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株式会社ストレージ王2997

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2026年1月期決算の概要_PL

荒川滋郎氏:本日は株式会社ストレージ王2026年1月期決算および2027年1月期事業計画のオンライン説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長執行役員の荒川滋郎です。

はじめに、2026年1月期決算の概要をご説明します。2026年1月期の売上高は39億9,900万円で着地しています。当初事業計画に織り込んでいた「川崎小田トランクルーム」と「元住吉トランクルーム」の売却を2027年1月期にずらしたため、売上高自体は期初計画よりも4億円ほど減少しています。

一方で、既存店舗の売上高が増加し、運営管理事業が好調に推移したため、営業利益は期初計画の1億8,500万円を上回る1億9,100万円となりました。経常利益についても、ほぼ計画どおりの1億7,200万円で着地しています。当期純利益は1億1,700万円で、前期比155.3パーセントの結果となりました。

2026年1月期決算の概要_セグメント損益

セグメント別の損益についてです。運営管理事業の売上高は初めて10億円を超え、10億9,600万円となり、前期比で23.3パーセント、約2億円増加しました。営業利益は1,900万円と、前期のマイナス5,300万円から7,200万円の改善となりました。

開発分譲事業の売上高は25億3,100万円となり、前期比で7億8,200万円減少しています。これは先ほどお話ししたとおり、2027年1月期に売却をずらした影響が含まれています。営業利益は4億3,700万円となりました。前期比では1,000万円の減少で、前期に近い数字で着地しました。

その他事業は前期比で大幅に増加し、売上高が3億7,100万円、営業利益が2,400万円となっています。これは、兵庫県加西市に所在するホテルの売却によるものです。

2026年1月期決算の概要_BS

貸借対照表についてご説明します。2026年1月期末の総資産は47億700万円となり、前期末の36億3,000万円に対して10億7,000万円増加しました。

純資産は12億3,900万円と前期末比1億1,900万円増加したものの、総資産の増加により、自己資本比率は前期の30.8パーセントから26.3パーセントに低下しています。また、1株当たり純資産は668円56銭となり、前期の605円99銭から約1割増加しています。

現預金は9億1,500万円となり、前期末の5億3,200万円から3億8,300万円増加しています。販売用不動産は25億5,300万円と前期比5億7,000万円の増加となりました。

これらの資産の増加を支えている借入金については、長期借入金が13億9,600万円、1年内返済予定の長期借入金が3億1,800万円、短期借入金が11億5,800万円となっており、長期借入金は前期比3億9,100万円、1年内返済予定の長期借入金は前期比3,900万円、短期借入金は前期比5億1,900万円それぞれ増加しています。これらは、販売用不動産および現金の増加に伴うものです。

2026年1月期決算の概要_CF

キャッシュ・フローについてご説明します。引き続き積極的な出店を行っている影響で、営業キャッシュ・フローはマイナス3億8,700万円となりました。税引前当期利益は1億7,500万円を確保したものの、棚卸資産が5億6,900万円増加しています。

投資キャッシュ・フローはマイナス1億4,200万円となりました。これは、新規出店に伴う敷金・保証金が9,800万円増加したことが大きく影響しています。

財務キャッシュ・フローは9億600万円となり、マイナスのキャッシュ・フローをカバーしています。このうち、短期借入金の増加が5億1,900万円を占めています。長期借入金については、新規で8億円を調達する一方で3億6,900万円を返済したため、ネットでは4億3,100万円の増加となっています。

2026年1月期決算の概要_株式の状況

株式の状況です。時価総額は18億2,300万円となり、前期の17億1,800万円に対して約6パーセント増加しています。発行済株式数は、ストックオプションの行使により若干増加しています。PBRは1.47倍、期末の株価は984円でした。なお、本日の時価総額は17億300万円、終値は919円となっています。

2026年1月期トピック_ストレージ王のSDGsアクション

2026年1月期のさまざまなトピックをご紹介します。1つ目は、SDGsへの取り組みについてです。当社が展開するトランクルーム事業のうち、コンテナ型トランクルームは借地上にコンテナを設置する形式が主流で、コンテナは再利用しやすい素材を使用しています。今回、コンテナの再利用によるCO2削減について試算したため、具体例としてご紹介します。

