2026年6月期決算説明
フラー、通期売上高は前年並みも4Q単独で四半期過去最高を更新 27年6月期は大型案件寄与と営業施策強化で高成長へ
目次

山﨑将司氏:みなさま、こんにちは。フラー株式会社代表取締役社長の山﨑将司です。本日はお忙しい中、フラー株式会社2026年6月期通期オンライン決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
当社は2025年7月に上場し、2026年6月期が上場初年度でした。初年度の結果は、率直に申し上げて、決して順調とは言えないものでした。本日は、その結果と、ここから次の1年をどのように成長していくのか、その道筋についてお話しします。よろしくお願いします。
本日は、6つの章に沿って説明します。会社概要、成長戦略、2026年6月期通期の業績、2027年6月期通期の業績予想、定時株主総会の決議事項、最後にトピックスをお伝えします。
会社概要

フラーの概要です。当社は2011年11月に創業し、現在15年目の会社です。従業員数は、2026年6月30日時点で207人であり、前期末の190人から17人増加しました。事業は、デジタルパートナー事業の単一事業です。
主要株主として、ノーコードアプリを展開するヤプリと電通グループが挙げられます。両社とは資本業務提携を結んでおり、単なる株主ではなく事業面のパートナーです。本社は、千葉県柏市の柏の葉と新潟県新潟市の2拠点体制です。
経営理念

経営理念についてです。ユメとして「世界一、ヒトを惹きつける会社を創る。」、ミッションとして「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」、価値観として「頼られる存在になろう。」を掲げています。
デジタルパートナー事業

デジタルパートナー事業は、一言でいえば、スマートフォンアプリのデザイン・開発を中心に、企業のビジネスのDXを総合的に支援する事業です。
事業開発、デザイン、システム開発・運用、データ分析といったデジタル領域全般で頼れる存在として顧客に寄り添い、ともに新しい価値を創出する関係を築いていきます。これがフラーのスタイルです。
背景に使用している写真は、2017年にリリースした「長岡花火公式アプリ」です。クライアントワークの第1号案件でもあり、デジタルパートナー事業の原点です。リリースから9年以上が経過しましたが、現在も毎年改善を重ねており、2023年にはグッドデザイン賞を受賞しました。
沿革

沿革についてです。「自動車だったらトヨタ、家電だったらソニーといった、日本発で世界一といえる会社をITの世界でも創りたい」という想いのもと、高専出身のメンバーが茨城県つくば市のアパートの一室で創業しました。
2017年の長岡花火をきっかけにクライアントワークを開始し、2022年からは新卒採用を本格的に始めました。2024年6月に、ヤプリと電通グループとの資本業務提携を実現しました。そして、2025年7月に東証グロース市場に上場しています。
スライド右端のグラフをご覧いただくと、2026年6月期は前期とほぼ横ばいで推移していることがおわかりいただけると思います。これが今期の最大の課題であり、後ほど詳しくご説明します。
主なソリューションと特長

フラーのソリューションは、事業開発、デザイン、システム開発・運用、データ分析・App Apeの4本柱となっています。
「よいデザインを、あたりまえに。」

中でも、大きな差別化要因の1つがデザインです。フラーはプロジェクトの提案段階からデザイナーが参加し、初めから終わりまで一貫したデザイン思考を実践しています。
経営陣にデザイナーがいることや、デザイナー組織が充実していることから、デザインとエンジニアリングの融合を可能にしています。これが従来型のITベンダーとの大きな違いであり、他社が簡単にはまねすることが難しいポイントとなっています。
外部評価として、スライド右側に表示されている「長岡花火公式アプリ」や、日鉄ソリューションズとともに取り組んだ「なやさぽ」など、さまざまなデジタルプロダクトにおいて各種デザイン賞を受賞しています。
「フラーのデジタルノート」による情報発信

情報発信と人材についても簡単にご説明します。オウンドメディア「フラーのデジタルノート」では、6月末時点で総記事数が460本を超えています。現在も、月に6本から8本のペースで発信を続けています。
誠実な情報発信を心がけており、「フラーのデジタルノート」をお読みいただくことで、フラーの雰囲気や内情をご理解いただきやすいと思います。ぜひご覧ください。
「高専のフラー」のブランディング

