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三菱製鋼株式会社5632

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鉄鋼

※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

2026年3月期決算及び新中期経営計画説明

山口淳氏(以下、山口):おはようございます。山口でございます。説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

本日は、23中計の最終年度である25年度の決算の内容、26年度の見通しに加え26中期計画を策定しましたのでこの概要についても説明させて頂きます。

さて、25年度は、ばね、素形材、機器装置事業及び海外鋼材は、ほぼ中計計画通りの結果となりました。

問題は、国内鋼材です。室蘭コンビナート全体の生産量及び受託製品の減少及び高炉トラブルにより大幅未達、赤字転落という厳しい結果となりました。

これにより、中計で掲げた営業利益110億円、ROIC6.5%、ROE8%も全て未達となり、PBRも0.6程度と1倍以上と掲げた目標に対し未達となっております。

今期は、米国関税に加え、中東情勢など不確定要素が多いなかですが、高炉トラブルの解消もあり増収増益を見込んでおります。

本日は、25年度決算の概要を青池から、26中計の概要をわたくしから説明させて頂きますので宜しくお願いいたします。

では、青池さんお願いします。

通期実績サマリー

青池慶介氏:それでは、2026年3月期の実績からご説明します。

26年3月期は、国内鋼材事業を除くと概ね計画を上回って着地しましたが、国内鋼材事業のマイナス影響が大きく、中計最終年度の全社目標には及ばず、前年比も減収、営業減益となりました。

売上高は、精密部品や国内ばね、エネルギー分野等が好調な機器装置事業が伸長しましたが、国内鋼材事業に於ける需要減や、高炉トラブル・火災事故に伴う売上数量減により、マイナス50億円の減収となりました。

収益面では、戦略事業と位置付ける精密部品の量産立上げに伴う増産効果が収益貢献したものの、国内鋼材事業の数量減や高炉トラブルによる室蘭コンビナート全体の生産性悪化により、営業利益でマイナス18億円、経常利益でマイナス9億円の減益を余儀なくされました。

純利益は、高炉関連費用として特別損失を計上した一方、ドイツばね子会社撤退に伴う特別損失解消や、固定資産売却益、メキシコ子会社売却に伴う税効果影響等があり増益となりました。

尚、前回予想と比べますと、高炉トラブルの影響はあったものの、精密部品が伸長し営業利益は良化、為替差益の上振れや税効果の影響もあり、経常利益・当期純利益も良化しました。

売上高・営業利益の変化要因

ご覧の通り、精密部品による売上数量増や、原材料価格が下落局面にある中でもマージンの維持・改善を図ったものの、高炉トラブル影響が非常に大きかったことが営業減益の要因です。

セグメント別業績実績

事業セグメント別の実績は表の通りです。以降のスライドで詳しくご説明致します。

セグメント別業績実績(特殊鋼鋼材・ばね)

特殊鋼鋼材事業について、国内は、右ほどの小さな表にある通り、主に建設機械の需要減と、高炉トラブルによる供給制約を主因として、自社販売量が大きく落ち込みました。一方、海外、インドネシアでは、厳しい事業環境下でも拡販が進んだこと等から売上数量は伸びましたが、為替影響により売上高は前期並みに留まりました。

営業利益について、国内は数量減による室蘭コンビナート全体の生産性悪化と高炉トラブルによる操業度低下による影響で営業赤字を余儀なくされました。他方、海外は順調で、数量増および売価・コスト改善により増益を確保しました。

ばね事業は、精密部品が量産立上げに伴う増産効果で売上が大きく伸びた、国内ばねの売上数量も増加し、増収となりました。

売上数量増に加え、国内ばねの売価・コスト改善効果が進捗し、営業利益も大幅増益となっております。

セグメント別業績実績(素形材・機器装置)

素形材事業は、精密鋳造品の売価改善や特殊合金粉末の売上数量増を主因として増収となりました。

精密鋳造品の売価やコスト改善は進んだものの、合金原材料については上昇分となる価格の上昇を売価転嫁するまでにタイムラグが生じたことから、営業利益は小幅増加に留まりました。

機器装置事業は、安全保障やエネルギー分野等の好調な受注を背景として、防護装備品や、海外向け電力機器、鍛圧機械等の売上が伸長し増収となったことに加え、生産コストの改善も進み、営業増益となりました。

