logmi Finance
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半導体関連銘柄に利益確定売りが広がる中、次に注目すべきセクターを、東証33業種のEPS成長率見通しから探ります。サービス業や景気敏感業種の先行きを確認し、「マネックス銘柄スカウター」を使った銘柄の絞り込み方も解説。メイテックグループホールディングスやファーストリテイリングを例に、配当収入と値上がり益のバランス、半導体株に偏ったポートフォリオを見直す視点をご紹介します。(※2026年7月9日収録のマネックスYouTube動画に基づく内容です)

半導体銘柄が下落…次に高成長が見込まれるセクターは?

山口慧太氏(以下、山口):マネックス証券のぐっち~こと山口慧太です。このシリーズでは、いま話題になっているニュースをきっかけに、投資や市場の動きをわかりやすく説明します。よろしくお願いします。

——先日、サムスン電子の決算発表などを受けて韓国の半導体関連株が大きく下落し、日経平均も引っ張られる状況が連日続いていました。一方、本日7月9日は、半導体関連銘柄を筆頭に日経平均が少し戻していますが、本日はどのようなテーマになりますか?

山口:6月末からこの数週間、半導体関連銘柄に売りが目立つ展開が続いています。一方で、この1ヶ月の相場全体を見ると、半導体を含む電機・電子機器や情報・通信セクターよりも、相対的に堅調なパフォーマンスを見せているセクターも存在します。

本日は、こうした物色の変化を踏まえ、今後注目すべきセクターや投資戦略について解説します。

この資料を作ったのは7月7日頃ですが、その時には日経平均が2営業日連続で1,000円を超える下落となっていました。今日7月9日は、まだ午前中の段階ですが反発しています。ただ、半導体関連については高値警戒感や利益確定売りといった調整局面にあると捉えています。そこで、違うセクターを見ていきましょうというのが今日のテーマです。

——サムスン電子は四半期業績として過去最高水準の発表だったにもかかわらず、7日の韓国市場では株価が急落しました。これはどのような要因によるものなのでしょうか?

山口:市場予想を上回る業績であったにもかかわらず下落したのは、これまで株価が過熱気味に上昇してきたことへの調整、そして2026年半ばという節目での利益確定売りが重なったためと考えられます。

もちろん、サムスン電子やキオクシアホールディングス、マイクロン・テクノロジーのように、半導体メモリ関連銘柄は依然として高い利益成長が見込まれており、予想PERで見れば割高とは言えません。しかし、年初からの急激な上昇に対する反動は避けられず、トレンドの変化が生じています。

より強気に見ていくのであれば、こうした半導体メモリ関連銘柄は、より高い成長が期待できることや、PERが低いことなど、投資判断の材料となる数字も見えています。攻めていきたい方は、このようなタイミングで買ってもいいと思います。

一方で、もう少しポートフォリオを分散したいという方もいると思います。それこそ、半導体株を持っている方は、株価が大きく上がったことで、自分のポートフォリオの中でも半導体株の比率が大きくなってしまったということもあるかと思います。

その場合はリスク分散の観点から、ほかのセクターの銘柄を買い足していくほうが、ポートフォリオ全体の下落を抑えやすくなります。ちょうど2026年も半年が経ち、ポートフォリオを点検するにはよいタイミングかと思います。

東証33業種のEPS成長率から注目セクターを探る

山口:こちらのグラフは、東証33業種について、2025年から2027年までのEPS成長率を示したものです。未来については見通しになります。2026年の成長率が高い順に、上から並べています。

石油・石炭製品については、エネルギー価格の上昇を反映して、2026年の利益成長が大きくなると見込まれています。一方で、海運業や空運業など、燃料費をはじめとするコスト上昇の影響を受けやすい業種では、2026年の利益が2025年よりも減少する見通しとなっています。

——サービス業は、どのような要因で今期のEPSが伸びる見込みなのでしょうか?

山口:国内のサービス業といえば、内需が中心になると思います。実感とは少しかけ離れている感じもしますが、国内消費は比較的堅調ですし、実質賃金も5ヶ月連続プラスで推移しています。

そのため、足元の中東情勢などによる逆風を受けているセクターと比べると、相対的に業績の見通しを立てやすいという見方ができると思っています。

——EPSの成長見通しは、どのように評価して投資対象としたらよいのでしょうか? 株価はEPSとPERの掛け算で決まるという考え方もあると思いますが、EPSの成長見通しをどの程度重視すればよいのでしょうか?

