2026年12月期第2四半期決算説明
モダリス、「MDL-101」のIND申請に向け主要マイルストーンが前進 2026年末から2027年1Qの申請を目指す
会社概要(2026年6月末現在)

森田晴彦氏(以下、森田):おはようございます。株式会社モダリス代表取締役CEOの森田です。2026年12月期第2四半期の決算説明会を開催します。どうぞよろしくお願いします。
初めてご参加いただく方もいらっしゃるかもしれませんので、まず企業概要について簡単にご説明します。その後、第2四半期のアップデートをお話しします。
株式会社モダリスは、スライドに記載のとおり、2016年1月に設立され、約10年の歴史を持っています。東京証券取引所に上場しており、本社は日本にあります。また、米国法人としてマサチューセッツ州ウォルサム市に研究所を構えており、そこで研究開発を行っています。
当社の事業内容は、遺伝子治療薬の製造です。エピゲノム編集技術を使い、遺伝子治療薬を開発しています。メカニズムとしては、有益な遺伝子をオン、有害な遺伝子をオフにすることで治療効果をもたらすことを目的としています。
MODALIS バリューハイライト

スライドに、当社のバリューハイライトを複数挙げています。まず左側からご説明すると、当社のプラットフォーム技術である「CRISPR-GNDM」技術は、DNAを切断することなく、遺伝子の活性化および抑制(サイレンシング)を行うことにより、遺伝子治療の効果をもたらすものです。
このようなCRISPRを用いたエピゲノム編集のメカニズムで治療薬を作る会社として世界で最初に設立され、現在はその認証に向けて開発を進めています。
特に、当社が注目しているのは神経筋疾患領域で、4つのパイプラインを保有しています。さまざまな動物種で有効性と安全性が確認されています。リードプログラム「MDL-101」はINDに向けて進捗中です。
この技術の優位性、すなわちこの技術がなぜ必要であり重要であるかという点についてですが、まずDNAを切断しないことが挙げられます。ゲノム編集ではDNAの二重鎖切断が行われますが、この切断を起こさないことで、安全性がもたらされます。
また、こちらは長期的な発現制御が実証されており、組織選択的デリバリーを確立しています。加えて、強固な知財ポートフォリオによって保護されており、経験豊富なチームが開発しています。
CRISPR-GNDMの作用機序

技術の概要についてです。エピゲノム編集の分子がどのように作用するかを示したスライドで、3つのコンポーネントで構成されています。
1つ目は「ガイドRNA(gRNA)」と呼ばれるもので、ポインターの役割を果たし、DNAの特定の場所に結合します。
2つ目は「dCas9(ディーキャスナイン)」で、バインダーの役割を果たします。もともとは「Cas9」がゲノム編集の文脈ではゲノムの二重鎖切断を行う切断酵素でしたが、これを改善して切断活性をなくし、代わりにバインダーとして使用します。
3つ目は活性本体であり、エピゲノムを編集する「エピゲノムエディター」です。転写を活性化するパーツや抑制するパーツとして用いることで、遺伝子の転写制御を行います。
悪い遺伝子が過剰に発現していることで起こる病気に対してはサイレンシングし、反対に遺伝子が発現しないことで生じる病気に対しては活性化させることで治療します。この技術は、「ガイド核酸誘導型制御(Guide Nucleotide-Directed Modulation)」の頭文字を取って「GNDM」と呼んでいます。
薬剤投与から薬効までの3段階

これをAAVに封入して目的の臓器に届けることで、選択性が確保されます。この選択性についてご説明します。
1つ目は、組織選択的なAAVを使用することで、特にターゲットとしている筋肉疾患において、筋肉により選択的に届けることが可能になります。
2つ目は、GNDM分子がDNAの形でコードされてAAVに封入されており、筋肉に特異的なプロモーターの制御下で発現する仕組みになっています。このため、筋肉まで届くと選択的に筋肉で発現し、他の臓器に少量届いた場合ではほとんど発現しないようになっています。
3つ目は、先ほどの「ガイドRNA」によりDNA上の特定の場所に結合させます。この3段階の選択性を持たせることにより、目的の遺伝子にピンポイントに作用し、転写を上げたり下げたりできることが特徴です。
当社のコアコンピタンスはGNDMペイロード