もう1つの特徴は、全国の高専との連携です。共同創業者の4名はいずれも高専出身です。
創業以来、長期的な視野で「高専のフラー」というブランディングを続けてきました。採用実績のある高専は27校で、従業員に占める高専出身者の割合は23.7パーセントです。2026年4月に新卒で入社した19名のうち、13名が高専出身者であり、この連携が採用に貢献しているといえます。
成長の基本方針

成長戦略についてです。フラーの成長における基本方針は、大きく3つあります。
1つ目は、リソースの拡充として、チームメンバーの輪を広げることです。2つ目は、ソリューション能力の向上として、フラーのコアコンピタンスである「ものづくり」をさらに極めることです。3つ目は、販路の拡大で、多くの「ヒト」へ価値を届けていくことです。順にご説明します。
成長の基盤となる「ヒト」の確保

1つ目は、リソースの拡充についてです。フラーのビジネスは「ヒト」がすべてです。特にクリエイティブ人材の確保は、事業成長に必要不可欠です。
従業員数は2026年6月末時点で207人に達し、目標としていた200人を突破しました。平均年齢は31.5歳、平均勤続年数は3.9年です。若手中心の年齢構成で、さらなる拡大を目指します。
開発パートナーの活用

同時に、自社のリソースだけにこだわらず、開発パートナー企業も積極的に活用しています。フラーにない技術や能力を結集し、大規模プロジェクトの受注に対応します。社内リソースと社外リソースを柔軟に組み合わせることで、規模の拡大に対処します。
外部のサービスを積極的に活用

2つ目は、ソリューション能力の向上についてです。ここで重視しているのは、売上優先の自前主義に陥らないことです。ECや決済、AIツール、ノーコードツール、データ分析などの領域では、優れた外部サービスを柔軟に活用し、顧客にとって最良の選択肢を提供していきます。
よりよい“ものづくり”を実現するカルチャー

定期的に開催している社内勉強会や現場メンバー主体のAI活用を通じて、ボトムアップでソリューション能力の向上を図ります。もの作りに真摯に向き合うカルチャーは、フラーのコアコンピタンスとなっています。
販売ルートの拡大

3つ目は、販路の拡大についてです。2024年6月にヤプリおよび電通グループと資本業務提携を結びました。いずれも持分比率は20パーセント程度で、両社から社外役員を迎え、共同セミナーの開催や共同提案、相互送客を進めています。
ヤプリ・電通グループとの資本業務提携

2社と資本業務提携を結んだ狙いは、3社が連携することで、エントリー層から超大型プロジェクトまで国内のアプリ市場を包括的にカバーすることです。
ノーコードアプリのトッププレーヤーであるヤプリ、圧倒的なビジネス推進力を持つ電通グループ、フルスクラッチ開発を強みとする私たちフラーが協力します。
さらに、販売提携先についてはスライド右側にも記載のとおり、Studioや第四北越銀行、そのほか大手ITベンダーやコンサルティング会社などへ拡大を図っていきます。
以上が、成長戦略です。
決算ハイライト

ここからは、本日の中心である、2026年6月期通期の業績についてご説明します。
決算のハイライトについてお伝えします。2026年6月期の売上高は20億900万円で、ほぼ横ばいとなりました。営業利益は5,700万円で前期比マイナス69.9パーセント、当期純利益は1億3,200万円で前期比マイナス32.6パーセントです。
上場初年度は人員を増やしたものの、売上高が前期並みにとどまり、大幅な減益となりました。
2027年6月期の業績予想についてお伝えします。受注見通しなどの不確実性を考慮し、予想数値はレンジ形式で提示しています。売上高は26億円から27億2,000万円、前期比29.4パーセントから35.4パーセント増と、高い成長を見込んでいます。
以上が、ハイライトです。
損益計算書サマリー

