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株式会社はせがわ8230

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2026年3月期中間決算説明

佐藤城司氏(以下、佐藤):株式会社はせがわ、執行役員企画総務部長の佐藤城司です。本日はご多忙のところ、当社の決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。また、オンラインでご参加のみなさまにも感謝申し上げます。

本日は、まず2026年3月期中間決算の概要を報告します。続いて、中期経営計画の進捗状況と今後の見通し、配当についてご説明します。その後、質疑応答の時間を設けており、全体で約1時間の説明会を予定しています。どうぞよろしくお願いします。

中間決算の概要

2026年3月期中間決算の概要をご説明します。

当社は2024年10月1日付で株式会社現代仏壇を完全子会社化したことに伴い、2025年3月期第3四半期決算より連結決算に移行しました。そのため、前期実績との比較は個別業績となります。

2026年3月期第2四半期の連結決算は、売上高が110億4,500万円、営業利益が3億300万円、経常利益が2億8,300万円、当期純利益が1億3,500万円という結果でした。2025年5月15日に適時開示した公表計画に対して、売上高は7億5,500万円の未達となりました。営業利益、経常利益、当期純利益も公表計画を下回る実績となっています。

また、個別業績においてはスライド右側に記載されているとおり、減収減益となりました。

セグメント別 売上高状況

続いて、売上高の前期からの変動状況について、セグメント別に説明します。前期比較は個別業績を参考にしています。

当社の主要事業である、仏壇仏具事業はマイナス4.3パーセント、墓石事業はマイナス10.1パーセントと、それぞれ減収となりました。

一方で、飲食・食品・雑貨事業については、食のギフト販売が順調に推移し、プラス36.2パーセントの増収となりました。その他としては、ピースフルライフサポート事業において、サービスの拡充と営業との連携強化を図った結果、プラス166.5パーセントの増収を達成しました。これらの新規事業で成長を見せたものの、全体では減収となりました。

なお、先ほどご説明した中間決算の概要と同様に、前期との比較は個別業績のみとなります。

利益の増減要因、営業外収支、資産およびキャッシュフローの状況については、資料23ページ以降の財務ハイライト、またはお手元の決算短信をご参照ください。

中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)

新貝三四郎氏(以下、新貝):みなさま、こんにちは。代表取締役社長の新貝三四郎です。よろしくお願いします。私からは、今年4月より開始した、3ヶ年の中期経営計画についての進捗を主にご説明します。

こちらのスライドには、中期経営計画の数値目標と主なKPIが記載されています。前回の決算説明会でもお伝えしたとおり、この3年間で現状の売上高212億円を270億円、営業利益を前期の12億円から3年後に25億円へと増加させる数値目標を掲げ、中期経営計画を推進していきます。

その上で必要となるKPIは、1つが店舗の新規出店、もう1つがピースフルライフサポート事業です。この事業は、はせがわの新規事業として位置付けられており、お仏壇やお墓に次ぐ第3の事業として取り組むものです。この2つが大きな重要指標となっています。

中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)

中期経営計画において、4つの重点課題を掲げています。1つ目は既存事業の進化発展です。新規出店、商品開発、ブランド化に加え、昨年M&Aを行った現代仏壇との販売協力や、お墓では樹木葬や一般墓を組み合わせた販売モデルなどの施策をもとに、お仏壇・お墓事業の進化と発展を目指しています。

2つ目は、新規事業の成長です。本日は、先ほど触れたピースフルライフサポート事業を中心に、その進捗状況、今後の方向性、そして可能性についてお話しします。

3つ目は、戦略的投資の実行です。これには、店舗投資、研究開発、人的投資、M&Aを含む積極的な投資が含まれます。

最後の4つ目は、利益体質への転換です。店舗モデルの改革や業務のデジタル化によって、より生産性の高い利益体質に転換していくことを目指しています。

以上の4つが重点施策であり、これらについて順次ご説明していきます。

①既存事業の進化発展 -新規出店-

まず、既存事業の進化発展について、これから3点ご説明します。1点目は新規出店についてです。はせがわは昨年、現代仏壇とのM&Aにより、直営店舗と卸の商圏を全国47都道府県に広げ、お客さまを獲得しました。

現在、はせがわグループの店舗数は150店舗です。今期5店舗、来期8店舗、再来期である3年後に8店舗を出店し、この3年間で計21店舗の新規出店を予定しています。今年10月には岐阜県のイオンモール各務原インターに出店しました。さらに、11月には大阪北部、ギャラリーメモリア大阪箕面の出店も完了しました。

