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日東工業株式会社6651

東証プライム

電気機器

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エグゼクティブサマリー

黒野透氏:みなさま、こんにちは。取締役社長COOの黒野透です。本日はお忙しい中、日東工業株式会社の2026年3月期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。また、みなさまには、日頃よりご指導・ご鞭撻を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

本日の説明会は、当社ホームページに掲載している決算説明会資料に沿って進めますので、よろしくお願いします。

まずはエグゼクティブサマリーです。2026年3月期の通期連結売上高・営業利益・経常利益は、過去最高を記録しました。人件費の増加や部材・原材料価格の高騰がありましたが、価格改定効果や案件価格の改善が寄与し、増益となりました。

一方で、当期純利益は、前期に計上した特別利益の剥落により前期比で減益となりました。なお、2026年2月9日に公表した修正後の通期計画は、すべての利益項目で達成しています。

目次

本日の目次です。1から4の項目についてご説明します。5に関しては参考資料ですので、後ほどご覧ください。

通期 連結決算ハイライト

2026年3月期の通期連結決算概要についてご説明します。まずは通期連結決算のハイライトです。

売上高は1,957億円で、前期比6パーセントの増収となりました。企業における底堅い設備投資需要やIT投資意欲の高まりを背景に、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業、電気・情報インフラ関連 流通事業を中心に売上が増加したことが要因です。

営業利益は154億円で、前期比15パーセントの増益となりました。人件費の増加や部材価格の高騰がありましたが、価格改定効果や案件価格の改善が寄与しています。

経常利益は162億円で、前期比20.3パーセントの増益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は114億円で、前期比5パーセントの減益となりました。これは、前期に計上した特別利益である負ののれん発生益約24億円の剥落によるものです。

このように、通期業績の売上高、営業利益、経常利益は過去最高を記録しました。セグメント別および部門別の状況については、後ほど詳しくご説明します。

事業セグメントについて

日東工業グループの事業セグメントについてです。

スライドの円グラフに赤色で示している、日東工業を中心とした電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業は、売上構成比61パーセント、営業利益構成比74パーセントを占めるコア事業です。

青色で示している、サンテレホンを中心とした電気・情報インフラ関連 流通事業は、売上構成比31パーセント、営業利益構成比17パーセントを占める事業です。

緑色で示している、北川工業を中心とした電子部品関連 製造事業は、売上構成比8パーセント、営業利益構成比9パーセントを占める事業です。

通期 セグメント別 決算ハイライト

セグメント別の決算ハイライトです。

電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業は、増収増益となりました。これは、企業における底堅い設備投資需要や規格変更前の駆け込み需要が要因です。なお、本セグメントは当グループのコア事業であるため、次のスライドでさらに詳しくご説明します。

電気・情報インフラ関連 流通事業は、加速するデータセンターの建設など、企業のIT投資意欲が高まったことで関連部材の売上が増加し、増収増益となりました。

電子部品関連 製造事業は、国内自動車市場での案件獲得やエアコン関連市場の需要が堅調に推移したことから、増収増益となっています。

通期 製造・工事・サービス事業(部門別売上高)

当社グループのコア事業である、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業の部門別売上状況です。

配電盤部門は、高圧受電設備の部品である変圧器の規格変更前の駆け込み需要の影響により、高圧受電設備の売上が増加した結果、増収となりました。

キャビネット部門は、前期に計上した案件の剥落がありましたが、価格改定の効果により売上が増加したため、増収となりました。

遮断器・開閉器・パーツ・その他の部門も、価格改定の効果により売上が増加したことから、増収となりました。

工事・サービス部門は、再生可能エネルギー導入工事案件が増加したものの、前期に計上した大型案件の剥落により若干の減収となりました。

通期 連結営業利益の増減要因

通期連結営業利益の前期比増減要因についてご説明します。前期は134億円、当期は154億円となり、約20億円の増益となりました。

日東工業単体では、売上要因で36億円の増益、変動費要因で9億5,000万円の減益、固定費要因で21億円の減益があり、トータルで5億5,000万円の増益となっています。

グループ要因としては、サンテレホンや北川工業が堅調に推移したことにより、14億5,000万円の増益となりました。

通期 連結財政状態の概要

連結財政状態の概要です。2026年3月期末の総資産は、前期末比で約14億円増加しました。これは株式相場の上昇により、退職給付に係る資産などが増加したためです。

通期 連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フロー計算書です。スライド左側が前期、右側が今期の実績を示しています。

