【QAあり】ダイダン、受注工事高・完成工事高・営業利益が2Qの過去最高を更新、大型プロジェクト受注等で急拡大
連結業績サマリー

佐々木洋二氏(以下、佐々木):取締役上席執行役員CIO兼業務本部長の佐々木です。2026年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、決算に関するご説明を始めます。
連結業績のサマリーについてご報告します。スライドは、連結経営指標のうち経営成績を示しています。
期首繰越工事高は2,584億円、前期比7.7パーセント増となりました。
受注工事高は海外の大型工事などの受注により1,828億7,000万円、前期比32.6パーセント増となり、第2四半期において過去最大値となりました。
完成工事高は、前期から繰り越した大型工事が竣工したことにより、1,183億5,900万円、前期比12.1パーセント増となりました。
完成工事総利益は、大型工事の竣工およびお客さまとの交渉等により採算が改善した結果、274億7,000万円、前期比84.9パーセント増となりました。
営業利益は、完成工事総利益の増加により、175億8,300万円、前期比159.2パーセント増となりました。
経常利益は、営業利益の増加により、181億3,700万円、前期比159.1パーセント増となりました。
親会社株主に帰属する中間純利益は、完成工事総利益の増加が一般管理費の増加を大幅に上回った結果、125億2,000万円となり、前期比129.5パーセント増となりました。
以上の結果、増収増益となり、第2四半期において受注工事高・完成工事高・営業利益ともに過去最高になりました。
連結業績サマリー

連結営業利益の前期からの変動についての、ウォーターフォールチャートです。2026年3月期第2四半期の連結営業利益は、ベースアップに伴う従業員給料の増加や、現場業務効率化・事務作業効率化をはじめとするDX投資などにより一般管理費は増加したものの、完成工事高の増加、完成工事総利益率の上昇による利益の獲得により、175億8,300万円となりました。
連結業績サマリー

当社の業容を示す、連結部門別工事高についてご報告します。スライドの上段が受注工事高、中段が完成工事高、下段が繰越工事高を示しており、内訳として空調衛生工事・電気工事に区分しています。
全項目、各工事部門において前期比増となりました。詳細については、2025年11月7日公表の資料をご参照ください。
連結業績サマリー

財政状態の概要をご説明します。スライドは、連結経営指標のうち財政状態を示しています。
純資産は1,183億8,600万円で、前期末比8.4パーセント増加しました。
総資産は、支払い条件の変更、借入金の返済および仕入債務の減少により1,992億6,000万円となり、前期末比7.5パーセント減少しました。
1株当たり純資産は2,693円37銭となり、前期末比7.9パーセント増加しました。9月末の株価が大きく上昇し、6,190円となり、株価純資産倍率は2.30倍となりました。
キャッシュ・フローについては、次ページのウォーターフォールチャートでご説明します。
連結業績サマリー

売上債権の回収が順調に進んだことによる営業キャッシュ・フローの増加が、再生医療事業に対する出資による投資キャッシュ・フローの減少および運転資金確保のための借入金返済による財務キャッシュ・フローの減少を上回ったことにより、現金および現金同等物の中間期末残高は、期首残高505億5,200万円から179億8,700万円増加し、686億8,100万円となりました。
なお、財務キャッシュ・フローの減少要因である借入金は200億円であり、こちらは2025年4月末に返済済みです。
連結業績のサマリーに関するご説明は以上です。
受注工事の状況

2026年3月期第2四半期決算のハイライトをご説明します。
産業施設工事の受注状況をご説明します。当社では、工場、研究所、データセンター、物流施設を産業施設工事と区分しています。
上半期の産業施設工事は609億500万円で、前期比25パーセント減少しましたが、通期では前期並みの受注を確保できる見込みです。
受注工事の状況

海外事業の受注状況についてご説明します。当社の海外事業は、シンガポールを中心にタイ、ベトナム、台湾の4ヶ国で展開しています。
シンガポールは、大型プロジェクトである研究施設や医療関連施設の受注に加え、Presico社を連結子会社化したことにより、全体で大幅な増加となりました。
海外事業の受注工事高は431億7,500万円で、前期比326.3パーセント増となりました。
受注工事の状況