山口:株価を因数分解のように考えると、PER(株価収益率)とEPS(1株当たり利益)の掛け算と考えることができます。

このグラフのEPSの成長率見通しを見ると、その業種のEPSがどれくらい成長するのかがわかります。例えば、青色で示している2026年のEPSが、2025年比で50パーセント成長する見通しだとします。

先ほどの株価の因数分解の話に戻ると、EPSが50パーセント上昇し、PERが変わらないとすれば、理論上は株価も50パーセント上昇する余地があるという見方ができます。

このEPS成長率の見通しだけをもって投資戦略を立てるわけではありませんが、株価上昇への期待を考える材料の1つにはなると思います。

もちろん、PERは日々変動するものなので、EPSが上がったとしても、株価がそれに伴って上昇しないケースも考えられます。ただ、私たちのように予想を立てる側からすると、PERよりも利益成長のほうが比較的確度を持って見通しやすく、信頼したほうがよい材料なのではないかと思います。

こちらは、基本的にアナリストの予想をすべてアグリゲート、つまり集計したものです。それに基づいて戦略を立てるのであれば、こうした利益成長が期待できるセクターへのエクスポージャーを高めていくほうが、有利なのではないかと考えられます。

——EPS成長率の見通しが高い業種を絞り込み、今後の投資判断に活かすことも、1つの見方ということですね。

山口:そうですね。今は2026年の成長率が高い順に並べていますが、より先行きを見ると、黄色で示している2027年の成長率が高い業種が、下のほうにもあります。

例えば、輸送用機器や金属製品、パルプ・紙、繊維製品などです。このあたりは景気敏感に属するセクターで、2026年は中東情勢を背景とした原油高などが、業績の下押し要因の1つになっていたと考えられます。

来年にかけては持ち直してくるだろうという見通しが、こうした予想にも反映されていると推察されます。より長期的な目線で投資していく方は、2027年の成長率もチェックしながら投資判断をしていくのがよいと思います。

目標株価乖離率や配当利回りから注目銘柄を絞り込む

山口:今回ピックアップしたサービスや輸送用機器など、この2026年、2027年にかけてEPSの成長が見込まれているセクターを「マネックス銘柄スカウター」で見ていきたいと思います。

今回は「マネックス銘柄スカウター」の10年スクリーニング機能で、2027年に持ち直すと見込まれるセクターや、先ほどお話ししたサービス業、輸送用機器などを入れています。増益率やアナリストの評価、今期の会社予想など、さまざまな詳細条件を追加できますので、みなさまも気になる条件を選んでいただければと思います。

今回取り上げるのは、アナリストの評価です。アナリストは、「これくらいの株価が妥当な水準だろう」という目標株価を設定しています。ここでは、アナリストの目標株価と現在の株価との乖離率を見ていきます。

例えば、目標株価が1,000円で現在の株価が900円だとすると、マイナス10パーセントが示唆される指標かと思います。そのため、目標株価にまだ届いていない銘柄を確認するには、乖離率が0パーセント以下のものを見ていきます。

こちらでは27銘柄が出てきます。さまざまな銘柄がありますが、ここからは少し個人的な戦略の話になります。

半導体株のボラティリティが高くなっている局面で、ポートフォリオを分散したいと考えている投資家の方であれば、比較的ボラティリティが低いと考えられる銘柄や、割安と見られていて下値がある程度限定されやすい銘柄を選ぶのも1つだと思います。

そのため、配当利回りが高い銘柄や、今期の業績が堅調と見られる銘柄がよいと思います。

メイテックグループホールディングスは高配当と堅調な業績見通しに注目

山口:追加で予想配当利回りの条件も追加して、配当利回りが高い順に見てみます。

例えば、メイテックグループホールディングスはサービス業に分類される、技術者派遣サービスを手がける会社です。画面の右側中央あたりにチャートも出ていますが、株価は伸び悩んだあと、少し底打ちしてきたという動きが見られるかと思います。

今期の業績を見てみると、2027年3月期の会社予想は、おおむね市場コンセンサスに沿った堅調な見通しとなっています。

また、配当の大きさも気になるところだと思います。年間配当予想は1株当たり181円と、200円に近い水準です。そのため、1単元の100株を保有していれば、税引前で年間1万8,100円の配当収入が期待できます。