営業活動によるキャッシュ・フローはプラス183億円、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス71億円、財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス103億円です。その結果、現金および現金同等物の期末残高は期首残高から約12億円増加し、344億円となりました。

部材価格高騰等の影響、価格改定効果および案件価格の変化

トピックスについてご説明します。部材価格高騰等の影響、価格改定効果および案件価格の変化についてです。

部材価格高騰等の影響や価格改定効果は、ほぼ想定どおりの結果となりました。案件価格の変化については、高圧受電設備の駆け込み需要によって想定を若干上回る増益効果があり、前期比7億円増となりました。

通期計画の前提① 取り巻く事業環境

2027年3月期の通期連結業績予想についてご説明します。まずは、通期計画の前提となる当社グループの事業環境についてです。

各セグメントでは、企業におけるAIや半導体向け投資が牽引役となり、総じて堅調に推移すると見込んでいます。一方で、物価の上昇や人材不足の影響は継続しており、各種コストの上昇が続くと見込まれます。

また、中東情勢の悪化により、グループ各社では樹脂や塗料の調達に一部影響が見られますが、現在のところその影響は限定的です。

なお、コスト上昇などの影響については通期計画に一定程度織り込んでいますが、長期化によるサプライチェーンの混乱やさらなる価格高騰、それらによる当業界への影響については合理的な予測が困難であるため、織り込んでいません。

次に、日東工業単体を取り巻く事業環境についてです。原材料や部材価格に関しては、高圧受電設備の部材仕入れ価格の上昇や、物価高による仕入れ価格の一段高を見込んでいます。また、2025年10月に実施した第4弾の価格改定による一定の収益効果を見込んでいます。

通期計画の前提② 高圧受電設備の部材規格変更による影響

高圧受電設備の規格変更に伴う今期計画への影響についてです。

コロナ禍後、企業の底堅い設備投資需要を背景に、配電盤部門の高圧受電設備の売上が業績を牽引してきました。その構成部材である変圧器の規格が2026年4月より変更されることから、業界では駆け込み需要が発生し需給が逼迫したことは、昨年の中間決算説明会にてお伝えしたとおりです。

2026年3月期においては、この影響により下期に高圧受電設備の製造出荷が不安定な状況となりましたが、結果として需要の強さを背景に案件価格の改善が想定を上回り、販売数量も増加したため、増収に寄与しました。

今期は駆け込み需要の反動減により販売数量の減少が見込まれるものの、規格変更後の高圧受電設備の販売価格が上昇することなどから、業績は伸長する見込みです。

【「通期計画の前提」の補足】

通期計画の前提に対する補足として、第4弾の価格改定と人的資本への投資について掲載しています。ご説明は割愛しますので、後ほどご確認ください。

通期 連結業績予想

日東工業グループの通期連結業績予想です。売上高は2,100億円で、前期比プラス7.3パーセントを見込んでいます。企業の底堅い設備投資需要やIT投資需要により、増収が予想されます。

営業利益は167億円で、前期比プラス8.1パーセントを見込んでいます。前期に実施した価格改定効果はあるものの、各種費用の増加や駆け込み需要の反動減により高圧受電設備の増収効果は限定的となるため、上期は減益を予想しています。

ただし、通期では規格変更後の売上が徐々に本格化することで、増益を期待しています。

連結経営成績の推移

連結経営成績の推移です。2027年3月期は計画どおりに着地すれば、売上高と営業利益が過去最高となる見込みです。

セグメント別 業績予想 (製造・工事・サービス事業)

セグメント別の業績予想です。電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業の売上高は1,310億円で、前期比9.3パーセントの増収を計画しています。

設備投資需要が引き続き堅調に推移するほか、高圧受電設備の販売価格上昇の効果が大きく寄与することやテンパール工業の売上が拡大することを見込んでいます。

セグメント別 業績予想 (流通事業)

電気・情報インフラ関連 流通事業です。売上高は630億円で、前期比5.1パーセントの増収計画となっています。

データセンターの建設をはじめとしたIT投資需要は引き続き堅調に推移するほか、映像ソリューションの強みを活かしたIA市場やフィジカルソリューション市場等における売上増加を見込んでいます。

セグメント別 業績予想 (電子部品事業)

電子部品関連 製造事業です。売上高は160億円で、前期比0.3パーセントの増収を計画しています。

次世代モビリティやxEVの深化に対応した搭載部品の拡充による自動車関連市場での売上増加や、半導体需要の拡大が波及する産業機器市場の成長を取り込むことで、増収となる見込みです。

