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第10回大学生対抗IRプレゼンコンテスト準優勝チーム「和田興産×小樽商科大学」

熊川大翔氏:小樽商科大学の株式投資サークルSTOCKです。これから、和田興産株式会社のIRプレゼンを始めます。

和田興産の所在地は、海と山に囲まれ、多くの人々が集う港町、神戸です。1868年の開港以来、流行や文化の発信源として常に新しく賑やかで、住む人も観光する人も惹きつけてきた街です。和田興産はこの街と創業以来127年、ともに歩みを進めてきました。

目次とポイント

和田興産は、単なる地方のマンションデベロッパーではありません。「着実成長×高配当」の隠れた優良企業です。本日はその詳細について、スライドに記載した流れでご紹介します。

企業紹介・歴史

和田興産は、社員数122名、時価総額約190億円の神戸の企業です。和田興産を語る上で欠かせないのが長い歴史です。

日清戦争後の人口増加と都市改造により神戸の活気が高まる中、1899年に創業しました。明治、大正、昭和、平成、令和まで、地域に根ざし愛され続けてきた企業です。

企業理念

和田興産の理念は「共生(ともいき)」です。実需向けの住宅販売を通じて地域に貢献し、取引先との深い関係性を築きながら、100年先の未来を見据えて社会や子ども、株主とともに持続的な成長を目指しています。

事業の全体像

各ステークホルダーとともに生きることの詳細や、事業戦略についてご説明します。事業の全体像についてです。和田興産は、分譲マンション、戸建て住宅、賃貸、その他不動産の4つの事業を展開しています。

全体の売上高の76パーセントを占める和田興産の柱は、「ワコーレ」ブランドの分譲マンション事業であり、地域や土地の特性を活かした「価値ある独創」が強みです。

重厚感のある建物のデザイン

スライドの画像をご覧ください。私たちは実際に神戸を訪れ、重厚感のある建物のデザインを直接肌で感じました。

分譲マンション1

野村ひより氏:分譲マンション事業についてご説明します。一言で言うと、土地にマンションを開発し、1住戸ごとに販売する事業です。

スライドは、一般的な賃貸マンションと比較した表です。家賃収入で毎月収益が入る賃貸と比べ、分譲の収益は部屋の引き渡し時に一括計上されます。

また、賃貸では投資利回りや入居率管理が重要とされる一方、分譲マンションではブランド力、設計、そして立地選びが重視されます。さらに、分譲と賃貸は「入居者の資産になるか」という観点でも異なります。

神戸市、明石市、阪神間を中心に展開し、中規模・小規模マンションを主に取り扱っていますが、近年は大型物件にも取り組んでいます。

分譲マンション2

和田興産は、マンション開発に必要な用地選定から仕入、管理まで、すべての工程を外部企業と連携して行っています。その中で、企画やプロデュースを担い、地域密着・地区精通の姿勢で事業を進めています。

開発実績と古くからのつながりにより情報を優先的に獲得し、深く土地に目を向ける戦略を、隣接エリアにも一歩ずつ拡大しています。

また、地域密着の強みを活かし、常設のマンションギャラリーで複数物件を同時に販売することで経費削減を実現していることも、大きな強みです。少数精鋭の企業体制で「共生(ともいき)」を体現するビジネスモデルが特徴です。

分譲マンション3

ご注目いただきたいのは、2027年2月竣工予定の「ワコーレ神戸元町ザ・ゲートタワー」です。

駅から徒歩1分という非常に優位性の高い立地に加え、三越百貨店跡地であり元町商店街の西端という神戸の街の象徴的なロケーションも相まって、現時点での契約率は98パーセントと高い市場評価を得ています。和田興産のさらなる成長を牽引する大型プロジェクトです。