我々のコアコンピタンスは、GNDM分子を作るペイロードと呼ばれる、ウイルスベクターの中身を製造する技術です。これは知財で保護されています。
さらに、どのようなターゲットに対して開発を行うべきかというターゲット選定ノウハウ、実際にペイロードを作り出す創薬エンジン、そしてペイロードをどのようなキャプシドと組み合わせれば最適な活性や薬効を発揮し、安全性を実現できるかといった選定力が挙げられます。
これによりペイロードを作り、各種コラボレーターが製造するベクターと組み合わせ、優れた遺伝子治療薬を生み出すことが我々の強みであると考えています。
Our vision:Every Life Deserves Attention

これによる効果の特徴としては、まず、我々はDNAを切断したり、DNAに変化を加えたりしないという点です。遺伝子を転写レベルで制御するだけであるため、安全性が高いと言えます。また、単回投与で済むにもかかわらず、効果が年単位で持続します。さらに、その効果は対症療法ではなく、病態の根本的な改善をもたらす点が特徴です。
遺伝子治療薬の承認状況

アメリカで承認された遺伝子治療薬についてです。今年に入ってから遺伝性難聴に対する治療薬が承認を受けています。2017年を起点として、その後も次々と遺伝子治療薬が市場に投入され続けています。
注目すべきは、表の3番目のカラムに記載している薬価です。高い効果とその持続性が評価され、日本円で3億円や4億5,000万円といった高額な薬価が設定されているものもあります。これは、遺伝子治療薬の効果がもたらすインパクトを反映していると考えています。遺伝子治療薬はこのような薬価がつく可能性があることをここでお伝えしています。
エピゲノム編集の競合環境

我々が取り組んでいるエピゲノム編集は、創業当初の2016年に当社が最初にこの分野に挑戦しましたが、その後、さまざまな企業が続々と設立されています。その中でも当社が高度に差別化されている点は、他社が主に遺伝子のサイレンシングに重点を置いているのに対し、当社は遺伝子の活性化に特に注目して取り組んでいることです。
遺伝子のサイレンシングについては、他のモダリティでも実現可能です。遺伝子レベルでできなくても、例えばタンパクが生成された後の段階で、抗体やスモールモルキュール(低分子化合物)を用いて抑制することは比較的容易に実現できます。
しかし、発現していない遺伝子を補完するという観点では、さまざまな技術がある中でも選択肢はかなり限られます。特に、後ほどご説明しますが、対象となる遺伝子が比較的大型の場合、当社のエピゲノム編集のようなアプローチでなければ治療が難しいことがあります。
このように、当社の技術が唯一無二として活躍できる分野に注力していることが、当社の特徴であると考えています。
INDEX

後続のパートでは、第2四半期の事業状況、財務状況、成長戦略、最後にまとめとQ&Aという流れで進めていきます。
1. 第2四半期のトピックス

最初に、事業の状況です。第2四半期のトピックスとして、「MDL-101」の開発状況と今後の見通しについて、見通しがクリアになったことをご報告します。次にその他のプログラムとして筋肉疾患やその他の疾患を対象としたプログラムについて簡単にご説明し、続いて財務の状況やその他事業の状況についてお話しします。
パイプラインの状況

パイプラインの状況を簡単に振り返ります。スライドに青色で示している神経筋疾患を中心に開発を進めています。また、緑色で示している筋疾患の一種である心筋症、黄色で示している中枢神経系疾患はコラボレーションを通じて開発を進めています。
特に今回お話しするのは、表の一番上に記載しているリードプログラム「MDL-101」です。臨床に向けた状況が非常にクリアになったため、その状況および今後の見通しについてご説明します。
LAMA2-CMD(別名:CMD1A, 先天性筋ジストロフィー1A型)

簡単にこの病気についてご説明すると、「MDL-101」はLAMA2-CMDまたはLAMA2-related disease、最近はRDとも呼ばれますが、これに対する治療薬です。
この病気は非常にレアで、染色体の両アレルに変異や欠損が生じることで発症します。そのため発症確率は低く、100万人に8.3人とされています。米国では、2,000人から2,500人ほどの患者さまが罹患していると考えられています。重篤な病気であり、思春期を超えて生きられない患者さまが多いとされています。
この病気は、スライド左下の小さな図に示していますが、筋肉細胞の外側に存在するLaminin(ラミニン)と呼ばれるタンパク質について、ヘテロ三量体の1つのタンパク質をコードする遺伝子に変異が生じることで発症します。
その結果、筋肉に機能不全や異常が生じ、筋肉が動かなくなるなどの症状が現れます。これは骨格筋だけでなく、心筋や横隔膜にも影響を及ぼし、呼吸や心臓の機能にも深刻な影響を与えます。
CRISPR-GNDMの作用メカニズム

