2026年6月期決算説明
テスHD、前期比大幅に増収増益、27年度以降も豊富なパイプラインで蓄電池ビジネスを拡大、中計達成を目指す
2026年6月期決算説明
石脇秀夫氏:みなさま、こんにちは。テスホールディングス株式会社取締役会長取締役会議長の石脇です。本日はご多忙の中、そしてお盆の最中にもかかわらず、多数ご参加いただき誠にありがとうございます。
それでは、2026年6月期決算説明会を開催します。当社代表取締役社長の山本よりご説明します。
山本一樹氏(以下、山本):みなさま、こんにちは。代表取締役社長の山本です。本日はお忙しい中、当社の2026年6月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日は、2026年6月期の決算概要に加え、2027年6月期の業績予想、さらに中期経営計画「TX2030」の進捗状況と中計達成に向けたポイントについてご説明します。
2026年6月期を振り返ると、当社グループが進めている中期経営計画に基づく事業構造の転換が、業績にしっかりと反映され始めた1年であったと思います。特に注力している蓄電システム関連事業においては、受注や施工が順調に進み、業績への貢献が見られ、着実に拡大していると感じています。この点については、今後のさらなる成長を見据え、大きな手応えを得ています。
一方で、外部環境や事業環境の変化、そして今後の成長に向けた課題も見えてきています。本日はこれらの点も踏まえ、成長に向けた考え方についてご説明したいと思います。
今回は内容が盛りだくさんとなっていますので、ポイントを絞りながらご説明を進めていきます。
エグゼクティブサマリー

エグゼクティブサマリーです。2026年6月期の連結業績は、売上高が512億1,700万円で前年同期比39.6パーセント増の約145億円増加しました。売上総利益は104億1,700万円で前年同期比39.8パーセント増の約30億円増加しました。営業利益は53億2,600万円で前年同期比109.0パーセント増、約28億円の増加となっています。
経常利益は38億3,400万円で、2025年6月期の経常損失6億4,100万円から約44億円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は21億2,300万円で前年同期比936.6パーセント増と、約19億円の増加となりました。1株当たりの配当金は9.54円です。
全体としては、前年同期に比べて大幅な増収増益となりました。
経常利益の主な変動要因(前年同期比)

経常利益の主な変動要因についてご説明します。先ほど触れたように、2025年6月期は経常損失6億4,100万円でした。
主なプラスの変動要因としては、デリバティブ評価損の減少が大きく影響しています。また、売上総利益が大幅に増加している要因として、蓄電システム関連事業の大きな貢献が挙げられます。
マイナス要因としては、引き続きバイオマスEPC関連の不採算があったことに加え、人件費や支払利息、株主優待等の費用増加が挙げられます。その結果、経常利益は38億3,400万円となりました。
セグメント別売上高・売上総利益内訳(前年同期比)

セグメント別の売上高と売上総利益についてご説明します。売上高・売上総利益ともに増加しており、特に売上総利益についてはエンジニアリング事業が前年同期比で2倍となっています。これは蓄電システム関連事業が牽引した結果だと考えています。
サブセグメント別売上高・売上総利益内訳(前年同期比)

エンジニアリング事業についてご説明します。スライドは、エンジニアリング事業の売上高・売上総利益の内訳です。省エネEPC(受託型)における売上は減収となりましたが、売上総利益は増益となっています。
再エネEPC(受託型)については、バイオマスEPCに不採算があるものの、売上総利益を着実に増やしています。
また、再エネEPC(開発型)は、かなり高い利益率となりました。期初に発表した業績予想には織り込んでいなかった開発案件の権利譲渡が第4四半期にあり、これが大きく売上総利益を押し上げる要因となりました。
受注高・受注残高

受注高・受注残高についてです。受注高は426億2,500万円、受注残高は433億400万円となり、どちらも前年同期比で約2倍弱の増加となっています。ご案内のとおり、内訳のほぼすべてが蓄電池関連となっています。
受注残高は2026年3月末と比べ6月末で若干減少していますが、これはタイミングの問題によるものです。進行期である2027年6月期第1四半期には既に約60億円の大口受注を獲得しており、現時点ではこの約60億円が加算されています。
系統用蓄電所(受託型EPC)に関する大口受注の解約について

