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株式会社ヴィア・ホールディングス7918

東証スタンダード

小売業

会社概要

楠元健一郎氏(以下、楠元):みなさま、こんにちは。株式会社ヴィア・ホールディングス代表取締役社長の楠元です。

本日はご多用の中、多くの方々に当社の決算説明をご視聴いただき、誠にありがとうございます。少しでも私どもの会社に興味を持っていただけるよう、できるだけ丁寧にお話ししたいと思います。

季節は南から関東まで梅雨入りし、じめじめとした天気が続いています。本日のご説明をお聞きいただき、梅雨の中でもビールを一杯飲んで帰りたいと思っていただけるような内容にできればと考えています。ぜひ関心を持ってお聞きいただければ幸いです。

最初に、当社の概要について簡単にご説明します。毎回この場でご説明していますが、初めての方も多くいらっしゃるとうかがっていますので、できるだけ簡潔にお伝えしたいと思います。

創業はスライドにも記載のとおり、1948年で、非常に業歴の長い会社です。もともとは印刷業を営んでいましたが、平成の頃、印刷業が構造不況に陥った際、当社の元オーナーである「すかいらーく」を創業された横川兄弟のみなさまに出資いただき、再生支援・構造支援を受けました。

これが外食業に参入するきっかけとなりました。現在では外食業に特化した専業企業となっており、全国にFC(フランチャイズ)を含め約300店舗弱の店舗網を展開しています。北は北海道から南は九州・福岡まで、ほぼ全国各地においてお店を展開しています。

ブランド紹介(扇屋/パステル)

もともと「すかいらーく」の創業オーナーが始めた外食業であるため、「すかいらーく」と競合しない業態を中心に展開してきました。特に居酒屋や、お酒を扱う業態を中心として買収やM&Aで事業を広げてきた会社です。

「やきとりの扇屋」が当社で最も店舗数が多い中心的な業態であり、焼き鳥屋です。特徴として、駅前の飲み屋街にある焼き鳥屋もありますが、主には地方のロードサイドにおいて、いわゆるファミリーレストランのような形式の居酒屋を展開している点がユニークです。

アルコール管理については非常に厳格であり、ドライバーの方には無料でウーロン茶を提供しています。その中で、焼き鳥や居酒屋メニューを楽しみながら、ファミリー層が週末などに楽しめる業態となっており、独自性のある展開をしています。

「Pastel」は、「なめらかプリン」で有名な、ショッピングセンター内にあるインショップ型のレストランです。こちらはふだん使いや休日の家族サービスなど、幅広い利用シーンに対応したレストラン業態で、パスタやピザ、スイーツを中心に展開しています。

ブランド紹介(紅とん/一丁)

「ザ・居酒屋」として、首都圏を中心に展開する業態です。

スライド左側の「日本橋紅とん」は、焼き鳥ではなく焼きとん屋です。「働くみんなのエネルギー源」をコンセプトとして、ビジネスパーソンのみなさまが帰りに1杯飲みながら、明日のエネルギーにしていただくという「ザ・居酒屋」です。

スライド右側の「魚(うお)や一丁」は、現在は3店舗のみとなっていますが、もともとは北海道札幌発祥の海鮮居酒屋です。本当に新鮮なお刺身や非常に手の込んだ海鮮料理を提供しており、大箱で宴会もできる業態で展開しています。

このような業態で、居酒屋業態は店舗数で約8割を占め、残りがレストラン業態という割合で、非常に幅広く展開しています。

決算サマリー

羽根英臣氏:常務執行役員経営推進本部長の羽根です。2026年3月期決算実績についてご報告します。

当期の経営環境については、客単価戦略が一定の成果を示した一方で、人件費の増加や原材料費、物流費の高止まりが続き、非常に厳しいコスト増加に直面した1年となりました。その結果、売上高は174億円となり、前年から3,000万円の増収を確保しました。

一方で、利益面は非常に厳しい結果となりました。営業利益はマイナス6,000万円、経常利益はマイナス1億5,000万円となり、不採算店舗の整理などを進めた結果、当期純利益はマイナス5億1,000万円となりました。

