logmi Finance
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11/16に開催された第74回湘南投資勉強会 決算直後IRライブ特別講演「ログミーFinanceは、こう使い倒せ!」 の内容を書き起こし、2回に分けてお伝えします。
【前編はこちらから】
掲載1,700社超の投資情報サイト、個人投資家はこう使う

スピーカー名

株式会社hands 代表取締役社長 塩谷航平 氏
ログミー株式会社 CRO IRソリューション本部 本部長 富山蔵人

ログミーFinanceをチェックするポイント

富山蔵人:ログミーFinanceで記事を公開している企業は、時価総額1,000億円以下の企業が比較的多いです。地方には、グローバルニッチですごく良い企業がまだまだあります。例えば、ガス警報器で国内トップシェアの新コスモス電機は、2年前からログミーFinanceで記事を公開しています。

当時はまだ認知度が高くありませんでしたが、記事には「北米で家庭用ガス警報器の一部義務化が始まり、家庭用ガス警報器関連では海外向けが引き続き堅調」という話が掲載されていました。それが、今年に入って足元の数字が確認され、株価が大きく動いたのです。

記事公開当初の時価総額はおそらく200億円以下程度で、機関投資家が売買できる水準ではなく、1日の売買代金も当時は5,000万円以下程度でした。このように、機関投資家がまだ買いに来る前の企業も記事を公開しているので、そのあたりはログミーFinanceをチェックする1つのポイントになると思います。

もう1つ、初掲載の企業やIRセミナー初登壇企業は、個人的にはけっこうチャンスだと思っています。やはり企業側としても、次の数字に自信があったり、現在マーケットで評価されている株価と自社が思う株価水準にギャップがあったりするので、そのギャップを埋めに行きたいという企業がログミーFinanceで記事を公開するケースも多いです。

以上でログミーFinanceのご紹介を終わります。後半は「PERAGARU(ペラガル)」を運営する株式会社handsの塩谷さまに、実際にログミーFinanceをどのように使っているかお話しいただければと思います。

機関投資家はログミーFinanceをどのように使っているのか

塩谷航平氏(以下、塩谷):株式投資情報サービス「PERAGARU」を運営しています、株式会社hands代表取締役社長の塩谷航平です。

我々は機関投資家向けに日本株のリサーチ情報を提供している会社です。機関投資家がどのように日本株を見ているか日々意見交換しており、本日は個人投資家のみなさまとはまた少し違った、機関投資家のような目線でログミーFinanceの使い方をご説明できればと思います。

実際に機関投資家と打ち合わせをする中で、ログミーFinanceの記事の内容をベースに話すことがあります。本日は直近で決算が出た2銘柄を例に、我々が機関投資家のお客さまと話す前、あるいは話した後に、ログミーFinanceをどのように使っているのか、動画でご紹介します。

事例1:ヤプリ(4168)の決算分析


塩谷:画面左側は「PERAGARU」のメモ機能、右側はログミーFinanceの記事ページです。

1社目はヤプリの事例をご紹介します。ヤプリは直近の第3四半期決算で売上高成長率が6.7パーセントでした。この銘柄は我々のお客さまの間で議論のテーマになる銘柄です。

前提情報として、PERは非常に安い状態ですが、他のSaaS銘柄と比べて売上成長率がかなり低いという理由でバリュエーションが安く放置されています。国内のSaaS企業の売上成長率はだいたい14パーセントくらいが平均ですが、ヤプリは10パーセント前後を推移している銘柄でした。

第2四半期は売上成長率が10パーセントを超えており、機関投資家のお客さまとの目線感では、第3四半期単体で15パーセント前後に行けばかなり強く見られるという話をしていました。しかし、蓋を開けてみると6.7パーセントしかありませんでした。

したがって、来期のガイダンスも含めて、この第3四半期の売上成長率の低さが短期的な理由なのか、それとも継続して来期も低位で推移するのかというところが論点になります。動画では、それをログミーFinanceの書き起こし記事で確認するという作業を行っています。

まず、ログミーFinanceの記事から、売上成長に関して企業側が説明会で発言したアナウンス部分をコピーして、「PERAGARU」にメモをとっていきます。記事によると、企業側としては「少しビハインドの認識はある」「期末にかけて残り2ヶ月で営業活動を行っている」といった内容で、これを見る限り、次の決算が出てくる10月の営業数字も少し弱いのではないかという印象を持ちました。

記事内のスライド資料には、ストック収入売上とスポット売上に分かれたグラフがあります。もう1点、今回のヤプリの決算で気になっていたのが、スポット売上は例年に比べてわりと好調だったということです。裏を返せば、ストック収入の売上が若干伸び悩んでいるということで、チャーンレートや契約単価にネガティブな影響がありそうだと感じました。

記事の中では、企業側は足元の売上を好調と捉えているようで、ここも企業側の認識と実勢のギャップを感じ、さらにネガティブな印象になりました。また、契約アプリ数はQoQで純増傾向だったという説明があったので、ストック収入売上が下がったということは、1社あたりの契約単価、つまり月額の契約金額が少し減ったという、単価の下落も少しネガティブな印象でした。