系統用蓄電所の大口受注の解約についてです。こちらは受託型EPC案件で、2025年4月にEPC契約を締結していました。
受注後、これまでに何度かご説明してきた蓄電池事業の課題の1つである一般送配電事業者の事情により、系統連系の工事費負担金が当初の想定よりもかなり高額になったことや、工事も長期化する見通しとなったことから、受注先において事業性を確保することが困難と判断され、解約となりました。
ただし、これは受託型EPC案件であり、当社として開発費はかかっておらず、持ち出しもありません。
蓄電池EPCの大口受注の獲得

先ほどご説明した大口受注は解約となりましたが、進行期である2027年6月期第1四半期には既に小諸蓄電所合同会社より約60億円の案件を受注しています。したがって、現時点では、大口受注として約387億円を獲得している状況です。
蓄電池EPCの受注の獲得

大口受注以外にも2026年6月期は23件を受注しました。スライドの表には、掲載許可を得たお客さまを開示しています。系統用蓄電所に関しては、2026年6月期第4四半期に株式会社リエネ・エナジーさま(旧リニューアブル・ジャパン株式会社)のグループ企業から受注をいただきました。
FIP転+蓄電池併設に関しては、2026年6月期第4四半期にJR東日本エネルギー開発株式会社さまから受注をいただきました。
蓄電池関連トピックス

蓄電池関連のトピックスとして、東京センチュリー株式会社(以下、東京センチュリー)さまが組成する合同会社向け系統用蓄電所EPCの安全祈願祭を京都府福知山市で実施しました。
工場・事業所向け省エネ・再エネEPCに関するトピックス

2026年6月期には、蓄電池システム1件が完工しています。これは、大塚グループさまの北海道エリア工場敷地内において、オンサイトで蓄電池を設置したものです。
サブセグメント別売上高・売上総利益内訳(前年同期比)

エネルギーサプライ事業についてです。前年から売上が大きく伸びた主な要因は、再エネ発電において佐賀伊万里バイオマス発電所が稼働したことです。ただし、売上の伸びほど売上総利益が伸びていないのは、バイオマス発電はそれほど利益率が高くないためです。
バイオマス燃料に関しては、2026年6月期は佐賀伊万里バイオマス発電所向けの燃料供給が100パーセントとなっており、連結消去により売上は計上されず、売上総利益だけが計上されています。
オンサイトPPAに関するトピックス

オンサイトPPAに関するトピックスです。2026年6月期には約12.1メガワット(供給先9件)の供給が開始しました。今後はさらに約29.9メガワット(供給先6件)のPPAが開始される予定です。
再生可能エネルギー発電所の発電容量の推移

当社の再生可能エネルギー発電所の発電容量の推移です。2026年6月期の容量は約412.7メガワットとなりました。このうち、自社のFIP転+蓄電池併設も順次進めており、約8.1メガワットがFIP転+蓄電池併設による運転を開始しています。
現在、FIP転+蓄電池併設の取り組みは、10メガワット以上が進行中です。こちらについては一般送配電事業者の事情により若干遅れが生じていますが、順次進めていきたいと考えています。
資源循環型バイオマス燃料事業に関するトピックス

資源循環型バイオマス燃料事業に関するトピックスです。当社の連結子会社であるPTEC(PT PTEC RESEARCH AND DEVELOPMENT)において、1万トン規模の実証工場が完成し、2026年7月には竣工式を実施しました。
この実証工場において、連続生産を行いながら品質・コストを確認しつつ、中期経営計画で目標としている大規模な商業化の実現を目指していきます。
コーポレートサイト全面リニューアル

その他のご説明として、テスホールディングスとテス・エンジニアリングのコーポレートサイトを全面リニューアルし、ステークホルダーの方々への情報発信及びBtoBのマーケティング基盤を強化しました。
サステナビリティに関するトピックス

サステナビリティに関するトピックスとして、明治大学での寄付講座や、人材育成、タウンホールミーティング等の社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みも進めています。
TESSグループの人財戦略

人財戦略では、採用・教育・評価・働き方の各方面で改革を進め、事業成長を支える人材の確保と育成を強化しています。
2027年6月期連結業績予想(2026.8.14発表)