前期の業績要因とそれを踏まえた今後の成長についてご説明します。まずは、損益計算書のサマリーについてです。
売上高20億900万円の内訳は、クライアントワークが19億700万円で前期比0.5パーセント増、アプリ分析サービスが1億100万円で7.6パーセント減となっています。上期に大型開発案件が一段落し稼働率が低下しましたが、下期には複数の新規開発案件に着手したことで、稼働状況が持ち直しました。
売上原価は12億8,300万円で、前期比11.1パーセント増加しました。これは、人員増による労務費の増加および外注費の増加によるものです。売上高が横ばいの中で原価が増加したため、売上総利益は7億2,600万円と、前期比で14.9パーセント減少しました。
販管費は6億6,900万円で前期比0.8パーセントの増加となり、前期並みに抑えることができました。上場に伴う諸経費や営業部門の増員による増加を、前期に計上した上場記念賞与の減少が相殺しています。
しかし、売上総利益の減少の影響が大きく、営業利益は5,700万円となり、前期比で69.9パーセント減少しました。経常利益は1億200万円で、前期比マイナス44.6パーセントとなりました。補助金収入5,700万円を計上したことで、営業利益と比べ、経常利益は前期比の落ち込み幅が緩和されています。
当期純利益は1億3,200万円で、前期比マイナス32.6パーセントです。繰延税金資産の積み増しによって法人税等調整額がマイナス3,100万円となったことが寄与しました。
2026年2月に公表した修正予想に対して、売上高の達成率は97.7パーセント、営業利益は103.9パーセント、経常利益は102.9パーセント、当期純利益は117.6パーセントとなり、修正予想から大幅な変動もなく着地しています。
四半期ごとの業績推移

四半期ごとの推移です。スライドは、一連の流れを最もよく表していると考えています。
売上高は、第1四半期が4億8,400万円、第2四半期が4億6,400万円と、期首から低調な推移となりました。これは、前期からの大型案件が一段落した影響です。
しかし、第3四半期以降、新規受注によって稼働状況が改善し、第4四半期には請負案件の納品などにより5億8,100万円を記録しました。四半期としては、過去最高の売上を計上しています。
売上総利益率は、第1四半期は33.8パーセント、第2四半期は32.5パーセントと大きく落ち込みましたが、第3四半期は38.2パーセント、第4四半期は39.3パーセントと回復し、前年通期水準の42.5パーセントに近づく改善傾向にあります。
人員増に対して売上が伸び悩んだ上期の状況が、下期から変わってきています。これは、明るい兆しだと受け止めています。
一方、第4四半期の営業利益率は2.7パーセントにとどまりました。売上は好調でしたが、新卒入社に伴う人件費や採用費、研修費用、営業人員の増強により販管費が2億1,300万円まで増加したためです。ただし、通期の販管費としては前期並みに抑制できています。
貸借対照表サマリー

貸借対照表についてです。現金及び預金は12億8,900万円で、前期末から6,500万円減少しましたが、事業規模に対して十分な水準を維持しています。
純資産は12億2,000万円で、前期末から2億3,100万円増加しています。当期純利益の計上、公募増資、新株予約権行使により資本金および資本準備金が増加した結果です。その結果、自己資本比率は66.9パーセントとなり、前期末から13ポイント上昇しました。
長期借入金の返済も進めており、財務基盤は極めて健全です。成長への投資余力も十分にあると考えています。
キャッシュ・フロー計算書サマリー

キャッシュ・フローについてご説明します。営業キャッシュ・フローは2,500万円のマイナスとなっています。減益と前期末に計上した上場記念賞与の支払いが要因です。
投資キャッシュ・フローは5億2,700万円のマイナスで、そのうち5億円は資金運用として定期預金に預け入れたものです。現金及び現金同等物の期末残高は7億8,900万円ですが、減少の大半は短期の定期預金への預け入れによるものです。手許流動性に懸念はありません。
業績に関する経営指標