通期 連結営業利益の増減要因(今期予想 前期比)

通期連結営業利益の増減要因についてです。2027年3月期の連結営業利益は、前期比8.1パーセント増益の167億円を見込んでいます。

日東工業単体では、高圧受電設備の駆け込み需要の反動減の影響や部材価格の高騰、人件費増加といった押し下げ要因があるものの、標準品と高圧受電設備における価格改定効果が利益を押し上げ、前期比10億円の増益を見込んでいます。

グループ要因では、北川工業を中心に底堅く推移すると見込まれるため、前期比3億円の増益を予想しています。

設備投資額、減価償却費

連結の設備投資額と減価償却費についてご説明します。2027年3月期の設備投資額は121億円を計画しています。すでにご案内済みの短絡試験設備や栃木野木工場第2工場建設などの大型投資により、倍増となる計画です。

減価償却費は2028年3月以降に稼働する投資が多いことから、前期と同水準の65億円で推移する見込みです。

配当の状況

配当の状況についてです。「2026中期経営計画」に基づき、2026年3月期の通期配当金額は152円、連結配当性向は50.2パーセントとなります。前期に計上した特別利益の剥落により減配となりましたが、計画を上回る着地の結果、通期では計画比でプラス20円の152円となる見込みです。

2027年3月期については連結配当性向50パーセントを維持し、通期配当は154円を計画しています。

長期経営構想 長期成長ストーリー

中期経営計画についてご説明します。こちらのスライドは長期成長ストーリーです。

「2023中期経営計画」は、ビジネスを進化させる土台を築くフェーズでした。「2026中期経営計画」では、2027年度以降の飛躍的な成長を実現し、成長し続けるグループとなるための成長の仕組みを確立するフェーズと位置付けています。

2026中期経営計画 基本方針

「2026中期経営計画」の基本方針は「進化の加速」です。機会への対応として「挑戦」を、リスクへの対応として「変革」を行い、この両輪を素早く繰り返すことで進化を目指します。

人・技術・事業・企業・グループの進化の連鎖を広げ、そのサイクルを加速させていくことを基本方針としています。

2026中期経営計画 財務目標

財務目標です。連結売上高2,000億円、連結営業利益150億円、ROE9パーセント以上を目指します。前中期経営計画で築き上げた基盤を活用し、事業進化を加速させる3年間として、過去最高の売上高と営業利益を目標に掲げました。

中期経営計画2年目は、企業の設備投資需要の底堅さや物価上昇に伴う価格改定の浸透など、計画策定時の想定を上回る事業環境の追い風や各種施策が奏功したことにより、売上高を除き掲げた財務目標を前倒しして達成することができました。

最終年度となる今期は財務目標をさらに超えられるよう、引き続き各セグメントで掲げた事業戦略を推進していきます。

2026中期経営計画 事業ポートフォリオ 成長の方向性

事業ポートフォリオおよび成長の方向性についてです。中期経営計画の達成に向けて、適切な事業ポートフォリオマネジメントを実施し、成長が見込まれる事業への迅速な投資を目指しています。各事業の成長性や収益性を整理し、今後の方向性を明確にすることで、事業推進を加速させます。

2026中期経営計画 事業戦略進捗

「2026中期経営計画」における事業戦略の進捗です。電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業では、グループ参画2年目を終えたテンパール工業においてグループシナジーの具現化が進展しています。

1年目はグループ化に伴う一過性の費用が発生しましたが、収益改善が進み、大幅な黒字化を達成しました。また、グループ化の狙いであったブレーカ事業の基盤強化に向けた開発・生産における協力体制の構築も順調に進展し、生産合理化に向けた生産体制の再編も進んでいます。

再編の対象製品の拡大やグローバル拠点への展開を実現し、さらなるグループ連携の強化を目指します。また、製品の製造・販売にとどまらない提供価値範囲の拡大を目指し、工事・サービス事業の強化にも取り組みます。

企業の再エネ設備導入をワンストップで提供することを目的として、2024年にEMソリューションズを合弁設立しました。野心的な事業目標を掲げたものの、景気の不透明感から再生可能エネルギー投資の足踏みが見られ、未達となりました。

しかし、長期的な脱炭素トレンドは変わらないと見込んでおり、まずは着実な案件獲得による実績の積み上げを目指します。

さらに、老朽化更新や再生可能エネルギー設備への転換に対応した工事の付加価値向上にも取り組んでいます。情報通信および電気設備工事を行う南海電設は、高圧受電設備の更新需要を取り込み、関連工事の売上が堅調に推移しています。