2027年6月期の業績予想についてご説明します。売上高640億円、売上総利益104億5,000万円、営業利益47億円、経常利益29億円、親会社株主に帰属する当期純利益18億円を計画しています。こちらは例年どおり、具体的な案件の積み上げによるもので、期中の変動は織り込まない数字となっています。2027年6月期はこの計画からスタートしていきたいと考えています。
対前年同期増減率として、売上高は25パーセント増を見込んでいます。売上総利益は、2026年6月期における権利譲渡等、利益率が高い案件があった影響もあり微増にとどまっています。
営業利益以下は前年同期比減益となっています。これは販管費が増加しているためです。後ほど詳しくご説明しますが、これは主に中期経営計画の達成を目指し、人件費や研究開発費を多く計上している点にあります。
2027年6月期連結業績予想のポイント

京都府内における開発案件に関しては、着実に進展しているものの、現時点では計上時期がまだ未定であるため、2027年6月期の業績予想には含めていません。
報告セグメント明細

セグメント別では、エンジニアリング事業が大幅に拡大する計画となっています。再エネEPCが受託型・開発型共に大幅に拡大する予定です。
一方で、エネルギーサプライ事業は若干停滞する見込みで、利益も多少減少することが予想されますが、それをエンジニアリング事業で補う計画です。
2027年6月期 期末配当予想

2027年6月期の配当については、1株当たり9.60円を計画しています。2027年6月期は前年同期比で減益となる計画ではありますが、過去の決算や個人株主さまが多いことを踏まえ、株式市場において減配を避けたいという観点から、安定配当を重視しこの計画としました。
連結配当性向30パーセントを目安としながら、内部留保、成長投資、財務のバランスをしっかりと考慮し、安定した配当を継続していきます。
中期経営計画における費用計上区分の組替について

中期経営計画の進捗についてご説明します。まず、中期経営計画における2027年6月期及び2030年6月期の売上総利益計画について1点補足します。
売上総利益に関して、当初は2027年6月期を132億円、2030年6月期を215億円と計画して開示していました。しかし、中計策定時の想定と会計処理の違いにより、販管費として計画していたバイオマス燃料事業の事業運営関連費用を売上原価に組み替えました。このため、中期経営計画の売上総利益は、2027年6月期は110億円、2030年6月期は187億円とします。
なお、こちらは費用計上区分の組み替えのみであるため、中計における営業利益の目標値に変更はありません。また、スライド右下に掲載している「ミルフィーユ図」については、組み替え後の数字を反映した図となっており、変更はございません。
中期経営計画「TX2030」の全体像

中期経営計画「TX2030」の全体像については、既存ビジネスを収益基盤としながら、前半は蓄電システム関連事業、後半はバイオマス燃料事業に注力して成長を図る計画としています。
2027年6月期は成長投資の準備期間の最終年度として、中長期を見据えた成長投資を進め、中期経営計画の達成を目標に掲げています。
各KPIの進捗状況

各KPIの進捗についてのポイントです。2030年6月期における系統用蓄電所の施工容量目標は700メガワット、連結グループ外向けのFIP転+蓄電池併設の施工容量は150メガワットという目標を掲げています。
系統用蓄電所については、2026年6月期時点で375.9メガワットを受注しています。FIP転+蓄電池併設については、98.7メガワットを受注しており、いずれも目標の半分以上を達成しています。
2026年6月期における注力事業分野の進捗

2026年6月期における蓄電システム関連事業の進捗については、スライドをご確認ください。
蓄電システム関連事業これまでの取り組み

蓄電システム関連事業におけるこれまでの取り組みについては、スライドに記載のとおりです。
2026年6月期における注力事業分野の進捗

既存ビジネス及び資源循環型バイオマス燃料事業における進捗については、スライドをご確認ください。
ESG経営の推進

ESG経営の推進についてです。従業員数は2026年6月末時点において526名で、前年同期から55名増員できています。こちらについては、中期経営計画達成のためにリソースをしっかり確保し、戦力化することが重要であるため、順調に進捗していると考えています。
中計達成に向けたTESSグループの戦略(外部環境を受けて)