リニューアル工事および直接工事の受注状況についてご説明します。
リニューアル工事は、大規模・中規模・小規模すべてにおいて高水準で推移し、第2四半期に過去最大値である768億4,000万円、前期比48.8パーセント増となりました。
新築工事では、海外の大型医療関連施設などの受注により、1,060億2,900万円となり、前期比22.9パーセント増となりました。
直接受注は、官公庁や海外の大型工事の受注により増加し、981億2,200万円、前期比33.9パーセント増となり、その結果、直接比率は53.7パーセントとなりました。
完成工事の状況

完成工事の状況についてご説明します。当期の完成工事高は、第2四半期に過去最大値となる1,183億5,900万円を記録となり、前期比で12.1パーセント増加しました。
工事区分別では、産業施設工事、海外工事、リニューアル工事の各区分で増加となり、特に産業施設工事は大幅な増加となりました。
期末繰越工事の状況

期末繰越工事の状況についてご説明します。期首繰越工事高と完成工事高が増加した中、受注工事高が完成工事高を上回る受注を確保したことにより、当期末の繰越工事高は3,229億1,000万円、前期比18.7パーセント増となり、第2四半期において過去最大値となりました。
産業施設工事や医療関連施設などの大規模案件および海外案件を中心に、期末繰越工事高は引き続き高水準で推移する見込みです。
四半期ごとの実績状況

四半期ごとの実績状況に関しては、2025年11月7日公表の資料をご参照ください。
2026年3月期第2四半期決算のハイライトに関するご説明は以上です。
通期業績予想

山中康宏氏(以下、山中):代表取締役社長社長執行役員の山中です。2026年3月期の通期業績予想についてご説明します。
受注工事高は、引き続き好調に推移している国内の受注に加え、海外の大型案件の受注などをうけ、当初予想の2,830億円から370億円増加の3,200億円に上方修正しました。
完成工事総利益については、手持ち工事の利益改善が期首の想定を上振れる見込みであることから、当初予想の465億円から45億円増加の510億円に上方修正しました。
営業利益は、完成工事総利益の増加をうけ、当初予想の235億円から45億円増加の280億円に上方修正しました。
なお、先ほどご説明した受注工事高の増加は、翌期以降に進捗する工事の受注によるものであるため、完成工事高は前回公表時からの変更はありません。
株式分割

株式分割および配当予想の修正についてご説明します。当社は2025年11月7日開催の取締役会において、株式分割および定款の一部変更を決議しました。また、最近の業績の動向等を踏まえ、2026年3月期の業績予想および配当予想を修正しました。
初めに、株式分割についてご説明します。この度の株式分割は、当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、より投資しやすい環境を整え、市場流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としています。
次に、株式分割の概要についてですが、分割の方法は、2025年12月31日を基準日とし、同日の最終の株主名簿に記録された株主さまが有する当社普通株式を、1株につき3株の割合で分割します。
詳細は、2025年11月7日公表の資料をご参照ください。
株主還元

株主還元および配当予想の修正についてご説明します。当社の株主還元の方針については、利益配当による株主への利益還元を経営上の最重要施策と位置づけ、健全な財務体質の構築に努めています。
また、2025年5月9日発表の「中期経営計画『磨くステージ』業績目標および財務戦略指標の見直しに関するお知らせ」のとおり、さらなる利益還元ならびにより安定的な配当政策を進めるため、2026年3月期より「配当性向40パーセント以上かつ純資産配当率(DOE)4.8パーセントを下限とすること」を新たな配当方針としています。
これにより、2026年3月期の業績見通しが直近の配当予想公表時における予想値を上回ることなどを勘案し、株式分割前の期末配当金を、前回発表の普通株式1株当たり普通配当83円から28円引き上げて111円とし、この結果、年間配当金は165円から193円となります。
2026年3月期第2四半期決算についてのご説明は以上です。
中期経営計画《磨くステージ》

内藤健氏(以下、内藤):上席執行役員社長室長の内藤です。中期経営計画「磨くステージ」の進捗状況についてご説明します。
「磨くステージ」では、「人材戦略を基盤とした人づくりの実現により企業価値を高める」を経営方針とし、持続性のある人的資本強化に注力しています。
また、重点領域として定めた4つの事業領域について、目指す方向性と計画完遂のための具体的な施策を定め、グループ一丸となって取り組んでいます。後ほどご説明しますが、各施策についてはおおむね順調に進捗していると考えています。
中期経営計画《磨くステージ》数値目標

