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株式会社カーブスホールディングス7085

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目次

増本岳氏:カーブスホールディングス代表取締役社長兼グループCEOの増本です。本日はお忙しい中、多数の方にご参加いただき、誠にありがとうございます。弊社の2025年8月期決算および中期ビジョンの説明会を始めます。お手元の資料とスクリーンをご覧ください。

本日は通常より少し長めの時間をいただきますが、最後にみなさまのご質問にしっかりとお答えする時間を設けたいと考えていますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。

本日の内容は、目次のとおりです。順番にご報告します。

2025年8月期 通期実績サマリー

まず、通期実績の概要です。売上高は375億6,000万円、営業利益は63億4,000万円、当期純利益は43億円、チェーン売上高は856億円、会員数は86万3,000会員、「女性カーブス」の店舗数は1,996店舗となりました。売上高、営業利益、当期純利益、チェーン売上高はいずれも過去最高の数字です。

2025年8月期 通期実績サマリー

また、当期の期初に公表した財務指標基準についても、全4項目をすべてクリアしたことをご報告します。

2025年8月期 通期実績サマリー

また、当初発表のとおり、1株当たりの配当金は17円とします。中間配当はすでに実施済みのため、期末配当は9円となります。

連結損益計算書

それでは、より詳しく決算内容をご報告します。まず、損益計算書です。売上高は前年同期比5.9パーセント増の375億6,600万円、売上総利益は前年同期比106パーセントの160億4,800万円でした。営業利益は前年同期比116.2パーセントの63億4,200万円となっています。

経常利益は前年同期比118.4パーセントの64億8,100万円、当期純利益は前年同期比120.6パーセントの43億300万円となりました。

連結損益計算書トピック(業績予想比/前年同期比)

業績予想比および前年同月比について、もう少し詳しくご説明します。売上高は業績予想比で若干のマイナスとなりましたが、その要因は後ほど説明します。一方、前年同期比では105.9パーセント、金額にして21億円の増加となっています。

会員数は順調に伸びており、予想比でもプラスです。当初予想の85万会員に対して、4万6,000会員の純増となり、最終的に86.3万会員に達しました。前年同期比では、4万6,000会員の純増となっています。

一方、会員向け物販については後ほど詳しく触れますが、売上は若干ですが予想比を下回りました。これは、2024年12月の物販強化月間で目標を達成できなかったことが影響しています。その後、2025年第3四半期に入り、新規定期購入者数や契約数などを取り戻しましたが、売上全体では期末までにカバーしきれませんでした。

ただし、通期を通じて会員向け物販の売上は過去最高を記録しました。また、期末の定期購入者の契約数も過去最高となり、次の期にしっかりつなげられるかたちで期末を終えたと捉えています。

次に、営業利益についてです。先ほどお話ししたとおり、業績予想比でもプラスで着地しており、前年同期比は116.2パーセント、金額としては8億8,300万円のプラスとなっています。

要因としては、売上の増加に伴う売上総利益の伸びが約9億円です。加えて、人材投資のための人件費増加や効率化のためのシステム投資を計画どおり実施しつつ、その他の販管費をコントロールした結果、営業利益は前年同期比で8億8,300万円のプラスとなりました。

連結損益計算書トピック(前Q/前年同期比)

第4四半期の3ヶ月間について、直前期である第3四半期との比較、および前年同期間の3ヶ月間との比較はご覧のとおりです。

連結損益計算書(地域別)

さらに、地域別の状況についてです。国内と海外における売上高と利益ですが、国内が大部分を占めています。一方、海外については状況がかなり改善してきたものの、まだ赤字の状態です。

売上高構成

続いて、国内売上の中身と構成についてご説明します。まず、全体の外観ですが、当社の国内売上は大きく分けて2つに分類されます。1つは「スポット売上」または「スポット収入」と呼んでいます。

