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株式会社サンコー6964

東証スタンダード

電気機器

目次

丸山卓也氏:執行役員技術本部長兼技術部長の丸山です。「2026-2030 中期経営計画」の説明を始めます。

本日は、経営メッセージに続いて、5年後のあるべき姿、5年後の売上高300億円の構造、その達成に向けた主要戦略をご説明します。さらに、生産、技術・開発、AI・DX、財務、人事、SDGsの各戦略と、中期経営計画を支える経営基盤についてお話しします。

1.経営メッセージ

はじめに、経営メッセージです。

AIの進展により、社会や産業が大きな変革期を迎えようとしています。また、カントリーリスクや円安を背景に、国内のモノづくりがあらためて見直されています。

当社は、AI・DX、ロボティクスを活用し、生産プロセスや検査工程を見直します。現場の長所を尊重しながら、コスト削減、納期短縮、品質改善を進め、社員の創造力を育んでいきます。

また、プレスおよびプラスチックの金型技術力・提案力を、世界に通用する水準へ高めていきます。あわせて、地球温暖化対策、地域貢献、IR活動にも取り組み、企業イメージの向上を図ります。

2021-2025年度 中期経営計画の振り返り

続いて、2021-2025年度中期経営計画の振り返りです。

WIN2025 中期経営計画では、連結売上高の増大と営業利益率の向上を掲げました。売上は計画比129パーセントとなった一方、営業利益は計画比66パーセントとなり、計画を下回ったため、評価は「△」となっています。

EV時代への対応については、自動車分野が売上セグメント別で129パーセントと順調に伸びた一方、二次電池分野は75パーセントと未達でしたが、評価は「○」となっています。

IATF16949認証については、2021年に取得しており、評価は「◎」となっています。

海外子会社の増強については、タイ子会社の業績は順調に伸びたものの、新拠点の拡大には至らず、評価は「△」となっています。

再生可能エネルギーの使用促進では、太陽光発電の導入や設備更新により、計画を上回ってCO2排出量を40パーセント削減しており、評価は「◎」となっています。

売上面では、EV関連の大型受注もあり、自動車関連が伸びました。一方、営業利益は円安の進行やウクライナなどの紛争影響による調達コスト高騰を受け、計画を下回りました。

2. 5年後のあるべき姿 着地点(ゴール)

次に、5年後のあるべき姿、着地点についてです。

1つ目は、モビリティ・電機業界において、プレス・プラスチックの複合品に強みを持ち、高性能部品を安心して提供できる企業ブランドを確立することです。これにより、売上高300億円、営業利益率8パーセントの達成を目指します。

2つ目は、AIおよびDXにより、長年蓄積してきた技術資産を有効活用することです。顧客と開発段階から量産までの合理的なプロセスである「サンコーWAY」を共有し、密接な関係を構築するとともに、原価・品質の両面で、データに裏付けられたモノづくりを追求します。

3つ目は、タイまたは東南アジア拠点の生産規模を拡大し、生産能力を倍増することです。海外における顧客の利便性に対応し、グローバル市場で競争力のあるものづくり基盤を確立します。

4つ目は、BCP、情報セキュリティ、ガバナンス、人材育成を強化し、事業存続に必要な企業基盤を確立するとともに、顧客からの信用向上につなげることです。

5年後のあるべき姿 ~実現にむけての7つの基本戦略~

5年後のあるべき姿を実現するため、7つの基本戦略を掲げています。

1つ目は、営業活動のデジタル化により、新規顧客を10パーセント増やし、新しいセグメントを伸ばすことです。

2つ目は、金型規格の改革です。構造の簡素化とDXにより加工時間を短縮し、リードタイムを半減させます。

3つ目は、最新設備への更新と、スペース・稼働率の効率化です。工場全体の生産性を40パーセント、年間10パーセント引き上げます。

4つ目は、オペレーション作業をDXで大幅に削減し、改善や管理に重点を置くことで、社員の仕事の質を高めることです。

5つ目は、産学連携と技術部門の強化により、イノベーションを推進し、固有技術や自社製品を確立することです。

6つ目は、マネージャー、リーダー、技術者を育成し、シニア層、女性、外国人など多様な人材を活用することです。

7つ目は、サステナブル投資の増加と、リユース・リサイクルの徹底により、CO2排出量を5パーセント以上削減することです。

サンコーの強み ~コアコンピタンス~

続いて、サンコーの強みであるコアコンピタンスについてです。

サンコーの強みは、金型技術力、プレス・プラスチック・複合製品の技術力、そして財務力です。

これらの強みを活かし、情報を先取りしたリードタイム短縮、品質管理力、価格競争力、サプライチェーン運営において、他社とは一味違う魅力を作っていきます。

3. 5年後の売上高300億円の構造(有償支給含む)

