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株式会社ドリームインキュベータ4310

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要旨

三宅孝之氏(以下、三宅):株式会社ドリームインキュベータ代表取締役社長の三宅です。本日はお忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。2026年3月期の業績は、全社で売上高86億9,000万円、営業利益17億9,000万円、純利益15億9,000万円となりました。

メイン事業であるビジネスプロデュースは、売上高は67億8,000万円で前期同期比プラス24パーセント、営業利益は8億1,000万円となりました。採用した人材の戦力化が進み、売上計画達成率は109パーセントとなっています。顧客の大型化やデジタル・ITテーマを中心とした長期プロジェクトの獲得が進んだことが業績拡大に寄与しました。

インキュベーション(ベンチャー投資)は、売上高は19億円、営業利益は9億7,000万円となりました。3件のトレードセールスと出資先ファンドの収益計上が実現しています。

今期の計画は、ビジネスプロデュース事業で売上高75億円以上、営業利益5億円以上を見込んでいます。また、5ヶ年目標として2030年3月期に売上高110億円、営業利益率15パーセント以上を掲げており、その目標に対して順調に推移しています。引き続き、売上拡大と人材投資強化のバランスを取りながら、継続成長の実現を目指します。

なお、インキュベーションの計画は、従来どおり非開示としています。

株主還元については、前期は期初予想の1株当たり106円に対し、実績は137円となりました。今期の期末配当は、前期実績同額の137円を予想しています。

ビジネスプロデュース事業(売上67億円/営業利益8億円)

決算状況とその振り返りについてお話しします。2026年3月期は、2030年に向けた5年目標の1年目にあたります。

前期に計画として掲げた売上高62億円以上、営業利益3億円以上に対し、実績は売上高67億円、営業利益8億円と計画を超過し、2030年目標に向けて順調なスタートを切ることができました。

2026年3月期 連結P/L

全体の連結P/Lの結果をご覧ください。全社の売上高は86億9,000万円、営業利益は17億9,000万円、純利益は15億9,000万円となっています。ビジネスプロデュースの順調なスタートに加え、ベンチャー投資も好業績で着地しています。

2026年3月期 ビジネスプロデュース期初計画と振り返り

前期におけるビジネスプロデュースの期初計画とその振り返りをまとめました。2030年3月期の目標として、売上高は5年で2倍の110億円以上、営業利益率は15パーセント以上を掲げています。これに対する前期の結果については、定量計画に関しては先ほどお伝えしたとおりです。

重点施策としては2つあります。1つ目は、「時代の潮流を捉えた提供価値の進化」です。これは、これまで主戦場であった新規事業だけでなく、既存事業にまでビジネスプロデュースの領域を拡大していくことを目指すものです。

具体的には、戦略から伴走、実行、実現までを一気通貫で支援すること、テクノロジーも活用した既存事業の変革を推進すること、産業レベルの構想とビジネスエコサイクル創りを引き続き行うといった施策を進めてきました。これらの施策は、いずれも順調に進展しています。

2つ目は、「人材の育成・仕組みの強化」です。採用した人員の戦力化は進展しましたが、上期に採用を抑制した影響で計画人員数には届きませんでした。この点を今後の強化ポイントと認識しています。

ビジネスプロデュースの売上

ビジネスプロデュースの売上状況についてご説明します。スライド左側には計画との対比を示しており、年間売上計画62億円に対して達成率は109パーセントとなりました。スライド右側には四半期ごとの売上高推移を示しています。例年どおり、後半になるにつれて売上が伸びるかたちとなっています。

月次・四半期での累積売上推移

月次の売上推移と契約済売上の累積状況についてです。スライド右側のグラフには、四半期ごとにその時点までの契約がどのくらい積み上がったかの推移を示しています。前期の数字を赤線で示しており、さらに紫色のドットで今期2027年3月期の滑り出し状況を示しています。

前年度末までに今期分の売上がすでに16億6,000万円計上されており、今期も順調な滑り出しとなっています。

新規事業支援:戦略立案に加え、伴走・実行・実現まで一気通貫で推進

実際のプロジェクト事例をご紹介します。このスライドでは、新規事業支援領域での事例を抜粋しています。スライド左上に記載しているインドの案件では、M&A戦略の立案からM&Aの実行、その後のPMIまで一気通貫で支援している事例です。

スライド右上に記載している大手インフラ企業の事例では、ドリームインキュベータ(以下、DI)が従来得意としている新規事業テーマの創出に加え、このテーマの事業化に向けた伴走支援を行うなど、インキュベーションで培ったスキームを活用した支援を行う機会が増加しています。