これは、フランチャイズの新規出店に伴う加盟金や、当社からフランチャイズ店へのフィットネス機器の販売などによる一時的な収入です。出店のたびに発生する一時的な収入を「スポット売上」と称しています。

もう1つは、会員数や店舗数に連動して継続的に発生する収入を「ベース収入」と呼んでいます。これはストック型の収入を意味しています。この「ベース収入」には2つの柱があり、1つは会員数に連動するロイヤルティなどの収入です。

我々のチェーン約2,000店舗の大半はフランチャイズ店であり、それに伴い、フランチャイズの売上や会員数に比例して一定のロイヤルティ収入が発生します。また、会員さま向けのプロテインなどの健康食品の物販売上の収入があります。これらは、カーブスグループが直接エンドユーザーである会員さまに商品を販売するかたちとなっています。

売上高内訳

売上高の内訳についてご説明します。まずは、ロイヤルティ収入についてです。前年同期比106.4パーセントの73億8,800万円となりました。会員向け物販については、前年同期比103.9パーセントの230億8,000万円で着地しています。

会費入会金収入と会員向け物販収入の当社グループの売上構成について

「売上の6割近くが物販というのは、収益構造としては少しいびつではないか」というご質問をいただくことがありますので、その点について少しご説明します。

グラフの左側はチェーン全体の売上を示しています。こちらにはフランチャイズ店を含む、いわゆる末端売上が含まれています。会費売上と物販売上を中心に構成されています。

内容を詳しく見ると、会費や入会金の収入が626億円で、全体の73.2パーセントを占めています。また、会員向けのプロテインなどの物販収入は229億円で、全体の26.8パーセントとなっています。

一方、右側のグラフは当社グループの連結売上高375億6,000万円の内訳を示しています。この会費や入会金収入は、まずフランチャイズ店に売上が計上され、その中からフランチャイズ契約に基づいて一部が当社の売上として計上されます。この部分をロイヤルティ等収入と区分しており、73億8,000万円で、先ほどご報告した数字です。当社グループ売上高の19.7パーセントを占めています。

また、会員向け物販収入の230億円は、当社が会員さまに直接販売しているため、この金額がそのまま売上高に計上されます。この部分は、当社グループの売上高の61.4パーセントを占めています。

チェーン全体としては、会費収入が73.2パーセント、物販収入が26.8パーセントとなっています。この構成比を頭に思い浮かべていただければと思います。

連結貸借対照表

連結貸借対照表の状況です。流動資産は前期末比で14億2,600万円増加し、169億1,600万円となりました。これは主に現預金の増加、受取手形・売掛金の増加によるものです。

一方で、固定資産は前期末比で35億9,500万円減少し、期末時点では222億8,800万円となっています。こちらについては、2018年に買収した米国カーブス総本部、カーブスインターナショナル社に関わるのれん商標権の償却が15億円ほど進行したこと、さらに、為替の変動が、前年同期比で円高傾向になった関係で、円建ての金額が約22億円減少したことによるものです。これらにより、資産合計は約22億円減少し、392億500万円となりました。

流動負債は2億200万円減少し114億5,100万円、固定負債は27億1,700万円減少して75億9,300万円となっています。これにより負債合計は29億2,000万円減少し、190億4,500万円となりました。主な要因として、有利子負債が32億9,000万円減少したことや、借入の返済が進んだことが挙げられます。

結果、純資産は7億5,000万円増加し、201億6,000万円となりました。なお、株主資本は27億800万円増加して158億6,600万円となっています。以上が貸借対照表の内容です。

連結キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書についてご報告します。営業活動によるキャッシュ・フローは62億1,100万円、投資活動によるキャッシュ・フローは7億2,700万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは48億9,200万円のマイナスです。これらは大半が借入金の返済および配当の支払いによるものです。

その結果、現金及び現金同等物の増減額はプラス3億8,100万円となり、期末の現金及び現金同等物の残高は83億8,300万円となっています。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 店舗数