中期経営計画の達成に向けての6つの戦略をご説明します。2024年8月に中期経営計画を発表しましたが、その後、戦争の影響をはじめ、さまざまな外部環境が変化している状況です。
当社は、複数のビジネスを展開しており、それぞれに影響や変化がありました。スライドは、その点を整理しつつ、あらためて戦略を確認するための資料となっています。
1つ目の蓄電所EPCに関しては、現在非常に注目を集めている分野で、当社にとっても追い風です。一方で、長期脱炭素電源オークションの要件が厳しくなっていることや、JC-STAR等の新しい制度が導入されているという課題もあります。
そうした中で、当社はリソースをこの分野に集中させ、メーカーや工事業者とのアライアンスを強化しています。また、多くの引き合いを受注し、これを着実に売上に結び付けていくことが戦略となっています。
2つ目は、太陽光発電やコージェネレーションシステム等の受託型EPCについてです。太陽光発電に関しては、国として今後も積極的に成長させていく計画があります。一方で、メガソーラーは、地域との共存やアセスメントの観点から厳しい状況に直面しています。
こうした中、ニーズは高いものの、当社は限られたリソースを蓄電システム関連事業へシフトしています。2026年6月期のサブセグメントにおける売上総利益にも示されていたように、蓄電池では非常に高い収益性を確保できています。このような状況の中、太陽光発電やコージェネレーションシステムにおいても、収益性の確保が見込める案件に集中する戦略をとっています。
3つ目は、再エネ発電です。野立てのメガソーラーに関しては、FITによる開発を完了し、現在はPPAを着実に少しずつ積み上げていく段階にあると考えています。また、既存のFITの発電所については、九州を中心に出力制御が発生しているため、この対策が急務と考えています。
自社の発電所については、先ほどご説明したとおり、FIP転+蓄電池併設を進めていくことで、収益のベースアップを目指しています。
出力制御に関しては、当社が工事を行ったお客さまを中心に、FIP転+蓄電池併設に関する相談が多く寄せられています。このため、社内外向け共にFIP転+蓄電池併設の取り組みを進めていきます。
PPAの取り組みについては、現在リソースを蓄電システム関連事業に投入しているため、既存のお客さまからの増設や横展開の依頼にしっかり対応しながら、バランスを取りつつ可能な限り拡大していく方針です。
4つ目のO&M(オペレーションアンドメンテナンス)については、今後さまざまな工場やデータセンターを含む新たな設備の増加に伴い、メンテナンス要員が不足する可能性があるといわれています。
当社の戦略としては、コージェネレーションシステムを中心に、専門性を活かした設備メンテナンスを提供していきます。太陽光発電設備はこれまでメンテナンスの必要が少ないとされてきましたが、蓄電池についてはモニタリングやメンテナンスのニーズが高まっているため、今後は蓄電池のメンテナンスにも注力し、メンテナンス部門の収益を拡大したいと考えています。
5つ目の電気小売供給に関しては、カーボンプライシング導入等により電力価格が上昇する一方で、調達コストも上昇しています。当社ならではの既存顧客や、I-RECといった非化石価値を活用しながら、事業拡大を目指す戦略を進めていきたいと考えています。
6つ目のバイオマス燃料に関しては、現在、PKS燃料の販売については連結グループである佐賀伊万里バイオマス発電所へ100パーセント供給しています。引き続き安価なPKS燃料の安定的な調達を進めるとともに、外販を少しずつ拡大していく方針です。
また、PTECが行うEFBペレット製造事業に関しては、先ほどご説明したとおり、実証を行う工場が完成しましたので、大規模な商業化を目指していきたいと考えています。
中期経営計画達成に向けたポイント

中期経営計画達成に向けたポイントについて2点ご説明します。ポイントの1つ目は、先ほども少し触れましたが、中期経営計画策定時以降、さまざまな外部環境の変化がありました。しかし、2027年6月期の売上総利益に関しては、中計比ほぼ計画どおりに推移するのではないかと見ています。
2027年6月期については、受託型の蓄電所EPCが順調に伸びる計画です。一方、開発型の大型系統用蓄電所EPCにおいて期ずれが発生しているほか、電気小売供給やバイオマス燃料において当初の目論見どおり進捗していない状況です。これを受託型の蓄電所EPCがカバーしつつ、計画どおり推移していくのではないかと見ています。
ポイントの2つ目は、蓄電池を中心に豊富なパイプラインや引き合いがあります。これらの引き合いを確実に受注につなげ、利益計上することで、グループ一丸となって中期経営計画の達成を目指していきたいと考えています。
Point 1:2027年6月期の売上総利益(中計比)