当社では通常、海外で製造されたコンテナを輸入し、トランクルームとして活用していますが、東京都足立区の「谷在家トランクルーム」で使用していたコンテナ16本を塗装・整備し、静岡県袋井市の「袋井湊トランクルーム」へ再配置する取り組みを行いました。新たなコンテナの製造や海外からの輸送を行わず、既存のコンテナを再利用したことで、約64トンのCO2削減効果があると試算しています。

当社では、このような資源循環の促進やCO2削減などの取り組みを継続して進めていきたいと考えています。

2026年1月期トピック_ストレージ王のSDGsアクション

2つ目もSDGsに関連する取り組みです。スライドのとおり、ブックオフコーポレーションおよびBPLabと連携して、「R-LOOP(アールループ)」を活用した不用品循環サービスの概念実証(POC)実験を実施しました。これは、トランクルーム施設内に回収ボックスを設置し、不用品を投入していただく仕組みとなっており、店舗型トランクルームとしては全国初の試みです。このPOC実験の結果を踏まえて、他店舗へ展開するかを検討しています。

2026年1月期トピック_屋内型都心エリア出店状況

3つ目のトピックとして、都心部への出店状況についてご紹介します。2024年10月7日、三菱地所他により開発されたオフィスビル「新宿フロントタワー」の2階部分に、トランクルームを出店しました。33室と小規模なトランクルームであるものの、開業から半年で一時は稼働率100パーセントに達した実績があります。

この実績を踏まえ、都心部での出店に注目しています。2025年9月には、新規案件としてスライドの「西新宿トランクルーム」を開業しました。新築の丸ごと1棟がトランクルームとなったタイプで、195室あります。

都心部での出店に注目している理由をご説明します。これまではご自宅に近い、すなわち住宅地に近いエリアに展開してきました。一方で都心部の施設は、オフィスに近い立地であることに加え、周辺にはマンションもありご自宅とする方もいます。「新宿フロントタワー」内のトランクルームに関しては、ビル内テナントの方が倉庫として使用するケースだけでなく、近隣の職場の方が利用されるケースも見られました。

職場から近いトランクルームの利用方法としては、スーツケースを保管して急な出張に備えたり、通っているフィットネスクラブの荷物を置いたり、自宅に置きたくないものを保管することなどが考えられます。

このように、今後探っていきたい新たな需要のエリアとして、自宅近くだけでなくオフィス周辺も考えています。地価が非常に高いエリアではありますが、都心部への出店を引き続き検討していきたいと考えています。

各事業の状況_開発分譲

各事業の状況について詳しくご説明します。まず、2026年1月期における大型店舗の開発・売却状況です。2026年1月期には、先ほどご紹介した「西新宿トランクルーム」に加え、「都立大学トランクルーム」「石神井台トランクルーム」の鉄骨造トランクルーム3店舗を売却しました。

なお、スライドに記載している「下谷トランクルーム」は、「ストレージ王」ブランドではなく、他社さまの開発をお手伝いした案件になります。

各事業の状況_開発分譲

現在取り組んでいる案件についてご説明します。すでにオープンした案件としては、2026年1月に「元住吉トランクルーム」、2026年2月に「川崎小田トランクルーム」があります。

また、現在建設中もしくは土地購入済で開発作業中の店舗として、「世田谷成城トランクルーム」「世田谷奥沢トランクルーム」「横浜綱島トランクルーム」「川崎幸町トランクルーム」の4つがあり、鋭意作業を進めています。

なお、構造については「元住吉トランクルーム」「川崎小田トランクルーム」「世田谷成城トランクルーム」「世田谷奥沢トランクルーム」「横浜綱島トランクルーム」の5店舗が木造トランクルーム、「川崎幸町トランクルーム」が5階建ての鉄骨造トランクルームになります。

各事業の状況_2026年1月期重点施策【出店形態の戦略的配分】

コンテナ型トランクルームの出店状況についてご説明します。2026年1月期には、全国30ヶ所のコンテナ型トランクルームに、新築屋内型トランクルーム3ヶ所および既存ビルに出店した1ヶ所を合わせ、合計で34ヶ所に出店しています。また、全国展開の範囲は秋田県から鹿児島県まで広がっています。