次に、5年後の売上高300億円の構造です。

売上高300億円の達成に向けて、既存(成行)、新規引合い(取得済)案件、ストレッチとして新規開拓と既存領域を組み合わせて成長を図ります。対象期間は64期から68期までで、2030年にあたる68期の売上高は300億円を計画しています。

4. 売上高300億円 達成のための5つの主要戦略

売上高300億円の達成に向けた、5つの主要戦略についてです。

戦略1は、車載コネクタ製品の取り込みです。2028年以降に量産を迎えるプラットフォーム案件の受注を進め、ジャンクションボックスや端子台を狙い製品とします。

戦略2は、防水コネクタの取り込みと内製化です。防水対策としてインサート成形のニーズが見込まれる中、コネクタ、インバータ、DCDCコンバータ、二次電池の端子台を対象に取り組みます。

戦略3は、横展開による新規顧客の獲得です。主要客先の競合情報やシェアをもとに、Tier1先のターゲットを絞るとともに、カメラメーカーの拡充とパワー半導体への参入を進めます。

4. 売上高300億円 達成のための5つの主要戦略

続いて、5つの主要戦略のうち、戦略4と戦略5についてです。

戦略4は、塗装の内製化です。塗装や印刷を必要とする部品の需要に対し、内製化によって価格競争力を高めます。対象は、主に自動車部品などの構成部品です。

車載分野では、インバータ、ECU樹脂ケース、エアバッグにおいて、塗装・印刷のニーズがあります。カメラ分野では、外装樹脂カバーを対象とします。用途としては、錆対策や準外観部品が挙げられます。

戦略5は、燃料電池関連を狙うセグメントとすることです。燃料電池は、燃料電池自動車や家庭用発電システム(エネファーム)など、さまざまな分野で利用されています。

中でも燃料電池自動車、FCVを狙いとし、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、成長が見込まれる燃料電池関連分野を新たな事業セグメントとして位置付けます。

4. 売上高300億円 達成のための5つの主要戦略

次世代自動車のマッピングについてです。

車両サイズと移動距離を軸に、EV領域、HV・PHV領域、FCV領域を整理しています。EV領域には乗用車、小型宅配車両、近距離用途、パーソナルモビリティが含まれます。HV・PHV領域にはHVとPHVが、FCV領域にはFCV、FCVバス、路線バス、大型トラック、宅配トラックが含まれます。

FCV領域は成長予測として位置付けています。SPACE2030の期間は、燃料電池関連の事業化に向けた基盤整備と市場開拓を進める重要なフェーズです。

当面の売上は限定的となる見込みですが、将来的な事業成長に向けた仕込みの期間として、重点的に取り組みます。

5-1. 5年後のあるべき姿 生産戦略

ここからは、5年後のあるべき姿のうち、生産戦略についてご説明します。

1つ目は、タイまたは東南アジア拠点の生産規模を拡大し、生産能力を倍増することです。海外における顧客の利便性に対応し、グローバル市場で競争力のあるものづくり基盤を確立します。

新拠点・拡張戦略は、顧客の利便性を踏まえて方向付けます。現有取引先の拠点は、自動車の生産国であるタイ、インド、中国です。また、Tier1の工場調査対象は、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、南アフリカ、ラオス、中国です。

2つ目は、最新設備への更新と無駄スペースの削減により、工場全体の生産性を40パーセント、年間10パーセント引き上げることです。

最新設備への更新では、省エネルギー、自動化、無人化を目的に新設備を導入し、少子化や高齢化による人手不足に対応します。5年後までに導入する設備は、協働ロボット、AMR、プレス機械、目視外観検査の自動化です。

また、国内倉庫の建設により、生産拠点の効率化と余地創出を進めます。さらに、二次加工の内製化を実現するためのM&Aにも取り組みます。

5-1. 5年後のあるべき姿 生産戦略

続いて、グローバル海外新拠点の候補についてです。

現在取引があり、すでに進出先候補地で事業を展開している日系企業にターゲットを絞り、海外新拠点への進出を進めます。

候補地は、タイ、ラオス、ベトナム、インド、インドネシア、南アフリカ共和国です。

5-1. 5年後のあるべき姿 生産戦略

次に、無駄スペースの削減による工場生産性の向上についてです。目標は、年間10パーセント、中期で40パーセントの生産性向上です。

生産拠点の再編では、堀金工場の小型プレス設備、三田工場のインサート成形設備および小型成形設備を移転し、小型設備の集約・拠点の再編と、三田工場の余地創出を進めます。