業績に関する経営指標についてです。
クリエイティブ人材1人当たりの月間売上高は107万5,000円で、前期比マイナス10.6パーセント、1人当たりの月間粗利は38万8,000円、前期比でマイナス23.9パーセント、売上総利益率は36.2パーセントで前期比マイナス6.3ポイント、営業利益率は2.8パーセントで前期比マイナス6.6ポイントとなっています。
人材の確保は順調に進んだものの、それに見合う売上を創出できなかったことが減益の要因です。フラーのビジネスモデルでは、優秀な人材を迎え入れることに加え、それに見合う営業や販路の拡大をバランスよく進める必要がありますが、この期はそのバランスを取ることができなかったとご理解ください。
一方、スライドの中で特に注目いただきたいのは、クライアントワークの月平均顧客数です。前期の約34社から約41社へと増加しました。これは、提携先からの紹介や営業体制の強化により、新規取引先の開拓が着実に進んだ結果です。
月平均顧客単価は382万3,000円と低下していますが、顧客基盤そのものは確実に拡大しています。新規取引先は少額の取引から始まることが多く、そこから継続的に取引が拡大していきます。この点は、将来の成長につながる重要な先行指標と考えています。
人材に関する経営指標

人材に関する経営指標についてです。
期末の従業員数は207人で前期比プラス8.9パーセント、うちクリエイティブ人材は169人で前期比プラス11.2パーセントとなっています。クリエイティブ人材の割合は81.6パーセントで、当社が目安としている8割を上回る水準です。収益ポテンシャルの高い人員構成を維持できています。
採用投資額は1億7,800万円で前期比マイナス11.8パーセントとなりました。これは、新卒採用数の微減と採用業務の効率化によるものです。この採用投資がなかった場合の営業利益も前期を下回っていますが、事業採算としては一定の水準を確保できていると考えています。
以上が、2026年6月期の結果です。売上は横ばいにとどまり、大幅な減益となりました。人材基盤は整ったものの、その力に見合う売上を創出できなかった1年だったと認識しています。株主のみなさまにご心配をおかけしていることを重く受け止めています。
2027年6月期通期 業績予想

2027年6月期通期の業績予想についてお話しします。今後、どのように成長を目指していくのかをお伝えします。
2027年6月期の業績予想です。売上高は26億円から27億2,000万円で、前期比でプラス29.4パーセントから35.4パーセントの増加を見込んでいます。
営業利益は1億8,000万円から2億6,000万円、経常利益も1億8,000万円から2億6,000万円、当期純利益は1億3,000万円から1億9,000万円を見込んでいます。この売上の増加に伴い、営業利益率およびクリエイティブ人材1人当たりの月間売上高も大幅な改善が期待されています。
一方で、増収に伴う費用の増加も見込まれます。具体的には、人員増加による人件費、受注増加に伴う外注費、さらにAIサービスの利用費用の増加が挙げられます。これらを吸収した上でも、営業利益と経常利益は増益となる見込みです。
採用投資額は1億7,400万円で、2026年6月期からわずかに減少する見通しです。これは、2027年4月の新卒入社をやや抑制したためです。優れたメンバーを迎え入れ、それに見合う売上を拡大させながらバランスを取って進めていきます。
また、当期純利益はレンジの下限で見ると、2026年6月期に対してマイナス2.2パーセントとなります。
これは、繰越欠損金の利用が進み、繰延税金資産の取り崩しが想定されることによるものです。税引前段階では大幅な増益となり、事業としては明確な改善が見込まれるとご理解ください。
増収見通しの背景

高い増収見通しの背景を3つに分けてご説明します。
1つ目は、既存顧客や受注済み案件の通期への寄与です。2026年6月期に獲得した大型案件が、期初から通期で売上に寄与していきます。既存顧客や受注済み案件、アプリ分析サービスを通じて、期初時点で2026年6月期の売上高、すなわち20億円に相当する水準をおおむね確保できています。
今回の予想の基盤となっているのは、すでに手元にある積み上げからスタートしている点です。この点をご理解いただければと思います。
2つ目は、営業施策による販売力の強化です。積極的なアウトバウンド営業へのシフトを進めるとともに、提携先との連携をさらに強化していきます。
3つ目は、AIを全社的に活用することで、ソリューションの進化と拡大、さらにはAIに最適化した開発体制への移行を図ることです。
2つ目と3つ目については、次のスライドで詳しくご説明します。
営業施策の進捗と成果

