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株式会社ドリーム・アーツ4811

東証グロース

情報・通信業

主要KPI

山本孝昭氏(以下、山本):株式会社ドリーム・アーツ代表取締役社長の山本です。本日はお忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。2025年12月期の決算説明会を開催します。

多くの方がAIエージェントや「Claude Code」に対する当社の認識・影響に関心があると思います。通期の決算について手短にご説明し、その後のQ&Aに十分な時間を確保できるよう進めていきます。どうぞよろしくお願いします。

それでは、通期の業績についてご説明します。まず、主要KPIです。ホリゾンタルSaaSは前年同期比17.2パーセントの成長率を達成しました。売上総利益率は62.5パーセント、前年同期比で5.4ポイント増加しています。

キャッシュフローも順調で、前年同期比で10.1パーセント増加しました。売上のストック比率は87.5パーセントとなり、90パーセント弱に迫っています。このうちクラウド比率は約80パーセントを占めています。

ホリゾンタルSaaSの平均月額利用料(ARPA)は163万9,000円に達し、ホリゾンタルSaaS売上継続率(NRR)は109.8パーセントとなっています。

2025年12月期通期 連結業績

通期の連結業績です。2025年度通期を振り返ると、売上は概ね期初の計画どおりに着地しました。クラウド事業が成長を牽引し、オンプレミス事業とプロフェッショナルサービス事業が計画を上回り、全体の売上を押し上げる結果となりました。

利益については、材料費の抑制をはじめとした原価率の改善が見られました。さらに、人材採用やプロモーション活動への成長投資を実施しましたが、売上成長と原価の抑制が販管費の増加を吸収し、営業利益は前期比26パーセント増の成長となりました。

ホリゾンタルSaaS売上高

スライドのグラフは、ホリゾンタルSaaSについて視覚的に表したものです。

2026年12月期通期 連結業績見通し

2026年12月期の通期業績見通しです。売上高は62億5,000万円を見込んでいます。引き続き、クラウド事業を中心に売上の成長を計画しています。

ホリゾンタルSaaSは、アップセルが順調に積み上がっていくと予想しています。バーティカルSaaSは全国チェーンの導入プロジェクトが進行中で、その他の大型案件も進捗しています。オンプレミス事業は、クラウドへの移行および移行促進の過程での解約を織り込んでいます。

プロフェッショナルサービス事業は、前期に続き導入支援や開発支援プロジェクトによる売上の微増を計画しています。

一方で、利益については、中期経営計画の目標達成に向けた初年度として、人材採用や広告販促、製品開発への成長投資を積極的に進める方針です。AI関連の開発に伴う材料費の増加を見込んでいることもあり、前期比では増収減益を計画しています。これは中期経営計画に沿った見通しです。

2026年12月期 成長投資計画

成長投資計画についてです。「人的資本/採用活動の強化」「広告販促活動の強化」「製品競争力の強化」について、スライドのグラフで示したような推移の実績・計画となっています。

株主還元および企業価値向上に向けた取り組み

株主還元と企業価値向上に向けた取り組みとして、スライドに3点挙げています。株主還元については、2023年12月期に初めて配当を開始し、2025年12月期は1株当たり20円としました。

配当性向20パーセントから30パーセントを目途としていましたが、配当性向30パーセントを目安に維持または増配を行う累進配当へと転換し、より積極的な株主還元へ移行していく方針です。

次に、株式分割を実施しました。株式の流動性向上と投資家層の拡大を目指して3分割しています。

さらに、従業員向け株式報酬制度を導入しました。従業員の帰属意識を高め、業績や株価への意識を強化・底上げすることを目的としています。

中期経営目標

中期経営計画についてです。2026年度、2027年度、2028年度の3ヶ年の中期経営計画を発表しています。

導入社数は2028年度で380社を目指します。市場シェアに関しては、従業員1,000名以上の大企業約3,700社のうち10パーセントを超えるシェアまで引き上げることを目標としています。

中期経営計画

売上高は2028年度に87億円の目標を掲げ、それに向けて成長を促進する施策を進めていくことを考えています。営業利益については、2026年度に前年比で一時的に減益となる見込みですが、2027年度から持ち直し、2028年度には大きな伸びを目指しています。

中期経営計画 基本戦略「デジタルの民主化」と5つのCSF

それを実現するための基本戦略として「デジタルの民主化」を掲げています。ここでは、基本戦略を推進するための5つのCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)について、取り組み内容をご紹介します。

まず、「デジタルの民主化」についてです。日本は米国と比較すると特徴的な差があります。米国では全IT専門家の7割がユーザーサイドに属し、残りの3割がベンダーサイドにいます。一方、日本はその真逆です。