「なぜこれをエピゲノム編集でアプローチしなければならないか?」ということで、これは説明会のたびに繰り返しお伝えしているところですが、ターゲット遺伝子であるLAMA2は非常に大きな遺伝子です。そのサイズは9キロベースで、アミノ酸で3,000以上を含む大きさです。
ウイルスベクターは約4.7キロベースしか収容できないため、これをウイルスベクターに封入して届けることはできません。
これに対し、LAMA2遺伝子には、LAMA1と呼ばれる姉妹遺伝子が存在します。おそらく進化の過程で重複して生じた遺伝子と考えられており、構造および機能の両面で類似していることが証明されています。
タンパクを用いた動物試験において、組み換えにより作られたLAMA1の機能を用いることで補完が可能であることが示されています。継続的に治療が必要となるため、治療としては現実的ではありませんが、この方法が有効であることが証明されています。
LAMA1遺伝子は、スライド中央の図に示しているように、通常ほとんどの患者さまではコードされているものの、筋肉細胞内ではサイレントな状態、つまり眠っている状態です。これをエピゲノム編集のアプローチで起こし、失われたLAMA2の機能を補完します。
この手法によってLAMA1が筋肉細胞内で転写的に活性化し、LAMA1タンパクが生成されます。そして、筋肉細胞の外側にあるLaminin複合体に組み込まれて機能するというのが、当初の作用仮説です。
病態モデルマウスにおける体重、握力、生存曲線、ヘルススコアの改善

実際に我々が直近で実施したIND-enabling試験、つまりINDを実現するための試験において、作用仮説どおりに機能することが示されました。
この試験は病態モデルマウスを使用した実験であり、患者さま同様にLAMA2遺伝子が両アレルにおいて欠損している重篤なモデルを対象としました。スライド左側のグラフに示している青色の線のとおり、マウスは約300日で100パーセント死亡し、非常に重篤な症状を示します。
一方、当社の「MDL-101」を用いた試験においては、「m」を頭につけていますが、これはマウスサロゲートであり、マウス用に設計したものです。このサロゲートを用いた試験においては、スライド左側のグラフにあるように、生存率が大きく改善しました。
低用量・中用量・高用量の3用量で治療したところ、中用量以上では300日経過後も生存率が9割維持されることが確認できました。
これは別の試験でも同様の内容を検証しており、マウスの寿命の約2年に達する場合でも、この作用が持続することが確認されています。つまり、長期間にわたって効果が持続するということです。
スライド中央のグラフは、握力を測定する装置を用いた試験結果を示しています。こちらでも用量依存的に握力が回復していることが確認できます。オレンジ色で示している正常なマウスほどの握力回復には至っていませんが、握力の改善により、マウスが試験中に金網などにしっかりとつかまることが確認されています。
スライド右側には、体重と健康スコアのデータを表示しています。体重は筋肉量を一部反映しており、用量依存的に体重が回復することが示されています。また、健康スコアも用量依存的に改善が見られることが、マウスモデルを通じて確認されています。
こちらも解析が完全に終了し、機能改善や生存改善の背景には、GNDM分子とLAMA1タンパクの発現が裏づけとして明確に確認されています。
MDL-101:IND申請に向けた主要マイルストーンが前進

