2026年3月期決算説明
ヒューマンテクノロジーズ、大幅な増収増益 課金ID数・ARRが順調に拡大、前期比11.5円の増配で株主還元も強化
目次

家﨑晃一氏(以下、家﨑):代表取締役社長の家﨑です。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
本日の説明内容はスライドのとおりです。
Corporate Mission

当社の事業概要をご説明します。当社が目指すのは、ルーチンワークをなくし、AIによるデータ分析に基づく気づきによりお客さまの生産性を飛躍的に向上させ、それをワンクリックで実現することです。
また、日々生み出されるさまざまな気づきを幅広い業種・業態のお客さまに届け、人時生産性の改善に向けた創造的な業務を支える強力なエンジンになりたいと考えています。
勤怠管理・人事給与システム「KING OF TIME」

「KING OF TIME」は11年連続でシェアNo.1を維持している勤怠管理・人事給与システムです。
主力製品の「KING OF TIME 勤怠管理」を中心に、「KING OF TIME 人事労務」「KING OF TIME 給与」「KING OF TIME データ分析」「KING OF TIME システムログ」など、人事・労務領域を一元的にカバーする多彩なサービスを展開しています。これらの機能を1人当たり月額300円のワンプライスで提供しています。
また、2025年2月にリリースした「KING OF TIME 電子契約」は、「KING OF TIME」利用顧客向けに有償オプションとして提供しています。「KING OF TIME」との連携により、雇用契約書の締結や経費精算業務のさらなる効率化を目指します。
「KING OF TIME」の優位性 –選ばれ続ける理由

「KING OF TIME」が選ばれる理由は、3つの優位性にあります。
1点目はコストパフォーマンスです。「KING OF TIME」は、勤怠管理から給与計算までのすべての機能を、1人当たり300円のワンプライスで提供しています。
2点目は信頼と実績です。サービスリリースから20年以上の実績は、単なる歴史ではなく、複雑な法改正やコンプライアンスに継続的に対応し、進化し続けてきた信頼の証です。
3点目は圧倒的な柔軟性です。当社の強みは、個別カスタマイズを必要としない設計思想にあります。膨大な設定項目の組み合わせにより、あらゆる企業の多様な業務要件に対応可能です。
このような優位性が、高い顧客満足度と継続率の実現につながっていると考えています。
2026年3月期 決算ハイライト

2026年3月期の業績についてご説明します。2026年3月期の業績は、売上高74億9,600万円で前期比23.8パーセント増、営業利益13億7,000万円で前期比47.2パーセント増と、大幅な増収増益を達成しました。
売上高は、課金体系変更の計画どおりの完了と継続的な新規顧客の拡大を背景に、通期計画に対する達成率が103.2パーセントと、計画を上回る水準で着地しました。ID数の順調な拡大に加え、2025年4月に完了した登録人数課金への移行が、課金ID数の伸長と売上の底上げに大きく寄与しています。
営業利益は、KOT SaaSの売上拡大に加え、継続的なコスト管理の徹底により、営業利益率が18.3パーセントとなり、前期の15.4パーセントから2.9ポイント改善しました。
業績達成率は106.6パーセントとなり、利益面でも計画を上回っています。後ほどご説明しますが、新規OEM展開の発表など、成長戦略として掲げている項目にも着実な進展がありました。
2026年3月期(累計)決算サマリー

各段階利益はスライドのとおり、高水準な増益となりました。
売上高に関しては、基幹事業であるKOT SaaSの売上高が前期比25.1パーセント増の67億900万円となり、その他の売上高7億8,600万円を合わせて、連結売上高は74億9,600万円となりました。
KOT SaaSは課金体系の変更も寄与し、堅調に増加しました。その他の売上については、「有償サポート」等の販売が好調でした。
次に、原価と販管費を合算したコストについてご説明します。
人件費は前期比13.1パーセント増の25億7,900万円となりました。1人当たり給与を増加させる一方で、生産性向上により社員数の純増を抑えることで人件費をコントロールし、売上高人件費比率は37.7パーセントから34.4パーセントまで低下しました。
外注費は前期比41.4パーセント増の13億500万円となりました。主な増加要因は、ARPU向上施策として進めているSMP機能およびASEAN向け給与サービスの機能拡充です。売上高外注費比率は15.3パーセントから17.4パーセントに上昇しています。
販促費は前期比17.1パーセント増の4億4,100万円です。ワンプライス戦略の推進に伴い、Web広告やコンテンツ作成などへの投資を増加させましたが、売上高販促費比率は6.2パーセントから5.9パーセントに低下しており、投資効率は改善しています。
その他については、主にサービス稼働拡大に伴うクラウドシステムの利用量が増加しました。
四半期売上高・営業利益推移