各事業の状況_2026年1月期重点施策【出店形態の戦略的配分】

2026年1月期に出店した34店舗について、部屋数では1,608室となっています。スライドは都道府県別に整理しており、東京都の部屋数が依然として非常に多い状況です。なお、先ほどご紹介した「西新宿トランクルーム」の195室も含まれています。

新築屋内型トランクルームは3店舗で部屋数は432室、コンテナ型トランクルームは30店舗で部屋数は1,132室となっています。

1店舗あたりの部屋数は、コンテナ型トランクルームが37.7室であるのに対し、新築屋内型トランクルームは144室となっています。部屋数の比較では、新築屋内型トランクルームがコンテナ型トランクルームの約4倍となる点が特徴です。一方、コンテナ型トランクルームは40室前後の店舗が多い傾向にあります。

各事業の状況_店舗数

スライドは、現在展開している224店舗の全国分布をお示ししています。東京都が51店舗で最も多く、続いて岡山県が45店舗となっています。岡山県の店舗数が多い理由としては、2013年にM&Aにより地元の百貨店が取り組んでいたトランクルーム事業を当社が引き継いだためです。

南は沖縄県まで展開していますが、那覇市内の店舗は、いわゆる新築屋内型トランクルームになります。また、前期は秋田県にも進出しました。もともと雪の多い地域にはあまり出店していなかったものの、降雪状況を詳しく調べ、それを踏まえて出店を広げました。

各事業の状況_部屋数と稼働数及び稼働率推移

稼働率の状況についてです。部屋数は、2022年1月期の7,710室から2026年1月期には1万3,000室超と、順調に増加しています。稼働数も、2022年1月期の5,845室から2026年1月期には8,280室と、堅調に推移しています。

一方で稼働率は、2022年1月期の84.0パーセントから2026年1月期には74.9パーセントまで低下しています。コンテナ型トランクルームの平均部屋数は約40室、屋内型大型トランクルームの平均部屋数は約144室ですが、1店舗あたりの部屋数が多くなると稼働率が上がるまでに時間がかかる傾向があるため、稼働率が低下しています。

2027年1月期事業計画_予算編成方針

2027年1月期の事業計画と中期経営計画についてご説明します。

2027年1月期の事業計画および予算編成の方針について、まずは「ストック収益の構築」を進めていきたいと考えています。ストック収益とは、いわゆる店舗を構えて運営することで得られる収益を指し、当社では運営管理事業とも呼んでいます。

一方、フロー収益とは、新たに作った店舗を売却することで得られる収益を指します。すなわち、フロー収益は土地を購入して建物を建て、その後売却するというプロセスで収益を生み出します。現在はフロー収益が全体の約80パーセントを占めています。フロー収益は景況に大きく影響を受ける特性があり、特に最近は建設費の高騰により出店に適した場所を見つけることが難しくなっています。

これに対してストック収益は、オープン済みの店舗を当社が運営管理することで得られる収益を指します。当社ではストック収益を安定的に確保するため、2027年1月期からコンテナ型トランクルームの展開を継続しながら自社保有化を推進する取り組みを開始する予定です。

なお、先ほどご説明したとおり、2026年1月期にはコンテナ型トランクルームを30店舗オープンしましたが、2027年1月期も同水準の出店を想定しています。

コンテナ型トランクルームは借地上に設置されている店舗が8割から9割を占めており、土地を購入しない分だけ初期投資が軽くなっています。このように投資に対する利回りが高いことに加え、1店舗あたりの部屋数が少ないため、短期間で損益分岐点に達することが特徴です。

高稼働率や高収益率を早期に実現し、収益の利回りを社内に留保するために、当社ではストック収益の拡大を目指しています。2027年1月期は、コンテナ型トランクルームを自社保有にすることを最重要課題として取り組んでいます。

2つ目は、フロー収益についてもきちんと稼いでいきたいと考えており、「首都圏屋内型物件の出店継続」を掲げています。現在、鉄骨の建築費は5年前の倍近くになっている一方、木造については建築費の高騰の影響が比較的少ない状況にあります。そのため、鉄骨造よりは小規模な店舗になるものの、木造の屋内型トランクルームに注力することで住宅地の近くへの出店が可能となります。

