パワーソリューションズ、中計EBITDAを守りつつ26年度売上高も20%超の成長継続を見込む
パワーソリューションズ 知ってほしい3つのこと

高橋忠郎氏(以下、高橋):株式会社パワーソリューションズ代表取締役社長の高橋です。この度は、当社のご説明の場にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日みなさまにお伝えしたい内容は、スライドに記載している以下の3点です。
1つ目は、パワーソリューションズはラストワンマイル領域のDX推進が得意分野で、現在M&Aやアライアンスを通じてサービスの幅を拡大している点です。
2つ目は、資産運用立国の実現に向けて改革が進む金融・資産運用分野において、DX推進を伴走支援するニッチトップ企業として、安定した成長を続けている点です。
3つ目は、オーダーメイド開発にとどまらず、マルチSaaSソリューションを組み合わせたローコードソリューション提案により、幅広い産業分野で業務DXを推進している点です。
目次

高橋:本日の目次です。まず会社説明を行い、次に2025年2月に公表した中期経営計画を通じて当社の事業環境や成長戦略を説明します。その後、2025年度の連結決算概要と2026年度の通期連結業績見通しについてご説明し、最後に株主還元についてご説明します。
会社概要

高橋:はじめに会社紹介をします。パワーソリューションズは、企業向けのIT事業(BtoB)を展開している会社です。設立から24年が経過し、2019年に上場しました。現在の代表は私と藤田が務めています。私は上場後の2021年に、創業者である佐藤からバトンを受け継ぎ、代表に就任しました。
グループ会社、パートナーシップの状況

高橋:こちらは、当社のグループ会社やパートナーを表したスライドです。当社は2019年の上場後、サービスの幅を広げるため、継続的にM&Aを実施しています。
エグゼクション社はクラウドインフラ、OLDE社はRPAやAI関連サービスに強みを持ち、イノベーティブ・ソリューションズ社はDX推進に関する業務コンサルティングを得意としています。
2025年には、持分法適用関連会社を含む3社、八興システムズ社、ウィズ・テック社、キャッツ社が新たにグループに加わりました。また、スライド右に記載のとおり、AI搭載のグローバルSaaSをマルチに活用したDX推進を実行支援しており、その先行実現をしているオーストラリアのSazae社と業務資本提携をしています。
パワーソリューションズとは

高橋:パワーソリューションズは、簡単に言うと、ラストワンマイル領域のDX化を推進するIT企業です。ラストワンマイルとは、顧客企業がすでに導入している業界スタンダードな汎用パッケージやサービスと、それらのユーザーの間に存在するスキマ領域の業務を指します。
このスキマ業務は往々にして自動化ができておらず、非効率になっていることが多く、お客さまのお困り領域です。当社は「あと一歩足りない」領域、つまりラストワンマイル領域のDXを伴走支援しています。
事業内容

高橋:当社グループの事業内容についてご説明します。パワーソリューションズはBtoBのIT企業として、お客さまのDXを支援する3つのサービスを提供しています。
DX推進・DXコンサル事業は、最も規模が大きく、パワーソリューションズおよびイノベーティブ・ソリューションズ社が提供するサービスです。
インフラエンジニアリング事業はエグゼクション社によるIT基盤の提供です。また、RPA関連サービスは主にOLDE社が手掛けており、「UiPath」プロダクトを用いて、AIとオートメーションの融合による業務革新を支援しています。
売上高推移

高橋:創業時からの売上推移を示すグラフです。当社グループは創業時から継続的な成長を実現しており、売上高は安定して伸び続けています。
前年度比で売上高が減少したのは過去2回のみです。その要因は、第8期がリーマンショックによる影響、第19期が新型コロナウイルス感染症拡大の影響となっています。
2019年の上場後以降、M&Aも活用し着実に業績を積み上げ、事業領域を拡大

高橋:こちらのスライドは、上場以来の当社グループの成長を示したものです。上場後はM&Aやアライアンスを活用し、DX推進のためのサービスの幅を広げています。
2021年にはエグゼクション社がグループに加わり、インフラエンジニアリングサービスの提供を開始しました。2023年には、オーストラリアのSazae社との資本業務提携を実施し、DX推進におけるSaaSノウハウを補完しています。
また、RPA関連サービスについては、グループジョインしたミニコンデジタルワーク社にパワーソリューションズのRPA事業を合流させ、新しくOLDE社とすることでサービスを強化しました。
2024年にはイノベーティブ・ソリューションズ社がグループに加わり、コンサルティング機能を強化しています。そして2025年には、持分法適用関連会社を含む3社がグループに参画しています。
ミッション / ビジョン