連結業績四半期ごと推移

四半期ごとの業績推移についてご説明します。売上高は各四半期とも前年並みを維持し、大きな変動はありませんでした。一方、営業利益には注目すべき変化が見られます。

第1四半期は1,600万円の黒字でスタートしましたが、第2四半期は6,000万円の赤字、第3四半期も4,300万円の赤字と、コスト構造の変化に対応できず赤字が発生しています。

しかし、不採算店舗の整理や収益構造の改革を粘り強く進めた結果、直近の第4四半期では1,900万円の黒字を達成しました。依然としてコストの増加は続いていますが、収益改善の兆しが明確に現れ始めています。

営業利益の増減分析 計画比

期初に掲げた営業利益計画と実績との差異について、スライドのウォーターフォールチャートを用いてご説明します。減益の理由は、大きく分けて6つに分類されます。

1つ目は、既存店売上についてです。客単価戦略により、お客さま1人当たりの単価は計画を達成しました。一方で、客数は前年比98.2パーセントと伸び悩んだ結果、減益につながっています。

2つ目は、出退店計画の未達についてです。不採算店舗の整理は計画どおり実施しましたが、出店計画については4店舗の計画に対し実績が2店舗と、計画未達となっています。

3つ目は、原価の高騰についてです。原材料価格および物流費の高止まりに対し、コスト改善効果で一部を相殺しましたが、完全にはカバーできず、減益要因となっています。

4つ目は、人件費コストの増加についてです。最低時給単価の上昇や人手不足により、人件費コストが上昇しています。オペレーションの改善を進めていますが、コストの増加を吸収するには至らず、減益となりました。

5つ目は、その他のコストについてです。店舗リニューアルに伴う先行投資が一部発生しています。

6つ目は、最大の下振れ要因となった本部コストの増加についてです。こちらには、単なるネガティブなコスト増加だけでなく、資本政策に伴う一時費用の処理、収益構造改革を進めるための人材投資、マネジメント体制の強化に対する戦略的なコスト投下も含まれています。

これらの結果、数字だけを見ると非常に厳しい決算となりましたが、収益構造改革やマネジメント体制の強化は着実に進んでいます。

第4四半期で実現した黒字化の流れを決して止めることなく、2027年3月期はすべての施策を一つひとつ確実に実行し、厳しい経営環境下でも利益を出せる会社へと変革を遂げていきます。

楠元:先ほど羽根が説明したとおり、前期は非常に厳しい決算となりました。そもそも当社は、新型コロナウイルス禍を含め、それ以前の8年間にわたり赤字が続いていた会社ですが、さまざまなかたちで収益改革を進めてきました。

その結果、2023年3月期から2025年3月期の3年間においては、経常利益までしっかりと黒字を出すことができる会社へと回復し、再成長を遂げてきました。

ただし、みなさまもご存じのとおり、物価や人件費の高騰、そして人口減少といった課題が明らかになっており、このような厳しい経営環境の中で対応を進める必要があります。

我々のコスト構造は大きく変化してきています。前期決算については後ほどご説明しますが、現在進行中の中期経営戦略において、コスト構造や収益構造の変革に取り組んできました。しかし、その効果が現れる前に、コスト高騰の影響がやや追い付けない状況となりました。

営業利益について、第2四半期と第3四半期では赤字がやや大きく、その原因はコスト構造改革の施策を進めていたものの、効果が出るまでの時間が足りなかったことです。一方で、第4四半期はご覧のとおり営業利益が黒字化しています。

構造改革の効果が少しずつ表れ始めており、黒字化しています。これを前提に、今年度は構造改革をさらに加速し、大胆に取り組んでいく必要があります。この取り組みの中で、黒字をしっかりと出せる会社に戻せると考えています。

既存店舗 前年比推移

これを前提として、現在の事業状況や今年度の計画についてお話ししたいと思います。

事業の状況についてです。物価高騰がある中で、前年度の売上高は前年同期比102.1パーセントの成長となっています。ただ、スライド下に記載のとおり、物価の上昇に伴い、当社もお客さまにお支払いいただく価格を引き上げた結果、客単価が上昇しました。