今後の予定として、来月には群馬県高崎市に高崎店がオープンする予定です。今期、来年の3月までに5店舗の出店を予定していますが、現在のところ3店舗の出店が確実に進んでいます。

①既存事業の進化発展 -仏壇仏具事業-

既存事業の進化発展の2点目は、仏壇仏具事業です。先ほど佐藤から説明しましたとおり、既存事業、特に仏壇仏具事業は実績が72億2,700万円で、前年に比べて3億2,200万円、4.3パーセントの減少となりました。

お仏壇の来店組数は約1万7,000組で、前年に比べて12.7パーセントの減少です。それに伴い、お仏壇の販売台数は1万1,887基で、前年に対して17.3パーセント減少しました。一方でお仏壇の単価は、前年の29万6,000円から11.5パーセント上昇し、33万円となりました。

この結果は、来店客数が減少する一方で、ご成約したお客さまの購入単価が上昇したことによるものです。さらに詳しくお話しすると、来店組数の減少は、昨年度において超低単価のお仏壇、具体的には金額が3万円以下のもの(主にホームセンターやECで販売される商品)の取り扱いを店舗で停止したことが要因の1つと考えられます。

専門店として、しっかりとしたお仏壇をお客さまに提供するという方針で今期4月からスタートしました。その結果、特に低単価の部分で全体的なお客さまの数は減少しました。

また、この半期に前年に対して約2,500基のお仏壇が減少しました。その内訳として、10万円以下のお仏壇の減少が約1,500基となり、全体の減少分2,500基のうち、1,500基が10万円以下の低価格帯に該当しています。

今後の展望としては、当社の4ブランド、あるいは現代仏壇の2ブランドを統合して、より付加価値の高い商品を開発・提供していきます。お客さまに高い満足度を提供し、長く使っていただけるお仏壇を目指して、付加価値の高い商品を販売していく方針です。

①既存事業の進化発展 -遺骨供養事業-

既存事業の3点目は、遺骨供養事業です。ニュース等で目にすることもあるかもしれませんが、いわゆる和型の石塔を使用したお墓は、急激に減少傾向にあります。一方で、樹木葬や永代供養墓といったお墓の形式が増加しています。

スライド右側のグラフの赤い部分は、従来型で石を使用した一般的な墓石の件数を示しており、3年前の1,571件から昨年は1,267件、さらに今年の上半期には1,137件と減少しています。これは市場全体でも同様の傾向が見られ、一般的な墓石の形態が減少しつつあります。

それに代わりまして、表の一番上のねずみ色の部分が樹木葬などの合葬墓の件数です。2年前が909件、昨年が1,410件、今年は約1,500件というかたちで、こちらは順調に増加している状況です。

もう1つ、遺骨供養のあり方として屋内墓苑があります。これは、遺骨の入ったボックスがカードを照らすと指定した目の前の墓石の場所に搬送機械で運ばれる仕組みで、ビルの中にお墓があるという形態です。こちらが2年前は839件、昨年が931件、今年は500件を下回りました。当社が販売していた、東京の信濃町にある約4,000基の大型屋内納骨堂が一気に完売したことで、大幅に数値が下がっている状況です。

ピースフルライフサポート TVCM

続いて2つ目の新規事業に入る前に、映像をご覧ください。

(動画流れる)

こちらは首都圏と九州方面で昨年10月から放映しています。予算が限られているため多くは流せていませんが、はせがわがピースフルライフサポート事業をスタートしたという告知CMを、ちょうど1年前から進めてきました。

②新規事業の成長 -ピースフルライフサポート事業-

そもそもピースフルライフサポート事業とは何かということですが、スライドを読み上げます。

「大切なご家族を亡くされてお葬式を終えると、一息つく暇もなく、さまざまな手続きを進めなくてはなりません。法事、お仏壇、お墓、返礼品、そして相続や、遺品の整理など、わからないことだらけです。お客さまが『こころ静かに手を合わせる時間』を大切にしていただけるように、『はせがわ』が、さまざまな分野の専門家と協力して、お客さまのお手伝いをいたします」という事業です。

スライドにあるとおり、一般的に、大切な方がご逝去されると、残された方は葬儀会社の手配やお仏壇、お位牌、あるいはお墓やお仏壇の処分、さらに10ヶ月以内に相続関係の手続きを完了しなければならないといった多くのことに対応しなければならず、悲しむ間もない状況になります。