いよいよ高市政権が発足し、産業全体で投資拡大の動きが見られる中、デジタル活用の重要性は一層高まっています。同時に、サイバーセキュリティ上の脅威も顕在化しており、企業側のIT専門家の多くは、安全・安心を確保し、脅威からシステムを守り、確実に稼働させるために多くのエネルギーを投下しています。一方で、事業変革や構造変革、組織変革も含め、さまざまな新しい取り組みが進んでおり、それらを支える新たなIT導入の必要性も高まっています。しかし、限られたIT人材の中で、既存システムの維持と新しい取り組みの推進を同時に実現することは容易ではありません。

こうした状況を踏まえると、外部ベンダーや専門人材への依存ではなく、現場部門の人材を活用した「市民開発」の推進が必要不可欠な状況です。

重要なのは内製化の推進です。内製化を進めるためには、現場の業務を熟知している人材がデジタル化に取り組むことが重要となります。これが「デジタルの民主化」であり、この取り組みが基本戦略の柱となります。

この基本戦略の具体例として、「MCSA(Mission Critical System Aid)」「グローバル・コネクト」「DAPA(DreamArts Practical AI)」などがありますので、それぞれについて簡単にご説明します。

中期経営計画 MCSA(Mission Critical System Aid)

「MCSA」についてです。MCSAは、企業全体を動かす基盤であるERPの周辺領域を担うシステム群を指しています。ERPは、企業活動を支える“心臓や肺”のような存在です。直接的に収益を生む機能ではありませんが、企業が適切に循環し、呼吸を続けていくためには欠かせない中枢機能です。

そのERPの周辺に位置する基幹フロントシステムを「MCSA」と名づけて、このエリアをカバーしようと考えています。

このメッセージは一昨年から明確に発信し始めており、昨年も複数のMCSAエリアにおける案件が動き、導入に至っています。今後、事例発表もできる見通しです。現在も「MCSA」をテーマとした案件が上がってきており、順調に進んでいると考えています。

中期経営計画 グローバル・コネクト

「グローバル・コネクト」です。4年前からメーカーに対しての販促をしっかり行おうということで取り組んでいます。

日本企業の製造業の多くは、オペレーションの半分以上を海外で推進し、売上の割合も海外が多いという特徴があります。このような日本企業の海外オペレーションを我々が「SmartDB」を中心にカバーしようと考え、この取り組みを進めています。

この取り組みはすでに始まっており、グローバルな多店舗事業を展開している企業では15年以上前から使われており、現在も28の国や地域で利用されています。その他に具体的に名前を挙げられる会社としては、アシックス社や旧日本通運のNXグループでも、海外で「SmartDB」を活用していただいています。

他にも事例はありますが、これまでは積極的には推奨していませんでした。すべてのユーザーに向けて提案できるだけの準備が整っていなかったためです。しかし、中期経営計画の中で「グローバル・コネクト」という取り組みとして積極的に推進していきます。

中期経営計画 DAPA(DreamArts Practical AI)

「DAPA」についてです。AIを「SmartDB」に限らずドリーム・アーツ製品全体に組み込んでいくという取り組みを、昨年発表しました。実際の検討は2年半前から始めていました。

「AIを意思決定プロセスの中に溶け込ませる」ことがコンセプトで、「AIエージェントへの過度な期待に“?”」というキーフレーズを昨年春のプレスリリースにも取り入れました。

後ほどAIエージェントとの関連性などについてもお話ししますが、我々は「DAPA」において、実務的・実用的・実践的なAIの活用、意思決定プロセスに溶け込ませて活用していくことを目指しています。こちらは現在パイロットで使用を開始しており、4月に正式な製品リリースとなる予定です。

スライド右側にAIプロンプトデータベースに関する内容を、図解を用いて簡潔に説明しています。

AIの各利用者がプロンプトを作るという現在のスタイルは一部残ると思いますが、企業全体にプラスの効果をもたらすためには、数万人規模、さらには10万人規模の利用者がプロンプトなどを意識せずに活用できる仕組みが必要です。

そのため、プロンプトの専門家を事務局に設けて、そのメンバーが精査・改良を重ね、進化させたプロンプトをデータベース化します。そして、利用ユーザーが意識することなく、自動的にプロンプトがディスパッチされる仕組みを構築します。

内容が複雑なため、ここでは簡単な説明にとどめますが、「AIを業務プロセスに溶け込ませる」というかたちでの実装を進めています。

中期経営計画 PLG(Product-led Growth)

「PLG(Product-led Growth)」についてです。これは、プロダクトの成長・発展、またはより多くの方に利用していただくための仕組みをプロダクトに内在させる取り組みです。すでに重要な取り組みとして開始しており、今後さらに重要なポイントになってくると思います。顧客単価の月額利用料の向上にも大きく寄与すると考えています。