一方で、大きな問題として指摘されるのは、コストをさらに吸収しなければならない点と、それを吸収しながら多くのお客さまからご評価いただく必要がある点です。当社は客数を最大のベンチマークとしていますが、客数が前年度比で98.2パーセントまで減少したことに課題があります。

データや現場の感覚から見る限り、いわゆる常連のお客さま、つまり来店される顔ぶれに大きな変化は見られないため、客離れが進んでいる状況ではありません。しかし、物価高騰により商品の価格が上がったことから、来店頻度が控えられたのではないかと考えます。

全体的には、これが主要な要因ではないかと見ています。したがって、来店頻度を高める施策の検討や、新たなお客さま層から支持される業態への転換が今後の重要な課題と考えています。

この両方をうまく組み合わせた施策を、今後どのように展開していくか、また、コスト構造を現代および次世代に向けた新しいものに変えていくかが課題です。

物の値段が上がる時代において、人口減少とともに物価が上がらなければ国の経済成長は見込めないという前提で考えると、物価上昇に対応するために購買力を高めることが必要です。そして、1人ひとりの所得が増え、人件費が上昇していくのは必然的な流れであると考えます。

それに見合った収益構造を構築する一方で、お客さまに支持されることが不可欠です。そのために、お店に来ていただけるような値ごろ感をどのように設定するかが、大きな構造改革の中心となります。

事業別の動向

構造改革について、もう少し詳しくご説明します。前年度は赤字でしたが、業態ごとの状況について、まず簡単に説明します。

直営店舗数が160店舗に達している「扇屋」は、さまざまな屋号で展開されていますが、焼き鳥チェーンとしての「扇屋」では、現在、新しい収益モデルの実験店舗の運営も進めています。

既存店では、メニュー改革とオペレーション改革を着実に進め、コスト上昇など厳しい環境下でも利益水準を確保しています。前期には、会社全体の連結では赤字を計上していた業態ですが、現在はしっかりとした黒字を出しています。

このように、当社の主要業態であり、大型店を中心に多くの店舗を持つ業態で利益を確保できていることが、私たちが今年度黒字化を確信できる根拠となっています。

「扇屋」における新たな収益構造改革は、「扇屋」など最大の店舗数を有する業態で引き続き効果を発揮すると考えています。より利益を最大化する構造への転換を加速させ、今期の黒字幅をどこまで拡大できるかに取り組んでいます。

「Pastel」はインショップやショッピングセンター内にあるレストラン業態で、レストラン街における競合他社とのシェア争いが生じる環境にあります。

「Pastel」はパスタやピザ、チーズ、輸入食材など、円安の影響を受けやすい食材が多く、コスト構造の影響を大きく受けた業態です。このため、来店頻度の減少やコスト面での収益構造の両面において非常に苦戦し、前期は最も苦しい状況にありました。

そのため、前年度末の第4四半期以降、商品構成や販売価格、原価率の抜本的な改善に向けたオペレーション改革を徹底的に行っています。今年度4月、5月の実績については、まだ確定的な数字は出ていませんが、収益面でも客数面でも回復フェーズに入った状況です。

去年の結果があまり良くなかった分、「Pastel」の回復曲線は今年度、全業態の中でも最も大きくなるのではないかという段階に入っています。成果が4月から出始めており、ここも確実に黒字化を狙える業態になっています。

事業別の動向

「ザ・居酒屋」と先ほどお伝えした「日本橋紅とん」「魚や一丁」についてです。

「日本橋紅とん」はもともと東京23区内に店舗が集中している超都市型業態であり、アフターコロナの中で東京での回復が早かったことから、もっとも早く業態が回復し、大きく利益を稼ぎ出しました。

この業態はヴィアグループ全体の収益改革、収益改善、再生において重要な役割を果たしました。しかしながら、物価高騰や東京での生活費の上昇、さらには人件費の影響により、前期はやや足踏みをしてしまいました。