今回の重要なポイントとして、IND申請に向けた主要なマイルストーンが前進したことをお伝えします。今共有したように、マウスを用いたIND-enabling試験が完了し、成功裏に薬効が確認されました。
次に、データは示していませんが、前回の四半期でお伝えしたNHP(サル)の追加検証試験が完了し、その結果、臨床移行を支持する結果が得られました。
この背景としては、以前にサルを対象とした試験を行った際、臨床移行において一部障害が生じる可能性があることが判明しました。ただし、これは治療薬そのものの問題ではなく、前処置プロトコールに起因するものでした。
投与するものや投与方法には一切変更がありませんが、免疫抑制剤やその投与タイミングといった前処置プロトコールを最適化する必要がありました。
我々のデータにばらつきが見られたため、その原因をしっかりと検証するために、複数のCROで同じ試験を実施しました。その結果、2つのCROにおいても、新しいプロトコールで問題が解決されたことが確認できました。
このことにより、前処置の最適化が重要であったことが検証され、これを導入した上で、今後のサルの試験および臨床試験を実施する場合に用いるプロトコールの確認ができました。
3番目の項目についてですが、治験に進むためには製造が重要な要素となります。GMP製造については、INDに向けてスケジュールがかなりクリアになり、それを踏まえて、まずGLP毒性試験を追加試験として実施します。
先ほどの検証試験の結果を受けた一部追加試験について、すでに実施に向けたシーケンス(手順)に入っています。9月上旬に投与を開始し、3ヶ月データで申請可能と当局と相談の結果確認していますので、12月に出てきたデータを基に申請を行う段取りとなっています。
また、製造もINDには重要な要素です。現在、plasmid(プラスミド)のGMPが進行中であり、これを活用してAAVのGMP製造を行います。この製造は第3四半期に開始し、年内に完了する見通しです。
さらに、治験を実施するためには治験実施機関とのアラインメントが重要ですが、現在、この点についても遅滞なく進んでいます。候補機関および治験担当医師とアラインメントを実施しており、INDのクリアランスが完了次第、速やかに治験を開始できるよう準備を進めています。
したがって、1番目の薬効に関する事項、2番目の毒性試験に係るNHP追加検証が確実に終わり、GMP製造を含むINDに向けた実行計画が具体化したことが、この第2四半期における大きな成果となりました。
結果として治験申請をどの時期に実現できるかについてですが、現在律速となっているのがNHP追加試験です。この試験は9月から投与を開始し、その3ヶ月データを基に治験申請を行う予定であり、申請は年内もしくは年明け頃になる見通しです。このタイムラインについて、会社としては非常にクリアな展望を持つことができています。
MDL-101:IND申請に向けた主要ワークストリーム

こちらは同じ内容を別の表現で示しているため、詳細は触れませんが、ワークストリームとしては、薬効、非臨床の毒性試験、製造、臨床準備の4つが現在臨床に向けて着々と進行しています。
MDL-101:IND申請に向けた今後の主要マイルストーンと見通し

先ほどのスライドでご説明したタイムラインを別の表現で補足していますが、先ほどのワークストリームに基づき準備を進めています。
結果として、INDのターゲットとして、特に律速段階となっているサル試験の結果が12月に得られる予定ですので、このデータを申請パッケージに組み込み、年内もしくは来年の第1四半期に提出できればと考えています。スライドの図に赤色の帯で示しているあたりをINDの申請ターゲットとしているというのが、現在の会社の見通しです。
MDL-101-001 臨床試験のデザイン

これを受けて実施予定の臨床試験のデザインについてご説明します。この治験デザインは、大まかに2用量で実施し、低用量で3人、高用量で3人、それぞれ実際の治験薬を投与する計画です。
現在自然経過観察試験(Natural History Study)が3つ進行中で、投与していない患者さまの病態の推移が明らかになっています。
我々のさまざまな治験のリードアウトはこれらと整合するかたちでデザインされており、投与して効果があれば、自然経過観察試験と比較することで、その効果を検証することができるだろうと見立てています。
治験の対象は5歳以下で、遺伝子検査において両アレルに病原性変異を有する患者さまです。さらに、重度のLAMA2の欠損に伴う臨床的な表現型があり、自立歩行または座位の維持が困難な患者さまということで、この点については若干あいまいな部分があるものの、そのような症状を含む患者さまが対象となります。
また、AAVを使用した遺伝子治療薬特有の条件として、AAVに対する抗体が陰性の患者さまが対象になります。
開発の優先順位と主要マイルストーン