先ほどお伝えしたポイントの1つ目を掘り下げてご説明します。ミルフィーユ図の上部の青色部分はエンジニアリング事業、下部の黄色部分はエネルギーサプライ事業を表しています。
中期経営計画の策定時には、エネルギーサプライ事業において大きな売上総利益を見込んでいましたが、電気小売供給やバイオマス燃料が停滞気味であること、再エネ発電事業のFIP転+蓄電池併設が少し遅延していることが課題として挙げられます。
しかし、これらを蓄電所EPCで補う計画であり、最終的には中計目標である売上総利益110億円の達成を目指したいと考えています。
Point 2:豊富なパイプラインと外部環境を追い風に、中期経営計画の達成を目指す

ポイントの2点目は、エンジニアリング事業における豊富なパイプラインです。スライドの青い棒グラフがエンジニアリング事業の売上総利益ベースの有力案件を示しています。また、青い折れ線が中期経営計画におけるエンジニアリング事業の売上総利益を、赤い折れ線が中期経営計画全体の売上総利益を表しています。
グレーの部分は2027年6月期のエンジニアリング事業の売上総利益計画を示しており、事業構造の転換によって、中期経営計画のエンジニアリング事業の売上総利益を上回る計画となっています。
現在、引き合いが相当多く、棒グラフの濃い青色の部分がすでに受注済みの案件、真ん中辺りが有力案件であり、かなりの案件が存在しています。
有力案件全てを受注できた場合には、全体の売上総利益をEPCだけでカバーできるほどの引き合いが来ています。現時点では、2028年6月期の有力案件には確度が低いものも含まれていますが、これらは時間経過に伴い2029年6月期の有力案件になる可能性もあります。
また、今後さらに引き合いが増加すれば、この青色の棒グラフの高さも今以上に上昇するのではないかと考えています。
Point 2:成長投資の強化による営業利益の主な変動(中計比)

スライド左側には中期経営計画における2027年6月期の営業利益が、スライド右側には業績予想における営業利益が示されています。
両者の差額は17億円で、まず売上総利益が中計比で5億5,000万円下振れています。
販管費については、PTECにおけるEFBペレット製造事業に関する費用が計画よりも4億円ほど増加しました。バイオマス燃料の大規模商業化を目指すためには、これらの研究開発に係る費用も必要であると判断しています。
また、中計達成を見据え、一層の人員増強が求められることから、人件費が2億円ほど増加しました。その他、主に人員増強に伴う間接経費として旅費や交通費が増加したことに加え、物価上昇の影響もあり、5億円ほど増加しました。このような要因から差額が17億円ほど生じています。
大きな引き合いを獲得するには、やはり先行で人員を含めた投資が必要であると考えています。
中期経営計画との差額はあるものの、2027年6月期の目標を達成し、さらなる上積みを目指しながら歩みを進めていきたいと考えています。
以上で説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:2026年6月期の営業利益の上振れ要因について

