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アクシスコンサルティング株式会社9344

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決算発表後のご説明機会について

伊藤文隆氏(以下、伊藤):みなさま、おはようございます。本日はお忙しい中、アクシスコンサルティングの2026年6月期第1四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長COOの伊藤です。どうぞよろしくお願いします。

まず、IRの方針について簡単にご説明します。今後は四半期ごとに決算説明会を開催するだけでなく、投資家のみなさまとの対話を一層深めていきたいと考えています。

特に今期は中期経営計画の初年度でもあることから、短期的な利益圧迫を受け入れてでも成長投資を加速するという方針を、丁寧にご説明したいと考えています。また、単なる業績の報告ではなく、事業の質的変化や中期的な方向性について、投資家のみなさまと積極的にコミュニケーションを図りたいと考えています。

前提 | 26/6期は、第2の成長曲線に向けた構造改革と戦略投資が本格化

今期の位置づけについてお話しします。2026年6月期は中期経営計画の初年度として、「第2の成長曲線」を描くための布石を打つフェーズにあります。

成長ドライバーであるスキルシェアと事業会社向け人材紹介のさらなる成長に向け、広告宣伝費や採用費を中心に、年平均で約10億円規模の戦略的投資を実行します。

その結果として、短期的には営業利益が一時的に圧迫される見込みですが、中期的には事業基盤の拡大によって大きな成長を遂げられると確信しています。

26/6期1Q 決算ハイライト(1/2)

第1四半期の業績についてです。売上高は前年同期比19.2パーセント増の14億5,600万円と、大きく伸びました。社内の計画どおりの進捗です。

内訳を見ると、人材紹介はコンサルファーム向けが、大手ファーム向けの需要が回復し、底打ちしたと見ています。スキルシェアは引き続き好調を維持しており、四半期ベースで過去最高の売上高を更新しました。

営業利益は2億5,500万円の赤字となりましたが、こちらは7月に放映したTVCMによるものです。売上高と営業利益のいずれも計画どおりのスタートを切れたと考えています。

26/6期1Q 決算ハイライト(2/2)

ハイエンド人材の紹介という特性上、内定承諾から入社、売上計上までに2ヶ月から3ヶ月のタイムラグがあります。現時点で第2四半期の売上高はある程度見通しが立っており、前期比、前年比ともにプラスで、成長への回帰が確実視できる状況です。

2人の代表取締役からのメッセージ

今回初めて参加する投資家もたくさんいますので、当社について簡単にご説明します。当社は「人が活きる、人を活かす。」という理念のもと、人と組織の可能性を最大化することを使命としています。

私たちは単に人を紹介するだけではなく、企業の戦略実現を人の力で支えるパートナーでありたいと考えています。このような、人を軸にした経営支援こそが、当社が一貫して目指している姿です。

社会的背景 | 人的資本経営の実現に求められる仕組みとは

社会環境として現在、DXやサステナビリティ、新規事業開発、さらにはAIの台頭など、企業が直面する経営アジェンダはますます複雑化しており、スピードが求められています。

このような状況下で経営戦略を実行に移せる人材を、当社では「戦略実現人材」と呼んでいます。このような人材は世の中で圧倒的に不足しています。この構造的な人材需要ギャップこそが、私たちの成長の源泉です。

AXISのビジネスモデル | 戦略実現人材のデータベースを活用し経営アジェンダを解決

当社はこの課題に対し、人材紹介(正社員)とスキルシェア(業務委託・副業)という2つのソリューションを、横断的に展開しています。

人材紹介では、コンサルファームや事業会社向けに、ハイエンド人材を中心に紹介しています。一方、スキルシェアでは、経営や事業の課題、アジェンダごとに、業務委託、副業など最適なかたちでハイエンド人材をアサインしています。

経営アジェンダに対して、最適な人材を顧客のリソースに応じて最適に配置するビジネスモデルは、人的資本経営のトレンドと完全に整合したものだと考えています。

課題の解決方法として、正社員がよいのか、プロジェクトが適しているのか、またはその組み合わせが最善なのかという、柔軟な対応ができることが当社の特徴です。

人的資本の最適配置を実現する唯一無二のポジションを確立

当社のポジショニングについてご説明します。スライドのマップのとおり、当社はハイエンド人材領域で人材紹介とスキルシェアの両方をカバーする、唯一無二のポジションを確立しています。若手中心の紹介会社とは一線を画しており、経営直結型のアジェンダに対応できる人材ポートフォリオを有しています。

コーポレートハイライトについてのご説明は以上です。

全体 | 1Q業績サマリー

ここからは、第1四半期の具体的な業績数値と各事業の進捗についてご説明します。第1四半期の業績サマリーです。

売上高と営業利益は冒頭でご説明したとおりです。売上総利益は、わずかではありますが、4四半期ぶりに前年同期比でプラスに転じました。業績と投資の進捗がどちらも計画どおり進み、非常に良いバランスでスタートを切れたと考えています。