費用面では、第4四半期で費用が増加しているように見えましたが、これは一時的なものだという説明があったので、むしろ第4四半期と来期ガイダンスに関してはポジティブなかたちで捉え、メモに残しました。記事のスクリーンショットをとって「PERAGARU」に保存することもできます。

販管費の8,000万円分は第4四半期の押し上げ効果になるため、利益率で一気に2パーセントから3パーセントくらい改善しそうだという点はポジティブな話です。しかし、総評では「ここから上を買いに行ってくれる人は少ないのではないか」という印象でメモを終えました。

結果的に、決算発表後は株価が一時的に強く推移しましたが、我々としては短期的な上昇に留まり、そこからさらに買いに行く人はいないのではないかという印象を受けました。

事例2:マクニカホールディングス(3132)の決算分析


塩谷:次にご紹介するのはマクニカホールディングスの事例です。

この銘柄はどちらかというと中型の銘柄です。我々がログミーFinanceで調査対象にすることが多いのは、基本的には小型の銘柄ですが、今回のようにある程度時価総額がある銘柄の書き起こし記事を確認するケースもあります。

どのようなケースかというと、ある程度時価総額があるにもかかわらず、アナリストカバレッジ数が少ない企業などがターゲットになります。マクニカホールディングスの場合、おそらくアナリストカバレッジが大和証券1社のみで、そのアナリストレポートは個人投資家のお客さまは資産を1,000万円以上預け入れていないと見られない仕様だったと思います。

なかなか説明会情報にアクセスしづらいのですが、ログミーFinanceには、書き起こし記事として公開しています。さらに、証券会社のセルサイド・アナリストが質問することが多いQ&Aの内容まで含まれているので、かなり記事をチェックしている銘柄の1つです。

マクニカホールディングスで注目していたのは、半導体事業とサイバーセキュリティ事業の両方にカタリストがあると考えていた点です。半導体事業では、足元で半導体メモリの価格が上がっており、特に「DDR4」と「DDR5」の価格は上昇しています。その含み益が今期発現しないかという点に注目していました。

半導体関連では、ネクスペリアというオランダの半導体メーカーの生産問題による代替需要が、他のメーカーに流れないかという点にも注目していました。ネクスペリアは中国との外交関係の問題で、一部生産ができなくなるという事前報道が出ていたため、半導体商品全般を扱っているマクニカホールディングスの決算資料によって、需要の動きが読み解けないかと考えたのです。

サイバーセキュリティ事業は、我々がマクニカホールディングスで一番注目しているところです。彼らはこれまで半導体専門の企業でしたが、SIerのようなかたちの企業に転換しようとしていると我々は考えています。

「サイバーセキュリティソフトの卸事業」としているものの、実はサイバーセキュリティ事業の粗利率は半導体事業の3倍近くあります。ただ製品を卸すだけでなく、導入支援まで行っているため、実質的にSIerと事業内容が変わらず、粗利率が高いのです。この利益シェアがかなり伸びてきているので注目していました。

実際の決算を見ると、セキュリティ事業の伸びが前年比で鈍化しているように見えました。そこで、どのような事象があったのかをログミーFinanceの書き起こし記事で確認します。

まず、半導体事業では「PLD」という商品群の項目で、第2四半期に一時的な需要があったと書かれています。これは関税の影響を懸念した一部顧客からの前倒し購入によるもので、144億円の売上がありました。例年は50億円くらいですので、100億円分くらいの前倒し需要があったと読み取り、おそらく次の四半期はこの商品群で100億円くらいマイナスの数字が出てくるだろうと見ます。

次に、サイバーセキュリティ事業がなぜ見栄えが悪かったのかを確認していきます。我々はログミーFinanceの書き起こし記事を1分弱で斜め読みし、その後注目ポイントだけを細かく確認します。今回も新規事業などのパートは飛ばして、サイバーセキュリティ事業を長めに読んで影響を探っています。

我々は認識していなかったのですが、今回初めて記事内に「AIサーバー」という言葉が出てきました。少し余談になりますが、AIサーバー向けの需要が増加したというような記載があり、そのあたりの動きも捉えることができます。

記事を確認していくと、Q&Aセッションで費用の増加が一時的かどうかという質問がありました。おそらくセルサイドのアナリストからの質問だと思います。ニュアンスとしては、第2四半期には確かに一時的な費用があったものの、下期も例年よりは費用の追加がありそうだと読み取れたので、リスクとして「PERAGARU」にメモします。

サイバーセキュリティ事業について見栄えが悪かった一番の理由として、前期に大幅なスポット受注があったためだという回答がありました。書き起こし記事を読み込んでいくと、下期からは数字の見栄えがかなり良くなるというニュアンスがあり、総じてポジティブな印象となりました。

まとめると、ログミーFinanceは、特に中小型グロース銘柄で発見が多いという印象があります。もう1つは、アナリストカバレッジが少ない中型・大型の銘柄のようなところでも、かなり優位性を獲得できる情報があるという印象があり、日々の業務に活用しています。

▶︎「Q&A」のある決算説明会など書き起こし記事はこちら

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