こうした案件は、プロジェクト期間が長期化しやすいという特徴があり、クライアントとの接点が増えることで、事業の安定収益基盤の強化に寄与しています。

既存事業変革:テクノロジーも活用し戦略策定から具現化まで

既存事業変革領域でのプロジェクト事例です。既存事業を本気で変革しようとする企業の熱量は、これまで以上に高まっています。このようなプロジェクトでは、変革の実現に向けてスピード感と当事者意識を持ち、強力に推進するドライブ力がクライアントから求められています。

これは、DIが従来得意としてきた新規事業の創出で培われたスキルセットが活かされる領域であり、DIの価値を発揮することでクライアントから選ばれる機会が増加しています。最初は新規事業テーマでの支援から始まり、その後、既存事業変革の支援へとつながる事例も増えています。

産業レベルの構想/ビジネスエコサイクル創りの仕込み

産業レベルの構想とビジネスエコサイクル創りの仕込みも進展しています。

スライド左側に記載のとおり、我が国のコンビナートや造船業の再興に向けた取り組みとして、当社は株式会社山口フィナンシャルグループおよびユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社とともに、GX戦略地域の選定を目指し、山口県の「新事業創出・育成タスクフォース」に参画しました。今年4月に、山口県が同戦略地域の有望地域に選定されました。今後は、最終的な戦略地域への選定を目指して取り組みを進めていきます。

スライド右側には、JICAとのインドネシアにおける水素・アンモニア社会の推進に向けた取り組みを記載しています。直近では、コンセプトモデルの定義やインパクト評価の結果を踏まえ、日本・インドネシア両国の「水素・アンモニア社会推進の為の日本-インドネシア連携ロードマップ(HASI)」を策定し公表するなど、着実に進捗しています。

ビジネスプロデューサーの人員数は計画を下回る

ビジネスプロデューサーの人員数の推移です。ビジネスプロデューサーの人員数は、当初計画していた180名を下回り、159名で着地しました。前々期までに一定の採用が確保できていたため、前期の上期は戦力化を優先し、採用ペースを抑えたことが計画未達の原因です。ただし、下期から採用を加速しており、このプロセスが進んだことで、4月末現在ではすでに175名に増加しています。

インキュベーションの状況

インキュベーションの状況です。現在の取り組み方針として、適切に収穫を行い、含み益の実現や簿価低減を図ることで、将来的な業績のボラティリティを抑制することを目指しています。

スライド右側のグラフのとおり、2022年3月末時点で79億円あった簿価は、22億円まで縮減させました。今後も引き続き含み益を実現しながら、適切な回収を続けていきたいと考えています。

2026年3月 連結B/S

連結バランスシートの状況です。2025年3月末に131億円だった純資産は、30億円の期末配当と15億円の純利益の計上により、前期末には117億円となりました。今後もさらなる資本効率の向上に努めていきます。

2027年3月期 計画要旨

今期2027年3月期の計画要旨についてご説明します。ビジネスプロデュースは、売上高75億円以上、営業利益5億円以上を計画しています。5ヶ年目標に対してオントラックの計画です。売上は継続的に拡大しているため、引き続き4つのビジネスプロデュース領域を着実に推進していきます。

特に、高収益を創出する基盤の構築に向け、人材面での投資を継続していきます。具体的には、採用・育成の強化に取り組み、ビジネスプロデューサー数は今期末で190名まで増やす計画です。併せて、AIの進化を踏まえ、提供価値や人材要件の高度化に向けた育成・研修投資の拡充、支援体制の整備をさらに強化します。

インキュベーションは、引き続き適切な回収を推進していきます。

株主還元については、現方針を継続します。具体的には、継続的かつ安定的な株主還元を通じて、バランスシートのスリム化を推進します。今期の期末配当予想は、前期実績と同額の1株当たり137円とし、収益基盤の構築状況に応じて追加も検討していきます。

2027年3月期のビジネスプロデュース計画は5か年目標にオントラック

今期のビジネスプロデュース計画と5ヶ年目標の関係をグラフで示しています。4年後の目標である売上高110億円以上、営業利益率15パーセント以上に対して、オントラックの計画です。

人材投資のタイミングや営業活動の進捗に応じて、単年度の利益率には一定のばらつきが生じるものの、重要なのは中長期で収益性を高めていくことです。今後も投資と収益のバランスを保ちながら、中長期目標の着実な実現を最優先に取り組んでいきます。

引き続き4つのビジネスプロデュース領域を着実に推進し、強固な収益基盤を確立していく

売上面では、引き続き4つのビジネスプロデュース領域を着実に推進し、強固な収益基盤を確立していきます。スライドに、ビジネスプロデュースの提供価値を4つに分類し、それぞれフォーカスする取り組みを記載しています。