四半期別の売上高と営業利益の推移についてです。売上高は課金体系変更の影響もあり、堅調に右肩上がりで推移しています。第4四半期の売上高は前年同期比22.7パーセント増加の19億8,600万円となりました。
第4四半期の営業利益は3億円で、前年同期の3,200万円と比較すると、9.4倍と大きく改善しています。
2026年3月期(累計)通期予想比 達成率

前期および当期の通期予想比の達成率比較についてです。売上高の通期計画に対する達成率は103.2パーセント、営業利益の達成率は106.6パーセントと、いずれも計画を上回る結果となりました。
前期との比較では、電子契約の開発費の資産計上による一時的な利益押し上げ要因がなくなった中でも、売上および利益ともに健全かつ順調な進捗を確保できたことが確認できるかと思います。
2026年3月期(累計)連結貸借対照表

バランスシートの状況についてご説明します。主な変動点として、今後の成長投資に備えるため、有価証券等で運用したことにより、現金および預金が3億2,800万円減少し、有価証券等が10億4,800万円増加しました。
これらは今後の成長投資に充てるまで、安全性と換金性を考慮し運用するものと位置づけています。
主要KPI

当社の主要KPIについてです。スライドには、当社の現状を示す数値的なトピックを掲載しています。
特にお伝えしたいのは、サービスの特性上、解約率が低く、他社に先駆けて最も早くサービス提供を始めたことで、すでに多くのお客さまを抱えていることです。さらに、ローコストオペレーションを確立しており、SaaSのみで利益を生み出している企業である点です。
課金ID数、課金社数、月次換算解約率

課金ID数、課金社数、解約率の推移を示したスライドです。課金ID数は新規顧客の拡大に加え、課金体系変更による課金対象の拡大も寄与し、前期比23.8パーセント増と順調に増加しています。
解約率も0.27パーセントと、引き続き低水準で安定して推移しており、顧客基盤は着実に拡大し続けています。
ARR

ARRの推移です。労務管理の高度化・効率化に対する需要と関心の高まりを背景に、新規顧客の増加と解約率の安定が両立しており、前年同期比24.1パーセント増の71億3,100万円と、力強い成長を遂げています。
日本の労働法制の複雑さ「KING OF TIME」の価値

AI時代における当社の競争基盤についてご説明します。昨今、「SaaS is dead」という議論も聞かれる中で、当社が人事労務領域で持続的に成長していくための構造的な強みについて、ご説明します。
まず、日本の勤怠管理は世界有数の複雑さを持っています。36協定、変形労働時間制、割増賃金の重複計算、毎年の法改正への対応、給与計算の1円単位の正確性、これらに法適合責任を持ち続けることは、単にソフトウェアを作る以上に困難であり、そこに当社の本質的な価値があります。
導入企業の約6割は従業員300名未満の中小企業であり、専任の労務担当者を配置できない企業ほど、当社のサービスへの依存度が高まっています。AIが進化したとしても、20年以上にわたり蓄積してきた当社の知見やシステム基盤の価値は代替されることなく、むしろ一層高まると考えています。
TOP3コンセプト ー AI時代にこそ活きる競争基盤

当社が長年培ってきたTOP3コンセプトは、昨今の情勢においてもその価値をさらに高めるものと考えています。
1つ目は「TOPコストパフォーマンス」です。AIの普及によりツールの選択肢が増えるほど、「何をいくらで使えるか」がシンプルにわかるこの価格の価値がさらに高まります。勤怠管理から給与計算まで、全機能を一律300円で提供する当社の課金体系は、この時代にこそ強みとなります。
2つ目は、「TOPセールスチャンネル」です。直販、販売店、OEMの3本柱により、パートナー各社のサービスに「KING OF TIME」が自然に組み込まれる構造を持っています。新規参入が増えるほど、この販売チャネルの厚みが競争優位性を高めます。
3つ目は、「TOPパートナーシップ」です。オープンAPIによる他社SaaSとの連携エコシステムを構築しており、AIの活用が進むほど、正確な勤怠データへの接続ニーズが高まり、当社プラットフォームの価値が一層増していきます。
強力なエコシステムの構築 ー 新たなOEM展開

