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セントラル総合開発株式会社3238

東証スタンダード

不動産業

目次

田中洋一氏:代表取締役社長の田中です。本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、目次に沿ってご説明します。

2026年3月期 中間期 連結損益計算書概要

中間期の連結決算概要です。左側が昨年度の同時期との対比となります。売上高は110億2,900万円で、営業損失が8億9,500万円、経常損失が12億3,000万円、以下、記載のような数字になっています。

上期の竣工戸数や引渡し可能な戸数が昨年と異なるため、一概に比較することは難しいのですが、前年同期が2物件、今年度は3物件が竣工しました。業績予想比では、売上高は予想を下回ったものの、各営業利益段階では概ね予定どおり進捗しています。

当社の収益構造

当社の収益構造についてです。みなさまご承知のとおり、売上高は、竣工後にお客さまにマンションを引き渡して初めて計上されます。

スライドのグラフの左側は昨年度、右側は今年度を示しています。上期の竣工状況について、昨年度は上期に2物件で竣工戸数が68戸、累計竣工戸数割合(持分)は10パーセントでしたが、今期は3物件で174戸、21パーセントとなっています。

若干改善は見られるものの、上期に4割程度が竣工しなければ中間期の赤字を免れないという体質が続いています。そのため、2030年度までにこの比率を40パーセントに引き上げたいと考えています。

昨今の建築費の高騰や人手不足により、当社の都合で工事を着手するのが難しい状況にありますが、苦労しながら少しずつ改善の方向へ進めています。

2026年3月期 中間期 セグメント別損益概要

2026年3月期中間期のセグメント別損益概要です。不動産販売事業では、売上高が90億1,700万円となりましたが、物件の売上にかかわらず生じる経費等が発生しており、セグメント利益は5億9,600万円の赤字となっています。

一方、不動産賃貸・管理事業では、売上と経費関係が概ね比例しています。その結果、昨年度に比べ若干ながらも増収増益となりました。

その他事業については、主に保険事業で構成されています。売上はおよそ2,500万円ですが、これはマンションをご購入いただいたお客さまへ当社が提供すべきもの(火災保険等)として位置付けており、継続しているものです。

2026年3月期 中間期 連結貸借対照表概要

中間期の連結貸借対照表の概要です。

資産は約454億円から約489億円へと、35億円ほど増加しました。不動産事業支出金、特に仕掛中の分譲マンション事業に関連する支出が約39億円増加しています。

販売用不動産は若干減少しました。固定資産については、手がけている賃貸マンション事業が主で、用地の仕入れや建設の進捗により、増加しました。こうした要素が主たる要因を占めています。

2026年3月期 中間期 連結キャッシュフロー計算書概要

連結キャッシュフロー計算書の概要です。

営業活動によるキャッシュフローは約37億円の支出、投資活動によるキャッシュフローは3億7,000万円の支出となっていますが、これらを財務活動によるキャッシュフローで調達しているのが主な構造です。

2026年3月期 連結損益及びセグメント別損益 予想概要

通期の見通しについてです。現時点で公表している予想から変更はなく、売上高460億円、営業利益15億円、経常利益8億円を目標に鋭意取り組んでいます。すでに12月が迫っていますが、引き続き注力していきます。

赤字が続いている中間決算の状況ですので、今回の説明では数字よりも、現在取り組んでいる内容についてご紹介したいと思います。

クレアシリーズ初の『ZEH-M Ready』採用

みなさま、「ZEH-M」という言葉は、マンションにおいてすでに聞き慣れたものと思います。「ZEH-M」は4段階に分かれており、その中で最も多いのが、いわゆる「ZEH-M Oriented」です。この「ZEH-M Oriented」は、上下をつけるものではありませんが、ランクとしては一番下に位置します。

その上のランクが、今回記載している「ZEH-M Ready」です。そして、そのさらに上が「Nearly ZEH-M」、最上位がなにもつかない、本来の「ZEH-M」です。この4段階の構成になっていますが、1段階目の「ZEH-M Oriented」と2段階目以降の間には、大きな違いがあります。

「ZEH-M Oriented」は、エネルギーロスを削減し、エネルギー効率を20パーセント向上させる取り組みです。「ZEH」とは「Net Zero Energy House」ですので、再生可能エネルギーの創出とネッティングを行い、エネルギー収支をゼロに近づけるということですが、一番下の「ZEH-M Oriented」は、まだネッティングが行われていない状態です。