3つ目は「稼働率向上への積極的取り組み」です。立地戦略やマーケティング戦略の見直しに加え、トランクルームの価格について競合との価格差を慎重に見極めながら、当社にとって最適な価格を採用していきます。また、お問い合わせいただいたお電話の成約率を上げ、既存店舗の稼働率向上を図ることで、ストック収益を強化していきます。

2027年1月期事業計画_目指す売上損益

実際の数値水準についてご説明します。売上高について、2027年1月期は46億6,800万円で前期比116.7パーセント、2028年1月期は51億3,300万円で前期比110.0パーセント、2029年1月期は52億200万円で前期比101.3パーセントとなる見込みです。前期比の伸び率は3年間で低下していますが、これは先ほどご説明した自社保有化の取り組みによるものです。外部に売却せずに内部にとどめることで売却件数が減少し、その分だけ売上高の伸びが鈍化する見通しです。

営業利益については、2026年1月期の1億9,100万円に対して2027年1月期は2億1,700万円で前期比113.5パーセント、2028年1月期は2億5,800万円で前期比118.9パーセント、2029年1月期は3億1,400万円で前期比121.7パーセントを見込んでいます。自社保有化の効果が反映されることで、営業利益は3年間を通じて増加する見通しです。

このように、2027年1月期から2029年1月期の3年間の課題としてストック収益の強化を掲げています。

運営部門粗利構成比

1つ目の方針である「ストック収益構築」について、事業別にご説明します。スライドのグラフでお示ししているとおり、運営管理事業の粗利構成比は2026年1月期に21.3パーセントを見込んでいます。これを2029年1月期に65.0パーセントまで拡大し、粗利の半分以上をストック収益とすることを目指しています。

詳細については、1月20日に開示した中期経営計画に記載しています。本日は簡単なご説明となりますが、結果として運営管理事業による利益が6億円程度まで上昇すると見込んでいます。

現在の販売費や一般管理費は約5億円ですが、2029年1月期には運営管理事業の粗利でこれらをカバーすることを目指しています。これにより、仮に新規出店が一時的に停止した場合でも、会社として黒字を確保できる強い体質を目指し、現在構造改革を進めているところです。

これまではフロー収益で利益を拡大してきましたが、建築費の高騰や原油価格の上昇、工事費や輸送費増加といった外的要因の影響を受けやすい状況があります。そのため、今後はフロー収益に依存せず、運営型のストック収益によって会社を維持できる体制を構築していきます。

構造改革の過程では資金の借入が一時的に増加することも見込まれるため、決して簡単な道ではありません。しかし、全社一丸となって取り組むことで体質を強化し、目標を達成します。

以上、2026年1月期および2027年1月期の事業計画ならびに中期的な取り組みについて、簡単ですがご説明しました。

質疑応答:独自の優位性について

「競合はかなり多い業界と認識しておりますが、御社ならではの優位性はありますか?」というご質問です。

ご指摘の通り、トランクルーム業界は全国に約1,200社あるといわれています。参入障壁の観点から見ても、オフィススペースを間仕切りしてトランクルームに転用する場合など、ノウハウ的にはそれほど複雑ではなく、ハードウェア的に店舗を作ることもそれほど難しくない業界です。

そのような中で当社は、建物を建てるハード面において、空調や断熱といった部分で長年の経験があり、優位性があると考えています。また、コンテナ型トランクルームについては、長い歴史の中で安定的にコンテナを生産している海外メーカーとの取り組みや直接仕入れを実現しています。さらに、土地を探してくる開発スタッフのノウハウや、それを活かした出店のノウハウも有しています。

また、フロー収益の部分に関しては、トランクルームは不動産投資商品としての馴染みはまだありません。例えば、レジデンスやオフィスなどは不動産市場に広く流通しており、不動産専門ではない投資家も投資用資産として保有しています。一方で、トランクルームを不動産投資資産として所有する方は、まだそれほど多くはありません。

当社は大型の屋内型トランクルームも手がけており、それらを投資家に保有いただいています。特にリピートしていただいているお客さまの多くが大手の保険会社であり、当社の物件を高く評価して購入いただいています。不動産投資家に安定的に物件を購入いただけることで、開発のスピードが向上しています。