高橋:当社紹介の締めとして、当社のミッションとビジョンを紹介します。「あらゆるラストワンマイルに、ITで立ち向かう」が私たちのミッションであり、使命です。「ラストワンマイル」という言葉は、当社の事業を象徴するものです。ぜひ覚えていただければと思います。
また、当社が目指す未来は「誰もが新たな一歩を、踏み出せる社会」です。ラストワンマイル領域は非効率になっていることが多く、そこに対してITを活用した解決策を提供することで、人々がより創造的な仕事に挑戦できるようになります。
人間の力をもっと、創造することへ。そのために、私たちは力を尽くしていきます。
中期経営計画(2025‐2027)の位置づけ

高橋:ここからは、2025年2月に公表した中期経営計画についてご説明する中で、当社の事業環境や成長戦略をご紹介します。
基本方針についてです。今回の中期経営計画の対象は、スライド中央の点線で囲まれている部分になります。2022年から2024年までの前中計期間では、人材獲得や人材育成の基盤を整備し、R&DやM&Aを通じて、AI搭載のグローバルSaaSの取り扱いを増やしてきました。
これを踏まえ、2025年から2027年の3年間を「飛躍に向けた変革期」と位置づけ、「つくる」から「つかう」へのシフトと最上流コンサル領域への進出を基本方針としています。
なお、2027年計画値である売上高については、今期の業績予想を100億円と見込んでおり、前倒しで進捗しています。
中期経営計画(2025‐2027)の基本方針

高橋:今回の中期経営計画の基本方針で掲げた、「つくる」から「つかう」へのシフトと、最上流コンサル領域への進出について図示したもので、スライドの図は、パワーソリューションズのビジネス領域であるラストワンマイル領域の「つくる」と「つかう」の状態図です。
「つくる」は従来の手法によるシステム開発で、「つかう」はAI搭載のグローバルSaaSを活用したDX推進を示します。
現時点では、まだ「つくる」が大半を占めていますが、スライド左側にある前中計期間で取り扱いを増やしてきたSaaSを活用し、この3年で「つかう」中心のソリューション提供へとシフトしていくことを考えています。これにより、これまでの「人数×単価×稼働率」というビジネスに、複数のライセンス販売による収益機会が創出されます。
また、「つかう」中心のソリューション提供を実現するためには、お客さまの最上流コンサルティング領域において、顧客業務全体を俯瞰し、どの部分にどのAI搭載のグローバルSaaSを導入するべきかを企画立案する必要性が高まることから、コンサルティング領域への進出が非常に重要になってきます。
そのため、全体最適を考えたITのリデザインを行うべく、DXデザインコンサルティング領域への進出を目指しています。
このような変革の成果として、SaaSのライセンス販売はもちろん、それを組み合わせたコンポーザブルなSaaS基盤を活用したシステム開発の継続受注といった、長期的な収益機会の創出を目指しています。
以上が当社の中期経営計画の基本方針です。
中期経営計画(2025‐2027)の数値計画