開発の優先順位と主要マイルストーンについてです。現在、当社は会社のリソースの9割以上をリードプログラムである「MDL-101」に投下しています。
このプログラムを強力に推進し、2028年後半には条件付き承認申請を目指しています。詳細はスライドに記載していますが、まず2026年末から翌年初頭にかけて治験申請を行い、治験を開始できる状態にします。そして、2027年前半には初回の患者さまへの投与を実現します。
2027年後半には、最初に投与した患者さまの臨床データが得られ、安全性や何らかの薬効情報が確認できる可能性があります。さらに、2028年前半には臨床的PoCを実現できるのではないかと考えています。その結果を受けて、同年の後半には条件付き承認申請を目指すというタイムラインを描いています。
このプログラムに9割のリソースをかけて集中する理由についてお話しします。まず1つ目は、プログラムのバリデーションだけでなく、当社の「CRISPR-GNDM」というプラットフォーム技術そのもののバリデーションを行おうとしており、LAMA2-RDはそれに最適な疾患であると考えているためです。
2つ目の理由としては、これにより開発や規制の道筋を確立することを目指しています。これがモデルケースとなり、どのように当局対応を行うべきか、また製造プロセスをどのように確立するべきかを明らかにすることが可能となります。
3つ目の理由としては、これにより後続に控える大型の神経筋疾患への拡大が加速することができます。「MDL-101」で築いたハイウェイにより、後続のプログラムがより速く走れるような道筋を作れると考えています。
そして、スライド右側に示しているとおり、パイプラインを拡大する機会が得られると考えています。後に3つの神経筋疾患が控えています。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、筋強直性ジストロフィー1型(DM1)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)に対するものです。
さらに、中枢神経系疾患であるタウオパチー、アンジェルマン症候群あるいはドラベ症候群に対するパイプライン拡大の機会が、大きなアップサイドオポチュニティーとして後に控えているということです。
Pipeline Update

その他のパイプラインのアップデートです。すべてについてご説明するわけではありませんが、一番上の「MDL-101」については、前段でお伝えしたとおり、年末から来年初頭にかけてINDの申請を進める予定で、準備が着実に進行中です。
また今回は、タイミングに関する視認性が大幅に向上し、さまざまな必要試験の準備がすでに進められています。あとは試験結果を待ち、それを治験パッケージに組み込むだけとなっています。
後続のプログラム「MDL-201」については、DMDに対するもので、現在ある企業とのコラボレーションの準備を進めています。この準備に基づき、サルによる試験を含め、限定されたリソースの中できちんと進められるよう取り組んでいます。
「MDL-202」はDM1に対するもので、こちらもコラボレーションを通じて現在開発を進めています。「MDL-103」はFSHDに対するもので、グラントの資金を活用し、動物の病態モデルにおける薬効検証が進んでいます。次のステップに向けて、着実に開発が進行している状況です。
また、将来の可能性として、中枢神経系疾患や心筋症に対するプログラムがあります。これらはまだ探索段階ですが、JCRファーマとの戦略的提携に基づき、同社の優れたキャプシドと当社のペイロードを組み合わせた検証を進めており、このようなところでも拡大の機会が期待できます。
ASGCTおよびFSHD Society 2026 International Research Congressにおけるデータ発表

前四半期において、2つのプログラムに対して3件の学会発表が行われました。米国遺伝子細胞治療学会(ASGCT)では、DM1に関するプログラムについて、コラボレーターであるAffinia Therapeutics社と共同で発表しました。同社のキャプシドと当社のペイロードを組み合わせることで、DM1に対する優れた薬効を示す成果を報告しています。
また、FSHDに関するプログラムについては、先ほどお伝えしたとおりグラント資金を活用して薬効の検証を行い、その成果をASGCTで発表しました。さらに、FSHDのプログラムについては、他に「FSHD Society 2026 International Research Congress」でも薬効に関する報告を行っています。
現在は特に「MDL-101」にリソースを割いて開発を進めていますが、後続のプログラムもさまざまなかたちで多様なコラボレーターと提携しながら、着実に準備を進めている状況です。
2026年 第2四半期末 財務状況(貸借対照表)

財務状況についてお話しします。第2四半期末の6月末時点で、約30億円の現金および現金等価物を保有しています。これにより、リードプログラムである「MDL-101」を臨床試験に進め、さらにその先の開発を進めるための十分な資金が確保されていると考えています。
2026年第2四半期末 財務状況(損益計算書)