このように、物件を作るハード面に加え、開発力や物件売却力が強いことが当社の強みであると考えています。

質疑応答:同業他社のM&Aについて

「同業をM&Aしていく構想はありますか?」というご質問です。

同業他社のM&Aは非常に期待しており、会社として引き続き注力しています。これまでにも数社からトランクルーム事業者をご紹介いただいていますが、残念ながら、トランクルームにおけるハード面での遵法性が不足していたため、うまくいきませんでした。しかし、良いご縁があれば、同業他社でトランクルーム事業を展開している会社の買収を検討していきたいと思います。

次に、「なぜ同業他社をM&Aするか?」についてご説明します。日本におけるトランクルームの世帯普及率は1パーセント程度と低い水準にとどまっています。そのため、お問い合わせいただいて実際にトランクルームをご契約されるお客さまは、初めての方が多い傾向にあります。

食品などの通信販売とは異なり、お問い合わせいただいた際に、トランクルームの広さや収納可能なもの、トランクルームの具体的な使い方などをアドバイスできるという点で、当社には一日の長があると考えています。このような点を踏まえると、トランクルーム事業者と当社が協業することで規模の経済を追求でき、運営管理事業の効率化が進む可能性が高いと考えています。

以上の観点から、同業他社のM&Aについては今後も積極的に検討していきたいと考えていますが、現時点では具体的な状況にはありません。

質疑応答:日本のトランクルーム普及率が低い要因について

「アメリカと比較して日本のトランクルーム普及率が低いのはなぜでしょうか? アメリカのほうが自宅の面積が広く、日本の部屋は狭いため、市場開拓の余地があると思います」というご質問です。

ご指摘のとおり、アメリカのトランクルーム普及率は日本の約10倍の10パーセント程度とされています。

同業他社の方とお話しする機会がある中でも「日本のトランクルーム普及率はなぜアメリカの10分の1なのか?」「一方で、トランクルームの需要自体は日本も年率約5パーセント伸びている」などとディスカッションしています。

日本のトランクルーム普及率が低い要因としては、都心部からの距離と不動産価格の関係があります。例えば、日本の都心部は、車で30分移動しても土地の値段が大きく下がることはあまりないです。車で30分の距離としては、都心から多少離れて23区の端の方まで行けますが、土地の値段は2分の1や3分の1にはなるものの、10分の1や20分の1に下がることはないと思います。

一方、アメリカの都心部は、車で30分から1時間移動すると土地の価格が大きく下がる郊外となることが多いです。さらに、アメリカは車社会のため、車で1時間の移動を苦にしない方が多いという特徴もあります。そのため、自宅とトランクルームの土地の値段に大幅な差が生じやすく、これがアメリカでトランクルームが普及している要因の1つといえます。

また、アメリカでは全寮制の大学が多く、学生が学年ごとに寮を移動する際、大学近くのトランクルームを利用して荷物を一時的に預ける文化があります。そのため、若い頃からトランクルームの利用に慣れているという側面もあります。

さらに、アメリカではトランクルームの利用料を滞納した場合、収納物がオークションにかけられる様子をテレビ番組で目にすることがあります。このような番組を見ると、日常的に使わないものをトランクルームで保管し、置きっぱなしにしている場合が多いことがわかります。アメリカのトランクルームはコストが安いこともあり、このような使い方が一般的です。

一方、日本では、夏物・冬物の衣料品を入れ替えるなど、継続的に利用する方が多いという特徴があります。季節商材は自宅で保管する方が入替しやすいため、これまでは自宅で保管し、トランクルームを利用する機会はなかなかありませんでした。

しかし、近年ではマンション価格が大幅に上昇し、3LDKの広さが75平米から60平米へと縮小しつつあります。そのため、収納不足により、こたつや扇風機、冬物衣料品などを自宅に収納しきれない場面が増えてきました。このような事情から、日本のトランクルームは季節商材を一時的に保管する目的で利用されることが増えています。これらの点がアメリカとは異なる日本独自のトランクルームの使い方となっています。

質疑応答:建築費や地価上昇の影響について

「都心部は特に地価上昇の影響を受けると思いますが、仕入れや販売に影響はないのでしょうか?」というご質問です。

非常に影響を受けています。建築費の高騰により採算が合わなくなるケースが発生しているのが現状です。また、地価の上昇も影響しています。

一方で、先ほどお話ししたようにマンションの価格なども上がっているため、都心部では自宅が狭いことによるトランクルーム需要があります。「西新宿トランクルーム」では稼働率が非常に早く上がり、需要も高い状況です。