高橋:数値計画についてご説明します。売上高、EBITDA、総人員数の3つに数値目標を設定しており、その内容はスライドに記載のとおりです。
関本圭吾氏(以下、関本):基本方針について確認したい点があります。昨年、中期経営計画が新たに発表されました。2025年から2027年は「つくる」から「つかう」に移行する変革期と位置づけられていますが、この変革期を終えた時点でどのような姿を目指しているのでしょうか?
例えば、1人当たりの売上はどの程度を想定しているのか、また、どのような実績を積むことを目標としているのかなど、具体的なイメージについてお聞かせください。
高橋:活用のイメージについてお話しすると、現在は特にAI活用について多くのお客さまが模索されており、当社はそれを支えるSaaS基盤を提供しています。この基盤にはデータウェアハウスやデータを統合するソリューションが含まれており、それらを土台としてAIを活用することで、お客さまのそれぞれの課題に応じた最適な対応が可能になっています。これらは従来型のシステム開発とは異なる手法です。
その結果、複数のシステムに分散しているデータを1つのデータベースに統合し、そのデータを有効に活用する案件が増えています。このようなデータマネジメントに関しての案件が、最近の需要のトレンドの1つになっていると考えています。
関本:そのような体制が整うと、2028年以降の飛躍期に向けて、より成長しやすい状況になるということですね。
高橋:はい。SaaS基盤が導入されることで、他の業務でもそのSaaS基盤が活用されるようになるため、その意味では長期的な収益ストリームに乗っていると思います。
関本:まずはクライアントに基盤構築を導入しているということですね。
高橋:そうですね。ビジネスインフラを構築していくようなことができていると思います。
関本:もう1点、2030年までの見通しについてもおうかがいします。現状の人員数と売上高の伸びを踏まえると、コンサルティングなどの付加価値化がさらに進むことで、1人当たり売上高がより伸びる可能性があると考えています。変革期を超えた飛躍期の目標をどのようにお考えでしょうか?
高橋:現状では、中途人材の採用が難しく若手比率が高い状況にあるため、1人当たりの売上高は若干抑制されている面があります。ただ、コンサルティング領域にしっかりと進出することができれば、2030年までの見通しとして想定している数字よりも高まる可能性はあると考えています。
関本:あくまでコンサルティングの比率がさらに高まればということですね。
高橋:おっしゃるとおりです。
DX市場の成長性

高橋:外部環境です。当社グループがターゲットとしている市場についてご説明します。当社グループの事業はDX市場に属しますが、この市場は成長性が高く、規模も非常に大きいです。市場規模は、2030年までに現在の2.3倍となり、8兆350億円に達すると見込まれています。
当社の事業領域は、金融だけでなく、物流や製造にも広がっており、これらの分野はDX市場全体を上回る成長が予想される領域です。
深刻な国内IT人材不足

高橋:DX市場の成長性が高い一方で、国内のIT人材の供給が追いついていない状況です。このIT人材不足は、将来的にさらに拡大すると予測されています。
拡大する需要と供給のギャップを解決、つまりIT人材の不足を補うためには、非IT人材も取り扱えるようなAI搭載SaaSを活用し、市民開発のようなかたちで現場主導のDXを推進していくことが鍵になると考えています。
日本企業のDX取り組み状況

高橋:国内のDXの取り組み状況に着目すると、全社的にDXに取り組めている企業は全体の4割弱であり、当社がターゲットとする顧客層の企業にも、今後さらなる成長の余地があると考えています。
DX推進における課題

高橋:ここまではDX市場を中心にご説明しましたが、ここではDXの課題とその解決策を踏まえ、当社のビジネス領域についてあらためてご説明したいと思います。
DX推進における課題は、部門ごとのシステムやデータの分断によるサイロ化と、技術的負債の増加だと考えています。
スライドの図にあるように、部門ごとに使用されているコアシステムは、汎用パッケージや、大手SIerが開発したシステムであることが多い状況です。そのため、個社固有の課題については、部門ごとに独自開発が行われています。
例えば、エンドユーザーが作成したExcelアプリケーションが意外にも巨大化し、各部門に特化したシステムとして利用されることでサイロ化が進み、技術的負債が蓄積していくケースがあります。当社のビジネス領域は、このような課題を抱える領域であり、ここを「ラストワンマイル領域」と呼んでいます。
サイロ化の解決策

