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株式会社ベーシック519A

東証グロース

情報・通信業

会社概要

社名:株式会社ベーシック
設立:2004年3月
事業内容:ワークフローカンパニーとして、フロントオフィス業務を起点に、業務を支える各種ツールを通じて業務の自動化と生産性向上を支援

登壇者名

株式会社ベーシック 代表取締役 秋山勝 氏

創業の経緯

秋山勝氏(以下、秋山):株式会社ベーシック代表取締役の秋山です。本日は当社の上場記念説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

本日2026年3月25日、東京証券取引所のグロース市場への上場を果たすことができました。2004年の創業以来、足かけ22年間支えてくださったお客さま、株主のみなさま、そして社員スタッフのおかげと認識しています。この場を借りて深く御礼申し上げます。

当社の成り立ちについて少しご説明します。私のキャリアは、これまで3社にわたりサラリーマンとして勤めてきましたが、1社目の商社で営業職を経験した際に、今の価値観の礎を築いています。

その社会人1年目の時に叩き込まれたのが「営業職の価値とは、顧客の問題の真因を見つけ、解決に寄与すること」だということです。

営業とは、一見するとなにか物を売りつけるような職業のように思われがちです。しかし、社会人1年目に学んだこの考え方が、私の問題解決思考の原点になっています。

創業後は比較メディア事業を開始しました。ベーシックはやや特徴的な会社で、これまでの22年間で実に12回の事業売却を経験しています。さらに、細かい事業を含めると50を超える事業の立ち上げを行ってきました。

このように、形を変えながら挑戦を続けてきましたが、2020年末に創業の比較メディア事業を売却し、現在の主力事業である顧客の課題解決やSaaSビジネスに注力するようになりました。

日本は現在、労働生産人口が大幅に減少していく社会に直面していると認識しています。当社のパーパスは「事業の成長を人の数で解決しない」という方向性で定義しており、「人手に依存せず、仕組みとテクノロジーで問題を解決する」ことを社会に提案すると同時に、これまで挑戦してきたことを体現し、表現していくことだと認識しています。

ビジネスドメイン

我々が手がけているものは、「ワークフローの再設計」と定義しています。ワークフローとは、情報が入力され、関係者に通知され、判断・処理・記録される一連の業務プロセスを指します。

このワークフローにAIを活用してより良いかたちへと再設計することが、我々のビジネスドメインとなります。

ベーシックは自らを「AIワークフローカンパニー」として定義しています。顧客と接点を持つフロントオフィスからバックオフィスに至るまで、一連の業務プロセスを再設計し、日本の働き方に改革を起こしていくことに挑戦している会社です。

業績ハイライト

直近の業績のハイライトについてご説明します。2025年12月期の売上高は22億7,000万円で、前年比25パーセント増となりました。営業利益は2億7,000万円で、営業利益率は12パーセントとなり、無事に黒字化を達成しています。

業績推移(売上高、営業利益:年度)

スライド右側のグラフに記載されているとおり、2022年12月期には約8億円の営業損失を計上していましたが、その後は毎期3億円程度の改善を積み重ね、収益改善を実現しています。その背景には、ストック収益を中心とするビジネスモデルがあります。

業績推移(ARR:四半期)

ARRは前年比20パーセント増加し、拡大しています。

業績推移(売上高:四半期)

売上の約8割がリカーリング収益で構成されているため、安定した成長基盤を構築できているとご認識いただけると思います。

成長を人の数で解決しない重要指標:一人当たり売上高

スライドのグラフは、当社が重要指標としている一人当たり売上高の推移を示しています。

これは当社のパーパスである「事業の成長を人の数で解決しない」という方針に基づくものです。この3年間で一人当たり売上高を約2倍に伸ばすという成果を達成することができました。

当社は、人員を増やすのではなく、仕組みで成長を促進する経営を実践してきました。我々自身がこのような成果を示すことで、提供する事業の可能性を多くの企業に訴求していきたいと考えています。

また、2026年12月期には、売上高27億3,000万円、営業利益4億5,000万円の増収増益を見込んでいます。

既存の主力プロダクトについて

当社の中心となる主力プロダクトについてご説明します。当社は、バックオフィスの対義語にあたる、いわゆるフロントオフィスと呼ばれる企業内の顧客接点領域をDX化するプロダクトを主に提供しています。

具体的には、WebサイトやフォームといったDXの入口、つまり情報が入ってくる起点を誰でも簡単に作成・運用できるプロダクトを磨いてきたことが、我々の強みの源泉となっています。

このフロントオフィス領域における主軸のプロダクトは2つあります。1つ目は「ferret One(フェレット・ワン)」です。こちらは法人企業が新たな顧客企業を獲得するための、BtoB領域のマーケティング活動を支援するDXツールです。

WebサイトのCMS機能からマーケティングオートメーションに至るまで、通常は7個から10個のツールを組み合わせる必要があるマーケティング活動を、1つのツールに集約することができます。また、有料顧客は現在500社を超えています。

2つ目は「formrun(フォームラン)」です。こちらはフォームを起点とした問い合わせや、申し込みの管理業務を効率化するツールです。有料顧客は5,000社を超え、累計ユーザー数は50万人を超えています。