もちろん、地価上昇分をすべて転嫁することはできないため、厳しい状況ではあります。しかし、都心でも出店すれば高稼働率となるエリアはあります。建築費や地価の影響は受けていますが、より安い土地を探して努力を続けています。

質疑応答:M&Aの進捗状況について

「M&Aの検討状況を教えてください」というご質問です。

昨年12月から今年1月にかけて、具体的に交渉した案件が1件ありましたが、残念ながら成立には至りませんでした。現在もM&Aに関する情報は数多く寄せられており、具体的な案件をある程度検討しています。実は来週も打ち合わせの予定があります。このように鋭意検討はしていますが、現時点で成立している案件はありません。

当社では、2つの考え方を念頭にM&Aに取り組んでいます。1つ目は、本業とある程度コラボレーションでき、相乗効果のある業態を目指すことです。2つ目は、当社が30名程度と少人数の会社であることから、ある程度自立して運営できる会社と提携することです。

他社のように次々とM&Aすることはできませんが、良いご縁があれば積極的に取り組み、規模と収益力を高めていきたいと考えています。

質疑応答:中期的な業績や時価総額について

「3年後もしくは5年後といった中期的な業績や時価総額のイメージを教えてください」というご質問です。

先ほどご説明した中期経営計画には、M&Aの取り組みが一部含まれています。また、新規事業についても、一部のものが2年後、3年後には利益を生み出すことを想定しています。

グロース市場上場維持基準として「5年以内に時価総額100億円達成」がありますが、現在の時価総額は17億円にとどまっているため、基準を達成してグロース市場上場を維持していきたいと考えています。

一方で、東京証券取引所が提供する各市場の情報では、グロース市場からスタンダード市場への移行を検討する企業もあるようです。当社としては、時価総額100億円を目指す道筋だけでなく、スタンダード市場への移行も選択肢の1つと考えています。また、同業他社との連携や、同業以外の企業との提携も可能性として挙げられます。そのようなM&Aなどの選択肢を考慮し、規模の拡大を図る必要があると認識しています。

質疑応答:スタンダード市場への移行の可能性について

「スタンダード市場に移行する可能性もあるのでしょうか?」というご質問です。

先ほどの回答のとおり、スタンダード市場への移行も含めて検討しています。

質疑応答:イラン情勢や原油高の影響について

「イラン情勢や原油高などの影響はありますか?」というご質問です。

まず、イラン情勢の影響についてご説明します。原油高になると建築資材や輸送費のコストが上昇し、建築費の高騰などにもつながると考えています。

また、日本国内の政治情勢もあり、円安が進むことも想定しています。当社が自社保有化を進めているコンテナの主力工場は中国にあり、コンテナ購入時にはドル建てで決済を行っていますが、事業計画内で想定している為替レートは現在のレートとほぼ同額の1ドル160円です。

例えば、円安がさらに進んで1ドル170円になった場合を簡単に試算します。トランクルーム1ヶ所あたり15本程度のコンテナを設置しており、コンテナ1本あたりの価格は約200万円です。この価格には工事費が含まれており、1ヶ所あたりのトランクルーム全体の費用は約3,000万円となります。そのうちコンテナ代金として使われている金額は約1,500万円です。

30ヶ所分のトランクルームを整備する場合、総額で約8億円の投資となり、そのうち約4億円が為替レートの影響を受けます。このため、円安が10円進むと建築費は約2,500万円の負担増になります。ただし、自社保有物件とすることで17年の償却を行うため、結果的には10円の円安で100万円以内の影響額に収まると想定しています。

ただし、ここでお伝えしているのはコンテナ代金に関連する部分に限った試算です。イラン情勢を含めた燃料費の上昇や人件費の上昇を考慮する必要があり、最終的な影響はさらに大きいと思われます。したがって、イラン情勢や円安の影響に注視しながら、事業計画を着実に推進していきます。