高橋:サイロ化を打破するためには、部門ごとのシステムやデータの壁を壊し、「横ぐしを刺す」アプローチが必要です。
解決のヒントは、部門をまたいで活用できる共通中間解としてのAI搭載SaaSです。具体的には、スライドに記載してあるようなデータ分析やワークフロー、自動化(RPA)、ローコード開発、データ統合などの利用です。
関本:外部環境やDX推進における課題と解決についての質問です。この1、2ヶ月ほどの間に、Anthropic社をはじめとする米国のAI企業が専門的な領域で非常に高いレベルのAIプロダクトを次々と発表しました。
これらがコンサルティング領域やSaaS、IT領域といった分野に影響を与える可能性があり、実際のところ、5年後、10年後の状況は予測が難しいという観点で話題になっています。この点について、御社はどのようにお考えでしょうか?
高橋:世の中で「SaaS is Dead」のような風潮が広まりつつあることを承知しています。株式市場での下落などの話題は、主にマクロ経済の影響が大きいと考えていますが、SaaSそのものについて少しお話しすると、AIに取って代わられるSaaSも確かに存在すると考えています。
一方で、データ分析基盤やオートメーション基盤といった、いわゆるビジネスインフラ型SaaSは、AIを活用するための土台となります。そのため、こうした基盤の重要性はむしろ今後さらに高まるのではないかと考えています。
投資家のみなさまに向けた話としては、当社はSaaSそのものを開発している会社ではなく、それらを「つかう」会社です。市場に存在する優れたSaaSを組み合わせ、ビジネスインフラを構築することができる立場にあります。
また、当社はビジネスインフラ型SaaSを担いつつ、プライム案件の比率が高いことから、お客さまの現場、いわゆる最前線に人材を配置しています。その共通のSaaS基盤上にAIを組み込むことで個別最適を図り、業務のラストワンマイルを埋めるような役割を担っています。
このような取り組みへの需要は今後さらに増加すると考えており、現在の状況を比較的ポジティブに捉えています。
関本:AIを活用する側に立つイメージで取り組むということですね?
高橋:そうです。その土台を活用してAIを導入するために、当社からいち早くSaaS基盤を提案し、それに適切なデータを蓄積できるよう整備を進めた上で、AIを本格的に活用できる状況を目指していきたいと考えています。
関本:もう1点、御社がプラチナパートナーであるUiPath社の領域、いわゆるRPAの分野についてお聞きします。素人的な見方ではありますが、これはAIエージェントと呼ばれる領域に近いのではないかと思っています。この分野の発展と競争環境についてどのようにお考えでしょうか?
高橋:UiPath社は、これまでも決算説明などでお伝えしてきたとおり、RPAのリーディングカンパニーです。現在は「UiPath」も進化を遂げており、AIを含む包括的なオートメーション基盤のプラットフォーマーとしての役割を果たしています。
AIエージェントの発展については、RPAと双方がぶつかり合う関係ではなく、自動化の高度化の一環として捉えています。そのため当社としては、自動化の対象範囲がこれまでのルールベースにとどまらず、AIを活用した判断が加わることによって、さらなる拡大が見込まれると考えていますし、このことについては前向きに捉えています。また、特にRPAとAIエージェントがカニバリゼーションの関係になるとは考えていません。
競争力の源泉(前中期経営計画の期間で基盤固めしたもの)

高橋:当社の内部環境、競争力の源泉についてです。前中計で基礎を固めた項目は、スライドに記載の4つになります。その1つずつについてお話ししたいと思います。
①世界基準のAI搭載SaaS活用

高橋:1つ目は、当社が世界基準のAI搭載SaaSを活用している点です。前中期経営計画期間では、R&DやM&Aを通じて、グローバルに利用されるAI搭載SaaSの取り扱いを増やしてきました。
今後は、DXプラットフォームやビジネスインフラとなり得るこれらのSaaSを組み合わせたSaaS基盤を提供し、システム開発の継続受注による長期的な収益機会の創出を目指していきたいと考えています。
②リカーリングビジネス

高橋:2つ目は、主要顧客との安定的な継続取引です。当社が継続して選ばれる理由として、大きく2つあると考えています。
1つは、特化した業界での専門知見です。特にパワーソリューションズ本体は資産運用業界に強みを持ち、投信残高ランキングの上位7社はすべて当社と継続取引を行っている顧客です。
もう1つは、AI搭載SaaSに関する専門知見です。プラチナティアである「UiPath」をはじめ、エバンジェリストが在籍する「GeneXus」や「Smartsheet」、さらに「Boomi」「OutSystems」「Snowflake」など、ライセンス販売が可能なSaaSの取り扱いが増え、この専門知見が当社が選ばれる理由となっています。
③人材獲得:人材獲得のマルチチャネル化 全方位で

高橋:3つ目は、人材獲得です。当社は一般的な新卒採用やキャリア採用に限らず、他業種未経験者の採用、元SEの主婦の方の採用、多国籍採用、ビジネスパートナーの活用、M&Aなど、さまざまな方法で人材を獲得することで、安定的に人材を増加させてきています。
④人材育成 継続的なリスキリング

高橋:4つ目は、人材育成です。当社は、常に刷新され続けるIT環境の中で継続的な伴走支援を実現するため、「Next Mile University」という社内大学や、共同研究パートナーである千葉大学DXデザイン研究室と協働した人材のリスキリングの仕組みを整備しています。
これら4つが当社の競争力の源泉だと思っています。
参考:武器(グローバルAI搭載SaaS)活用の情報発信