さらに、残された方が自身の終活として、死後事務委任や身元保証、不動産売却、介護施設の紹介といった多くの対応をしなければならない場面が出てきます。

以前は大家族であり、亡くなった方の伴侶がこうした対応をする必要は少なく、お子さんが手伝うことも多くありました。しかし現在は、ご夫婦や単身の世帯が増えたことで、すべてを自身で行わなければならない状況が生じています。そうした中で、はせがわではこれらのサポートをワンストップでお受けするといった内容のサービスを提供しています。

ポイントとしては、葬儀後の多様な手続きに関するニーズを解消し、専門家や先生方とお客さまをつなぐ役割を果たします。この事業は、亡くなってから2週間前後のやるべきことが多くある中、はせがわの店舗をご逝去後に訪れるお客さまとの接点を持ち、サポートしていこうというものです。

②新規事業の成長 -PLSのお客さま像-

一例ですが、長谷川太郎さんという61歳の方がいるとします。この方は、お仏壇がなく、お墓を購入する必要があり、不動産を所有しているほか、医療や介護の問題を抱えています。さらに、身元保証を検討しており、いざという時には相続対策や葬儀の手配、遺品整理といったさまざまなサービスを必要とします。

このようなお一人のお客さまに、ライフタイムバリューという視点で多岐にわたるサービスを提供することで、お客さまとの関係性を築きたいと考えています。

はせがわは、これまでお仏壇やお墓を販売するだけで終わっていました。しかし、これからは長いスパンでお客さまと関係を持ち、ライフタイムバリューを重視し、点から線の商いに変えつつある、というのがこの事業のスタートです。

②新規事業の成長 -PLS相談事例-

具体的な相談事例です。Aさんはパートナーに先立たれ、現在1人暮らしをしており、子どもがいないため、自立した老後を送ることを目標とされています。また、「頼れる家族がいないけれど、安心して老後を過ごしたい。1人でも入院や施設の入居ができるのかしら?」という疑問をお持ちです。

これに対し、はせがわは「入院や老人ホームの入居には、身元保証人が求められることがほとんどです。入院や入居を断られるリスクを下げるために身元保証サービスを利用すると安心です。身元保証の専門家をご紹介しますね」というかたちで身元保証の専門家に相談し、公正証書を作成し、緊急時の連絡先も用意することで解決しました。

このように、お客さまごとの対応を通じて、お悩みを解決していく方針です。

さらに、もう1つの事例です。Bさんは、実の父親を看取ったばかりで、悲しみの中、遺産相続などのなじみのない事務手続きに孤軍奮闘している状況です。目下の悩みは「生前父が住んでいた家と敷地を相続しましたが、売却したいんです。まずは遺品整理から始めないといけなくて腰が重いです」ということでした。

その悩みに対して、はせがわは「まずは遺品整理からですね。現地までお伺いして、ご要望に添った整理を進められる事業者をご紹介できます。その後、ご納得の上で売却できるように、複数の不動産会社を紹介させていただきます」というかたちで対応しました。遺品整理業者がていねいに仕分け、梱包、搬出、清掃し、不動産は複数査定を行ったことで、納得できる価格で売却ができました。

さまざまなご相談に対応するサービスがありますが、これらは無形のサービスとして、はせがわが1件1件、専門家におつなぎします。

②新規事業の成長 -はせがわの強み-

新規事業のピースフルライフサポート事業において、はせがわの強みは何かという点についてです。

1つ目の強みは、ご供養の業界における知名度です。「おててのしわとしわを合わせてしあわせ お仏壇のはせがわ」というコマーシャルは、若年層にはあまりなじみがないかもしれませんが、関東では98パーセント前後の方々に知られています。はせがわは非常に高い知名度と信用を得ています。

2つ目は、全国に250ヶ所の店舗を展開し、年間約70万から80万人のお客さまが訪れるという点です。こうしたお客さまに対して効果的に事業を展開できるという強みがあります。

3つ目は、ネットワーク提携している企業、葬儀社、あるいは一部の福利厚生会社との提携により、はせがわがすべての受け皿となってネットワークを拡充していく点です。

②新規事業の成長 -顧客拡大に向けた施策-

顧客拡大に向けた施策についてです。先ほど述べた70万人は購入顧客、つまり当店に来ていただくお客さまを指します。そのお客さまへの接点強化に加え、提携・パートナー企業については、先ほど言及した提携企業や介護・医療機関、士業法人、葬儀社を通じた紹介や契約に関するもので、相互送客を図ります。

最後に、先ほどのコマーシャルも含め、一般の方に対して「お仏壇のはせがわ」がそのようなサービスを提供していることを告知する取り組みを進めていきます。これら3つの施策により、顧客拡大を図りたいと考えています。