質疑応答:トランクルームの認知拡大施策について

「トランクルームは便利だと思っていますが、一般的になりきれていない気がします。広告など、認知拡大のための動きは考えていますか?」というご質問です。

現在は、インターネットで当社トランクルームが表示されているところに広告費の多くを投じています。一方で、チラシや折込広告などの紙媒体への投資も引き続き実施しています。これは、トランクルームは商圏や取引のエリアが他の業態に比べて狭く、日本では自宅近くのトランクルームを探すお客さまが多いことによります。同じ地域に集中して発信できる手法として有効な紙媒体とネット媒体を組み合わせることで、広告活動を行っています。

また、当社はレンタル収納スペース推進協議会(RSA)の理事を務めていますが、当社だけでなくトランクルーム業界全体で取り組みを推進しています。日本セルフストレージ協会(JSSA)という業界団体は10月9日を「トランクルームの日」と定めており、トランクルーム活用のコンテストを実施したり、トランクルームの利便性などの告知活動を行っています。

当社のホームページでは「CAMP HACK(キャンプハック)」と協力し、キャンプ用品の収納に関する動画なども掲載しています。トランクルームのさまざまな活用方法をご紹介することで、「このような便利な使い方があります」と告知しています。

一例として、キャンプ用品収納での活用をご紹介します。キャンプ用品には、テントや各種ギアなど場所を取るものがあります。また、キャンプは土曜日の早朝に出掛けることも多いかと思います。マンションにお住まいの場合、「早朝だと近所迷惑になるかな?」と心配しながらエレベーターを何往復もして積み込むことになるかもしれません。

しかし、トランクルームは人が住んでいない場所のため、土曜日の朝に台車で荷物を運び出す場合も周囲に迷惑をかけることなく利用できます。住居とトランクルームが離れていることで、音を気にする必要がないという心理的なメリットがあります。

これらの点も含め、ホームページではさまざまな便利な使い方を紹介しています。ぜひホームページをご覧いただき、トランクルームのご利用をご検討いただければと思います。

質疑応答:現在の事業環境について

「現在の事業環境についてどう感じているか、率直な意見を教えてください」というご質問です。

トランクルーム自体は便利なものであり、今後も普及が進むことから、需要は伸びていくと考えています。日本は人口減少に直面しており、10年先を考えると不安材料もありますが、マンションなどの価格が高騰していることもあり、ここ5年ほどの需要は引き続き伸びていく環境にあると見ています。

しかしながら、建築費高騰などの課題は依然として厳しい状況にあります。また、食料品の値上がりなどの物価高が影響し、トランクルームに割く予算が減少する可能性は否定できず、懸念しています。

特に都内の利用者は、1部屋あたりの面積が小さいトランクルームを借りる傾向にあります。都内のトランクルームの料金は1坪あたり2万円台中盤であり、3.3平米で月額2万円台、畳1畳分である0.5坪であれば1万円台でご利用いただけます。スマートフォンの料金などと比較しても手頃な価格で、自宅がすっきりするメリットがあります。トランクルームは縦に物を積むことができるため、0.5坪でもかなり多くの荷物を収納できます。

以前は「荷物の量がこれだけあるから、この広さを借りたい」というお問い合わせが多かったですが、現在は「1万5,000円ぐらいで借りられる部屋は、どのぐらいの大きさですか?」というお問い合わせが多いです。その場合、「このエリアだとこの広さになります」とご案内し、そのスペースに収まるものを収納して、必要ないものは断捨離するといった使い方をされるお客さまも増えています。また、予算に応じてトランクルームの広さをご選択いただくケースも多いです。

このように、お客さまが工夫して利用されているため、引き続きトランクルームの普及は進むと考えています。当社としても、少しでもお手頃な価格のトランクルームを提供していきたいと思っています。

質疑応答:現在の株価水準について

「現在の株価水準についてどう感じているか、率直な意見を教えてください」というご質問です。

残念ながら、現在の株価は1,000円を切った状態です。PBR(株価純資産倍率)は1.47倍であり、資産に対して一定の評価をいただいている部分はあるものの、株価は上がってほしいと思っています。

ただし、これは当社が直接決められることではありません。PBRが現在の1.47倍からもう少し上昇して2倍程度になり、株価が1,000円台を維持できるようになればと考えています。