高橋:参考情報となりますが、共同研究パートナーである千葉大学DXデザイン研究室とのオウンドメディアをご紹介します。最新の国内外におけるソリューション状況をリサーチし、DX動向情報を発信していますので、スライド内のQRコードやURLよりぜひご覧ください。
関本:一般的にIT人材の不足やIT人材ルーキーの採用が非常に難しいとの話をよく耳にします。それに対し、御社は非常にしっかりと採用活動を進められている印象を受けます。応募者や入社された方が感じる御社の魅力とはどのような点でしょうか?
高橋:キャリア採用(中途採用)とポテンシャル採用(新卒採用)に分けてお話しします。キャリア採用については、当社ではお客さまに非常に近い距離で伴走し、課題の発見や解決に取り組むことができます。また、お客さまとの話を一気通貫で進められる点も大きな特長です。
こうした環境は、IT業界におけるピラミッド構造の中で二次請けや三次請けで業務を行っている方々にとって、非常に魅力的に映るようです。その点に共感して入社される方が多いと感じています。特に「ラストワンマイルの個別最適に携わりたかった」と評価してくださる方が多いのではないかと思います。
一方、ポテンシャル採用については、当社は社内大学などの教育制度にかなり力を入れていますので、自身をしっかり育成してくれる点に一定の魅力を感じて入社される方が多いと考えています。
関本:5ヶ月の研修期間は、長くて充実していますね。
高橋:そうですね。文系出身や、IT業界から遠い学部の出身の方でも、最初にそのような研修があることで新しい知識を身につけて現場に入ることができます。そのため、そこに魅力を感じていただけるのかと思っています。
関本:中期経営計画では2025年から2027年が「変革期」と位置づけられ、育成の体制や観点に違いがあると思います。それも踏まえて、どのような方針で採用やリスキリングを実施されていくのでしょうか?
高橋:採用の方針としては、これまでと特に変更はありません。当社は顧客現場の最前線にいるため、コミュニケーションが取れることや、同じチームとして顧客の課題を解決できるような姿勢を持つ人材を重視し、これまでどおり採用を行っていく方向です。
リスキリングについては、「つくる」から「つかう」へのシフトを確実に進めていかなければならないと考えています。そのため、ビジネスインフラとなるSaaS基盤をしっかりと学べる体制を整備し、資格取得者を増やす取り組みを進めています。
さらに、その知識をAI活用へとつなげられるよう、社内大学のシラバスにもAIに関する教育コンテンツも充実させて、教育体系の変革に取り組んでいる状況です。
関本:目指すところに応じたかたちでということですね。
高橋:おっしゃるとおりです。
基本的な考え方:成長に向けた両利き経営

高橋:ここまでご説明した内容を踏まえ、当社の成長戦略をご説明します。まずは、当社のポジショニングおよび成長戦略の基本的な考え方についてです。
業界特化のDX推進・DXコンサルティングで得意分野を深掘りすると同時に、業界を問わずDXに必要な技術やノウハウを提供する「両利き経営」を実践しています。
スライド右上に位置する「深化」のターゲットとしているのは、当社グループが得意とする業界スタンダードのアプリケーションでは解決できない「あと一歩」です。当社はその領域を埋める役割を果たすことで、強固な顧客基盤の確立と安定した成長を実現しています。
スライド左下に位置する「探索」は、DXに必要な技術やノウハウを探索し、幅広い産業分野のDXニーズに応えることを目的としています。
「深化」は「貯蓄から資産形成」の追い風、物流DXや製造DXといった非金融のDX需要の増加も追い風です。「探索」は業界を問わないDXテーマである「AI搭載SaaS活用」の追い風という、2つの追い風を受けていると考えています。
重要施策

高橋:重要施策は、スライドに記載の4つです。
①既存顧客との取引拡大(カスタマーサクセス戦略)

高橋:1つ目は、既存顧客との取引拡大です。これまでは「つくる」がメインでしたが、「つくる」から「つかう」にシフトし、共通中間解としてのビジネスインフラとなり得るAI搭載SaaSやデータを活用することで、開発期間を短縮します。さらに、その基盤を利用することで継続提案の質を向上させ、取引を拡大していきます。
②新規顧客獲得(顧客基盤の拡大)