営業外損益・特別損益影響

円安進行による為替差益が発生したことと、借入金圧縮に努めたことで支払利息が減少したことにより、表の2行目、営業外損益の改善は進みました。

また表の6行目、特別損益は、高炉関連費用として9億円の特別損失を計上しましたが、子会社撤退に関する特別損失が解消したほか、有休資産の売却益を計上したことにより、前期比で改善しています。

尚、昨年度は北米構造改革の一環としてメキシコ子会社も売却しましたが、これに伴い、同社の過去の繰越欠損金に関する税効果の影響により、表の12行目、税金費用等も大幅に良化しています。

室蘭コンビナートの高炉トラブル・火災事故について

このスライドは、ご心配・ご迷惑をお掛けしております高炉トラブル・火災事故の概要となっております。現在は安定操業に向けた取り組みを進めつつ、お客さまに状況をご説明しながら受注正常化に向け取組んでおります。

業績への影響について、26年3月期については営業利益段階で35億円の悪化、ならびに一過性の設備として9億円の特別損失を計上し、合わせて44億円のマイナス影響が生じました。今年度については、安定操業および受注正常化までに一定期間を要していることから、第1四半期では売上数量減や生産性悪化影響が一定程度残ると見ていますが、第2四半期から回復する想定としております。

次に27年3月期の通期予想についてです。

通期業績予想サマリー

今年度は、国内鋼材事業の高炉トラブルの影響が段階的に解消され、第2四半期より収益が回復し、下期には損益の大幅な改善を見込んでおります。

当期純利益は、前期に計上した為替差益の解消や、税効果影響の縮小により、前期並みを見込んでおります。

尚、下部に記載がある通り、足許の中東情勢に関しては、需要面や調達面で一定程度の影響を受ける虞はありますが、現時点に於いて重大な影響は生じておらず、業績予想には織り込んでおりません。不確実性が高い状況が続いておりますので、今後も注視して参ります。

売上高・営業利益の変化要因

チャートの通り、今年度は国内鋼材事業が正常化することで、増収増益を目指します。

セグメント別業績予想

事業セグメント別の業績予想はご覧の表の通りとなっております。以降のスライドでご説明致します。

セグメント別業績予想(特殊鋼鋼材・ばね)

鋼材事業について、国内は高炉トラブルの解消により売上数量増となるほか、原材料等コスト上昇分の売価反映も着実に進めることで、増収を予想しています。インドネシアでも、商用車等向けの売上数量増により増収を見込んでおります。

営業利益は、国内は高炉トラブル影響の解消、室蘭コンビナート全体の生産性・操業度の回復による増加を見込んでいます。一方、海外では資材価格や労務費等のコスト上昇により減益となる見通しですが、上昇分は売価転嫁を進め、マージンの維持・改善に努めます。

ばね事業について、精密部品の、量産立上げ時の増産による需要増が一巡した影響が大きく、前期比数量減により減収減益の見込みです。メキシコ子会社を売却し生産体制の再編を進めている北米子会社を中心に生産コスト改善を進め、収益確保に努めてまいります。

セグメント別業績予想(素形材・機器装置)

素形材事業について、特殊合金粉末の製造過程で使用する合金原材料価格の上昇に伴う売価転嫁が進み増収予想ですが、合金価格の上昇は当面続く見通しであることや、戦略事業と位置付けるの量産開始に向けて増設した新ラインの償却が始まる影響で、営業減益を見込んでいます。

機器装置事業については、前期より好調な海外電力機器や鍛圧機械等の売上増により増収、営業利益は製品構成変化の影響がありますが、前期並みの収益を確保する見込みです。

また今年度も防護装備品やエネルギー関連の旺盛な需要に支えられた堅調な受注が見込まれており、次年度以降も安定成長を想定しています。

通期業績予想(営業外損益・特別損益影響)

表の2行目、営業外損益については、為替差益の解消により前期比減少を想定しています。

また6行目の特別損益は前期並み、10行目の税金費用等は、前期に計上した税効果影響の縮小から費用増を見込んでいます。

【ご参考】主要指標・財務データ等の推移

主要指標・財務データ等の推移です。昨年度は2023中計の最終年度に当たりましたが、多くの項目が当初計画比未達に終わり、課題を残しました。この後、新中期経営計画と併せてご説明させていただきます。

山口社長、宜しくお願い致します。

2026中期経営計画

山口:それでは、26中計について説明させて頂きます。2030年のありたい姿の実現確度を高めるための、再チャレンジの3年間と位置づけています。

前中計の実績と振り返り

まず、前中計の実績と振り返りです。

売上高は1,546億円、営業利益は48億円、当期利益は31億円となり、23中計目標を大きく下回りました。主因は、国内鋼材事業の低迷に加え、最終年度に発生した高炉トラブルです。