また、現在の時価総額は20億円弱のため、仮にスタンダード市場へ移行するとしても、30億円から40億円の水準に達しなければ基準を満たすことは難しいです。

中期経営計画を着実に遂行し、市場からより高い評価をいただけるよう努力していきたいと考えています。

質疑応答:店舗数拡大計画について

「何店舗、何部屋ぐらいになると中期経営計画の利益に達しますか?」というご質問です。

コンテナ型トランクルームについては、毎年30店舗程度増やしていく想定で、3年後には現在の224店舗に加えて約100店舗を増加させる計画です。また、屋内型トランクルームについては、毎年5店舗程度の増加を見込んでいます。

このため、店舗数としては15店舗程度で現在の中期経営計画を達成できることになり、全体としては現在の1.5倍から2倍程度の店舗数を目指していければと考えています。

質疑応答:トランクルーム業界における他社との協業の可能性について

「業界大手のエリアリンクとの協業はいかがでしょうか? パルマがエリアリンクと業務提携しましたが、御社も提携することはできないものでしょうか? エリアリンクはトランクルーム運用、パルマは保証・開発、ストレージ王はストレージ開発、という分業は可能ではないでしょうか?」というご質問です。

エリアリンクやパルマとは、日頃から情報交換などを行っており、友好的な関係にあることは間違いありません。実際に、パルマには保証事業でお世話になっているという取引関係があり、エリアリンクとは物件の売買などでお世話になっています。

一方で競合でもあるため、どのような提携をするかについて、現時点で具体的なお話をすることはできません。しかし、トランクルーム自体の普及については、エリアリンクがJSSAを中心に活動しています。このため、普及活動においては一緒に取り組んでいきたいと考えています。また、出店や物件の売買、保証事業などにおいても連携できる可能性は十分にあるため、引き続き情報交換を行っていきたいと思います。

競合他社との関係性について、トランクルーム業界は一般的な消費財や商業施設とは協業の形態がやや異なります。トランクルームは一度完成して稼働すれば、隣接する施設と激しい競争に陥ることは少なく、供給過剰にならない限り、そのエリア内でお客さまを取り込み、お互いが成立するケースも多いです。

そのため、他の業界ほど激しくお客さまを奪い合い、価格競争が激化するというよりは、普及率を向上させて全体的な価格を高める、いわば共同体的な性格も持っています。こうした特性を踏まえると、情報交換や協力関係を築く可能性は今後も十分にあると考えており、良い取り組みの可能性が見つかれば、その実現に向けて動くことはやぶさかではありません。

荒川氏からのご挨拶

ご指摘のとおり、現在の海外の情勢や国内の景況感については、当社としても非常に心配しているところです。また、円安の影響によるコストアップや原油価格の上昇による輸送費増加、さらには工事費の増加といった課題もあります。

一方で、トランクルームはご利用いただくことで部屋の中がすっきり片付くため、引っ越しなどの理由がなければ解約率が非常に低い案件となっています。建築費を抑えた良質な物件を提供し、お客さまに安価でトランクルームをご利用いただけるよう努めています。加えて、業界全体として普及率を上げることで、お客さまの快適な生活環境を整えます。

不動産投資家の視点では、例えばアパートの場合は2年更新という商慣習の中で空室が出る可能性があったり、時間の経過とともに水回りの設備が傷んで老朽化対応の投資が必要になることがあります。しかし、トランクルームは基本的に水回りの設備がないハードウェアなので、稼働率が一定以上になれば、非常に安定的に収益を得られる優秀な不動産投資商品です。そのため、当社は優れた商品を作り、しっかりと稼働させることで不動産投資家に満足していただきたいと考えています。

景況感が不安定な状況においても、引き続き利用者、投資家、土地所有者という三方をつなぐ商売を継続して行っていきたいと考えています。

本日は長時間にわたりご説明をお聞きいただき、また、多くのご質問をお寄せいただき、ありがとうございました。ご回答が十分だったかはわかりませんが、1月20日に発表した中期経営計画をしっかりと取り組み、安心安全にご利用いただけるトランクルームを確実に提供していきたいと考えています。

非常に厳しい環境下ではありますが、社員一丸となって取り組んでいきます。引き続き当社へのご支援とご協力のほど、どうぞよろしくお願いします。

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