前年度第3四半期から第4四半期にかけて、新しいタイプの新店舗を2店舗オープンしました。それぞれの店舗は、良い成果と課題の両方を多く示していますが、収益改革の一環として事業モデルを少しずつ変革していくという挑戦が結果を出し始めています。

今年度は、再度、人件費と原価のコントロール、オペレーションによる管理を修正するとともに、新しいスマホオーダーの導入などを進めながら、新しい収益構造へ徐々に移行していきます。成功体験が積み上がっているため、今年度はそれなりの結果を残せるのではないかと考えています。

「魚や一丁」に関しては、海の物を扱っていることから、現在の海洋環境の変化が非常に著しく厳しい状況に直面していました。そのため、商品構成や価格設計などを抜本的に見直し、新しい時代に対応しようと、前年度後半から大きく改革を進めてきました。

この業態では、収益改善に向けた取り組みを加速させています。連結決算では赤字でしたが、個別に分解するとそれぞれのプラスとマイナスが明確に把握できています。

そのため、プラスをどのように伸ばすか、マイナスをどのようになくしていくかの課題に対し、現在施策を集中させています。今年度の回復は間違いないと考えています。

中期経営計画2028の目指す姿

今お伝えしたとおり、新型コロナウイルスから明けた3年間で黒字を達成しました。その後、昨年度から今年度、来年度の3年間にわたる中期経営計画および中期経営戦略を策定しています。

「中期経営計画2028」のベースとなる今期は2年目に当たります。この計画の中でどのようなことが起き、黒字化が確実に達成されるのか、そのメカニズムについて簡単にご説明します。

「中期経営計画2028」の目指す姿について、前回および前々回の説明会で詳細にお話ししました。今日は初めての方も多いと思われますので、概要をコンパクトにご説明したいと思います。

コロナ禍の真っ只中であった2020年から始まり、2025年3月末まで、2024年度までの期間を「未来計画」と位置づけています。

この期間では、まずコロナ禍からの脱却、その間にアフターコロナをどのように迎えるか、さらにアフターコロナにおいてその成果をどのように収益構造モデルとして確立するかに集中し、再成長に向けた投資を行ってきました。

この3年間、みなさまのご支持をいただいたおかげで、黒字を確保することができました。しかしながら、先ほどからお伝えしているとおり、人口減少が顕著になり、人手不足が今後数十年続くと予測されます。それに伴い、地域ごとの経済構造にもさまざまな変化が生じています。

このような背景を踏まえると、人口減少の中で日本の経済成長を持続させるには、人件費や物価コストの上昇を前提としつつも、持続的に利益を生み出すための新たなビジネスモデルへの大胆な転換が求められます。

この3年間における取り組みを経て、現在は2027年3月期という2年目の年度を迎えており、この期間を「未来計画Next」と銘打っています。新ビジネスモデルへの大胆な転換と、それに対する投資を行うことを掲げています。

スライド下部に「3つの戦略」を示していますが、ビジネスモデルチェンジに関する取り組みを表しています。ここでは、ビジネスモデルを全従業員にわかりやすく伝えるため、便宜上3つに分類しています。

1つ目は、収益構造モデルです。利益を生み出す仕組みを新たに再設計し、それに移行するという内容です。

2つ目は、業態モデルです。例として、焼き鳥屋や刺身居酒屋といった業種を挙げています。パスタレストランをはじめとしたさまざまな業態を、新しい時代に見合ったものへとモデルチェンジします。

具体的には、価格設定や商品構成を含めて、次の時代に適した形へと変えていく再定義を行うということです。

3つ目は、人財総活躍モデルです。人口減少が進む中で、一人ひとりが新たな教育や人的資本投資を通じてリスキリングを行い、それによって1人当たりの生産性を1.5倍、2倍に高めることを目指します。

さらにDXも活用して効率化を進め、新たな人事モデルや人財モデルを完成させることを目指しています。人口減少に対応して1人当たりの生産性を高めながら、新たな働き方改革を推進し、それに見合った処遇や働き方への変更を図る必要があります。