設備群の集約では、堀金工場、三田工場の設備を対象とし、中大型プレス、インサート成形、小型プレス、小型成形、中大型成形、組立工程を整理し、最適に再配置を行い、生産拠点全体の効率化を図ります。

5-2. 5年後のあるべき姿 技術・開発戦略

続いて、技術・開発戦略です。

サンコー研究開発VALUESとして掲げるのは、「極・省・短」を究めることです。「極」は究極を目指し、技術を極めることです。「省」は省スペース、小ロット、少コストで、「短」は、開発、金型、製造における超短納期を意味します。

これらを実現するため、研究開発3本の矢を掲げています。

1の矢は、重点的な研究開発投資です。中期累計で30億円を投資し、過去5年の実績対比で倍増させます。対象には、バリレス技術などが含まれます。

2の矢は、新規技術獲得のための開発M&Aです。専門技術の取り込み、人材確保、生産規模の拡大を目的とし、提携先企業5社の開拓を進めます。あわせて、M&A専門推進プロジェクトを組織化し、塗装、熱処理、金型をターゲット分野とします。

3の矢は、工科系大学との共同研究です。地域の工科系大学との共同研究先を開拓し、協働で開発テーマを設定することで、Win-Winの関係を進めます。

5-2. 5年後のあるべき姿 技術・開発戦略

次に、金型規格の改革と産学連携による技術強化についてです。

金型規格の改革では、構造の簡素化とDXにより加工時間を短縮し、リードタイムの半減を目指します。図面入手から部品完成までをフェーズごとに区切り、各工程の改善を進めます。

金型設計では、過去資産を有効活用し、金型規格や設計標準の見直しにAIを活用します。金型製造では、金型構造やパーツの標準化を進め、3Dデータの活用率を高めます。

試作では、量産条件に近い環境を整備し、CAEの活用によってトライ回数の削減を図ります。部品測定では、測定待ちの無駄時間を削減し、人に頼らない測定の確立を目指します。

また、産学連携と技術部門の強化により、イノベーションを推進し、固有技術や自社製品の確立につなげます。お客さまのニーズに応える新技術を専門機関と連携して研究し、競争力を強化します。

部品加工では、難加工材の加工や、プレス・プラスチックの新工法の確立に挑戦します。加工油・グリスでは、加工における重要要素である油を研究し、他社と差別化した生産を確立します。機構開発では、お客さまや市場ニーズに応える性能を保ちながら、生産性と世の中の常識を覆す機構開発を進めます。

5-2. 5年後のあるべき姿 技術・開発戦略

続いて、AM(Additive Manufacturing)加工技術についてです。AM加工技術とは、材料を積み重ねて製品を作る製造方法です。

樹脂系造形では、3Dプリンターを活用したプラ成形品の量産に取り組みます。小ロット生産では、金型を製作せずに3Dプリンターで製造することを目指します。また、金型製造では試作型を廃止し、3Dプリンターで製作します。

金属造形では、3Dプリンターを活用したプラ金型の製作に取り組みます。具体的には、製品形状に沿うことが可能なコンフォーマル冷却金型の研究、イレコの3Dプリンター製作、摩耗部分だけを再造形する技術の活用を進めます。

5-3. 5年後のあるべき姿 AI・DX戦略

次に、AI・DX戦略です。

サンコーのDXで目指す姿は、デジタル技術とデータを有効に活用し、変革を推進することです。

このスライドでは、開発、設計、金型、受注、試作、生産計画、購買、生産、出荷、クレーム対応までの一連の業務と、人事、経理におけるDXの取り組みを示しています。

エンジニアリングチェーンでは、図面情報管理、量産準備可視化を示しています。また、試作など量産前の工程との連携も示されています。

サプライチェーンでは、生産計画、購買、生産、出荷、クレーム対応に関する項目を示しています。生産計画では生産計画立案、購買では共通EDI、生産ではIoTを示しています。