今後は、同設備の更新工事のみならず、周辺電気設備一体の改修提案から工事対応までを可能とするソリューション体制の強化を進めるなど、グループ内の事業集約も推進していきます。

2026中期経営計画 事業戦略進捗

電気・情報インフラ関連 流通事業では、映像ソリューションにおける強みを活かし、オーディオビジュアルソリューションやフィジカルセキュリティソリューションなど、成長が続く市場で売上伸長が順調に進んでいます。

電子部品関連 製造事業では、海外でのアライアンス強化や電動化が加速する自動車市場での売上拡大、さらには産学連携による開発を進めています。引き続き、これらの事業戦略を着実に推進していきます。

黒野氏からのご挨拶

この6月の株主総会をもって、私は取締役社長を退任します。みなさまからの温かいご支援により無事に大役を終えることができましたことを、心よりお礼申し上げます。

日東工業は堅実な企業体制を有し、優位性の高いポジションを確立しており、今後も持続的な成長を実現できる企業であると確信しています。当社は、社会の困り事に対して、確かな技術に裏付けられた製品・サービスを通じてソリューションを提供できる企業です。

その代表的な取り組みとして、2点を挙げます。

1点目は、地球環境への貢献です。太陽光発電や波力発電など、再生可能エネルギーを効率的に活用するための製品やエネルギーマネジメントシステムを提供し、CO2削減と持続可能な社会の実現に寄与していきます。

昨今のAI普及においてデータセンターの需要が拡大しており、電力・蓄電および冷却技術が極めて重要な課題となっています。この領域においても、当社が保有する技術を最大限に活用し、積極的な役割を果たしていきます。

さらに、資源の乏しい日本においてリサイクル事業への注力は不可欠です。スクラップアンドビルドの時代からリニューアルの時代への変革を捉え、電源リニューアル事業にも注力していきます。

2つ目は、人手不足への対応です。エンドユーザーの業務時間を短縮し、生産性を向上させる製品を開発することで、人手不足の解消に寄与していきます。

瀬戸工場では、お客さまが必要とする製品をタイムリーに提供できる体制が整いました。これらの製品を活用することで、盤メーカーや電気工事店は時間をより有効に活用できるようになります。今後もこのような付加価値の高い製品のラインアップを拡大していきます。

新たな領域としては、一次産業への挑戦も開始しています。まずは自社内で施設園芸における電気設備の実証実験を進めます。自給率の低下や従事者の高齢化が進む中、実証で得られたノウハウを活用して、ハウスの電化や自動化を推進することで、環境負荷の低減と一次産業の課題解決を同時に実現していきます。

当社が取り組むべき市場の課題、そしてそれに対応する当社の製品やソリューションの可能性は、まだ数多く存在しています。今後とも新体制となる日東工業に、変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

これをもちましてご説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:高圧受電設備の規格変更後の値上げ効果について

質問者:高圧受電設備の規格変更前後の動きについてです。数量ベースでは減少を見込むものの、2027年3月期の業績には大きく貢献するとのことですが、値上げ効果はどの程度でしょうか? 数量は減少しますが、単価はどれほど上がりますか?

また、粗利率については規格変更前後でどの程度変化するのでしょうか?回答可能な範囲で教えてください。

手嶋晶隆氏(以下、手嶋):日東工業株式会社常務取締役の手嶋です。ご認識のとおり、高圧受電設備の規格変更前後は数量ベースでは減少します。ただし、販売価格が大幅に上昇することから、幅はありますが仕入価格が倍ぐらいに上がると言われています。そのため、値上げによって数量の減少を補えると見込んでいます。

利幅については人件費や材料費が上昇している中で値上げしますので、詳細のご回答は控えます。

質疑応答:グループ企業に関する増減要因について

質問者:連結営業利益の増減要因についてです。2026年3月期の実績ではグループ要因が増益に大きく貢献していますが、2027年3月期の予想ではその貢献度が大きく落ちています。特に、こちらのスライドにはサンテレホンに関する記載がありません。グループ要因が大きく減少する要因にはどのようなものがあるのでしょうか?

手嶋:サンテレホンについて言及がない理由については、こちらでお示ししているのは終わった期の営業利益と当期計画に差についてであり、大きな変化が見られないためコメントしていません。

サンテレホンは高止まりの状況にあり、堅調な情報通信市場の需要に支えられていると考えています。前期の業績は非常に良好で、今期も一定の貢献は見込めますが、大きく跳ね上がるというわけではないとご認識ください。しかし、決して悪化したわけではありません。

質問者:テンパール工業も同様ですか?