質問者:2026年7月23日に上方修正があり、営業利益が15億円ほど上振れたかたちで着地したと理解していますが、この上振れの要因について教えてください。開発型EPCが影響していると思いますが、何が一番大きかったのでしょうか?
また、2026年6月期第4四半期に計上されたのは開発型EPCに該当するものだったと思います。これは計画が前倒しになったという意味なのでしょうか? それともなにか別の理由があったのでしょうか? 期初の計画には見込まれていなかったものと思いますので、その点についても教えてください。
山本:2026年6月期の営業利益の上振れに関してですが、2026年6月期第4四半期に開発型EPCにおいて権利譲渡に関する売上を計上しました。こちらは期初には計画されていなかったものの、その後の交渉過程を経て、結果的に2026年6月期第4四半期の計上となりました。
本件は、非常に高い粗利率となり、大きく業績に寄与したことは間違いありません。
質問者:15億円のうち大半が、ということでよいのでしょうか?
山本:そうなります。
質問者:もともと見込んでいなかったものが2026年6月期第4四半期で入ったとのことですが、これはどこかのタイミングで発生予定であったものの、特定していなかったため、2026年6月期には織り込んでいなかったということですか?
山本:おっしゃるとおりです。このタイミングが少しずれていたら2027年6月期の第1四半期になっていた可能性もありますので、タイミングの問題だとご理解ください。
質問者:中期経営計画上でも含まれていなかったということですか?
山本:いいえ、中期経営計画上には含まれています。
質問者:中期経営計画の2027年6月期の営業利益64億円という目標にも含まれていたのですか?
山本:中期経営計画を作成した段階では、具体的な案件として本件を想定していた訳ではありませんでしたが、開発型としてある程度の規模を見込んでいました。とはいえ、前述のとおり、開発型の大型案件は系統接続の事情で期ずれしている状況です。
そのため、2027年6月期も開発型についてはあまり見込んでおらず、期ずれの影響で足元の数字は中期経営計画よりもかなり低い水準で推移しています。
その不足分をカバーしているのが、中型のFIP転+蓄電池併設や高圧系統用蓄電所である「ニッパチ案件(※)」、太陽光発電等です。これらでカバーしながら、中期経営計画を進捗させている状況です。
(※)ニッパチ案件:高圧系統に接続する出力2MW・蓄電容量8MWh(4時間容量)の系統用蓄電所を指す通称。
質疑応答:大口受注の解約について

質問者:大口受注の解約についてです。約40億円の受注がなくなったということでした。受託型であるため粗利率は低いとの話ではありますが、このような事態はあまりうれしいものではないと考えています。
また、今回受注済みだったものや、これから受注を目指している案件でも、今後同様の事態が起こり得るのでしょうか? 今後の影響やリスクについてどのようにお考えでしょうか?
山本:本件に関してですが、受託型であるため開発費や持ち出しがかかっていない状況です。ただ、先ほど話題にあがった電力系統や接続の課題について心配されるかもしれませんが、この案件を受注したのは2025年4月とかなり初期の段階で、接続の問題が顕著になる少し前のことでした。
その後、現在では受託型・開発型ともにEPC案件に関してはこのような解約につながるような案件はありません。
質疑応答:2027年6月期における営業利益計画について

質問者:2027年6月期の営業利益について、資料39ページでは「中期経営計画策定時から変更なし」と記載されています。しかし、資料51ページでは、47億円と64億円との差異についてご説明いただきました。中期経営計画を変更せず営業利益64億円をそのままとしている理由について確認させてください。
これは、業績予想上は47億円としているものの、中期経営計画としては64億円を目指す意思表示であるということなのか、あくまで2030年6月期の話を指しているのか、あるいは別の意図があって64億円を変更なしとしているのか、教えていただきたいです。
山本:中期経営計画の数字についてですが、こちらは2024年8月に作成し、開示しました。この数字については、現在、特にローリングを行っていないため、変更していません。
ただし、売上総利益の数字に関してのみ、会計上の組替えにより「バイオマス燃料事業」に係る事業運用関連費用の計上箇所が変更されたため、そこだけ修正しています。
2026年6月期の計画についても、社内では具体的な数値を持っていました。昨年、業績予想を発表した際には、その計画には届かない水準でスタートしましたが、最終的に今回の上振れ着地になったということです。
中期経営計画の目標数値と業績予想の差については、できるだけそこに到達したいと考えています。ただ、業績予想の考え方としては、具体的な案件の積み上げを基にしており、また、為替差益やPPAの影響、新規の引合案件についても織り込まない方針で計画を立てています。この点についてご理解いただければと思います。
質疑応答:2027年6月期のエネルギーサプライ事業が減益見込みである要因について