それに対し、「ZEH-M Ready」は、再生可能エネルギーを活用し、エネルギー消費量を50パーセント以上削減するというものです。一見すると、下から1番目と2番目のランクでは違いが小さいようにも感じられるかもしれませんが、実は大きな差があります。

スライドの物件についてですが、旧株式会社九電工さま、現在の株式会社クラフティアさまと共同で進めている事業です。資本業務提携の趣旨に合致して、九州の別府で立ち上げたものです。

我々が確認できる範囲のデータによると、九州初の「ZEH-M Ready」として順調なスタートを切っています。

仕組みについては、私から説明できる範囲には限りがありますが、スライド右下に記載されているとおり、まずエネルギーを作る必要があるため、太陽光発電システムを使用します。

また、発電したエネルギーを夜間などに備えて蓄えるための蓄電池も導入しています。ただし、それだけでは先ほどの50パーセント削減を達成することが難しいため、エネファームも導入し、その実現を図っています。

『ZEH-M Oriented・低炭素建築物』

スライドのグラフは「ZEH-M Oriented」等への取り組み状況です。以前、2030年度までの目標として、すべてを「ZEH-M Oriented」以上にするとお話ししたかと思います。

2026年度の物件からは「ZEH-M Ready」を含めた「ZEH-M Oriented」以上が100パーセントとなる見込みです。この目標に向けて、しっかり取り組んでいかなければならないと考えています。

この取り組みは単なる自己満足ではなく、社会的な意義を果たすことにもなります。また、住宅ローン控除において、これらが適用されるか否かでお客さまの負担軽減につながる点も重要です。

さらに浸透が進むと、物件の資産価値、リセールバリューにも影響を及ぼすと考えています。一つひとつ地道ではありますが、こうした取り組みをしっかりと進めていくべきだと考えています。

2026年 3月期 竣工物件(予定)

今年度の竣工物件の一覧をご紹介します。全体で18物件、持分で845戸となっています。それぞれのエリアがありますが、当社は進出エリアを拡大していく方針を以前から掲げています。ただし、やみくもに拡大すればよいわけではありません。

正直なところ、マンションというのはまだまだ普及する余地はあると私は考えています。

統計元が異なるため単純に比較はできないものの、年間で約70万戸から80万戸(「約60万戸から70万戸」と発言がありましたが、正しくは「約70万戸から80万戸」です。訂正します)の一戸建て住宅、賃貸も含めた新築住宅が着工される中で、分譲マンションはおおよそ6万戸であり、その割合は全体の約10パーセントにとどまっています。

そのうち、当社がリソースを集中させている、いわゆるご当地エリア(三大都市圏以外)では全体で約1万5,000戸となっています。

マンションはコンパクトシティ化や少子高齢化の進展という環境に非常にマッチした商品であり、そうした点からも開拓の余地が十分あると考えています。すべてが順調に進むわけではありませんが、新しいエリアへの進出を経て、可能であれば1回限りで終わらず、さらに2号目、3号目を目指して事業を展開していきたいと考えています。

進出エリアについてはスライドの左側に記載しており、春日部市は首都圏に含まれますが、浜松市、掛川市、松江市といった地域にも進出しました。

コンパクトという観点については、人口減少という国家的な課題に対応する施策とは少し逆行する部分があるため、あまり偉そうには言えませんが、実態としてお一人さまが3人に1人、4人に1人の割合になる中で、当社では賃貸住宅事業も展開しており、「とりあえず賃貸でいい」といったお客さまも多くいらっしゃいます。

やはり、自分に合った生活の中で不動産を所有したいというニーズも一定数存在しています。こうした背景を踏まえ、コンパクト住宅の需要については、引き続き注力していきたいと考えています。

ただし、コンパクトについては難しい点もあります。みなさまはコンパクトと言うと、どのくらいの平米数のマンションを思い浮かべますか? 当社としては、だいたい30平米台から50平米台を想定しています。

特に30平米台のコンパクトマンションについては、地域によって普及が進んでいるところがある一方で、「50平米は欲しい」というように受け入れられず、普及はまだまだこれからというところがあります。