2つ目の営業施策について、進捗と成果をお伝えします。これは、2026年6月期の下期に開始したものです。3つの施策について、現時点での進捗をご報告します。
施策①は、営業体制の強化です。従来の紹介・インバウンド中心の営業から、積極的なアウトバウンド営業へとシフトしています。そのために営業企画部門を新たに設置し、営業部門を5人増員しました。
また、関西、新潟、北海道に地域専任の担当者を配置し、営業部門にプロジェクト経験者を登用しました。計画どおりに増員を完了し、各地域で新規案件を受注しています。現在も大型商談が進行中です。また、プロジェクト経験者による提案により、新規受注も実現しています。
施策②は、業務提携先との連携強化です。各提携先との連携による商談が増加し、提携先経由で大型案件を受注しました。現在も開発が進行中です。具体的な案件についてはお伝えできないことをご了承ください。
施策③は、販路の拡大です。人的な関係だけに頼らず、よりスケーラブルな大手企業やプラットフォームとのパートナーシップを重視していきます。金融機関やプラットフォーム企業とのパートナーシップを通じて、新たな商談が生まれています。一部では共同提案も実施できており、現在も確度の高い案件が複数進行中です。
3つの施策は、いずれも着実に進展しています。2027年6月期ではこれらを継続・強化し、増収の実現につなげていきます。
事業拡大のためのAI活用

3つ目は、AIの活用です。
2027年6月期のフラーは、AIの活用に正面から向き合い、これまでの仕事のやり方そのものを変えていく覚悟で臨みます。フラーは、AI時代においても高い品質のもの作りを続けます。そのために、ソリューションの進化と拡大、AIに最適化した開発体制への移行の両輪で事業を拡大していきます。
1つ目は、プロダクトへのAI機能の導入です。顧客プロダクトへのAI機能搭載を推進していきます。
フラーは、これまで培ってきたもの作りの知見とデザイン力に加え、AI時代における良質なユーザー体験の提供を目指します。すでに複数の企業と取り組みを進めており、それらを事例として積極的に公開し、AIを機能として活用したい顧客のニーズに応えていきます。
2つ目は、事業領域の拡大をAIで加速させることを目指します。AIの活用により技術的な参入障壁が下がったことで、これまで得意としていたスマートフォンアプリを中心とする分野だけでなく、EC開発や他社が開発したプロダクトの引き継ぎ、古い技術の最新化など、より幅広いニーズに対応していきます。
こうした取り組みは、すでに進めているものもありますが、これらをさらに拡大していきたいと考えています。
3つ目は、AI活用人材の育成です。フラーの従業員の半数近くがエンジニア経験者であり、新卒入社の多くもエンジニアです。平均年齢が31.5歳という若手中心の構成は、AI活用人材として大きな伸びしろがあることを示しています。また、全社的に「Claude」を導入し、AIに関する実務的な知見を持つ人材の育成を急速に進めています。
4つ目は、開発工程のAIへの最適化です。ディレクター、デザイナー、エンジニア、データサイエンティストといった開発の全工程を担う職種が社内にそろっているという強みを活用し、企画・開発から運用までを見据えたAIに最適化した工程を構築していきます。これにより、高い品質を維持しながら、開発効率を向上させていきます。
このように、フラーはAIを活用することで人の力を最大化します。質と速度を両立したもの作りを武器に、さらなる事業拡大を目指していきます。
以上が、2027年6月期通期の業績予想です。
資本金の額の減少(無償減資)

9月28日開催予定の第16回定時株主総会の決議事項についてご説明します。
資本金の額の減少、いわゆる無償減資についてです。今後の資本政策の柔軟性や機動性の確保、さらに税負担の軽減を目的として、資本金9,900万円のうち6,900万円を減少させ、減資後の資本金を3,000万円とします。
無償減資であるため、純資産額や業績への影響はありません。また、発行済株式総数も変わりません。科目を振り替えるだけの手続きとご理解いただければと思います。効力発生日は2026年12月31日を予定しています。
なお、スライド右下に記載のとおり、本総会には株主提案に関する議案も含まれています。個人株主1名から、定款の一部を変更する議案が提案されました。提案内容は、上場維持基準への適合や企業価値向上計画の開示などを定款に定めることを求めるものでした。
これに対し、8月12日開催のフラー取締役会において、反対する旨を決議しました。定款は会社の根本規範であり、提案された各事項は、その時々の経営環境に応じて取締役会が機動的かつ柔軟に判断すべきだと考えています。
そのため、定款に固定的に定めることは、かえって中長期的な企業価値向上を損なう恐れがあると判断しました。一方、この提言の内容そのものは、フラーの持続的な成長を願う誠実な意見として真摯に受け止めています。今後の経営の参考にします。
提言の内容と取締役会の意見の詳細については、8月12日に公表している「株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ」をご覧ください。
取締役及び監査役の異動(2026年9月28日付)