高橋:2つ目は、新規顧客の獲得です。世界的に有名なAI搭載SaaS企業のブランド力を活用し、新規顧客を拡大していきます。
③人員の増強と顧客単価の向上

高橋:3つ目は、人員の増強と顧客単価の向上です。社内大学という学びの基盤を活かし、人材拡大とスキル高度化を両輪で進めます。リスキリングとアップスキリングによって付加価値を高め、持続的に顧客単価を向上させる成長サイクルを構築します。
④コンサルティング領域への進出

高橋:4つ目は、コンサルティング領域への進出です。「つかう」を中心としたソリューションを提供するためには、最上流のコンサルティング領域で顧客業務全体を俯瞰し、どの部分にどのAI搭載SaaSを配置すべきかをアドバイスする必要性が高まっています。そのため、このようなコンサルティング領域への進出が重要になると考えています。
全体最適を考えたITのリデザインを実現するため、DXデザインコンサルティング領域への進出を目指しています。
プログラマティックM&A戦略

高橋:中期経営計画の最後として、当社のM&A戦略についてご説明します。
当社のM&Aの目的は、大きく分けて「人材の獲得」と「取り扱えるAI搭載SaaSプロダクトを増やす」の2つです。2025年には新たに3社をM&Aの対象とし、着実にグループ規模を拡大しています。今後も、M&Aを継続的に行うプログラマティックM&Aを進めていきます。
当社の中期経営計画のご説明は以上です。
関本:M&A戦略についてうかがいたいと思います。まず、2025年から新しく追加された3社について、簡単に、どのような狙いで買収を行い、現在どのように活動しているのかを教えてください。
高橋:2025年は、連結子会社としては2社をM&Aしました。いずれも人材獲得が目的です。1つは八興システムズ社です。もともとエグゼクションという会社がインフラ事業を展開しており、そこでの人材補強が目的です。
もう1つのウィズ・テック社については、特にキャリア採用が難しいといわれるミドル層の人材を多く抱えている会社でした。そのため、当社に不足していたミドル層のレイヤーを採用代替でうまく補完できたと考えています。
SaaS利用の日米比較

関本:「人材の獲得」の戦略は比較的わかりやすいのですが、一方で、「取り扱えるAI搭載SaaSプロダクトを増やす」については、冒頭でお話しされていたAIとSaaSの将来性に関わってくると思います。これはAIに食われないものを探していくという意味でしょうか?
高橋:そうですね。以前の説明会で「米国は日本と比べて10倍ぐらいのSaaSが利用されており、日本で8個だとすると米国は80個」といったお話をしたことがあります。この点について、この80個の中にはAIに取って代わられるSaaSも多く含まれており、状況は変化していくだろうと思っています。
一方で、先ほどもお話ししたように、AIを活用するための土台となるようなSaaSをきちんと見極めて導入することは非常に重要で、そのようなSaaSの重要性はより高まっていくと考えています。
そのため、データ分析基盤を構築するための土台や、オートメーション基盤を構築するための土台となるSaaSを積極的に見つけ、それを得意分野とする企業に対しM&Aの形でグループに参加いただけるようなアプローチをしていきたいと考えています。
関本:御社は継続的にM&Aを実施されており、すばらしいと思っています。どのようなプロセスで対象企業を探し、どのようにご縁を築かれているのでしょうか?
高橋:アプローチの方法はいくつかあります。まず、これまでパートナーとしてお付き合いしてきた会社であれば、内容もよく理解していますし、一緒に仕事をした経験もあるため、恋愛でたとえるとお付き合いから始まり結婚に至るようなかたちで進むこともあります。
また、M&Aの仲介業者から「このようなマッチングはいかがでしょうか?」と紹介される場合もあります。逆に当社から、優れたSaaSプロダクトを活用している企業を積極的にリサーチする場合もあります。このように大きく分けて、この3つの方法でアプローチを行っています。
関本:今後もどのような会社をM&Aされていくのか引き続き注目します。
2025年12月期連結決算ハイライト