こうした取り組みをすべて網羅し、モデルの進化を進めることを、基本の構造柱の1つとして掲げています。

戦略的 縮小型 成長モデル

「戦略的 縮小型 成長モデル」についてです。人口減少が進む中で経済規模を成長させつつも、さまざまな分野で市場規模が縮小していくなか、人口が減少するにつれて、店舗数も減少する可能性があります。

それでも、その状況で得られる収益を何倍にも増やしていかなければならないと考えています。縮小が避けられない部分については、なにも対策を講じなければ、そのまま縮小してしまいます。

そのため、自分たちの戦略に基づき、正しい縮小方法を取りながら、全体的にはしっかりと拡大していくための取り組みを考える必要があります。これが「戦略的 縮小型 成長モデル」です。

スライドに「店舗数×店舗当たり利益=全社利益の拡大」という数式が示されています。下のグラフでは、折れ線グラフが店舗数を、棒グラフが店舗単位での営業利益を表しています。

店舗数は直近3年間の「未来計画」においてほぼ横ばいに見えますが、数字にすると若干減少しています。しかし、棒グラフの利益は増加しています。既存店や既存モデルでの利益もそれなりに増加していますが、増加率はそれほど高くありません。

一方で、新しい収益力を持つ新たなタイプの収益モデル店舗への移行が進むことで、利益が増加していく様子を示したグラフです。

計画数値3ヵ年

前年度の初めに立てた計画では、前期の売上高を177億2,000万円、営業利益を3億1,000万円と見込んでいましたが、結果としてマイナスになってしまいました。2027年3月期では、195億円の売上高に対して6億円の営業利益を目指していきます。

取組み① 優先株式・新株予約権の発行

中期経営計画について、現状どのように組み立てているかをお話しします。中期経営計画の進捗状況について、大きなテーマをご報告します。

まず、大胆なモデルチェンジを行うために必要な投資について、その資金を確保するために、私どもは3年間のコロナ禍を経て「未来計画」の再建から再成長のフェーズを無事クリアしました。

その間、事業再生ADR制度を活用し、金融機関のみなさまのご協力をいただきながら新たな資本を導入し、再建を進めてきました。当時導入いただいた優先株式にはC種とD種がありましたが、それらの資本を新たな投資資本に入れ替え、リキャップを進めたいと、1年半前から取り組んでいました。

昨年10月、新たな投資ファンドであるグロースパートナーズと資本提携を結び、ハンズオン型の業務支援を受ける契約を締結しました。これにより、新たに総額30億円の資金を確保し、E種優先株式として15億円の資本を投入していただきました。

15億円のうち半分は、既存の事業再生ADR制度の際に導入いただいた再生支援ファンド「RKDエンカレッジファンド」のC種優先株式を償還しました。

これにより、8.5パーセントだった優先配当率を3パーセントの新しい優先株式に切り替え、配当負担を約3分の1に減らしながら、大胆なモデルチェンジに向けた新たな投資資金を確保できました。昨年10月にグロースパートナーズの協力を得て、無事これを達成しました。

さらに投資を加速させるため、新たに15億円の新株予約権枠を設定しました。この枠はまだ使用されていませんが、適切な投資対象が決まり次第、これを転換することで資金を確保し、確実に投資を実現できる体制を整えています。

これにより、成長投資が可能な状態が整ったといえます。

取組み②

先ほどのグラフのとおり、今後3年間の「戦略的 縮小型 成長モデル」において、店舗数は増加していないように見えます。しかし、新たな収益構造を持つ店舗が増加することで利益幅が拡大します。

既存店についてもオペレーション改革の進行により、徐々にではありますが、利益が増加し続ける見込みです。

そのようなモデルの実験の1つとして、最も店舗数の多いメイン業態である「総本家 備長扇屋」が、昨年、発祥の地である名古屋において新型モデルの新店舗をオープンしました。この店舗は非常に好調な成果を上げています。

品質と価値の再定義や業態モデルの再定義を踏まえ、「扇屋」という焼き鳥屋が、これまでどのようにお客さまに支持されてきたのかという本質的な部分を維持しながら、新たに収益をもたらすための方法に挑戦しています。この挑戦は、メニュー面だけでなく、店舗設計の面でも行われています。