戸建て・賃貸・その他不動産

戸建て・賃貸・その他不動産の、それぞれの事業についてです。

戸建て住宅事業では、デザイン・環境・安全性を重視した木造住宅ブランド「ワコーレノイレ」を展開し、郊外需要を捉えて事業を成長させてきました。

賃貸事業では、創業時からのノウハウを活かし、高い稼働率と安定性を誇ります。

その他不動産事業では、マンション一棟売りなど、さまざまなニーズに対応した柔軟な企画・開発を行っています。

以上が、和田興産の4つの事業です。

ESG −環境、地域と青少年に向けての取り組み

和田興産のESGへの取り組みについてご説明します。

環境面では、スマートゴミ箱「SmaGO(スマゴ)」の設置による神戸の街の美化や、ZEHマンションの普及を通じた脱炭素社会への貢献に注力しています。

社会面では、古民家再生プロジェクト「ラドーレ」を通じ、地域の空き家問題の解決と魅力向上に取り組むほか、青少年へのスポーツ支援にも力を入れています。

地域とともに歩む企業として、環境および社会の課題解決を推進しています。

ESG −ガバナンス、上場基準維持への取り組み

和田興産は、経営監督機能の強化と透明性の向上を重視し、株式報酬制度の導入により、経営陣と株主のみなさまとの利害一致を図っています。さらに、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」についても、すでに開示を行っています。

また、独立社外取締役の比率をプライム市場並みに高めており、オーナー企業でありながら、厳格なガバナンス体制を構築済みです。

エリア分析1

髙田朔也氏:和田興産の事業エリアである神戸・阪神間についてご説明します。このエリアは、六甲山と瀬戸内海に挟まれた自然豊かな地域です。さらに、ビジネス街と住宅地がコンパクトにまとまり、職住隣接が実現しています。

また、再開発が活発に行われている地域でもあります。例えば、神戸市の三宮駅では再整備が進行中であり、大阪ではIR施設の開業が予定されています。

加えて、大阪副首都構想が模索されており、大阪経済圏の強化も図られています。

こうした取り組みにより、職住隣接した町で官民連携によるまちづくりが進み、今後のエリア価値向上が期待されています。

エリア分析2

このような期待は、数値にも表れています。スライドの図は、阪神エリアにおける直近10年間の平均基準地価の上昇率を示しています。要因として、万博やIRに関連する不動産投資の活発化、インバウンドの増加に伴う観光産業人口と、その住宅需要の増加が挙げられます。

和田興産は、これらの地価上昇が見られたエリアで物件開発を進めており、今後の資産価値向上が期待されています。

競合ポジショニングマップ

和田興産の市場におけるポジションについて説明します。和田興産は、地域密着型であり、居住目的の実需に特化した独自のビジネスモデルを確立しています。

創業から127年の間で培った地元のネットワークを背景に、競合入札を避け、相対取引による有利な用地仕入を行うことで、高い利益率を確保しています。その結果、神戸市内における供給棟数は27年連続で1位を獲得しました。

安定した契約率を背景に、今後も高いブランド価値を維持していきます。

事業SWOT分析

事業SWOT分析です。和田興産の強みは、地域密着型戦略にあります。事業エリアを限定することで、用地情報を優先的に取得しています。

大手と比較すると資本規模は大きくないものの、実需を重視しているため、投資用マンションよりも景気や金利の影響を受けにくいという特性があります。また、常設マンションギャラリーによる効率的な販売ノウハウも、他社との差別化に成功している要因となっています。

これらの特性を活かし、規制強化や需要の変化といった外部要因に対応しながら、和田興産は持続的成長を果たしています。

業績

大澤みるか氏:業績推移についてです。売上高・利益ともに、新型コロナウイルスの影響による一時的な停滞を乗り越え、2024年2月期、2025年2月期と高水準で推移し、4期連続で最高益を達成しています。

また、2026年2月期竣工予定のマンション販売は順調に進んでおり、戸数ベースで96.3パーセントがすでに契約済みです。和田興産は成立済みの契約に基づき、来年度の売上高見込みを公表しています。