「磨くステージ」の数値目標の状況です。
昨年度の大幅な目標達成に続き、今年度も連結営業利益の予想を280億円に引き上げ、ROEの予想を18.3パーセントとするなど、目標数値を順調にクリアできる見込みです。
また、今年度の連結営業利益が最終年度の目標値を大幅に上回ると見込まれるため、「磨くステージ」の最終年度である2027年3月期の数値目標については、経済情勢や経営環境を踏まえて、翌期に開示する今年度本決算の中で業績予想として発表する予定です。
人的資本強化への取り組み

本中期経営計画の中心である、人的資本強化への取り組み状況についてです。
人材採用の強化施策を継続的に実施した結果、人材の量的拡大は堅調に推移しています。さらに、従業員一人ひとりの能力向上を目指し、人材のさらなる質的改善にも本格的に取り組んでいます。
具体的には、キャリアの段階に応じた研修制度を整備し、実務に直結する知識や技術を習得できる機会を充実させています。また、人材育成の拠点である八尾研修所の高度化改修工事にも着手しました。
人的資本強化への取り組み

また、従業員が安心して働き、企業価値創造に主体的に参画できるよう、組織風土の改変にも取り組んでいます。
従業員が高いエンゲージメントをもって働けるよう、昨年度に続き今年度も給与のベースアップを実施したほか、従業員持株会向けの株式インセンティブ制度を導入しました。
加えて、役職員の健康づくりに資するさまざまな施策が評価され、「健康経営優良法人2025」の大規模法人部門で「ホワイト500」に認定されました。
中期経営計画最終年度に向けて、当社の事業価値創出の源泉である人的資本の質・量の両面での充実を引き続き強力に進めていきます。
空調衛生工事の施工力強化への取り組み

収益の基盤となる空調衛生工事の施工力強化に向けた取り組みについてご説明します。
現場作業の省力化や標準化など施工効率の向上を図るため、オフサイト加工施設の拡充と利用拡大を進めています。
当社のオフサイトの取り組みは、国土交通省の「働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業」に係るモデル事業として採択されています。
引き続き、大型現場の近くにスポット的にオフサイト加工施設を配置するなど、柔軟な施設展開を行い、さらなる施工力拡大と生産性改善に努めていきます。
パートナーシップ強化への取り組み

協力会社とのパートナーシップ強化に向けた取り組みについてご説明します。技能者を擁する協力会社に、当社受注工事において安心して活躍いただけることが、当社の施工力を総合的に向上させる上で極めて重要です。
当社は「パートナーシップ構築宣言」に基づき、2026年1月よりすべてのお取引先さまへの支払いを全額現金化するほか、協力会社との十分な協議による価格決定を推進しています。
また、協力会社の求人活動支援や、技能者を表彰するマイスター制度の活用を通じて、協力会社との連携強化に取り組んでいます。
海外事業への取り組み

海外事業への取り組みについてご説明します。成長を牽引する事業として位置づけている海外事業は着実に拡大しており、シンガポールのPresico社も連結に加わったことで受注水準が大幅に増加しています。
シンガポールを中心に事業基盤の安定化を図ることで、グループ全体における海外事業の存在感がいっそう高まっています。
再生医療事業への取り組み

再生医療事業への取り組みについてご説明します。再生医療の産業化と普及を見据えて、細胞培養に適した環境を提供する「機器販売事業」と、細胞治験薬の製造を受託する「細胞製造受託事業」の両輪で事業化に取り組んでいます。
さらに、これら2つを組み合わせた「治験薬製造サポートサービス」も開始し、事業の幅を広げています。
サステナビリティへの取り組み

最後に、サステナビリティへの取り組みについてご説明します。環境・社会・ガバナンスの各側面で、持続的な企業価値の向上と社会課題の解決に向けて、スライドのとおり具体的な施策を打ち出し、着実に進めています。
これまでご説明した取り組みを今後もしっかりと推進し、「磨くステージ」の計画完遂を目指していきます。
以上で、中期経営計画の進捗状況に関するご説明を終わります。
質疑応答:2027年3月期の業績予想について
司会者:「今回、御社は2026年3月期の業績予想を修正されましたが、中期経営計画最終年度の2027
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