続いて、店舗数や会員数などの過去の推移をスライドに掲載しています。詳細な説明は割愛します。後ほど資料でご確認ください。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 会員数

スライドは、女性だけの30分健康フィットネス「カーブス」の会員数の推移を示しています。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス チェーン売上

スライドは、女性だけの30分健康フィットネス「カーブス」のチェーン売上の推移を示しています。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 会費入会金売上

スライドは、女性だけの30分健康フィットネス「カーブス」の会費入会金売上の推移を示しています。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 会員向け物販売上

スライドは、女性だけの30分健康フィットネス「カーブス」の会員向け物販売上の推移を示しています。

チェーン売上推移(四半期単位)

コロナ禍で一度大打撃を受けましたが、着実に会員数を増やし、物販売上を成長させ、末端売上においても過去最高数値を更新しています。

2025年8月期 トピックス

2025年8月期の事業状況と取り組みについて、ポイントを絞ってご報告します。

トピック1. 会員数増大

まず、会員数の増加についてです。これには2つの側面があります。1つは、退会率を下げ、お客さまの運動習慣の定着と継続を図ることです。そのために、お客さまの満足度向上に懸命に取り組んできました。その結果、2025年度の日本版顧客満足度指数(JCSI)調査において、フィットネスクラブ業種で11年連続で第1位を更新しました。

その結果、平均月次退会率は年間を通じて2パーセント程度に抑えることができ、過去最低水準で推移しています。

トピック1. 会員数増大

さらに、年3回の新規入会キャンペーンが功を奏し、確実かつ安定的に会員数を確保できるようになってきています。

先ほどご報告したとおり、前期末の81万7,000会員から4万6,000会員が純増し、期末は86万3,000会員で着地しました。

トピック2. 会員向け物販拡大

会員向けの物販についてです。会員数を伸ばしながら、同時に物販によって客単価を上げることが、当社の基本的な戦略です。

会員向け物販売上高は230億円を超え、過去最高を更新しました。また、期末の定期購入契約者数についても、当社はすべての商品を基本的にサブスクリプション型で販売していることから、サブスクの契約者数も過去最高を更新することができました。

ただし、業績予想と比較すると、物販売上が若干マイナスとなったことは、先ほどお話ししました。もう少し詳しくご説明すると、当社では毎年、第2四半期のスタート月である12月と、第3四半期の最終月である5月に物販強化月間を設けています。

この物販強化月間では、会員さまを対象に、インストラクターが食生活の相談に丁寧に対応し、必要に応じて、たんぱく質摂取のためのプロテインや「ヘルシービューティ」という新商品のご提案を行っています。

しかしながら、この第2四半期のスタート月にあたる2024年12月において、定期購入の新規契約者数が目標を達成するには至りませんでした。

この原因は明白です。1ヶ月のうちにプロテインと「ヘルシービューティ」の両方の商品を提案するという戦略的なミスを犯してしまいました。この結果、現場とお客さま両方に混乱を引き起こし、思ったようなかたちで商品をご提案できませんでした。

その反省を踏まえ、次の食生活相談強化週間である5月は、たんぱく質摂取に関するご相談に絞り、プロテインのみをご提案する方針に切り替えました。そして7月には、栄養バランス改善のご相談に特化した1週間を設け、必要なお客さまに「ヘルシービューティ」という新商品のご提案を行うかたちに変更しました。

これにより、定期便の購入における新規契約者数を順調に増加させることができました。特に戦略商品である「ヘルシービューティ」については、2024年12月と比較して新規契約者数が20パーセント以上増加する結果となっています。

これらにより、期末の定期購入契約者数は過去最高を記録しました。この結果、現在の進行期を良いかたちでスタートを切ることができました。ただし、売上については若干カバーしきれなかった部分もあります。

会員向け物販売上推移(四半期単位)