②新規事業の成長 -顧客基盤の拡大-

さらに、この3年間は中期経営計画の最終年度である2028年3月期に、約100万人の顧客基盤を構築することを目指しています。

その中で、現在はせがわのアプリ会員が約30万人おり、これをあと2年間で、あるいはWebや店舗での顧客接触を通じて増加させ、100万人のデータベースを構築することを目指しています。

②新規事業の成長 -当社の売上規模-

ピースフルライフサポート事業の市場規模についてですが、一般的に終活関係では約7,300億円、相続関係では約2,700億円で、これらを合わせて1兆円市場とされています。

そうした中、はせがわは2年前から本格的に事業をスタートしており、現在の売上は終活領域で3,000万円、相続領域で1億円程度ですが、2年半後には5億円・10億円を見込んでいます。

この業界では未だに確立的な地位を占めている企業は存在しません。まだ事業をスタートしたばかりの葬儀業者や福利厚生会社が取り組みを始めた中においても、圧倒的なシェアを確立している企業はありません。そこで、はせがわが先ほど述べた顧客基盤を活用し、この3年間で事業を大きく拡大したいと考えています。

②新規事業の成長 -3カ年の目標値-

こちらは、3年間の目標値です。赤く塗りつぶしている部分が過去の実績で、斜線の部分が今後の目標を示しています。

今年4月から9月までの相談件数は、計画が5,200件に対して実績が4,488件で、前年に対して約196パーセントの相談件数となりました。年間目標は1万件ですので、折り返し地点で約4,500件という実績は、ほぼ順調に進捗している状況と言えます。

それに伴い、売上高ですが、上半期の実績は1億1,800万円となっています。前年実績に対して263パーセントと、ほぼ計画どおり進捗しています。このように3ヶ年の推移を見ても、右肩上がりに推移しており、上半期は相談件数と売上高が順調に達成できている状況です。

③戦略的投資の実行

続いて、3つ目の重点施策として戦略的な投資の実行についてお話しします。これは前回の説明会でも説明しましたが、3年間で約30億円の投資を計画しています。

そのうち約15億円を成長のための投資、5億円を内部留保、10億円を株主のみなさまへの還元とする予定です。残り約半分の15億円は、店舗投資、研究開発投資、人的投資、システム投資に充てる考えです。

PBR1.0倍超に向けた対応

当社は、東証からの要請に対応してPBR1.0倍超を目指していますが、現在のPBRは0.46という状況です。この要因の1つとして、お仏壇およびお墓事業の将来性に魅力が欠けると見られ、株価の伸び悩みに影響していると考えています。しかし、第3の事業であるピースフルライフサポート事業を1つの起爆剤として、PBR1.0倍超への対応を進めていきたいと考えています。

さらに、これに伴い株主のみなさまへの還元も重要視しています。当社では前期から累進配当制度を導入しました。連結配当性向30パーセント、または年間配当金15円のいずれか高いほうを配当する方針です。

もう1つはIR活動で、こうした機会に加え、一般株主のみなさまにもミーティングを今年からスタートしており、多くの株主のみなさまに拝聴いただいている状況です。今後もコミュニケーション機会の充実を進めていきたいと思います。

業績予想・配当予想

最後に、業績予想と配当予想についてです。中間期は当初の予定を下回りましたが、通期の予想については現状のところ変更を考えていません。

既存事業の営業施策や新規出店、販管費のコントロールによって、利益を捻出する方針です。配当は配当性向30パーセントと年間15円を比較し、高いほうを採用します。来年3月の中間配当は、現状7円50銭を予定しています。

全体を通して、冒頭からご説明しましたとおり、本業であるお仏壇事業と墓石事業の減少スピードに対して、新規事業でまだ十分に補うことができていません。大きく言えば、そのような状況だと考えています。

ただし、先ほどのピースフルライフサポート事業のグラフにもありましたが、下半期、あるいは来期や再来期にかけて、そのペースで達成していけば、現在の本業の落ち込みを十分にカバーできると期待しています。

一方で、本業である市場自体は依然として厳しい状況にあります。お仏壇業界や墓石業界では、厳しい環境の中で廃業を検討している企業が増加しているのも事実です。そうした状況を踏まえ、戦略的投資の一環としてM&Aを積極的に推進し、既存事業を進化・発展させる方向で今後も取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:お仏壇の価格帯別販売戦略と販路について

質問者:ご説明の中で、超低価格帯3万円台のお仏壇を店舗では取り扱わなくなったというお話がありました。店舗以外にも

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