P/Lについては、短信開示の後に一度修正を行いました。混乱を招いてしまい申し訳ありません。第1四半期および第2四半期で10億円弱の事業費用がかかっており、その中には約9億円の研究開発費が含まれています。
これに伴い、上半期は9億8,900万円、つまり約10億円の営業損失となっています。これは昨年とほぼ同様の水準で、研究開発の進捗に伴い、このような費用が現在かかっています。下半期も同じようなペースで進捗し、年間でこの倍程度の水準に着地する見通しです。
臨床PoCの実現と持続的な成長に向けた資金戦略

現在、ワラントを使用した資金調達を進めています。その背景について、スライドに記載しています。ポイントとしては、まず引き続き臨床に向けて、さらにそれを超えて開発していくため、継続的に大規模な資金が必要となることは確実です。
今回のファイナンスについては、手元資金が30億円ある状況で、さらにリードプログラムである「MDL-101」のPoC実現のため追加の資金が必要となります。いろいろな問題が発生した場合に備えて、十分な資金手当をしておきたいという理由があります。
また、「MDL-101」によってもたらされるプラットフォームの検証は、後続のプログラムにおける大きなアップサイドの機会を生むと考えています。これをより着実に前進させるための資金手当を行いたいという意図があり、今回の資金調達を実施しました。
ご案内のとおり、資金調達の手段として普通社債3億円と、新株予約権24万個(2,400万株相当)を発行しました。投資家がこれを行使することで、資金が段階的に供給される仕組みです。
これにより、我々が実現しようとしている第1の目標として、「MDL-101」プログラムの臨床PoCを実現させたいと考えています。
さらに、後続プログラムへの投資を行うことで、グラントやパートナリングなどの方法で資金が確保された際に、後続プログラムが迅速に起動できるように、臨床試験に向けて準備しておきたいと考えています。このように、成長機会を最大化するための資金として活用していきます。
これにより、どのような効果がもたらされるかについてですが、米国および各国における「MDL-101」の条件付き承認に向けた現実化、場合によっては自社販売の実現可能性や、後続の大型プログラムの成功確率の増大が期待できます。
2軸の成長の機会

成長戦略についてお話しします。先ほどからお伝えしているとおり、当社には2軸の成長機会があります。開発の進捗とパイプラインの拡張です。
現在は「MDL-101」に注力し、これを前に進めるべく開発を進めています。また、ここで培ったノウハウや経験を「MDL-201」「MDL-202」「MDL-103」といった神経筋疾患に適用します。これらの疾患の患者さまは桁違いに多く存在していますので、大きな成長機会が得られると考えます。
MDL-101の有効性検証から幅広いプラットフォームへの拡大へ

現在、我々はさまざまな制約条件により、限られた研究資金や開発余力の中で、単一の「MDL-101」にフォーカスせざるを得ない状況にあります。
第2段階として、スライドの緑色の部分に示したように、臨床PoCをきちんと取得できた場合、プラットフォームの信頼性が大きく向上するとともに、臨床開発のパスが確立されると考えています。
この結果、これまでの制約条件が一気に解消され、後続プログラムの成長機会が一気に広がるというのが我々の想定しているシナリオです。
中枢神経系疾患は、現在デリバリー技術が筋肉疾患で当社が達しているレベルにはまだ成熟していません。ただし、PoCが取得できる段階では、この技術がさらなる進展を遂げ、中枢神経系疾患においても血液脳関門(BBB)を超えて十分にデリバリーできる段階に到達していると考えています。
それにより、中枢神経系疾患へ技術を適用することで、より大きな成長機会がもたらされると期待しています。
MDL-101の開発進展に伴う価値創出機会