スライド28ページと29ページで、会員向け物販の売上推移や定期購入型商品契約率の推移を掲載しています。

会員向け物販 定期購入型商品契約率推移(四半期単位)

毎期、順調に伸びていることをご確認いただけるのではないかと思います。

トピック3. オンラインサービス強化

続いて、オンラインサービスの強化についてご説明します。オンラインサービスでは、店舗とオンラインのフィットネスサービスの両方を利用できるハイブリッド型サービス「おうちでカーブスWプラン」が、特に若い年齢層のお客さまに非常に好評を博しており、現在約5万4,000人の方にご利用いただいています。今後さらに強化を図っていきます。

また、会員向けの無料アプリ「カーブスアプリ」の利用者数が50万人を超えました。このアプリを無料でご利用いただくことで、オンライン上で運動の習慣化を促進できる仕組みになっています。

さらに、毎日の健康的な食生活をサポートする機能や、オンライン上のコミュニティ機能を備えています。このコミュニティでは、メンバーのみなさまが店舗や地域を超えて励まし合うことができ、大変喜ばれています。また、これによりインストラクター業務の負担軽減にもつながりつつあり、当社の戦略的な商品となっています。

トピック4. 自治体・医療連携

続いて、自治体や医療機関との連携の進捗状況についてご説明します。当期は、愛知県碧南市、宮城県多賀城市、埼玉県久喜市と、健康づくりの連携協定を締結し、それぞれの地域の市民のみなさまに自治体の方々と一緒になって健康促進を進めています。

また、従来より取り組んでいる神奈川県の「未病センター」という県が推進する予防や健康づくりの政策において、カーブス60店舗が新たに「未病センター」に認証され、県および各地域の市町村と協力して県民のみなさまの健康づくりサポートを展開しています。現在、50以上の自治体と連携し、市民のみなさまに健康づくりのサービスを提供しています。

また、医療機関との連携も強化しています。例えば心臓リハビリテーションの分野では、心臓病の患者の方に対し、運動療法のリハビリをカーブスが医療機関と連携してサポートしています。また、各地の整形外科クリニックと連携し、関節痛の緩和を目的とした運動療法を、医師と協力して提供しています。

これらの活動は当然、「地域のために」という社会貢献的な意味合いや目的を持っていますが、これを長期間にわたり地道に続けることで、自治体や医療機関との連携が進み、特に年齢層の高いお客さまの中で、まだ「カーブス」を利用されていない方々との接点が増え、認知度が向上していきます。

さらに継続することで、「カーブス」というブランドに対する信頼度や好感度が非常に高まることがさまざまな調査で確認されています。このため、中長期的には非常に重要なマーケティング施策の一部と位置付け、今後も強化していきたいと考えています。

トピック5. カーブスフードドライブ

さらに、「カーブスフードドライブ」という全国80万人のメンバーとともに18年間続けてきた地域密着型のボランティア活動があり、こちらで「令和7年度食品ロス削減推進表彰 環境大臣賞」を受賞しました。

「カーブスフードドライブ」とは、各店舗において毎年1月後半から2月にかけて、カーブスの会員さまおよび地域の方々から食品を店舗へお持ち込みいただく活動です。主に日持ちする加工食品などを持ち込んでいただき、それをカーブスのインストラクターやフランチャイズ加盟店のトップが、それぞれの地域の児童養護施設や母子生活支援施設へお届けしています。この活動を2007年から18年間継続してきました。

18年間の活動の累計としては、221万人の方にご参加いただき、累計の食品寄付量が3,051トンとなり、1万1,000以上の施設に食品をお届けしてきました。これらの長い期間の実績が食品ロスの削減につながっていることから、今回の受賞となりました。

私たちとしては、食品ロスの削減という以上に、お困りの方々に食料品を届けるという活動を行っているとお客さまからも大変喜ばれます。多くの方が「世の中のため、地域のために何かしたい」と感じながらも、本格的なボランティア活動には一歩踏み出しにくいという状況があります。そのような中で、非常に身近なかたちで地域や人々の役に立つ活動として、お客さまから大変喜ばれ、毎年の参加率が非常に高い活動の1つとなっています。