高付加価値を追求した業態転換により、速やかに実績を上げており、売上高も利益率も非常に高い状態を保っています。現在、この成功モデルをどのように展開していくかという次のステージに突入しています。

実際に、既存店の中でこの新モデルのメニューや構成を取り入れた店舗がすでに数店舗存在します。それらの店舗は軒並み収益性が改善しているため、業態のモデルチェンジをこの成功事例を基にして進めていきたいと考えています。

取組み③

同じように「紅とん」でも展開しています。東京の飯田橋駅前と、新宿東口という新宿の商業地域の中心部に2店舗を出しています。それぞれ、まったく異なるマーケットに展開しています。

「紅とん」は、もともとは1階の路面店でした。しかし、現在、東京23区内の路面店の家賃コストが非常に高騰しているため、路面店ではない立地にも挑戦しようと、地下や空中階に出店しています。

こうした試みからはさまざまなメリットや成果、課題が得られています。これらを一つひとつ丁寧に分析し、メリットや良い部分を積極的に伸ばしていく一方で、デメリットについてはどのように解消するか取り組んでいます。

業態モデルチェンジの良いきっかけにしたいと考えています。今年度は、これを参考に進めますが、まだ多くの修正が必要です。何度も修正を重ねながら内容をブラッシュアップし、事業モデルチェンジにつなげていきたいと考えています。

取組み④

人財総活躍モデルについてです。

まず、従業員のベースアップを実施しました。

モチベーション向上策の1つとして「社内独立支援制度」、つまり自身の店舗を持てる仕組みを再スタートしました。この制度は社内独立制度であり、会社のブランドに依拠しながら、自分の店を持てる仕組みです。現在、4人が5店舗の独立を果たしています。

今年度は、すでに1人が独立を内定しているため、この制度に希望を持ち、当社に入社したいと考える人が増えることを期待しています。この制度を今後も育てていく方針です。

多様な働き方に対応する新制度の導入も積極的に進めています。例えば、地域社員など、多様な勤務形態を導入しています。

準社員店長や準社員リーダーといったポジションも新設しました。当社の準社員は、世間一般で言うアルバイトにあたり、アルバイト店長やアルバイトリーダーを育成していく取り組みです。

一方で、高齢化社会を見据え、ミドル層やシニア層が長く働き、活躍できる環境やポスト作りにも積極的に取り組んでいます。具体的には、約3年前に定年を60歳から65歳に延長しました。

社員として65歳まで勤務した後も、エイジフリー制度を活用し、健康で働ける限りその先も就労できる仕組みを整えています。

外国人人材について、当社は比較的早い段階から積極的に取り組んでおり、現在50人の外国人正社員が在籍しています。スライドには8名と記載されていますが、現時点では9名になっています。さらに、外国人の正社員店長も誕生しています。

もちろん言葉の壁もありますが、外国人社員は非常によく働いてくれています。そのため、コミュニケーションを含めて、彼らや彼女たちが日本で働きやすい環境を整えるためのトレーニングの仕組みを日々改良しています。

これを磨き上げていけば、外国人店長の数はさらに増えていくでしょう。それが次の人材モデルの1つになっていくのではないかと思います。

取組み⑤

収益構造モデルについてです。

当社ではさまざまな取り組みを進めていますが、最大の取り組みは物流拠点の統合です。もともと12ヶ所に分散していたセンターを、現在7拠点まで統合しており、最終的には5拠点に集約し、しっかりとコストをコントロールできる状態を目指しています。

物流オペレーションの基盤には、サードパーティーロジスティクス方式を導入しています。物流と商流を分けながらも、配送・保管・調達業務までを一元管理するかたちを採用しています。

もしこの仕組みに移行する前の状態が続いていた場合、コストは現在の3倍程度まで上昇していた可能性があると考えられます。コストを抑制できたという点でも、非常に重要な物流改革であり、効果的なコスト構造改革であったと評価しています。