このパートの最後に触れておきたいのは、なぜ我々が希少疾患に対する「MDL-101」で楽観的な未来を信じているのかという点です。この件について、Webサイトなどを通じていくつかご質問をいただきました。
おそらくみなさまは、「Priority Review Voucher(PRV:優先審査バウチャー)」のインパクトを過小評価しているのではないかと思います。
我々はFDAから小児希少疾患のデジグネーションを受けており、デジグネーション(査定)を取得しているプログラム「MDL-101」が米国で承認を取得することで、「PRV」を受け取れます。「PRV」は売却可能で、現在は約300億円、約2億ドルでトレードされているような状況です。
このため、条件付き承認を実現した場合には、約2億ドルが一時金として会社の収益に直接もたらされるという、大きな経済的メリットがあることを意味します。
「MDL-101」は、2つのシナリオが想定できます。1つは、我々が継続的にこのプログラムに資金を投入し、自社販売にまで引き上げることで、将来の自社売上を最大化することです。
一方で、ダウンサイドとしては、それまでの間、開発費用および販売費用を自社で負担し続ける必要があり、それに伴い追加の資金需要が継続的に発生する点が挙げられます。ただし、これを乗り越えた場合、2028年に承認申請を行い2029年に承認されれば「PRV」が付与され、大きな一時金を受け取ることができます。
さらに、筋肉疾患の治療薬の薬価が約300万ドルに設定されていることから、例えば10人に販売した場合、日本円で約48億円の収入となります。これが20人であれば約96億円、50人であれば約240億円に達し、現在の当社の水準からすれば膨大な収入が各年もたらされる可能性があります。
これに対し、もう1つのシナリオはパートナリングです。この場合、早期に非希薄化資金を獲得できるとともに、開発・販売リスクを分担することが可能です。一方で、ダウンサイドとしては、将来収益がロイヤルティ等に限定される点が挙げられます。
一時金が前倒しで入る可能性はありますが、米国で早期承認を取得し、仮に20パーセントのロイヤルティを獲得した場合、収益としては10人で約9億6,000万円、20人で約19億2,000万円、50人で約48億円にとどまります。
一概にどちらがよい未来かを断言するのは難しいですが、このようなシナリオが想定されます。一方で、条件付き承認の獲得によってもたらされる「PRV」の大きなインパクトがあることを1つ申し添えておきます。
2026年第2四半期のキーポイント

まとめです。今回の第2四半期のキーポイントとして、1つ目は「MDL-101」の病態モデル試験を完了し、生存率の大幅な延長、筋肉機能の改善を含む有効性と、その背景にあるBiological dataの取得を完了したことです。
2つ目のポイントは、サルでの追加検証を実施し、臨床試験に向けての合理性を支持するとともに、INDターゲットの視認性が向上し、目標を2026年末から2027年第1四半期に設定できたことです。
最後に、資金調達の面では、リードプログラム「MDL-101」の開発および後続プログラムの推進のために、第19回新株予約権を設定し、現在進行中です。
以上で説明を終了します。ここからは、ホームページなどを通じて事前にいただいたご質問について、みなさまの理解につながると思いますので、すべてではありませんがいくつか回答します。
Q1. MDL-101のIND申請時期について、今回なぜ見通しが明確になったとする根拠は何ですか?

「『MDL-101』のIND申請時期について、今回見通しが明確になったとする根拠は何ですか?」というご質問です。
1つは、IND-enabling試験が終了し、薬理学的有効性および生物学的データを取得しました。もう1つは、サルの追加検証において、前処置プロトコールに問題があり、薬効に一部影響を及ぼす可能性に対する懸念について、前処置プロトコールが問題であると特定し、「MDL-101」そのものに問題がないことを確認しました。
これにより、臨床試験へ反映できる前処置プロトコールを確立しました。そしてこの後どのような追加試験を行えば治験に進めることができるかが明確となり、その試験を設定し、このデータは12月に得られる予定であるため、これをもって治験申請が可能となる見込みです。
また、GMP製造もこれに合わせて進行しており、12月には製造とリリーステストが完了すると考えています。これにより、年末から来年初頭にかけてIND申請が可能になると信じています。
Q3. 実施したNHP追加検証では何が確認され、なぜ重要なのですか?

「実施したNHP追加検証では何が確認され、なぜ重要なのですか?」というご質問です。
先ほどお話ししたとおり、臨床に即した前処置プロトコールが重要だったということで、こちらを検証することができました。
Q6. IND申請に向けた残された主要課題は何ですか?

「IND申請に向けた残された主要課題は何ですか?」というご質問です。
ポイントの1つ目は、9月に開始するGLP追加毒性試験です。これはパイロット試験の内容を追加試験として再現するものです。GLPのグレードであらためて実施し、データを取得します。2つ目は、治験申請までにGMP製造を確実に完了させることです。
3つ目は、付随する品質試験や安定性試験、リリーステストを確実に実施することです。4つ目は、これらのデータをすべてIND申請資料に統合することです。5つ目は、病院とのアラインメントを含め、治験実施体制を整える必要があります。これが現在の残された課題です。
その他の事前にいただいたご質問については資料に掲載していますので、後ほどご確認ください。
質疑応答:「MDL-101」の自社販売シナリオの資金需要とオペレーションについて