高橋:ここからは、2025年12月期の業績についてご説明します。スライドは2025年通期連結決算の状況です。
DX推進およびDXコンサルティングサービスが好調に推移し、売上高は前年同期比20.0パーセント増、EBITDAと営業利益は前年同期比30パーセント超の大幅増益となりました。
売上の主な成長要因は、DX推進およびDXコンサルティングサービスへの想定を超える需要があったことに加え、2025年度から通期の連結対象となったイノベーティブ・ソリューションズ社の成績が通期で寄与したことが挙げられます。
また、利益面の主な成長要因は、成長投資を除いた販管費の削減が奏功し、結果的に前期比で大幅な利益率の成長を達成しています。
なお、当社はプログラマティックM&Aを継続的に実施しているため、M&Aに伴うのれん償却の影響を受けないEBITDAを経営上の重要な指標として位置づけています。したがって、当社の利益水準については、EBITDAを中心にご覧いただければと考えています。
売上高 サービス別増加要因

高橋:スライドは、売上高をサービス別に分解したものです。当社の主力事業であるDX推進・DXコンサルティングサービスが主な成長要因であることがおわかりいただけると思います。
TOPICS

トピックスです。当社はお客さまへのソリューション提供において、複数のAI搭載SaaSを基盤として活用しています。これらのSaaSの活用推進やその実績は、SaaS企業からも高く評価されており、2025年にはUiPath社およびBoomi社から、それぞれパートナーオブザイヤーの表彰を受けました。
TOPICS

高橋:2026年3月30日に本社オフィスを移転する予定です。パワーソリューションズと首都圏に所在するグループ会社4社を同一拠点に集約し、グループ間連携のさらなる強化とシナジーの創出を図ります。
2026年12月期 通期連結業績見通し

高橋:2026年の通期業績見通しについてご説明します。売上高は100億円で2025年に引き続き前年から20パーセントを超える成長が見込まれています。これは、2027年に90億円としていた中期経営計画の数値を、2026年に上回る見通しです。
利益の考え方をご説明します。当社はプログラマティックM&Aを継続的に行っているため、M&Aに伴うのれん償却の影響を受けないEBITDAを経営上の重要な指標と位置づけています。そのため、当社の利益水準についてはEBITDAを中心にご覧いただければと思います。
今期2026年は、オフィス移転に伴う原状回復費用や移転費用などの一時費用が1億円発生することから、利益は一時的に減少する見込みです。
また、2025年は、想定を上回る需要を取り込んだ結果、計画を上回る利益水準となりましたが、今期の計画はこのような上振れ要因を織り込まない水準を前提に策定しています。その結果、オフィス移転に伴う費用の発生とあわせて、前期比では減益となっていますが、中期経営計画で示した2026年度のEBITDA水準は引き続き維持しています。
当期計画は通常の需要想定を基に設定しており、前期同様に需要が想定を上回る場合には、引き続き上振れの可能性があると考えています。
株主還元

高橋:株主還元についてです。当社は株主のみなさまから応援されるような会社を目標としており、2024年から配当、2025年から株主優待を実施しています。2026年の配当は前期比で年間1円の増配を予定しており、株主優待では年間8,000円分のQUOカードを進呈します。
なお、株主優待には継続保有の要件があります。4月までに購入いただいた株主さまには、10月の基準日まで保有いただいた場合、株主優待商品を進呈します。
パワーソリューションズ 知ってほしい3つのこと

高橋:最後に、知ってほしいことのおさらいです。1つ目は、パワーソリューションズはラストワンマイル領域のDX推進が得意分野で、M&Aやアライアンスでサービスの幅を拡大中です。
2つ目は、資産運用立国の実現に向けて改革が進展する金融・資産運用分野で、DX推進を伴走支援するニッチトップ企業として、安定して成長中だということです。
3つ目は、オーダーメイド開発だけでなく、マルチSaaSを組み合わせたローコードなソリューション提案で、幅広い産業分野の業務DXを進行中ということです。
以上で会社説明を終了します。本日は最後までご清聴いただき、ありがとうございました。
質疑応答:本社オフィス移転のメリットについて