手嶋:テンパール工業もV字回復を遂げたため、今期も悪い方向ではなく比較的高い水準で堅調に推移するとご認識ください。

質疑応答:価格改定効果と駆け込み需要の反動減について

質問者:2027年3月期の連結営業利益の増減要因のうち、売上要因がとても大きいことが気になりました。特に価格改定の効果については、標準品に関して前期下期から実施しているため、この上期はかなり効いているのではないかと推測しています。

一方で、駆け込み需要の反動減については、第1四半期で終わるのか第2四半期で終わるのかはわかりませんが、上期だけに集中するわけではないとすると、上期の増益要因がかなり優勢で、結果として上期は減益にならないのではないかと考えています。こちらについて、どのようなコスト影響が出るのかをご解説ください。

手嶋:やはり反動減があり、規格変更前の高圧受電設備の売上が前期にかなり集中したことも影響して、この上期は一定の数量減が見込まれています。前期末はトランス(変圧器)の調達混乱もあり、今期に向けた受注活動を抑えるしかなかったことや、新トランスについてはおそらく上期後半から入荷が進んでくる見込みであり、現状では上期はやや弱含みの状況を見込んでいます。

部材価格の高騰や人件費増加などによる減益要因も挙げられますが、足元では中東情勢によりコストがどのように影響を受けるかや、部材の調達がどのように進むかについてまだ読めない部分があり、その前提で計画を立てています。

このような要因も含めて反動減がかなり大きいと見込まれ、上期はトランスの動向による影響が大きいと考えています。現在の計画については、その点をご理解いただければと思います。

質疑応答:中期経営計画における海外売上比率の進捗について

質問者:中期経営計画の前倒しにより、特に利益面で達成された点はすばらしいと思う一方、次期中期経営計画を見渡した際には成長ドライバーがやや見えにくいと感じています。現行の中期経営計画では海外売上高比率10パーセントを目指していると認識していますが、その点にあまり言及がないようです。

現在の状況や、その目標について諦めたのか、あるいはむしろ非常に良い状況にあるのかなど、海外ビジネスの進捗状況についてアップデートをお願いします。

手嶋:中期経営計画の前倒しや成長ドライバーが乏しいというご指摘については、そのように頷ける部分があるのも事実です。

海外については目立った進展がある段階には至っていないため、特筆していません。しかしながら、海外ビジネスは少しずつではあるが確実に伸びを示しており、急激に伸びる勢いがあるわけではないものの期待を持ち続けています。

また、「海外について諦めたのか」というご質問に対してですが、決して諦めてはいません。国内市場が縮小していく中で、中期経営計画において海外の売上比率を高めることを掲げており、「2026中期経営計画」においても海外売上200億円、比率にして10パーセントを目指し推進しています。この目標については諦めていません。

具体的な数字でお示しできる段階にはありませんが、徐々に兆しが見えてきている部分もあります。引き続き海外売上の向上に向けて取り組んでいきます。

質問者:海外は伸びているという理解でよろしいですか? 

手嶋:おっしゃるとおりです。

質疑応答:2025年度下期の配電盤売上高と反動減影響について

質問者:2025年度下期の配電盤の売上高を見ると、2024年度と2025年度の下期はほとんど同じです。価格改定の効果が影響しているため、数量はほとんど増加していない印象を受けます。数字だけを見ると、本当に駆け込み需要があったのか疑問ですが、どのように整理すればよいのでしょうか? 本当にこれほど上期に反動減の影響が出るのでしょうか? 

手嶋:配電盤部門を構成する製品には配・分電盤やキュービクル(高圧受電設備)などがありますがそれらを品目ごとに詳しく見ると、キュービクルの比率が非常に大きく伸びており、売上を牽引していることは間違いないと考えています。変更前の駆け込み需要によりキュービクルが大きく伸びたため、牽引してきたキュービクルの数が減少することが想定され、今期上期にはその落ち込みが大きく影響すると見込んでいます。

しかし、上期後半以降には価格改定後のキュービクルの販売・出荷が本格化します。新しいトランスが市場に出ていくことで、そこからの伸びが期待されますので、当社としては上期は一時的に落ち込むと予測しています。

質問者:2024年度と2025年度の下期では配電盤の売上高があまり伸びていないように見えますが、分電盤とキュービクルに分けて考えた場合、キュービクルが2025年度下期にかなり伸びたため、その反動減が出ると理解してよろしいでしょうか?