実需型の不動産業の手堅さは、来年や再来年にどの程度売上を確保できるかを高い確度で見積もり、経営判断を行える点にあります。

財務分析 −収益性・効率性

収益性・効率性についてです。営業利益率は一時的に低下しましたが、その後は着実に回復し、2025年には業界平均を上回る水準まで改善しました。

また、ROEは業界平均と同程度の水準で推移しており、2022年以降は8.6パーセント以上を達成しています。

このように、収益力と資本効率の両面での向上が見られます。

財務分析 −安全性・健全性

安全性・健全性についてです。和田興産は市場環境に左右されやすい業態であるため、特に健全性を重視しています。

ネットD/Eレシオは近年着実に低下しており、自己資本比率も一定水準を維持しています。また、物件取得のための多額の負債は資産を生み出すための材料であり、高い契約率が多くのキャッシュを創出します。

営業キャッシュフローは期ごとに変動しますが、これは業態特性によるもので、投資と回収のサイクルがしっかり循環していることを示しています。このように、財務規律と稼ぐ力により、懸念されやすいリスクは十分にコントロールされていると言えます。

株主還元 –実績の推移

株主還元についてです。EPSの成長に伴い、配当額も右肩上がりに推移しています。

最大の特徴は、16期連続の累進配当です。これは和田興産の配当方針の一貫性を裏付ける実績です。今期は1株当たり70円を予想しています。

安定して伸びている実績と一貫性のある配当方針に基づき、今後も中長期的な企業価値の向上に努めます。

株主還元 –株主還元指標、バリュエーション指標

スライドのグラフが示すとおり、和田興産の配当利回りは市場平均を大きく上回る水準を維持しており、株主総利回りも着実に向上しています。

一方で、PERやPBRは業界平均を下回る割安な水準にとどまっており、高い還元力と今後の成長余力の両面に魅力があります。

長期保有で輝く銘柄であり、ポートフォリオの地域分散という観点からも保有する価値があると考えています。

展望 –新規事業

津田万結子氏:展望についてです。和田興産は社会的ニーズを捉えた新規事業を展開し、地域社会への貢献および経営リスクの分散を図ります。

柱となるのは、高齢化社会へ向けた住宅型有料老人ホーム事業と、脱炭素社会へ向けた系統用蓄電所事業の2つです。どちらもすでに第1弾が完成しており、現在さらなる展開を進めています。

分譲マンション等の既存事業は引き続き開発を継続する一方で、これらの新規事業に積極的に取り組みます。

展望 -数値計画、KPI

財務の展望についてご説明します。新規事業を含むその他不動産事業の売上構成比は、前3期間比で21.8パーセント増加する見込みであり、今後も拡大が期待されます。

数値計画では、売上高は中期経営計画目標をわずかに下回るものの、利益ベースでは大きく上回る見通しです。

また、KPIとしてROE8パーセント以上、D/Eレシオ2倍以内を目標とし、健全性と安全性を重視した経営を継続します。今後も地域密着型の企業として、信頼性と価値の向上に努めます。

私たちからの提案

計6回の直接取材をもとにした独自のご提案です。私たちは、PBR1倍割れの改善に向け、ROE向上とPER向上の2つの観点に着目しました。

まず、ROE向上策として新規事業をご提案します。具体的には、収益性を高める高付加価値シニアレジデンス事業と、効率性を高めるリノベ再販事業を軌道に乗せることで、さらに強固な収益基盤を築きます。

次に、PER向上策として、長期ビジョンの提示とIRの多角化による情報発信強化を提案します。事業エリアを問わず全国の投資家との対話を深めることで、和田興産の成長性に対する市場の期待を高めます。

総括

総括です。和田興産を1本の大樹に例えると、用地取得力、ブランド力、ESGへの取り組みなどの強みは「根っこ」、神戸・阪神間のエリア価値向上などの機会は「太陽」に相当します。強固な根と太陽の光に支えられ、高い契約率や収益性の向上といった幹が育ちます。

今後はこの安定した経営基盤を糧に、事業の枝葉を大きく広げていきます。高還元と割安な株価とのギャップ、そして将来の成長性を併せ持つ、和田興産のさらなる飛躍に、ぜひご期待ください。

証券コード

和田興産の証券コードは「8931(はくさい)」です。ぜひ覚えてお帰りください。以上です。

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