質問者:2027年6月期のエネルギーサプライ事業の売上総利益についておうかがいします。計画の中でエネルギーサプライ事業の売上総利益の詳細な分解をいただいていますが、再エネ発電やバイオマス燃料については、顕著ではないものの減益の見込みとなっています。
再エネ発電の持分発電量が減少する、あるいはバイオマス燃料の取扱量が減少するというわけではないと考えていますが、エネルギーサプライ事業が2027年6月期で減益を見込んでいるのは、計画段階として保守的に作成した結果なのでしょうか?
それとも、2026年6月期と比較して2027年6月期が減益となる要因が、再エネ発電やバイオマス燃料に起因していると考えるべきなのでしょうか? この点をもう少し詳しくご教示ください。
山本:2026年6月期のエネルギーサプライ事業の再エネ発電に関しては、好天が続いたことにより計画を上回る実績となりました。
一方、2027年6月期の予想や経過については、先ほど述べた慎重な見通しに近いものとなっています。計画には出力制御の影響も加味しており、その点を踏まえた上で策定した計画値を現在採用しています。
また、特に利益について、佐賀伊万里バイオマス発電所は、前期が運開初年度であったため固定資産税の負担がありませんでしたが、2027年6月期から約4億円の固定資産税が発生することを見込んでいます。
バイオマス燃料に関しては、外販を少し含めているものの、コストアップや輸送費増加を見込んでいます。特に、足元のオイル価格上昇により物流コストが上がっていることが影響しています。
これらを考慮して、再エネ発電とバイオマス燃料については減益予想としています。
質疑応答:2027年6月期のエンジニアリング事業における開発型EPC(再エネ)について

質問者:こちらのスライドの上部に記載されているエンジニアリング事業の開発型EPCについてです。先ほども話題に上がっていましたが、2027年6月期の開発型EPC(再エネ)とは具体的に何を指すのか教えていただきたいです。
すでに受注している大型案件について、工事進行基準に基づいて計上するものだとすれば、その内容や粗利率は納得できるのですが、その理解で間違いないでしょうか? あるいは、今回の2026年6月期第4四半期に計上されたようなスポット案件を見込んでいるという意味でしょうか?
2027年6月期のエンジニアリング事業の開発型の詳細について教えてください。
山本:2027年6月期は静岡菊川蓄電所の工事進行基準による売上計上がメインです。また、一部、東京センチュリーさまの京都府福知山市案件もありますが、基礎工事や準備工事の段階であり、数字的にはそれほど大きくありません。ですので、メインは静岡菊川蓄電所となっています。
質疑応答:受注動向について

質問者:受注動向についてうかがいます。蓄電池EPCが堅調に推移している点は理解していますが、その割合についてお教えいただきたいです。具体的には、いわゆる短期型の「ニッパチ案件(※)」が増えているのか、それとも長期型が増えているのでしょうか? このような割合に変化はあるのでしょうか?
また、需給調整市場のルール変更が影響している可能性も考えられるため、流れや潮目が変わっているのかを確認したいと思います。
山本:受注に関しては、スライドに記載されているように、大口受注案件の約52.1パーセントがいわゆる系統用の案件です。FIP転+蓄電池併設と「ニッパチ案件」については、約35.7パーセントが該当します。当社では「ニッパチ案件」よりもFIP転+蓄電池併設のほうが多くなっています。
今後についてですが、「ニッパチ案件」の割合はそれほど多くはなく、大型案件が中心となると考えています。2027年6月期も前期と同等以上の受注水準を目指し、開発をしっかり進めています。
また、足元では系統用蓄電所とFIP転+蓄電池併設をしっかり積み上げていきますが、特に系統の問題から考えると、FIP転+蓄電池併設のほうがすでに太陽光が系統につながっているため、取り組みやすい案件になると考えています。
この約35.7パーセントの内訳までは開示していませんが、そもそもFIP転+蓄電池併設が多い状況ですので、今後はこの割合がさらに増えていく流れになるのではないかと思います。
(※)ニッパチ案件:高圧系統に接続する出力2MW・蓄電容量8MWh(4時間容量)の系統用蓄電所を指す通称。
質疑応答:系統用蓄電所の大口受注の解約に関する今後のリスクについて