また、お客さまの予算の中で、40平米や50平米の物件は購入可能であっても、実際には購入に踏み切りづらいという状況もあります。

エリアによって異なりますが、このような課題が現実として出てきているため、対応していくためには、方向性については学びながら進めていかなくてはならないと考えています。

そういった課題はあるものの、コンパクトマンションは大きな流れとして今後ますます需要が増えていくと見込まれますので、しっかりと取り組みたいと思っています。

また、当社はリーマン・ショック以降、基本的に単独で事業を行ってきましたが、資本業務提携しているクラフティアさまのようなパートナーとの共同事業(JV)についても、身の丈に合ったかたちで、あるいはエリアによって増やしていきたいと考えています。

表の右側にある緑色の部分は、「ZEH-M Oriented」の今年度における状況を示しています。

戸数ベースでは、首都圏が16パーセント、それ以外が84パーセントという構成になっています。

2027年3月期 竣工物件(予定)

少し早いですが、2027年3月期の竣工物件(予定)です。これらは今から新たに仕入れるわけではありませんので、このラインナップでほぼ確定しています。

ご覧のとおり、すべて「ZEH-M Oriented」以上となっています。また、コンパクトタイプの物件が3物件あり、クラフティアさまとのJVも現在の路線を継続して含まれています。

初進出都市については、今年度はやや控えめな状況です。後ほど物件紹介を行いますが、宮古島での取り組みを進めています。おそらくみなさまが宮古島で新築分譲マンションを検索しても、この物件は出てこないと思います。

その理由として、すべてがそうではありませんが、「クレアエムディア宮古島」は当社の社是である「実需」に基づき、まず地元のニーズからスタートする方針のもと、島内での広告活動を先行して実施しているためです。現段階では、まだ広域集客を行っていない物件になります(現在はホームページを公開しています)。

JR四国との新築分譲マンション(共同事業)

四国旅客鉄道株式会社(JR四国)さまとのJV事業の第1号物件を、香川県高松市ですでに立ち上げています。

JR四国さまは、不動産分野で以前から取り組みをされておられますが、当社のブランドやネットワークと、松山市、高松市、徳島市、高知市の4都市で展開する当社とのシナジーに注目いただき、立ち上げた事業です。

こちらも当然「ZEH-M Oriented」となっています。

クレアシリーズ初の『顔認証セキュリティシステム』採用

少し専門的かつマイナーな話になります。みなさまがご覧になっている物件で、顔認証セキュリティは多く見られるかもしれませんが、こちらは川口市の案件に顔認証セキュリティシステムを導入したものです。

みなさまが勤務されているビルなどでも同様のシステムが導入されているかもしれませんが、マンションにおいては、比較的早い時期の導入だと思います。この案件には若いお客さまにも多くご来場いただいており、高い評価を得ています。

すべての設備を導入すると、現在の建築費の状況では非常に割高なものになってしまいます。しかし、エリアごとに想定されるお客さまのライフスタイルなどを考慮し、「これが欲しかったんだよ」と言っていただけるような設備をオーバーサービスにならない範囲で導入していくことが、今後の物件差別化の1つの方法になると考えています。

2026年3月期 竣工物件(予定) コンパクト

2026年3月期竣工物件(予定)の1つです。こちらは、コンパクトが非常に奏功している案件です。先ほど、コンパクトが受け入れられる街と受け入れられない街が多少あると申し上げましたが、我々の感覚では、大阪はその点で非常に幅広く受け入れられていると感じています。

この物件は、梅田駅、なんば駅に次ぐ3つ目の大きな天王寺駅において、30平方メートル台から50平方メートル台のコンパクトなマンション64戸を販売し、すでに完売しました。

非常に好評をいただきましたが、特に若年層を中心にコンパクトな住居を求めるお客さまのライフスタイルが多様化しており、お客さま一人ひとりの生活スタイルがあることをあらためて実感しました。

一方で、広告プロモーションにおけるターゲットの絞り込みは非常に難しく、課題として認識しています。ただ、こうした課題を学びつつ好調に推移した物件であるため、今後、全国的にこのような流れが広がっていくと考えています。

2027年3月期 竣工物件(予定)