向井沙耶氏(以下、向井):「新事務所への移転についてお話がありました。グループ会社を同一拠点に集約するメリットについて教えてください」というご質問です。
高橋:グループ間の連携を含め、1ヶ所に拠点を構えることで自然に人が集まり、シナジーが生まれると考えています。これが大きな理由です。加えて、田町駅近くに位置し、非常に良い外観の高層ビルであることから、採用力の向上にもつながると思っています。
また、社内ではコミュニケーションスペースを充実させており、従業員のエンゲージメント向上にも大いに寄与すると考えています。
質疑応答:パワーソリューションズが選ばれる理由について
向井:「ラストワンマイル領域のDX推進が得意分野とされていますが、この領域における御社の具体的な競合優位性や大手ITベンダーとの違いと、それが持続可能である理由について教えてください」というご質問です。
高橋:当社が選ばれる理由の1つはバーティカルの観点で、金融・資産運用分野に特化した専門領域を持っており、この業界のお客さまと20年以上にわたって取り組んできた実績がある点です。
また、そこで活用されている他のプロダクト開発製品の幅広い知見も有しており、これが当社の強みとなっています。このような中で個別開発を行うことは、当社の得意分野であり、競争上の優位性だと考えています。
さらに、ホリゾンタルの観点では、ビジネスインフラとしてのSaaS基盤に関する専門知見があることが挙げられます。この点も、当社が選ばれる理由の1つとなっています。これら2つの要素を掛け合わせることで、当社の競争優位性が形成されており、それは持続可能であると考えています。
それを支えているのが、社内大学という人材育成の仕組みです。そこで、バーティカルな業務知見を新しく入社したメンバーにも着実に共有するとともに、SaaSに関する知見も継続的にアップデートしています。
また、社員に対して年間およそ100時間の学習コンテンツを提供する制度も設けており、常に必要な知識をキャッチアップできる環境を整えています。こうした取り組みが、当社の競争優位性を支える持続可能性の理由であると考えています。
質疑応答:2026年12月期の業績設定について
関本:「2026年12月期の業績設定に関して、一過性の費用として1億円が発生することについては理解しましたが、EBITDAや営業利益がそれほど伸びていないように見受けられます。例えば『昨年良い案件があった』など、どのような前提で業績が設定されているのでしょうか?」というご質問です。
高橋:昨年は、期初想定を上回る需要があり、それによって稼働率と利益率を押し上げました。ただし、これは恒常的なトレンドではなく、案件の発生タイミングが重なったことによる一時的な影響です。このため、そうした影響を除外したものを通常水準として計画を策定しました。
補足でご説明したとおり、昨年と同様に案件発生タイミングの集中があった場合には、上振れとなる可能性はあると考えています。ただし、今回の計画ではそのような集中がないものとして策定しています。
質疑応答:M&Aによるシナジー創出のタイミングについて
関本:「M&AのPMIについてのご質問です。子会社化してから、どのくらいで戦力が顕著になるものなのでしょうか? また、どのくらいでプロダクトへの貢献が始まるものなのでしょうか?」というご質問です。
高橋:M&A後のPMI活動では、各グループ会社間で営業内容を共有し、クロスセルを推進しています。その結果、徐々にシナジーが生まれてきていると感じています。成果としては比較的早期に表れるケースももちろんありますし、なかなかすぐにクロスセルに結びつかないケースもあります。
実例として、昨年のイノベーティブ・ソリューションズ社では想定を上回る需要が発生しましたが、それに対して当社の人員が対応をサポートしました。もしM&Aを行っていなかったら、イノベーティブ・ソリューションズ社単独では対応が難しかった案件も、当社と一緒になることで対応が可能になりました。そうした取り組み自体が、シナジーが生まれている証拠だと思っています。
関本:子会社を広げることでアンテナを広げ、予想外の案件需要があったとしても、グループ全体でしっかりと吸収できるということですね。
高橋:そのとおりです。
質疑応答:SaaS価格改定とAI化の影響について
関本:「今後、ベンダー主導によるSaaS価格の改定が起こる可能性がありますが、AI化の進展によって、このような動きが御社に影響を与えることはあるでしょうか?」というご質問です。
高橋:SaaSプロダクトの価格が上がる可能性はあると思います。各社の判断次第ですが、価格が上がるとの話を聞くこともあります。また、金額変動が発生する際には、丁寧に説明し適切な対応を心掛けています。
当社としては、ライセンス収益を一定程度確保したい考えはありますが、その基盤の上で個別最適化されたデリバリーを提供することにも主眼を置いています。
また、AI化を進めるため、当社からいち早くSaaS基盤を提案し、それに適切なデータを蓄積できるよう整備を進めた上で、AIを本格的に活用できる状況を目指しています。
高橋氏からのご挨拶
高橋:私たちは、みなさまに応援されるような会社を目指して、会社運営に取り組んでいきますので、引き続き応援をよろしくお願いします。
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