当社プロダクトが選ばれる理由

当社のDXツールは、「誰でも扱えるプロダクト」というコンセプトを基に設計されています。直感的に操作できるUI、日本人になじみやすいシンプル設計、そしてAIによる雑務のサポートを通じて、本来の業務に集中できる環境を構築するプロダクトです。

現在はAI駆動開発を行っており、AIの脅威とも言われる時代ではありますが、実際のところ、我々はそれを恩恵に変えています。本来であれば3ヶ月から半年かかる機能開発も、1週間から2週間で作ることが可能となりました。これにより実装スピードを高め、顧客への提供価値をさらに加速している状況です。

事業の基本構造

続いて、我々がさらに成長していくためのストーリーをご説明します。

スライドの図で、DX基盤として水色の破線で囲われている部分が、これまで我々が提供してきたDX領域です。フロントオフィスのデジタル化基盤である「ferret One」や「formrun」はここに該当します。

さらに左側には、それらを内包するようにAX(AI Transformation)基盤として紺色の領域が示されています。

今後は、フロントオフィスから得た情報がバックオフィスで処理されるまでの一連の業務を、AX化を中心とした「workrun(ワークラン)」というAX基盤プロダクトでつないでいく戦略を立てています。

DXからAXへ ー デジタル化からAI化への進化

我々はこれを「DXからAXへ」と位置づけています。DXを「データを『使える』状態にするもの」と定義するならば、AXは「業務を『動く』状態にするもの」を意味しています。

新規プロダクト: workrun (ワークラン)

2026年1月19日にリリースした新たなプロダクト「workrun」をご紹介します。このツールは、自然言語で「◯◯が届いたら◯◯してほしい」と指示すると、350以上の外部ツール(主にSaaSツール)に連携し、AIが自律的に業務を実行するプロダクトです。

workrun事例 ① カスタマーサポート

「workrun」を活用したカスタマーサポートの事例です。問い合わせ窓口をAIが代行することで、問い合わせ対応工数を60パーセント削減し、営業部門では商談準備時間を30分から5分に短縮するなどの効果が表れています。

これまで人の手を介在しないとできなかった一連の業務を、AIとワークフローの組み合わせにより実現可能にしています。

すでに2025年11月からプレセールスを開始しており、大手企業からスタートアップまで、想定を上回る引き合いをいただいています。

複数年成長に向けた3ステップ

最後に、成長戦略の3ステップについてご説明します。

この戦略は、オーガニック成長、コンパウンド戦略、そして既存大手顧客の深耕による成長という3ステップから成ります。

成長戦略① オーガニック成長:2026年〜

1つ目のオーガニック成長は、顧客基盤の強化を指します。

これまで取り組んできたさまざまな顧客獲得施策は引き続き順調に進んでおり、それらを活用して継続的に顧客を獲得しています。具体的には、月間で300社超の新規取引を開拓できる状態を維持していきます。

成長戦略② コンパウンド戦略:2026年〜

2つ目がコンパウンド戦略です。

当社では、すでに5,500社を超える既存顧客基盤が構築されています。これらのお客さまに共通しているのは、ワークフローの起点となるDXツールをすでに活用している点です。

そのため、ツールを使用しながら業務を効率化したいという考えをすでにお持ちであり、自動化のニーズは当然生まれてきていると言えます。そのようなお客さまに対して、AXツールである「workrun」をはじめとした新プロダクトをクロスセルしていきます。

成長戦略③ 既存大手顧客深耕による成長:2027年~

3つ目は既存大手顧客の深耕による成長です。

有料法人5,500社の顧客を分解すると、1,000社を超える大手顧客が存在しています。この既存大手顧客に対し、専門の深耕チームを立ち上げることで、さらなる取引商流の拡大を目指していきます。

したがって、我々が現在描いている成長戦略は、決して無理のあるものではなく、むしろ自社が競争優位性として持つ既存顧客を中心に据えながら、しっかりと成長戦略を描いている点に特徴があると考えています。

黒字転換、新プロダクト群という成長ドライバー、そして5,500社の顧客基盤、この3つの要素が揃った今こそが当社にとって大きな飛躍に向けたスタートラインでもあります。

今後も「事業の成長を人の数で解決しない」という方針のもと、さらに挑戦を続けていきますので、ぜひ長期的な視点でご注目いただければ幸いです。本日はありがとうございました。

質疑応答:中長期的な株価について

質問者:初値が公開価格を割りました。一方でテーマ性が極めて高いということ、SaaS銘柄ですでに黒字化しており機関投資家の評価もそれなりに高い中で、中長期的に株価についてどのように考えていらっしゃいますか?

秋山:まず前提として、あまり一喜一憂することなく、我々ができることをやりたいと考えています。

我々ができることは何かというと、顧客の問題を解決していくことであり、その結果として業績がついてきています。それはこれまで我々が実体験してきたことです。

そのため、まずは実直に実績を積み重ねていきながら、しっかりとIR活動を進めていくことが重要と考えています。

質疑応答:AIによるワークフローの変化と人間の働き方の変化について

質問者:少し抽象的な話に

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