①人材紹介 | 売上高・売上総利益の四半期推移

人材紹介についてご説明します。コンサルファーム向けは、大手ファームによる若手中途採用の抑制の動きが一巡し、需要回復の兆しが明確に見られています。

事業会社向けも、1年前の子会社吸収合併時に想定を超える離職があったものの、その影響から立ち直り、フロント部門の人員増強とともに成長トレンドに回帰しています。

①人材紹介 | 主要KPIの四半期推移(顧客属性別)

人材紹介の主要KPIです。需要の回復に伴い、平均売上単価はコンサルファーム向け、事業会社向けのいずれも堅調に推移しています。

入社決定人数は、先ほどお伝えしたとおり、売上計上までに少しタイムラグがあります。第2四半期以降に計上される案件のボリュームはある程度見えています。

テレビCMの効果やコンサルファームの需要回復、さらに前期から積極的に採用しているフロント人員の稼働により、第1四半期比で大きく伸びる見込みです。

②スキルシェア | 売上高・売上総利益の四半期推移

スキルシェアについてご説明します。スキルシェアは、事業会社向けが前四半期比でプラス約20パーセント、前年同期比でプラス約97パーセントと、非常に力強い伸びを示しています。

その成長の背景には、3つの要因があると考えています。1つ目に、人材紹介と同様に、前期から積極的に採用しているフロント人員が順調に稼働していることです。2つ目に、新設した関西拠点が順調に立ち上がっていることです。3つ目に、事業会社の旺盛な外部人材活用のトレンドを、うまく汲み取れていることです。

②スキルシェア | 主要KPIの四半期推移(顧客属性別)

スキルシェアの主要KPIです。平均受注単価が弱含んでいるように見えますが、こちらは短期間の案件構成の変化によるものです。稼働率100パーセント換算の受注単価は、事業会社向けもコンサルファーム向けもどちらも同水準で堅調に推移しています。

コンサルファーム向けの稼働人数の伸び率がやや低く見える理由は、需要が非常に強い事業会社向けを中心にアサインしているためです。事業環境は、引き続き良好です。

全体 | 販売費及び一般管理費四半期推移

販管費です。スライドのグラフのとおり、第1四半期は販管費が大きく増加しました。

2026年6月期は、構造改革と次の成長曲線の起点となる年です。前年同期比の増加額3億5,800万円のほとんどは、中期経営計画に沿って投資した広告宣伝費と人件費の変化によるものです。

期初計画どおり、第1四半期には広告宣伝費2億8,500万円を投下しましたが、リードの獲得にさっそく貢献しています。

全体 | 従業員数四半期推移

採用面では、フロント部門を中心に前年同期比で27名の純増となっています。採用活動は通年化しており、中期経営計画の達成に向け、引き続き積極的に取り組んでいく方針です。

トピックス(1/5) | BIG4コンサルティングファーム在籍者の登録比率が30%突破

いくつかあるトピックのうち、象徴的な事例を1つご紹介します。大手コンサルティングファーム、BIG4の在籍者の登録比率が30パーセントを超えました。

これまでは4人に1人(25パーセント)と表現していましたが、コンサルタントの方々からの高い評価を背景に、登録シェアが順調に拡大しています。

26/6期 通期計画

最後に、通期見通しについてご説明します。期初に公表した計画は想定どおり進捗し、据え置きとしています。

第1四半期は売上高、利益ともに、社内計画に沿った進捗となっており、第2四半期に向けての事業環境も良好ですが、お伝えしてきたとおり、今期は中期経営計画の初年度としてしっかりと先行投資を行っていく方針です。

そして、確実に次の成長エンジンが稼働し始めていることを経営者として実感しています。

長期的な成長イメージ

中長期的には、人的資本を軸に、企業の経営課題や事業アジェンダの解決を支えるパートナーとして進化を続け、社員、顧客、投資家のみなさまに選ばれる企業としての価値をさらに高めていきます。

今後ともアクシスコンサルティングへのご理解とご支援をよろしくお願いします。私からのプレゼンテーションは以上です。

質疑応答:第2四半期の業績見通しについて

司会者:「通期は営業黒字計画となっていますが、第1四半期の赤字から本当に巻き返せるのでしょうか? 第2四半期の業績イメージについて、開示できる範囲で教えてください」というご質問です。

伊藤:通期では、営業利益3億5,000万円を計画しています。現時点で、この計画は据え置いています。

第1四半期は広告宣伝費を先行投資した結果、営業赤字となりました。通期計画に対する進捗は低く見えますが、第2四半期以降は広告宣伝費が大きく増えることはありません。

特に人材紹介の業績については、内定から入社までに約2ヶ月から3ヶ月のタイムラグがあるため、第2四半期の業績は見通しが立っている状態です。業績回復と言いますか、当初の計画どおりに進捗していると考えています。