これらも含めて、お客さまの満足度を向上させる取り組みの一端です。

トピック6. メンズ・カーブス

続いて、新規事業の状況についてです。「メンズ・カーブス」は新たに6店舗を出店し、期末には25店舗となりました。既存店と新規店舗の業績が非常に順調であることから、この新しい期から本格的な出店を進め、多店舗展開へと移行します。

トピック7. 新事業本格展開

また、前回初めてご紹介しました「新ブランドX」ですが、後半の中期ビジョンのパートで具体的にブランドの内容をご説明します。期末には37店舗となり、非常に好調に展開しています。そのため、新しい期ではさらに店舗を拡大していくタイミングに入っています。

トピック8. 海外事業

海外事業についてです。海外事業の重点地域は、以前から申し上げているとおり、2019年に買収した欧州のフランチャイズ本部事業です。現在、欧州地域に124店舗を展開しています。店舗数こそまだ小ぶりですが、1店舗当たりの会員数や売上は過去最高水準を更新し続けており、大変好調な状況です。

来年以降の新しい期からは、フランチャイズによる多店舗展開や直営店の出店などを通じて、拡大にかじを切るタイミングに入ってきています。

以上、2025年8月期の状況についてご報告しました。

2026年8月期 通期業績予想

続いて、進行期である2026年8月期の業績予想についてご説明します。売上高は413億円で、前年同期比9.9パーセントの成長を見込んでいます。営業利益は73億円で、前年同期比15.1パーセントの成長を予想しています。経常利益は72億5,000万円で、前年同期比11.9パーセントの成長を見込んでいます。当期純利益は47億円で、前年同期比9.2パーセントの成長を予想しています。

この背景として、「女性カーブス」の期末会員数を90万人から91万人と見込んでおり、4万人強の純増を見込んでいます。

また、期末の店舗数ですが、今回から「女性カーブス」以外の業態も含めて業績予想を発表しています。グループの3業態を合わせた期末店舗数は2,124店舗を見込んでいます。「女性カーブス」は前年同期比11店舗増の2,007店舗、「メンズ・カーブス」は前年同期比20店舗増の45店舗、「新ブランドX」は前年同期比35店舗増の72店舗という構成となっています。

さらに、会員向け物販においては、プロテインの売上は会員数の伸びにほぼ比例して増加すると予想しています。また、新商品の「ヘルシービューティ」の契約者比率の増加に重点を置いており、これを数字の根拠として示しています。

2026年8月期 業績予想(四半期毎)

また、今期は四半期ごとの業績予想を発表しました。第1四半期の数字をご覧いただくと、売上高は前期比で同期間比6.2パーセントの増加としていますが、営業利益は対前年比で5.2パーセントの減少を見込んでいます。

これは、会員向け物販の主力商品であるプロテインの原材料価格が高止まりしている状況に加え、円安基調が続いているため、これらが粗利益率の悪化につながると見込んでのことです。

さらに、人的資本投資の拡大や効率化を目的としたシステム投資を引き続き実施しており、これらによるコスト増も見込んだかたちとなっています。

ただし、第2四半期以降は、会員数の増加とプロテイン物販の売上増加により、前年比を着実に上回っていく計画です。

2025年8月期以降 5カ年の財務指標基準

5ヶ年の財務指標基準についてです。引き続き、年平均成長率やROICを達成することを最低限の経営の基準としています。

2026年8月期の戦略①

中心的な戦略としては、会員数の増加と会員向け物販の拡大です。

2026年8月期の戦略②

また、人的資本の強化については、フランチャイズ加盟企業も含めた従業員の待遇向上を、約3年前からチェーンの重要戦略として取り組んできました。後ほど、中期ビジョンの中でこの点についても説明します。