中期経営計画 EC2(External Capability & Capacity)

「EC2(External Capability & Capacity)」。これは外部のケイパビリティとキャパシティを取り込み、発展させ、当社の成長力やサービス普及につなげようとするものです。

その一例として、資格認定制度を設けました。現在3,831名が「SmartDB」の有資格者です。スライドの円グラフをご覧いただくと、この約4,000名弱のうち、79パーセントがユーザーサイド、すなわち現場サイドに所属しています。残りの21パーセントは当社のパートナーです。

また、男女比率では女性が38パーセントを占めています。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理資格は女性比率が10パーセント強のため、3倍強の数値です。

女性も積極的に取り組んでいるという点では、ステレオタイプとして語られる「女性がITを苦手としている」ということを打ち破り、「市民開発」をさらに推進する方向性を示せていると考えています。

スライド左側に資格のグレードを示すバッジが並んでいますが、春以降にAI機能を扱えることを示した資格バッジも組み込む予定で、受験者や有資格者がさらに増加すると期待しています。

中期経営計画 EC2(External Capability & Capacity)

「EC2」において、パートナー施策を開始しています。一昨年に呼びかけを行い、昨年にはスライドに記載している会社にパートナーになっていただきました。今年、来年にはさらに大手にも広がっていくと考えています。引き続き、パートナー施策も強力に推進していきます。

新たな日本DXの大潮流に“定置網”群を!

急に海の絵が出てきましたが、こちらは昨年、名古屋で個人投資家の方々に向けて当社の事業紹介を行った際に使用したスライドです。個人投資家のみなさんに私が説明したのは、約60年にわたり続く、日本の大企業におけるITの潮流があるということです。

システム部門にIT関連の予算をすべて集中させ、その部門が新たなシステムを作り、実装する際は稟議や投資対効果の責任を多く担います。そして、長年付き合いのある親密な外部ベンダーと一体化し、実態としては多くが丸投げとなっています。

引き受けたベンダーサイドは、多重請負構造の中で業務を遂行します。その責任構造上、必然的にウォーターフォールモデルを採用せざるを得ない状況が60年もの間続いています。

この体制が有効に機能し、日本や企業の発展に寄与してきましたが、この60年続いた潮の流れだけでは、日本の発展をDX(デジタルトランスフォーメーション)で支えることはできません。

今後は必然的に内製化が必要となり、「デジタルの民主化」として市民開発を用いた新たな潮流が形成されると考えています。この新たな潮流に向けて、当社では大きな定置網を設置している、というのがスライドに示した図の意味です。

新たな日本のDXの潮流に定置網群をセットし、そこに魚群が来て、それを我々が獲得します。ここで言う魚とはお客さまのことではありません。お客さまが抱えるデジタル化案件を指しています。

NO デジ民、NO DX

大漁の際は大漁旗を掲げますが、少し笑いを誘ったり印象づける目的で、ドリーム・アーツの大きな大漁旗を作り、「それを振れるときが来ますよ」ということをお伝えしています。ここまで、非常に平易なかたちで、我々が何を行おうとしているかという意図をご説明しました。

22年前、SmartDBはオセロとのアナロジーを起点に着想した

我々は22年前に「SmartDB」を作る際、オセロのアナロジーから着想しました。当時我々は「INSUITE Enterprise(インスイート・エンタープライズ)」というグループウェアを販売しており、販売は非常に好調でしたが、ここで扱うデータは基本的にフロー型、すなわち流れゆくデータであり、これだけでは事業を長期間にわたって継続するのは難しいと考えました。

そこで、重要情報を記録・格納するSystem of Record(SoR)の製品と、そのデータを「誰が見てもよいのか、誰がアップデートできるのか」などのユーザーマスタやユーザーの権限台帳が必要だと考えました。

ストック型データと権限台帳の両方がオセロ盤の角に相当します。「オセロ盤の角は何だ」という着想で考え、「SmartDB」という製品を作ろうと決めました。この角に、新たにAIが加わると考えています。

当社は、今年は増収減益を予想しています。中期経営計画に示したとおり、新しい潮流はすでに始まっており、それが2029年に本格的になると見越して中期経営計画を策定しましたが、少し早まるのではないかと思っています。

その潮流の中で網がしっかりと機能することを目指し、2026年度はそのための準備の重要な年として邁進していきたいと考えています。

以上で、私からの説明を終わります。

質疑応答:2026年度の事業環境とAIの活用について

司会者:「2026年度の事業環境はどのように展望されていますか? その中で、人工知能機能についてはどのような手応えを感じ

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