質疑応答:事業会社向けの業績の立て直しについて

司会者:「事業会社向けの人材紹介は前期に大きく減速しましたが、今期は本当にリカバリーできるのでしょうか?」というご質問です。

伊藤:前期はグループ会社の吸収合併に伴い、一時的に離職者が増加したため、残念な結果となりました。今期に入り、優秀な方々をかなり採用できています。

また、テレビCMの効果により、事業会社からの問い合わせが7月は約1.5倍に増えています。この問い合わせ件数は、今後の業績に寄与すると考えています。

また、第2四半期以降、現在も非常に良い数値で推移していますので、リカバリーは可能だと考えています。

質疑応答:スキルシェアの第1四半期実績と通期展望について

司会者:「スキルシェアの第1四半期の実績と、通期に向けた手応えを教えてください」というご質問です。

伊藤:スキルシェアは、昨期から引き続き、高い成長を維持できています。特に関西に拠点を設けたことで、関西が順調に伸びています。また、事業会社向けが非常に好調に進捗しています。その結果、前期比で約2倍のペースで伸長しています。

体制を強化したことやマーケットのトレンド、さらに拠点を拡大したことにより、しっかりと成長していると考えています。通期も引き続き、力強い事業展開を期待しています。

質疑応答:広告投資のROIについて

司会者:「今期、広告宣伝費を年5億円投下するとのお話でした。第1四半期の実績と、今後の配分を教えてください。また、広告投資のROIはどのように評価していますか?」というご質問です。

伊藤:第1四半期で広告宣伝費に投下したのは2億8,500万円強、つまり3億円弱程度です。残りは第2四半期以降に発生する予定です。

ROIに関しては、さまざまな手法で計測しています。当社はコンサルファーム向け人材紹介を祖業がスタートしています。そのため、一般事業会社への認知度が低く、このような施策を実施しています。

具体的な数字はお話しできませんが、認知度がどれくらい上がったか、また、3年間でどれくらいまで上げていくのかについては、社内で目標を設定して、進捗を追っています。

広告コストについては、その都度見直しながら、最適なかたちで組み替える方針です。テレビ、デジタル、交通広告など最適な媒体を選びつつ、アロケーションの仕方も含めてROIをしっかり見ていきます。

企業からの問い合わせや人材からの認知度などの観点で、いくつかの指標を用いてROIを試算しています。

質疑応答:株価低迷の要因と改善の見通しについて

司会者:「株価低迷の要因と、改善の見通しについて教えてください」というご質問です。

伊藤:株価については、当社の想定している基準と比べて、まだ満足できる状況ではないと理解しています。

当社が取り組んでいるビジネスは、当社自身の成長も重要ですが、この国の産業にとっても、当社のようなサービスが成長していくことが大きなプラスになると信じています。この強い信念を持ち、機関投資家や個人投資家のみなさまと、より一層のコミュニケーションをとっていきたいと考えています。

そのほかの方法については、経営陣で引き続き検討を進めているところです。適切なタイミングで情報を共有します。

質疑応答:採用強化の狙いについて

司会者:「採用強化の狙いについて教えてください」というご質問です。

伊藤:採用強化の狙いは、大きく2つあります。1つ目は、当社が計画しているコンサルファーム向け人材紹介を基盤として、スキルシェアや事業会社向け人材紹介を新たな柱とする領域をしっかりと拡大させることです。この領域の人員を増やすことで、顧客接点の機会を増やしていきます。

2つ目は、フロント部門はもちろんのこと、AIやデジタル技術をより積極的に取り入れていくためには、ミドルオフィスの人員も重要な戦力だと考えています。

特に、これから伸ばしていく新しい領域のフロント人員や、ミドルオフィス・バックオフィスではデジタルやAI領域の人材を、確保していきたいと考えています。

質疑応答:競合環境について

司会者:「競合環境をどのように見ていますか?」というご質問です。

伊藤:よくいただく質問なのですが、当社では明確な競合を定義していません。なぜなら、スライドのポジショニングマップのとおり、ハイエンド領域でスキルシェアと人材紹介の両方を行っているエージェントは存在しないからです。

個別に切り分けるといくつか競合する部分もあります。ただし、コンサルファーム向けの領域においては、当社と同じ単価感でサービスを提供しているエージェントが存在しないため、完全にレイヤーが異なる、つまり異なる領域で競争していると理解しています。

もちろん、まったく重ならないわけではありませんが、現時点では明確な競合を想定していないというのが、当社の見解です。

質疑応答:増配の可能性について

司会者:「増配の検討はされているのでしょうか?」というご質問です。

伊藤:還元に関しては、あらゆる可能性を選択肢として、経営陣で日々議論を重ねています。タイミングや内部留保、次の投資にかかるコストなど、さまざまなテーマがあります。それらを広く勘案し、共有できるタイミングでお示ししたいと思います。

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