今年度以降、物流を1つの切り口として、さまざまな仕組みの改革に取り組んでいます。

2027年3月期の計画 営業利益の増減分析

今お話しした内容を基に、今年度、3ヶ年中期経営計画の2年目において何を行い、どのような数字の計画を立てているかを簡単にご説明します。スライドの数字の信憑性については後ほどご説明します。

2027年3月期の計画 主要な施策(1)

収益構造について、さまざまな取り組みを行ってきました。これを今後どのように展開していくかについて、主要な施策を2つご説明します。まず、店舗オペレーションの見直しによる人件費率の改善です。

テーブルオーダーシステムについてです。さまざまな形態があり、いわゆるタッチパネル型のものもあれば、スマホオーダーも含まれます。今年度中にほぼ全店に配備する予定で動いています。

このシステムは、オーダー業務の効率化によって接客時間を確保し、より多くのセールスが可能な状態を作り出すとともに、必要なスタッフ数を減らし、満席時でもスムーズに回せるオペレーションを実現するものです。

ただし、こうした仕組みにおいて効率化が中心になりがちな中、当社では顧客満足度をどう向上させるかという視点でオペレーションを検討しています。そして、人件費の絶対額を減少させるように、どのようにコントロールするかを追求しています。

現在、実験の結果としていくつかのパターンが確立されており、これをすべての店舗に展開するステージに入っています。

調理オペレーションの負荷軽減についてです。少ない人員で準備や仕込みのスタンバイから調理までを効率化すると同時に、品質を向上させる課題があります。

そのため、調理機材の見直し、調理方法の改善、さらには食材の調達段階からの見直しなど、さまざまな側面で調理オペレーションの負荷を軽減する取り組みを行っています。

当社はセントラルキッチンを持たないため、この分野は今後の重要なキーとなる要素と考えています。そのため、ここにも集中的に取り組んでいます。

2027年3月期の計画 主要な施策(2)

店舗オペレーションや調理オペレーションの改善において、今回の構造改革2年目で最も注目すべき点は、ワンカンパニー化による、経営機能の抜本的な建替えです。これは、リニューアルや完全な建替えに近い取り組みを指します。3つの施策について簡単にご紹介します。

1つ目は、本部機能の統合です。現時点では、会社全体の合併は実施しておらず、コストと手間の観点から、そのタイミングが適していないと判断しました。そのため、まずは本部機能を1つに統合します。これを「ワンカンパニー化」と呼んでいます。

具体的には、ヴィア・ホールディングスの本社機能と各事業会社の本部機能を一体化させました。これにより重複業務が削減され、本部コストを削減することが可能となっています。

さらに重要なのは、情報資産の集約により、知識や情報の厳格な管理、情報量の拡大、およびその最適な運用が可能となったことです。これにより、経営判断の質やスピードが飛躍的に向上したと考えています。

特にワンカンパニー化によって、本部機能が一体化しています。従来は各会社に社長が存在し、最終的には私がすべてを兼務していましたが、各業態には事実上のトップがいて、それぞれがその会社の枠組みの中でのみ物事を考えていました。

現在では、各業態のトップがヴィアグループ本社の「扇屋」業態本部長といった役割を担い、ヴィア・ホールディングスに所属しています。

4つの会社の本部長が机を並べて仕事をしており、人材の流動性が高まり、横の交流も非常に濃密になっています。その結果、交流や情報共有、議論が以前よりも活発になり、良い意味で競争が激化しています。

この効果を最大化することが、ワンカンパニー化の第一の強みとして表れていると考えています。

2つ目は、組織のスリム化です。重複業務が数多くあったこれまでの状況から、業務がどんどん削減されるとともに、階層も可能な限りスリム化したことで、意思決定が早くなっています。さらに、迅速なだけでなく、非常に精密な意思決定が可能になっています。

また、固定費の最適化と現場へのリソース再配分について、余計な本部機能を削減した結果として、コスト削減効果が得られています。

3つ目は、役員体制の見直しです。監査等委員会設置会社への移行を予定しています。株主総会を経て、その後に移行するものです。ワンカンパニーになる時点で、すでに各事業会社は取締役会非設置会社となり、各社の取締役は私1人のみという状態です。