引合いと見積では、見積支援、デジタル営業、データを示しています。

IoTでは、ロット別実績データ、設備・金型稼働データ、検査データ、品質不良データ、電力使用量データ、製品別コストデータを活用します。

人事では、スキル可視化とキャリア形成を示しています。経理では、管理会計と原価計算を示しています。

5-3. 5年後のあるべき姿 AI・DX戦略

AI・DX戦略の全体計画についてです。

1年目は、現状可視化とDX基盤整備のフェーズとして、見える化を推進します。2年目は、業務のデジタル化を進め、紙文化からの移行を図ります。

3年目は、データ連携と標準化により、全社での情報活用を進めます。4年目は、AI活用と意思決定の高度化に取り組み、蓄積データを活用します。

5年目は、データ駆動型経営を実現し、DXの高度化と変革を進めます。

5-4. 5年後のあるべき姿 財務戦略

続いて、財務戦略です。

1つ目は、投資戦略、すなわちアセット・アロケーションです。設備投資とR&Dは、将来の収益源となる事業への投資として位置付けます。M&Aは、時間を買う戦略として、他社の買収や資本提携を行うものです。

ポートフォリオ管理では、不採算部門からの撤退や、成長分野への集中投下を進めます。適切な意思決定を行うために、管理会計も強化します。また、危機管理、情報システム管理、法的紛争などに備えるリスク管理も強化します。

2つ目は、株主還元と利益配分です。配当政策では、株主への安定的な利益還元を行います。自己株式取得では、市場から自社株を買い戻すことで、1株あたりの価値向上を図ります。内部留保および増資では、戦略的投資やリスクに備え、必要な資金を確保します。

5-5. 5年後のあるべき姿 人事戦略

次に、人事戦略です。ここでは、売上計画と人件費比率シミュレーションについてご説明します。

対象期間は64期から68期までです。68期には、売上高300億円を計画しています。

人件費比率もあわせて管理し、オペレーション人員については、AI・ロボティクスの活用により半減を目標とします。社員の平均賃金は、年3パーセント増を想定しています。

5-5. 5年後のあるべき姿 人事戦略

続いて、人材マネジメントの基本方針です。

1つ目は、人材ポートフォリオの最適化です。売上拡大に比例して増員するのではなく、一人ひとりの生産性を向上させることで、少数精鋭化を「極める」方針です。

2つ目は、ロボティクス・AIの活用による「省人化」の推進です。生産部門の多能工化と、熟練度の高い人材育成により、高い生産性と機動的な人員配置が可能な環境を構築します。

3つ目は、人材採用・育成環境の「短期間」構築です。外国人材や派遣社員を評価し、リーダー・マネジメント層に登用することで、長期的に活躍できる人材を育成します。これにより、変化に短期間で対応できる人材配置の環境を整えます。

5-5. 5年後のあるべき姿 人事戦略

次に、プロジェクトリーダー制度と人材育成(ハイブリッド型組織運営)についてです。

横ぐしの機能連携を強化し、迅速にプロジェクトを進める仕事の進め方へ変革するため、マトリクス組織に基づくプロジェクトリーダー制度を試みます。

現行制度では量産準備リーダーを置いていますが、今後はプロジェクトリーダーの育成を進めます。主任・課長クラスを任用し、30歳代から計画的に育成します。育成の軸は、人材育成、進捗管理、収益管理です。

PLはProject Leader、APLはAssistant PLを意味します。新規案件では技術部門がPLとなり、営業・製造部門がAPLを担います。改良品では技術・製造部門がPL、営業・製造部門がAPLとなります。現流品では製造部門がPL、営業・管理部門がAPLを担います。

営業部門、技術・生産技術を担う技術部門、製造・品証・業務を担う製造部門が連携し、課長級の経験豊富な支援部隊であるHyper Rescueを生産本部長がマネジメントします。

5-6. 5年後のあるべき姿 SDGs戦略

続いて、SDGs戦略です。

2030年のCO2排出量は、2015年度比45パーセント削減を必達目標とします。加工高原単位を使用し、2015年度比で管理します。

購入電力使用量は、2025年度比で10パーセント削減します。2025年度までには、2015年度比40パーセント削減を達成しており、今後はさらに5パーセント以上の削減を目指します。

具体的には、太陽光発電による再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギー効率向上による電力使用量の低減、リサイクル・リユース強化による廃棄物削減を進めます。

これらの取り組みにより、全世界的なカーボンニュートラル目標に対する具体的な活動を強化します。

6. 中期経営計画を支える経営基盤

最後に、中期経営計画を支える経営基盤についてです。

安全は、すべての成長の土台です。人を守ることが、会社の未来を守ることにつながります。

1つ目は、重大災害ゼロです。命と健康を最優先し、重大災害・休業災害の撲滅を常に目指します。

2つ目は、リスクの未然防止です。設備、作業、環境のリスクを見える化し、先手で対策します。

3つ目は、安全文化の定着です。一人ひとりが安全を自分ごととして捉え、安心して働ける職場をつくります。

私からのご説明は以上です。ご清聴いただき、ありがとうございました。

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