手嶋:そのとおりです。

質疑応答:新社長が考える日東工業の課題や強化ポイントについて

質問者:黒野社長、これまでありがとうございました。コメントも最後にいただきましたので、次に手嶋新社長におうかがいします。

新中期経営計画に向けて、現在の日東工業の課題や今後強化したい点があれば教えてください。海外についても触れられましたが、それ以外に足りない点や向上したい点があればお聞きしたいです。

手嶋:ありがとうございます。まだ総会も終わっておらず、正式に就任したわけではありませんので、現時点で具体的なことをお伝えするのは控えますが、黒野社長の下で「2026中期経営計画」を2年間進めてきました。

その中で、正しかったことや課題となったことがそれぞれあったと考えています。これらを引き継ぎつつ、新たに見つかった課題について新体制でどのように対処していくかを考える必要があります。

また、投資家のみなさまとお話ししている際によく挙がる「グループ全体としてのシナジー」や「グループとしての効果」をいかに出していくかも強化できるポイントだと思います。

課題は多岐にわたると認識しています。P/Lの売上・利益の向上はもちろん、B/Sマネジメントも含めて課題は山積しています。新たな中期経営計画に向けて、これらをどのように示していくか、どのようにグループを率いていくかが課題であり、同時に私の使命だと現時点では考えています。

詳しい内容については、就任後にお話しする機会があればお伝えしたいと思っています。

質疑応答:各セグメントの利益率の伸びしろについて

質問者:利益率の考え方についてうかがいます。変圧器の仕入価格が大きく上昇するということで、利益率という点では厳しい状況かと思いますが、現状の各セグメントにおける利益率の伸びしろについて教えてください。

手嶋:セグメント別の営業利益構成比としては、配電盤や電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業が74パーセントを占める構成となっています。

電気・情報インフラ関連 流通事業は流通業であるため比率が低く、電子部品関連 製造事業についてはメーカーとしての要素があるため、利益率を稼ぐポイントとしては、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業と電子部品関連 製造事業であると考えています。

ただ、その中でも業態により違いがあります。例えば、電子部品関連 製造事業では自動車、アプライアンス、産業機器といった市場別に見ると、自動車分野では利益率がかなり厳しい状況にあるほか、市場の構成比率よって同セグメントの利益に変動が生じ、利益率の凹凸が出てくるのではないかと考えています。

そのような意味では、電気・情報インフラ関連 流通事業は価格転嫁が可能でありつつも利益率は他のセグメントに比べ一定です。一方、電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業と電子部品関連 製造事業においては、価格改定の実施や、どのようなプロダクトミックスを構築できるかによって利益率が変動してくると考えています。

質問者:電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業において、配・分電盤、キャビネット、工事サービスなどの内訳がありますが、これらをどのように伸ばせば利益率を上げられるのと考えていますか? それとも、あまり特定分野に固執せず、全体的な利益額の増加を目指すほうが御社には適しているのでしょうか? 

手嶋:この点に関しては、市場との関係性がどうしても影響します。配・分電盤の領域においては、ここ数年は価格よりも納期が優先される状況が続いており、いわゆる工事現場側での手配が非常にタイトな状況です。現場での工事を完成させるために、お客さまは「この納期で対応してくれるなら価格はあまり問いません」という感じで、比較的利益を確保しやすい状況もありました。

ここ数年はそのような状況が続いており、今後も大きく変化するとは考えていません。ただし、例えば景気が少し落ち込んで案件が減少し、各メーカーに余裕が出た場合は、需要側が優勢となり価格競争に陥る可能性もあるかもしれません。そのため、必ずしも我々の想定どおりに進むとは限らないと考えています。

一方、例えばキャビネットと配電盤と製品別で比較すると、キャビネットのほうが利益率が高いと見ています。アセンブルの工程が不要で、人件費を抑えて設備で対応できることから、キャビネットを製造・販売することで同セグメントの利益率は向上するためです。

したがって、利益率の観点からすれば我々としてはキャビネットの分野をさらに拡大したいと考えていますが、我々の意向だけでは実行が難しいこともあります。利益率と利益額のどちらを優先するかの判断は、非常に難しい課題です。

当然ながら、利益率と利益額の両面で成長していきたいと考えていますが、この場で具体的な答えを出して確定させることは難しいところです。明確な回答ができず恐れ入りますが、ご理解いただければと思います。

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