一方で、ROEは6.7%まで改善したものの、ROICは3.5%にとどまり、資本効率の改善は課題として残りました。

ただ、この3年間で進んだこともあります。国内鋼材以外は概ね計画水準で進捗し、戦略事業の育成と事業ポートフォリオ見直しは前進しました。

精密部品の収益化前倒し、JATIMのコストダウンと売価改善、欧州・メキシコ拠点撤退を含むばね事業の構造改革、安全保障・エネルギー関連の新工場投資など、収益構造転換に向けた施策は着実に進展しました。また、ROIC・CCCを意識した資産圧縮を進め、有利子負債の削減など財務体質改善も進みました。

一方で、人的資本経営の高度化やPBR1倍の達成には、なお大きな課題が残っています。

こうした成果と課題の両方を踏まえ、今回の中計では、前中計で整えた基盤を活かしながら、利益の質の転換と実効性向上に向けた再チャレンジを進めてまいります。

2026中期経営計画ハイライト

中計の骨子です。2030年のありたい姿に向けて、実現可能性を高める3年間と位置づけます。財務目標数値は、前中計目標に再チャレンジします。

具体的には、売上高1,780億円、営業利益110億円、当期利益65億円、ROE10%以上、ROIC6.5%以上を掲げます。また、PBRについても1倍以上を目指します。

営業利益110億円は、国内鋼材に過度に依存することなく、戦略事業・高付加価値領域の比率を高めることで、利益の質を転換して実現する考え方です。

あわせて、基盤事業は収益力とキャッシュ創出力を再建し、戦略事業では勝てる領域に 経営資源を集中していきます。

ROICを軸に資産効率を高めるとともに、ROE向上を通じて、資本効率と市場評価の改善につなげます。

そして、その実現の鍵は、設備投資や構造改革だけではなく、人の成長を成長ドライバーとする人的資本投資の強化です。

さらに、パーパスの言語化と浸透を共有基盤とし、社員と経営陣が想いを一つにして挑戦を続ける組織実行力を強化していきます。

2028年度 営業利益110億円の実現イメージ

それでは、ここからは、28年度の営業利益110億円をどのように実現していくのか。その全体像からご説明します。

28年度の営業利益110億円を、25年度の実力値72億円を起点に実現していきます。ここでいう実力値72億円とは、25年度実績48億円から、一過性要因を調整した水準です。

まず回復・正常化で24億円を加えた実力値72億円に対して、構造改善で28億円、さらに戦略事業を中心とした成長寄与で10億円を積み上げ、110億円を目指します。

重要なのは、単に市況回復を待つ計画ではない、ということです。高炉トラブルや量産立ち上がり影響の正常化は織り込みますが、それだけではなく、基盤事業の収益構造改善と戦略事業の収益化を進めることで、利益の中身そのものを変えていきます。

利益成長シナリオと事業別の役割

このページでは、その利益成長シナリオを、基盤事業と戦略事業、それぞれの役割という観点で整理しています。

まず、戦略事業の役割は、将来の利益成長ドライバーの収益化です。精密部品、海外鋼材、商用車用ばね、安全保障・エネルギー関連は、今回の中計で収益化への移行を進めます。

特殊合金粉末と洋上風力は、2030年に向けた基盤整備を進めます。これにより、戦略事業全体で10億円の成長寄与を見込んでいます。

一方で基盤事業の役割は、収益基盤の再建とキャッシュ創出です。国内鋼材では安定操業とマージン改善、ROIC向上を進め、自動車ばねでは北米再建、更なる不採算拠点整理、ROIC改善を進めます。この構造改善により、28億円の利益改善を見込んでいます。

つまり、当社の考え方は、基盤事業で収益とキャッシュの土台を立て直し、戦略事業の収益化によって利益構成を転換する、というものです。

基盤事業の再構築シナリオ

それでは、基盤事業の再構築についてです。

基盤事業の売上高は、25年度実績の1,090億円に対し、28年度には1,161億円を計画しています。

営業利益は、25年度の実力値11億円から、28年度には39億円へ引き上げる計画です。ここで重視しているのは、売上の拡大以上に、収益力とキャッシュ創出力の再建です。