取締役および監査役の異動についてです。定時株主総会後は、取締役6名(うち社外取締役3名)、監査役3名という体制となります。この変更の目的についてご説明します。
フラーは上場から1年が経過し、次の成長ステージを目指すため、経営陣の世代交代を行うこととしました。
AIの台頭を中心とした変化に対応する力と、意思決定のスピードを備えた経営体制を構築するため、事業部門のリーダーである林と技術部門のリーダーである伊津を新たに取締役として迎えることとします。
取締役の退任についてご説明します。退任するのは、渋谷、櫻井、宮毛、そして電通デジタルに所属する安田裕美子氏の4名です。いずれも、任期満了による退任です。
創業者である渋谷についてです。渋谷は取締役会長を退任し、顧問となります。取締役は退任しますが、今後は顧問の立場でフラーを後方支援していきます。
渋谷は創業者としてフラーを率い、多くの経営者との強い人脈を築いてきました。これまで培ってきた人脈と発信力を活かし、営業活動を中心にフラーの事業成長を後押しするトップセールスとしての役割を担ってもらいます。
櫻井と宮毛は従業員となる予定です。櫻井はデザイン領域の専門性を、宮毛は上場準備を通じて築いた経営管理の知見を、それぞれ引き続き発揮していきます。櫻井と宮毛はもともと従業員兼務の取締役であったため、取締役退任後も引き続き従業員として経営陣を支えていきます。
社外取締役の安田氏についてです。安田氏は電通グループ内の役割分担見直しに伴い交代となります。後任として、電通グループから新たに社外取締役をお迎えする予定です。
安田氏は取締役を退任することでフラーを離れることになりますが、電通グループとの資本業務提携は継続しています。そのため、提携先としてこれからもフラーを支援していただく予定です。
取締役の新任についてご説明します。まず、林浩之についてです。林は事業部門のリーダーとして長年、フラーデジタルパートナーグループのグループ長を務めてきました。
林は事業の中心に立ちながら、クライアントや実際に手を動かすメンバーと近い立場でデジタルパートナー事業を推進してくれました。その林の豊富な実績や経験、ビジネス全般に関する能力を、経営に活かしていきます。
伊津惇についてです。伊津は技術戦略を先導し、フラーが掲げるもの作りを支えるエンジニアリング基盤の確立に貢献してきました。そのエンジニアリングの実績や経験、能力、そしてAI技術の活用に関する豊富な知見を、経営に活かしていきます。
これにより、社内の取締役は私と林、そして伊津の3名となります。これまでの経営体制は、上場を確実なものにするための安定かつ堅実なものでした。この体制があったからこそ、上場という大きな目標を実現できたと考えています。
上場して1年が経過し、フラーが次に成長するフェーズでは、AIの台頭を中心に、市場の流れに柔軟に対応するため、変化への対応力と意思決定のスピードを備えた経営体制を目指していきたいと考えています。
また、社外取締役として新たに吉岡真氏をお迎えします。吉岡氏は安田氏と同様に、電通デジタルの執行役員です。電通デジタルではビジネス領域を管掌し、営業や事業開発の豊富な知見と経験をお持ちの方です。
安田氏に続き、両社をつなぐパイプ役として、電通グループとの関係強化を後押しいただくとともに、ビジネス領域の知見を活かした経営への助言をいただけることを期待しています。
また、社外監査役の塚本氏から一身上の都合により、総会の終結をもって辞任する旨の申し出をいただいています。
以上が、取締役および監査役の異動についてです。フラーは、この新しい体制で前進していきます。
2026年6月期における制作事例