質問者:系統用蓄電所の大口受注の解約に関する確認です。この案件は2027年6月期に織り込まれているとされていますが、現在お聞きした内容からすると、P/L上ではほとんど影響がないという理解でよろしいでしょうか?
また、工事費負担金の大幅増加についてですが、初期段階の案件であることが影響していると考える一方で、これは単純に受注先が見込みを誤った結果なのでしょうか?
つまり、一般送配電事業者が急に負担金を変更してくることがあるのかということです。現時点ではそのような案件はないとおっしゃいましたが、今後もし一般送配電事業者側が急に負担を変更してくる場合、リスクが生じる可能性があるのかどうか、確認させてください。
山本:今回の解約に関してですが、当初一般送配電事業者から簡易的な回答が示され、「負担金はいくら」「工期はどのくらい」という内容で、これなら実現可能という判断がありました。
それが見切り発車だったかどうかはさておき、そのような回答を基にプロジェクトがスタートしました。その後、多数の申し込みがあり、一般送配電事業者で負担金や接続時期の見直しが行われました。2025年の年末頃に、各地、特に東北ではそうした見直しが発生しました。
再度の回答が非常に高額かつ長期化する事態が多発した時期であり、これが今回の案件に大きな影響を与える結果となりました。
その後のEPC案件については、受託型・開発型ともに一般送配電事業者の回答状況を確認し、確実な回答を得た上で進めています。
問題が一切起こらないと言い切れるわけではありませんが、問題が発生しないようしっかりと取り組んでいるということをご理解いただければ幸いです。
質疑応答:蓄電池の次の業績基盤となる事業構想について

司会者:「蓄電池投資は一過性のものと考えていますが、ブーム終息後に蓄電池に代わる御社の業績基盤となる事業構想はありますか?」というご質問です。
山本:こちらはすでに発表している中期経営計画の文脈からご説明すると、既存事業の拡大を図りつつ、前半は蓄電池、後半はバイオマス燃料というかたちで成長戦略を立てています。そのため、まずは後半部分として、蓄電池の次にEFBペレットの商業化を見据えています。
既存事業については、現在なかなかリソースを割けない状況ですが、例えば太陽光発電の場合、2030年以降にペロブスカイト太陽電池や軽量型のモジュールが商業化されれば、これまで設置が難しかった屋根上やさまざまな場所への太陽光設置の可能性が広がるのではないかと考えています。
また、スライドには詳細は記載していませんが、最近のインフラやエネルギー関連の状況を踏まえると、AIの進化によるデータセンターの建設が日本でも大変活発になってきています。これに関連したビジネスへ参入する可能性についても検討を進めています。
大型のデータセンターのほか、最近ではコンテナ型データセンターも登場しています。当社では蓄電池で数十基のコンテナを据え付けている実績があり、土地や系統を押さえることで蓄電池EPCを展開しています。
データセンターも土地や系統の確保が重要なポイントとなるため、当社の事業との親和性が高いのではないかと考えています。また、コンテナを据え付ける技術については非常に得意な分野ですので、積極的に展開していきたいと考えています。
据付業者が不足しているという声を聞くこともありますが、当社は電源設備や変電設備の工事等は得意分野ですので、この分野に可能性があるのではないかと考えています。
大型のデータセンターに関しては、建物自体は非常に大きく、当社が直接参入するのはハードルが高いと感じています。しかし、電源供給や変電設備、非常用発電機の設置、さらには熱源の面での空調設備等の需要があると思います。
常用発電機が必要となる場合は、コージェネレーションシステムが導入される可能性があり、この分野が蓄電池に続いて当社が注力できる分野の1つになるのではないかと考え、現在検討を進めています。
山本氏からのご挨拶
本日はお忙しい中、当社の2026年6月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございました。
ご説明のとおり、2026年6月期については、非常に良い結果を残すことができたと考えています。
一方で、2027年6月期は営業利益以下が減益の予想となっています。これは、2030年の中期経営計画達成を目指した先行投資が主な要因であるということを強く認識しています。
今後は、2027年6月期の業績予想を確実に達成することを第一としつつ、2030年に向けて、引き続き蓄電池ビジネスは需要が高く活況を呈していると考えています。そこで、こちらに注力して受注活動を進めるとともに、完工した案件については迅速にリリースし、当社のビジネスが順調に推移していることをみなさまにお示ししていきたいと考えています。
引き続きご支援のほどよろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました。
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