国内鋼材では、高炉トラブル影響が26年度上期に一部残るものの、下期に回復し、売価改善などによる収益性向上を進め、量に依存しない体質への転換を図ります。また、自動車ばねは、北米を3拠点から2拠点体制へ移行し、再建を27年度中に完遂します。あわせて中国では、ベストオーナー化、提携、縮小も含めた最適化を進めます。

基盤事業では、収益性と資本効率を改善し、戦略事業を支える土台を立て直していきます。

戦略事業の収益化シナリオ

続いて、戦略事業の収益化についてです。

戦略事業の売上高は、25年度実績の456億円から、28年度には619億円を計画しています。営業利益も、25年度実力値の61億円から、28年度には71億円へ拡大する計画です。

売上高では36%増、営業利益では16%増を目指す計画です。これにより、戦略事業比率は売上高で35%、営業利益で65%とし、利益構成の転換を進めます。

ここでは、前中計で整えた能力基盤を、今回の中計で確実に収益化につなげることがポイントです。

精密部品では採用品目拡大、海外鋼材では高品質材拡販、商用車用ばねでは複数拠点化を進めます。また、安全保障・エネルギー関連では新工場立ち上げを通じて収益化を進め、特殊合金粉末では用途拡大、洋上風力では案件化と市場参入の前進を図ります。

基盤事業で収益とキャッシュの土台を立て直し、戦略事業で利益貢献を拡大することで、より質の高い利益構成への転換を進めます。

戦略事業の収益化まとめ

このページは、いまご説明した内容を纏めたものです。のちほどご覧ください。

精密部品:能力増強の成果を利益に結びつける

それでは、戦略事業について事業ごとに説明いたします。まず、精密部品です。

精密部品の売上高は、25年度実績の108億円に対し、28年度は94億円を見込んでいます。営業利益は、25年度の28億円から、28年度は17億円を計画しています。

25年度は計画を大きく超えた一過性の受注影響があったため、今回の中計では、その反動を織り込みつつ、既存案件の深耕と新用途展開によって採用品目・売上の拡大を図っていきます。

当社の勝ち筋は、特許・設計力にあります。高精度・高信頼が求められる領域で、精密部品を次の成長ドライバーへ育てていきます。

海外鋼材:利益を伴う拡販へ

次に、海外鋼材です。

海外鋼材の売上高は、25年度実績の127億円から、28年度には179億円を計画しています。営業利益は、21億円から22億円を見込んでいます。

この事業では、成長が見込まれる海外市場に対して、日本品質と供給力を武器に、利益を伴う拡販を進めます。ASEAN・インドで現調化が進む中、当社はASEAN唯一の特殊鋼メーカーとして、高品質材で勝てる領域に集中し、現地浸透を強化していきます。

商用車用・車両用ばね用途深耕で着実な成長

商用車用・車両用ばねです。

売上高は、25年度実績の155億円から、28年度には208億円を計画しています。営業利益は、16億円から19億円を見込んでいます。

23中計では、売上は未達でしたが、売価改善とコスト低減により利益改善は進み、開発評価の基盤整備も進展しました。今中計では、技術、調達、供給体制をさらに強化し、インド・北米を中心に次の成長拠点を具体化していきます。

当社の勝ち筋は、一貫生産・軽量化技術です。加えるならば顧客からの進出ニーズです。提携やM&Aも活用しながら、第二拠点の実現を前進させていきます。

安全保障・エネルギー関連

安全保障・エネルギー関連は、新工場建設と能力増強を通じて、今中計で収益化に移行する事業です。

売上高は、25年度実績の31億円から、28年度には55億円を計画しています。営業利益も、4億円から7億円へ拡大する計画です。

前中計から進めてきた新工場建設を起点に、供給能力、設備対応力、品質・納期対応力を高め、旺盛な引き合いを受注につなげていきます。

この領域を、戦略事業の中でも新たな成長の柱へ育てていきたいと考えています。

特殊合金粉末

特殊合金粉末は、今回の中計では中長期成長を見据えながら、収益化を前進させる領域です。

売上高は、25年度実績の33億円から、28年度には61億円を計画します。営業利益は、25年度の2億円に対し、28年度4億円を見込んでいます。

EV化の進展鈍化という外部環境変化はありますが、MIM向け粉末などの需要は底堅く、用途拡大の余地があります。前中計で進めた能力増強を基盤に、認証・採用拡大を進めながら、素形材事業の柱へ育てていきます。