本部機能はすべてヴィア・ホールディングス本社に所属しているため、その中で統合を進めていきます。その結果、意思決定だけでなくガバナンスも大幅に強化されると考えています。

監査等委員会設置会社に移行することで、従来の監査役会とは異なり、ガバナンスがより現代の要請に見合ったかたちでコンパクト化され強化されます。その結果、役員数を大幅に削減することが可能になります。

今回は、社内取締役として私と石岡、関川の3人に加え、独立社外取締役1人を合わせた4人体制となります。また、取締役機能を持った監査等委員会のメンバーが3人の計7人となり、かつての取締役会メンバーの半分まで減らすことができました。

これにより、組織はスリム化とコンパクト化が図られ、意思決定の迅速化が可能になり、お互いの監視機能も強化されています。さらに、ガバナンスを強化することで、役員報酬の削減も実現した仕組みとなっています。

前年度は赤字だったため、私たち社内役員は役員報酬を今年度は減額し、気持ちを新たに出直す覚悟で臨んでいます。

また、コンパクト化とスリム化により、コストを大幅に削減することが可能です。ワンカンパニーになったことで、固定費や営業費の経費削減がすでに実現しています。ただし、これはあくまで手段であり、経営機能を抜本的に変えていくことが目的です。

これまでの体制では、各社がそれぞれ本社と社長を持ち、経営と執行が一体化していました。しかし、今回の体制変更により、経営と執行を完全に分離する準備段階に入っています。

すでに分離を開始しており、CEOの私は経営に専念し、COOを1人配置して、石岡が執行責任者を務めています。この2人が経営と執行を明確に分離し、お互いに連携しながら牽制し合う体制です。

私は経営方針を策定し、その実現に必要な執行手段や施策については執行部隊が考え、連携と合意のもとで経営を進める仕組みを構築しています。

この結果、業務のスピードは大幅に向上し、見える成果も大きく変わってきています。戦略立案も容易になり、状況に応じて経営戦略を柔軟に修正しながら進められるようになっています。

これからさらに機能を強化しながら、自社に適したワンカンパニー化を進めていきます。この取り組みには完成形はないと思われ、常に改善と変革を繰り返しながら進めていく必要があります。そのため第2四半期以降、早急にこのフェーズへ移行したいと考えています。

今年度は、前期の営業利益がマイナス6,900万円の赤字でしたが、既存店売上、出退店コストの削減、原価、人件費、その他コスト、本部コストの見直しを合わせて、3億円の利益を出す計画を立てています。これらはすでに着手しており、成果が出始めているため、達成可能な数字と見込んでいます。

3億円と同程度の隠れた利益のようなものもありますが、着手済みの施策が多く含まれているものの、結果が出るか否かがまだ確定していないため、数字としては反映していません。そのため、実現可能性や蓋然性が高いとは言えず、計画には含んでいません。

3億円以上の利益を出せる施策はすでに始動しており、今年度の利益計画は必ずや達成したいと考えています。

2027年3月期 連結業績予想

その結果、今年度は売上高を175億円と予想しています。無理に出店を行わず、現在のコスト構造改革やワンカンパニー化による機能改革を進めることで、営業利益を3億円まで引き上げ、さらに4億円、5億円、6億円と増加させられるよう取り組んでいます。

株主優待

最後に、株主のみなさまへの還元としての株主優待についてです。前年度に少し改革を行いました。ご優待の対象は、保有株式100株以上の株主さまで、毎年3月末日時点で株主名簿に記載されている方に、スライドの表に記載した内容の割引券をお配りしています。

今後については、さまざまな方法を検討したいと考えています。先ほどの利益改革を早期に実現し、これまで以上にみなさまにとって使いやすく、あるいは他の方にお渡しいただいて「ちょっと行ってみてよ、いい店だよ」と私どもの店舗をご紹介いただけるような会社業態を目指します。

株主優待の仕組みについても、より良いものに改善していけるよう努力していきます。今後とも、ご支援のほどよろしくお願いします。私からの本日のご説明は以上です。ありがとうございました。

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