この1年のトピックスを簡単にご紹介します。まず、2026年6月期の制作事例についてです。主に、大手企業向けにさまざまなデジタルプロダクトを支援してきました。
スライド左側から順に見ると、サツドラホールディングスのグループ会社であるリージョナルマーケティングの「EZOCAアプリ」、オルビスの「ORBIS公式アプリ」、花王の「Kaoコレモ!」、三菱地所の「みなとみらいポイントアプリ」といったスマートフォンアプリがあります。
さらに、三菱地所ハウスネットの営業支援ツール「MirCA」というタブレット向け業務用ツール、日本放送協会の「NHKプラス」というテレビ向けアプリ、フジ・ネクステラ・ラボの「FOD SHORT」など、スマートフォンアプリの枠を超えてソリューション領域を着実に拡大できた1年でした。
多くのプロダクトは、どなたでもお使いいただけるものとなっています。ぜひお手元で触れていただき、フラーがみなさまに提供している価値を体験していただければ幸いです。
2026年6月期に公表したアプリ調査レポート

アプリ分析サービス「App Ape」のデータを活用した調査レポートについてお伝えします。
2026年6月期には年間で31件を公開しました。生成AIアプリの市場調査や都道府県別のレポート、年代別のレポート、アプリ市場白書など、話題性の高いテーマを積極的に取り上げました。こうした発信が、「アプリのフラー」というポジションを支えています。
業務提携の状況

業務提携の状況です。
ヤプリとの取り組みでは、相互送客に加えて、ヤプリとフラーのソリューションを組み合わせた提案を行っています。また、ヤプリのサービスであるWeb構築プラットフォーム「Yappli WebX」を活用したWebサイト制作のデザイン業務をフラーが推進しています。
電通グループとの取り組みでは、電通デジタルとの複数の共同プロジェクトが年間を通じて収益に貢献しています。また、電通グループのクライアント企業向けに共同提案を継続的に実施しています。
共同セミナーの開催や、電通デジタルのオウンドメディアへの掲載、電通総研のWebサイトでの取り組み紹介など、電通グループ各社のネットワークを活用した情報発信も進めています。資本業務提携を通じて、収益貢献は年間を通じて拡大しています。
次期以降の事業成長を目指し、この取り組みを継続・強化していきたいと考えています。
AI関連の制作事例

AI関連の制作事例を1件ご紹介します。東急株式会社と協力し、地域コミュニティアプリ「common」にAIを活用したニュース配信機能を追加した事例です。
StoryHub株式会社と連携し、地域に点在する情報をAIで収集し、編集して必要な人に必要な地域情報をタイムリーに届ける仕組みを構築しました。また、ユーザーの登録エリアや興味に合わせて記事をカスタマイズして表示できるようになっています。
フラーは東急株式会社のデジタルパートナーとして、機能追加に伴うデザインや開発を伴走支援しています。
先ほどお伝えしたプロダクトへのAI機能導入の具体的な第一歩であり、事例の1つです。このプロダクトは、東京を中心に関東の多くの地域で活用されていますので、ぜひお手元で触れていただければ幸いです。
以上が、2026年6月期通期の業績と2027年6月期の見通しです。
山﨑氏からのご挨拶
上場初年度の結果は、大幅な減益となりました。人材という基盤は整ったものの、その力に見合う売上を創出できなかったことは重く受け止めています。
しかしながら、変化の兆しは確かに見られます。2026年6月期下期に売上総利益率が回復し、第4四半期は請負案件の影響も含め、四半期として過去最高の売上を計上しました。また、顧客数が増加しており、顧客基盤も拡大しています。
下期に打ち出した営業施策は、着実に成果を出し始めていると考えています。2027年6月期は、期初時点で2026年6月期の売上高に相当する水準を確保しています。
フラーは、AIの進化を追い風に、これを成長の機会に変えていきます。そのために経営体制を刷新します。売上高を26億円から27億2,000万円、営業利益を1億8,000万円から2億6,000万円とする見通しを実現し、この結果を株主のみなさまの信頼にお応えする唯一の道と考えています。
「世界一、ヒトを惹きつける会社を創る。」という目標に向けて、誠実かつ着実に歩んでいきたいと考えています。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
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