洋上風力関連

洋上風力関連については、国内外とも案件の具体化・着工が次期中計以降ということもあり、今回の中計では収益の大きな柱というより、次の成長機会に向けた基盤整備と市場参入の前進に重点を置いています。

売上高は、25年度実績の2億円から、28年度には21億円、30年度には45億円を見込んでいます。営業利益は、30年度には3億円を見込んでいます。

大型ベンディングロールの新設により、大型化に対応した加工基盤は整いました。今後は、大型化対応、工場能力増強という強みを活かし、受注獲得を通じて、早期市場参入を進めます。

全社横断施策による競争力のジャンプ

ここまで事業ごとの施策をご説明しましたが、これらを支えるのが全社横断施策です。

既存資産の活用高度化を軸に、DX、提携、M&Aを活用し、品質・立上げ力・開発スピード・安定供給を飛躍的に強化していきます。

製造DX・開発設計DXでは、品質検査の自動化・遠隔化、品質予測や原因解析へのAI活用、MI・PI活用による開発高速化、技術知見のグループ内連携強化を進めます。また、提携・M&Aについても、技術獲得、商権獲得、生産能力補完などを目的に、柔軟に活用していきます。

DXは単なるコスト削減策ではありません。提案力、設計力、解析力、ものづくり力を高める成長投資として位置づけ、顧客開発リードタイム短縮、新価値創出件数の増加、生産性・歩留改善につなげていきます。

財務・資本政策と株主還元方針

次に、財務・資本政策方針と株主還元です。DOE3.5%を基準とする安定配当へ移行します。

この方針は、成長投資原資を確保しつつ株主還元を安定的に実施すること、利益上振れ時の 過度な配当流出を抑え、財務柔軟性を維持すること、そして2030年自己資本比率40%に向けた資本政策と整合させることを重視したものです。

個人株主の皆様への訴求も強化しつつ、市場評価・流動性の維持向上を図ってまいります。

キャッシュアロケーション

続いて、キャッシュアロケーションです。

26年度から28年度までの3年間で、営業キャッシュフロー209億円を原資に、成長投資を実行しつつ、安定還元と財務健全化を両立していきます。

CCC改善や株式売却等も進めながら、成長投資64億円、合理化投資50億円、老朽更新・環境対策投資70億円、DX・M&A22億円を実行しつつ、株主還元52億円を配分していく計画です。

本中計は、営業CFを起点に成長・還元・健全性をバランスよく実現する計画です。

パーパス共有と組織実行力の具体化

次に、パーパス共有と組織実行力の具体化です。

当社は、存在意義であるパーパスを起点に、2030年のありたい姿に向けた経営の方向性、行動規範、価値観を一体化し、持続的成長と企業価値向上につなげる取り組みを進めています。

26年度は共有と浸透の土台づくり、27年度は現場での実践拡大、28年度には行動変容の本格化というロードマップで進めます。

この取り組みは、単なる理念刷新ではなく、経営運営、重点施策、人材評価、組織変革をつなぐ実行基盤です。

利益成長の確度を高めるためには、設備や戦略だけでなく、やり切る組織実行力が必要です。その意味で、この取り組みは、中長期的な企業価値向上につながる最重要施策と考えています。

人的資本戦略

最後に、人的資本戦略です。

前中計では、制度整備は進みましたが、事業戦略と人材配置の接続が弱く、成長領域への人材シフトが十分ではありませんでした。また、採用、配置、育成、評価が分断され、どこに人を厚く配置するのかが見えにくい面もありました。

今回の中計では、24年度実績を踏まえ、28年度に向けて、成長事業へ人材を機動的に再配置できる基盤へ進化させます。職種定義やスキル可視化、社内公募、越境機会の整備を進め、リスキリングと専門性強化を両輪で進めます。

また、市場への説明においても、制度の有無ではなく、事業戦略の実現に必要な人材を確保・育成・再配置できているかを軸に示していきます。人的資本を単なるコストではなく、成長を支える実行基盤として強化してまいります。

本日は、前中計の振り返りと、それを踏まえた2026中期経営計画についてご説明いたしました。

前中計では、未達の反省がある一方で、戦略事業の育成、構造改革、財務改善など、次につながる土台も着実に整えてまいりました。

今回の中計では、その土台を活かし、基盤事業の再建と戦略事業の収益化を通じて、利益の質の転換と企業価値向上を進めてまいります。

引き続き、株主・投資家の皆さまとの対話を重ねながら、実行力を持って取り組んでまいります。

ご清聴ありがとうございました。

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