当期は、この販売チャネルの強みをさらに進化させ、新たに3社へのOEM提供を実現しました。
2025年4月には、会計・給与領域で圧倒的な顧客基盤を持つ弥生株式会社へ「弥生勤怠Next」として提供を開始しました。提供開始から1年が経過し、弥生社の顧客基盤を通じた新規社数の獲得に着実に貢献しており、OEM展開の有効性を実証する成果が出ています。
同年12月には、採用支援を行うミイダス株式会社への提供を開始し、採用から入社後の勤怠管理まで一気通貫した人材活用支援を可能にしました。
さらに、翌期の2026年4月からは、タレントマネジメント領域で強固な顧客基盤を持つ株式会社HRBrainへの提供も開始しました。これにより、採用から勤怠管理、人材育成、人事評価に至る一貫した業務支援の基盤が整いました。
各領域のリーディング企業との連携を通じ、当社の顧客接点は着実に広がり続けています。
市場からの評価 ー 複数部門で受賞

外部からの評価についてご報告します。当社は勤怠管理部門で27期連続の最高位評価を獲得しているほか、労務管理、給与計算、年末調整の各部門でも高い評価を受けています。
このように、マルチプロダクト戦略がユーザー支援として効果を表しており、市場における当社の存在感は着実に高まっています。
成長戦略

成長戦略と業績予想についてご説明します。当社は今期、これまで積み上げてきた顧客基盤と競争優位性をベースに、次の成長ステージに向けた施策を具体的に進めてきました。
ここからは、成長戦略の全体像、収益構造の改善に向けた取り組み、そして戦略的投資の考え方について順にご説明します。
スライドは成長戦略の全体像です。顧客基盤のさらなる拡大と顧客体験のさらなる向上を両軸に、課金ID数の拡大とARPUの拡大を目指します。
顧客基盤の拡大においては、ワンプライス戦略、デジタルマーケティング、パートナーとの共創を推進します。また、顧客体験の向上では、給与計算の自動化、電子契約、プレミアムサポートといった付加価値サービスを拡充し、利用深度の向上とARPUの拡大を実現していきます。
収益構造の改善に向けた主な取り組みと進捗

中期的に営業利益率30パーセントを目指すための4つの柱と、その進捗を整理しました。
1つ目は「AIとの協働によるコスト効率化」です。サポート業務の自動化や開発の効率化、法改正対応のAI支援を通じコスト構造を改善し、定型業務の効率化によって生まれた人的リソースを「有償サポート」へシフトすることで、売上増加とコスト改善を同時に図ります。
2つ目は「パートナー協業の深化」です。弥生社、ミイダス社、HRBrain社へのOEM提供に加え、既存OEM先や販売店パートナーへの「KING OF TIME」シリーズの展開とクロスセルを推進し、ARPU向上と顧客体験の向上を図ります。
3つ目は「新しい付加価値の提供」です。電子契約は既存顧客との接点構築を進めつつクロスセルを推進し、「給与BPaaS」は2026年4月から本格始動し、ビジネスモデルの検証とターゲットアプローチを継続し、中期的な収益化を目指します。
4つ目はSMP構想による収益の多角化です。次のスライドにて詳しくご説明します。
SMP構想 ー データを起点に、最適なサービスを届ける仕組み

当社の中期ビジョンの中核を成すSMP構想です。先ほどご説明したTOP3コンセプト、顧客基盤、販売チャネル、パートナーエコシステムといった資産を最大限活用し、お客さま一人ひとりに最大の価値を届ける仕組みです。
「KING OF TIME」の勤怠管理を入り口とした「KING OF TIME」シリーズへの展開、「有償サポート」「給与BPaaS」「パートナーサービス」といった付加価値サービスを提供し、さらにデータ蓄積・分析へと段階的に利用深度を高めていきます。
勤怠管理を起点に、お客さまの課題解決に応じたサービスが自然に積み上がっていくことが、SMPによるARPU拡大の基本的な考え方です。
販売店やOEMパートナーとの連携を活用し、当社が持つ資産を総動員しながら、お客さまへの価値提供を最大化していきます。
KING OF TIMEの競争基盤強化に向けた戦略投資

2027年3月期に予定している戦略投資についてご説明します。「KING OF TIME」の価値を高め、安心して提供し続けるための基盤投資として、合計2億9,000万円の追加投資を計画しています。
AI関連投資としての1億6,000万円は、社内業務効率化、データ分析基盤の整備、SMP機能へのAI活用の3つに充てます。セキュリティ関連投資としての1億3,000万円は、データ保護基盤の強化、連携環境のセキュリティ強化、および内部統制・監査基盤の整備に充てます。
AIと共存しながらお客さまのデータを安全にお預かりし、よりよいサービスを提供し続けることと、将来的に売上が増加しても人員が増えない高収益体質を構築するための布石です。
売上高推移