2027年3月期の竣工物件(予定)の1つです。我々の特徴である、地域に溶け込んだニーズやウォンツを探し出すという点で、一つひとつ特徴のあるものを進めていかなければならないと考えています。今回ご紹介するこちらは、当社が得意とする松山の案件です。

総戸数106戸の大型案件で、非常に好調です。この物件で工夫した点としては、松山城や城山公園の少し南側に立地している案件で、北向きの部屋を設けたことです。非常に小さい地図で恐縮ですが、立地の特徴がわかりやすく表れていると思います。

総戸数106戸のうち52戸が北向き、残る54戸は南向き棟となっています。マンションで北向き棟を作るのは一般的には避けられるため、普通は行われません。

ではなぜ北向き棟を作ったかというと、私は歴史的背景について詳しく語ることはできませんが、松山の地元の方々は松山城に非常に誇りを持っています。松山城は現存12天守の1つであり、それも当然のことだと思います。この結果、「北向きになりますが、北に松山城が一望できます」と「北向きのデメリットと松山城が見えるメリット、どうお考えになりますか?」というご案内が可能になります。

これは社内でもずいぶんと議論し、また地元の方々や松山の事情に詳しい方々のご意見をうかがいながら、「半分ずつやってみよう」として挑戦しました。その結果、北向きの52戸のうち残数がわずかであり、北向きから販売が好調に進んでいます。

したがって、これはある程度確信を持って挑戦し、好調だからこそ多少強気に言えるのですが、ビッグデータで商売をされるデベロッパーとは異なる、地域密着型である当社の特徴が表れた案件だと考えています。

2027年3月期 竣工物件(予定)

本日のご紹介物件の最後は、「クレアエムディア宮古島」です。「クレアホームズ」でない理由は、共同事業主である株式会社エムズさまという鹿児島の地場デベロッパーが、奄美大島や石垣島など諸島部で実需向けマンションを取り扱っており、「宮古島おもしろそうだけどやってみませんか?」という提案が発端となったためです。

鹿児島の案件で親密先でもあるため、かなり精査した案件です。

まだ立ち上げたばかりですが、順調な滑り出しを見せています。先ほど島内での広告展開とお伝えしましたが、来週12月4日からホームページを立ち上げ、広域集客に移行します。島内の実需だけで初期の目的を達成できそうです。

宮古島は沖縄本島よりさらに先に位置しており、直行便が多くないエリアです。

隣の石垣島と宮古島の人口はいずれもおよそ5万人です。石垣島では、2年に1棟ほどのペースで分譲マンションが供給されています。一方で、宮古島では、リゾート系のホテルコンドミニアムが高価格帯で出ることはありますが、実需向けのマンションについては18年ぶりの供給となります。

この18年という期間をどのように捉えるべきでしょうか?

賛否両論はあると思いますが、10年ほど前までは住宅が余るほどの状況でした。しかし、最近では移住需要の増加や建設工事の活発化により、住宅事情が非常に逼迫しています。そこで「トライしてみよう」に基づきJVで開発することに至りました。

また、細かい点ですが、こちらも「ZEH-M Ready」を取得しています。気候に対応した仕様を取り入れた部分もあり、先ほどの福岡の物件とは異なるかたちで、システムを導入しています。

今回の取り組みを通じて学んだことの1つが、宮古島周辺の海はサンゴ礁で知られ、水が石灰質の地層を通るため、硬水であるということです。

これによりシャワーの目詰まりや、髪の毛がごわごわになるといった問題があるため、対策として軟水化装置を導入しました。この装置は高級ホテルなどにも採用される設備で、かなり高額です。しかし、特に地元の方々から好評をいただいています。

広域展開についてですが、コロナ禍以降、リモートワーク需要の高まりに伴い、東京から新幹線で行けるご当地エリア、例えば長野県上田市の案件などで需要が増加しました。その後「出社回帰」の流れに至り、今後の変化を考えると、「半住半リゾート」の「二拠点生活」の需要が伸びるのではないかと期待しています。

また、立地の強みについてです。宮古島には2つの飛行場がありますが、本島側にある飛行場と市街地の間に位置しており、高さ制限のため建物は5階建ですが、2階以上の高層階から海が見えます。近隣にはイオンタウンや宮古島徳洲会病院があり、二拠点生活を送る方々や地元在住の方々にもご好評をいただける立地ではないかと考えています。

私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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