予想配当利回りも市場全体と比べて高い水準にあるため、注目してもよい銘柄の1つだと思います。

アナリスト予想も「マネックス銘柄スカウター」で確認できます。先の見通しを見ると、成長率がかなり高いというわけではありませんが、今年は3パーセント程度で、2028年には増益率がもう少し加速すると市場では予想されています。そのため、このような銘柄も注目してよいと思います。

とはいえ、アナリストの評価は中立なので、大きなキャピタルゲインを狙える銘柄とは見なしにくい一方、下値もある程度限定されると思います。

インカムゲインは期待できるため、ポートフォリオの中で配当収入を担う銘柄として保有し、半導体株などと組み合わせながら分散を考えていくという位置づけがあると思っています。

——それぞれの投資家によって、ご自身のポートフォリオの組み方があると思います。半導体関連株など、現在注目されている銘柄を保有して、積極的にキャピタルゲインを狙う方もいらっしゃれば、ポートフォリオを分散し、こうした銘柄を組み込むことで、1つの安心材料とすることもできると思います。

山口:そうですね。私個人としても、半導体は2026年の7月から12月にかけて、日経平均の上昇を主に担うセクターになると思っています。個人的な意見ではありますが、半導体株へのエクスポージャーは、しっかり取っていってよいと思います。

一方、足元では、キオクシアホールディングスなども値上がり幅、値下がり幅ともにかなり大きく、少し不安に感じている方も増えているのではないかと想像します。

キオクシアホールディングスは、昨年には2,000円弱だった株価が、直近では10万円近くまで上昇しました。そのため、保有している方は、ポートフォリオに占める比率が、昨年と比べてかなり大きくなっていることも考えられます。

そうした銘柄の値動きや、ポートフォリオ全体のボラティリティを、ちょうど四半期や半年が終わったタイミングで確認していただくのは、よい作業だと思います。

ぜひ、みなさまもご自身が投資している銘柄やポートフォリオの中身を確認する時間を取っていただければと思います。

ファーストリテイリングは半導体株の分散先となるか

——半導体関連銘柄が上がっている中で、ファーストリテイリングも大きく値上がりする場面があります。また、半導体株が下がっているときに、ファーストリテイリングが日経平均を支えるような動きもあると思いますが、現在はどのように見ていますか?

山口:ファーストリテイリングはオーナー企業で、直近5期では毎期増益を続けています。日本を代表する企業なので、株価も1単元で買うとかなり高いのですが、私のイメージとしては、比較的ディフェンシブ性が強く、商品へのニーズもかなり盤石だと思っています。

需要が急激に減ることは考えにくく、グローバルでもシェアを拡大していて、利益率もしっかり確保している企業だと思います。

株価が8万7,000円程と高額ですので、個人投資家の方は単元未満株サービスを利用して購入するほうが現実的だと思います。私自身は、少し高くて手を出しにくいと感じています。

利益率もしっかり確保できていて、ROEやROA、ターンアセットも、5年前と比べて向上しています。そのような財務面もしっかりしていますし、販売している商品への需要も、ある程度堅調に推移するだろうと思います。

さらに、グローバルでも事業を拡大しており、支持を広げています。こうした材料を見ても、株価は高いものの、市場から高く評価されている理由がわかると思います。

——半導体株を中心としたポートフォリオとして、ちょうどよい分散先だと考えられますか?

山口:分散という観点でも考えてよいと思いますし、よい銘柄の1つだと思います。半導体とはまったく違う分野ですが、ファーストリテイリングは日本を代表する企業です。国内株全体の上昇の影響も受けていると思いますが、やはり事業や財務の中身もしっかりしているため、買われているのだと思います。

半導体株の比率を確認し、ポートフォリオの分散を検討

山口:本日は、半導体株が少し売られる場面が散見される中で、ほかのセクターや業種にチャンスがないかというところを見てきました。

ちょうど2026年も半年が経ち、半導体株によって、みなさまのポートフォリオに利益が出ているのではないかと想像しています。

一方で、足元ではボラティリティも少し高まっています。そのため、このタイミングで必要に応じて戦略を見直すのもよいと思いますし、このまま保有を続けるという判断もあると思います。

まずは、ポートフォリオを確認する時間を取っていただくのが一番よいと思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。本日はご視聴いただき、ありがとうございました。

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