全社増益を支えています。そこに、GF事業と光デバイス製造装置の受注残が今後売上に加われば、3つの経路が時間差で成長を支える形になりそうです。
今後の焦点は受注の利益転換|GF事業と光デバイス製造装置の伸びしろ
今後はGF事業と光デバイス製造装置の受注が、どこまで売上と利益へ転換するかが重要です。両事業が伸びれば、部品の販売数量だけでなく、設計・施工・保守による収益と高採算装置の構成比上昇でも利益を伸ばせます。
3つの経路が時間差で伸び、データセンター需要の拡大を継続的な利益成長につなげられるかが、同社の伸びしろを測るポイントになりそうです。
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タイムテーブル
・11:00〜11:05
オープニング
・11:05〜11:55
①ダイトロン(7609)
・12:00〜12:50
②サンクゼール(2937)
・12:55〜13:45
③ランドネット(2991)
・13:55〜14:45
④空港施設(8864)
・14:55〜15:45
⑤ソルクシーズ(4284)
・15:50〜16:40
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執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2026年8月20日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。
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