質問者:「MDL-101」について、自社販売とパートナリングの2つのシナリオが考えられるとご提示いただきました。それぞれのメリット・デメリットがスライドの図で示されていますが、単純に言うと、自社販売にはどの程度の資金が必要なのでしょうか?
また、資金が必要となる場合、新たな資金調達が必要になるのか、そのデメリットとして他のプログラムの開発に遅れが生じないのかについて教えてください。この場合、コントラクトMRを含め、MRは自社で抱えるのでしょうか?
森田:ご質問は、自社販売のシナリオでどれくらいの資金調達や資金需要が生じるのか、また自社販売になった場合のオペレーションについてだと思います。
まず、資金需要については大きなチャレンジとなります。当社としては、条件付き承認までにどのような試験が必要になるかを踏まえ、資金需要のおおよその規模を想定しています。ただし、さまざまな想定外の事態が起こる可能性があります。それにより追加のデータが必要になったり、追加試験が必要になったりすることがあります。
遅れるだけでも大きな資金が必要になりますし、追加の試験が必要とされる場合にはその費用も加算されます。そのため、試験にかかる費用の振れ幅がかなり大きくなることが最大のリスクだと考えています。
想定内に収まる場合は、現在の手元資金に加え、臨床試験が進むと株価や時価総額が大幅に改善すると信じていますので、合理的な範囲内の希薄化の中で資金を十分に賄えると考えています。しかし、遅延や追加試験の要請は、リスクとなり得ると考えています。
次に、他のプログラムにどのような影響を及ぼすかという点ですが、これは非常に重要な視点です。結局のところ、調達した資金をどのように配分するかが重要になります。
我々としては、まず「MDL-101」を前進させることが前提にあり、それがその後のプログラムにつながると考えています。そのため、資金の配分は「MDL-101」の開発に十分な資金を確保した上で、余力があれば他のプログラムの追加開発に投資する方針です。
最後に、自社販売のシナリオの場合には、いくつかの選択肢があると考えています。米国でセールス業務を外部委託することも可能ですし、自社でMRを雇用する場合も、片手程度の人数で米国内をカバーすることが可能だと見込んでいます。
スライドに示しているように、年間10人から20人の患者さまであれば、MRは5人程度で十分対応可能です。さらに、治療はどの病院でも実施できるものではなく、限定的な病院でのみ行われます。投与自体は難しくないものの、その後のフォローアップも含めて考えると、限られた病院でしか対応できません。
このため、5人程度のMRでも十分にカバーできると考えており、自社販売も十分現実的な選択肢に含まれると判断しています。
質問者:売上240億円、50人規模まで拡大する場合も、5人のMRで対応可能ですか?
森田:その場合、増員が必要になるかもしれません。ただし、最大でも10人まで増やせば十分にカバーできると考えています。
質疑応答:「MDL-101」のパートナリングシナリオにおけるライセンス収入の見通しについて

質問者:「MDL-101」について、個人的には通常のシナリオとしてはパートナリングだと考えています。パートナリングのシナリオにおいて、2028年のライセンス収入の32億円から80億円は、一時的に得られるものということでしょうか? いわゆるマイルストーン収入のような、将来にわたって32億円から80億円を得られるという意味なのでしょうか?
森田:不明瞭な点が多くあったかもしれませんが、仮にロイヤルティが20パーセントとして、薬価が300万ドル、つまり4億8,000万円だった場合の売上に対するロイヤルティだけを含んでいます。そのため、マイルストーン収入は含まれていません。
したがって、これに加えて販売マイルストーンなどがさらに上積みされることを想定しています。ただし、それらは仮置きの数字となってしまうため、この計算には含めていないという状況です。
質疑応答:「MDL-101」のパートナリングシナリオにおけるライセンスアウトの可能性について
質問者:「MDL-101」について、自社販売にほぼ振っていると思っていたのですが、パートナリングでのライセンスアウトも今の時点である程度の可能性があるのでしょうか?
森田:現時点ではまだ白紙で、想定していない状況です。今の段階ではパートナリングを行う意向はなく、パイプラインの価値は臨床PoCを取ったところで大きく上がりますので、それを待ってからパートナリングを行いたいと考えています。
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