産業プロデュース&ビジネスプロデュース(BP)領域では、事業創造支援の高度化・進化を目指します。

ストラテジー&インストレーション(S&I)領域では、顧客コミットの強化を通じて多様なニーズに対応していきます。

テクノロジー&アンプリファイ(T&A)領域では、デジタル・IT領域への支援を拡張していきます。

グローバル戦略共創(GSC)領域では、グローバル展開の支援やインバウンドビジネス支援にフォーカスして取り組みます。

これらの取り組みを通じ、収益拡大機会の最大化を目指しつつ、高成長領域へのリソース配分を進める戦略です。

環境変化を踏まえて、人材投資を一層強化

成長投資については、環境変化を踏まえ、人材への投資をさらに強化していきます。インフレや資本コストの上昇、AIの進展、地政学リスクの高まりといった不確実性が常態化する環境下において、構想力や実行力を有するビジネスプロデューサーは、今後さらに必要とされる存在になると自負しています。

このような環境を受け、世の中におけるビジネスプロデュースのインパクトを一層高めるため、ビジネスプロデューサーの育成に長期的にコミットし、人数規模を拡大していきます。また、調査・分析業務がAIにより効率化されることで、ビジネスプロデューサーが本来の価値を発揮しやすい環境が整うことは、DIにとって追い風と考えています。

このような認識の下、今期は採用、育成・リテイン、体制の強化に重点的に取り組む方針です。採用の強化では、重視する人材像のアップデートや、ビジネスプロデューサーの魅力と価値を広めるためのブランディング強化を進めていきます。育成・リテインの強化では、AI活用を前提とした評価体系へのシフト、研修内容の刷新、長期的に活躍できる環境や待遇の整備に取り組みます。そして、これらを支える仕組みや体制の強化に注力していきます。

これらの施策を進めることで、今期末のビジネスプロデューサー数は前期末比31名増の190名を計画しています。

2027年3月期 通期計画まとめ

2027年3月期単年の通期計画のまとめです。ビジネスプロデュースは、先ほどお話ししたとおりです。ベンチャー投資は例年どおり非開示としています。配当については次のスライドでご説明します。

株主還元方針

株主還元は継続的かつ安定的に実施し、バランスシートのスリム化を推進していきます。M&Aなどの成長投資機会を模索しながら、株主還元を実行していきます。また、収益基盤の構築状況に応じて、増配の検討も適宜行っていきます。

この方針に基づき、今期の期末配当予想を前年実績と同額の137円としました。継続的な利益成長とともにこの施策を推進し、4年後の目標ROEを15パーセント以上として、実現に向けて邁進していきます。

以上で私からの説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:ビジネスプロデュースの利益改善要因と継続性について

質問者:ビジネスプロデュースにおいて、前年同期比で利益が著しく改善していますが、その要因は何でしょうか? また、これは継続的なものなのか、一時的なものなのかという点についても教えてください。

三宅:利益の改善については、これまで進めてきた提供価値の進化と拡大が顧客ニーズと合致し、売上高の増加につながったことが要因と考えています。また、当社は人件費を中心とした固定費比率が非常に高いモデルのため、売上高が損益分岐点を超えると、そのまま利益に直結する構造が大きな影響を及ぼしています。

今後の継続性については、進めてきた構造改革が成功し、各サービスラインが立ち上がりつつあるため、この傾向はある程度継続していくと考えています。

なお、2027年3月期も、先ほどお伝えした契約済売上高のグラフのとおり、順調な滑り出しとなっています。

質疑応答:人員数の減少と採用競争力について

質問者:人員数が減っているというご説明がありましたが、採用競争力の低下について懸念はありますか?

三宅:人員計画未達の要因は、先ほどお伝えしたとおりです。2025年3月期までに十分な採用ができていたため、昨年の上期は採用ペースを落とし、育成にシフトしました。下期から採用を加速しましたが、タイムラグがあり、期末までの増員には間に合いませんでした。

しかし、2026年4月末時点で175名となっていますので、減少傾向なわけではないです。

採用マーケットにおけるビジネスプロデューサーのブランド力については、引き続き非常に手応えを感じています。今後の継続成長のために、当社の仕事やビジネスプロデューサーの魅力・価値を高めるブランディングも並行して進めていきます。

質疑応答:AIの進化による業務への影響について

質問者:AIの進化により、DIの業務はどこまで代替される可能性があると考えていますか?

三宅:AIの進化により、調査・分析領域における自動化や効率化が進展することは、非常にポジティブに捉えています。

一方で、私たちは既存の枠を超えた新しい構想を生み出すことや、さまざまなプレイヤーを巻き込むことを得意としており、こうしたDIの価値の源泉となる部分はAIの影響をほとんど受けないため、トータルで考えると、今後、私たちの活躍の場はますます広がっていくと考えています。

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