スライドは設立以来の売上高推移です。売上高CAGRは20.9パーセントと長期にわたり安定した成長を続けており、当期は課金体系変更による上乗せ効果を含め、74億9,600万円まで伸長しました。
この上乗せ効果は今後剥落するものの、新規顧客獲得やARPU向上といった通常の成長ドライバーへ移行しており、これまで積み上げてきた成長の軌跡は、今後も継続可能と考えています。
収益顕現イメージ

従来、2028年3月期での営業利益率30パーセントの達成を目指していましたが、先ほどご説明した戦略投資に加え、事業基盤の強化を優先する判断をした結果、 達成目標を2030年3月期へ見直しました。
顧客基盤の拡大が進む中で、社内でのAI活用による収益構造の改善、SMP構想による収益の多角化、パートナー展開を通じた低コストでの顧客獲得といった施策の成果が顕在化するにつれ、営業利益率は段階的に向上する見通しです。
今後、営業利益率を確実に改善させながら、2030年3月期での営業利益率30パーセントの達成を目指していきます。
2027年3月期 業績予想

2027年3月期の業績予想についてご説明します。売上高は85億6,900万円で、前期比14.3パーセントの増収を計画しています。
主力のKOT SaaSは前期比13.5パーセント増を見込んでいます。この成長には、昨年の課金体系変更による底上げ効果の7.9ポイントが含まれているため、高い水準からの増加となっていますが、事業の成長基盤そのものには変わりありません。
その他売上高については、前期比21.2パーセント増を見込んでおり、「KING OF TIME 電子契約」をはじめとする新サービスの立ち上げが寄与する見込みです。
営業利益は15億3,700万円、営業利益率は17.9パーセントと、前期からわずかに低下しますが、これは2億9,000万円の戦略投資を織り込んだためです。
中期的には、付加価値サービスの本格的な立ち上がりと、ローコストオペレーションの深化により、売上成長率を20パーセント基調に戻し、投資の成果が顕在化するにつれ、営業利益率も着実に改善させていきます。
「KING OF TIME」の競争基盤をさらに強化しながら、お客さまへの価値提供と収益拡大を同時に実現するという方針のもと、着実に歩みを進めていきます。
株主還元

株主還元についてご説明します。当社は株主のみなさまへの利益還元を経営の重要な目標の1つとして掲げており、配当性向30パーセントを目安に、経営成績に応じた配当を実施していく方針です。
2026年3月期の1株当たり配当は、前回予想の28円から4円増配し、32円に決定しました。前期の20.5円から11.5円の増配となります。配当性向は30.2パーセントと、方針に沿った水準です。2027年3月期については、1株当たり35円、配当性向30.1パーセントを予定しています。
以上で説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:2億9,000万円戦略投資の継続性と、営業利益率30パーセント達成のポイントについて

司会者:「2億9,000万円の戦略投資は、2027年3月期で終わるのでしょうか? 2030年3月期の営業利益率を30パーセントに上昇させるために必要なポイントを教えてください」というご質問です。
家﨑:2億9,000万円の先行投資は今期限りで終わるわけではなく、AI投資やセキュリティ関連投資を継続していきます。それを踏まえながら、営業利益率30パーセントの実現に向けた計画を進めています。
質疑応答:営業利益率30パーセント達成時の費目改善について
司会者:「営業利益率が30パーセントになった場合、現在の経費率よりも大きく改善する費目は何でしょうか?」というご質問です。
家﨑:コストについては、人件費と外注費の比率を減らすかたちで対応します。売上高の増加およびコストの低減によって30パーセントを達成する計画です。
質疑応答:課金体系変更による売上高への影響について
司会者:「課金体系変更のプラス影響は、トップラインでどの程度顕在化したと理解すればよいでしょうか?」というご質問です。
家﨑:当期のKOT-SaaS成長率25.1パーセントのうち、約7.9ポイントが課金体系変更(打刻人数→登録人数)による一時 的な底上げ効果でした。
質疑応答:SMP構想における新サービスや顧客への働きかけについて

司会者:「SMP構想についておうかがいします。顧客に向けた何らかの働きかけや新サービスはあるのでしょうか?」というご質問です。
家﨑:現在、自社のサービスとして提供しているのは、「KING OF TIME 電子契約」・「有償サポート」・今期から本格的にスタートした「給与BPaaS」です。
これらに加え、すでに当社とAPI連携を行っている多くのサービスを「パートナーサービス」というかたちで提供する計画を立てています。
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