また、新規事業の多店舗展開を本格化し、海外事業も拡大するタイミングとなる年です。

1Q新規入会募集キャンペーンの進捗状況

この進行期の会員数の状況を速報でお伝えします。9月と10月に秋キャンペーンとして入会の強化を図った結果、大変順調に推移し、9月末時点での会員数は89万2,000名となりました。この数字は「女性カーブス」のみのものです。9月の1ヶ月間の純増は2万9,000人で、単月の純増数として過去最高を記録しています。

また、10月も非常に順調に推移しており、「女性カーブス」の店舗数は10月の出店を経て2,000店舗に戻る予定です。コロナ禍前には一時2,000店舗を超えていましたが、コロナ禍で100店舗以上の閉店を余儀なくされました。その後、着実に店舗網を回復させ、ようやく2,000店舗に再度到達する見込みです。

また、10月には会員数が90万人を超える水準になる見込みで進捗しています。

価格改定および従業員待遇向上

また、昨今のインフレに対応するべく人件費のアップをフランチャイズ加盟店を含めて実施するため、月会費の価格改定を進めています。

新規入会の会員さまには、今年9月から新価格でご入会いただき、既存会員さまには半年遅れの来年4月から価格改定を行い、300円アップした新価格でご利用いただく予定です。

月会費の価格改定によって特にフランチャイズ加盟店の粗利益率と粗利益の絶対額が向上します。これらの賃金アップや働きやすさの改善など、従業員の待遇向上に投資していただくという流れを、この3年ほど続けています。

これにより、さらに採用競争力を高め、優秀な人材を確保し、組織力を強化していく方針です。

2026年8月期 配当予想

最後に、2026年8月期の配当予想についてです。カーブスチェーン創設20周年の記念配当5円を含め、年間配当予想は1株当たり25円としています。連結配当性向は49パーセントです。株主優待については引き続き、1株主さま当たり「QUOカード」500円を予定しています。

以上が、2025年8月期の業績取り組み状況と、進行期の業績予想となります。

今後の成長戦略

続いて、中期ビジョン・事業計画についてご説明します。成長戦略の大きな流れとしては、前期スタート時点でもお話ししましたとおり、主力業態である「女性カーブス」、特に既存店の成長を中心に着実な成長を図るとともに、進行期である当期から、新事業である「メンズ・カーブス」および「新ブランドX」と呼んでいた「からだ動き回復センター ピント・アップ」という新業態の多店舗展開と会員数の拡大を進めていきます。

カーブスグループ中期ビジョン2030年・2035年

数値目標についてご説明します。5年後の2030年8月期には、3業態合わせた店舗数は2,600店舗、会員数は120万人、チェーン売上は1,300億円を目標としています。

このことによる当社グループの連結業績として、売上高560億円、営業利益103億円を目標としています。

次に、10年後の2035年8月期の数値目標についてです。「コミットメント」と記載されていますが、これは最低限この水準を下回らないという経営目標を示しています。店舗数3,150店舗、会員数140万人、チェーン売上高1,800億円であり、当社グループの連結業績としては、売上高780億円、営業利益180億円を掲げています。

そして、社内目標として掲げている「ターゲット目標」では、店舗数3,500店舗、会員数150万人、チェーン売上高2,000億円、当社グループ連結業績として、売上高850億円、営業利益200億円を目標に設定しています。

年間成長率などの数字についてはスライドの下段に記載されているとおり、年平均成長率12パーセント以上を維持していく計画です。

カーブスグループ中期ビジョン2030年・2035年 ビジョン・ブレークダウンイメージ

これらの店舗数および会員数を、ブランド別にブレークダウンしたものがスライドの数字です。後ほど業態別にこの数字についても説明しますので、ここではご確認ください。

2025年8月期以降 5カ年の財務指標基準

財務指標基準については、引き続き年平均成長率は10パーセント以上、ROICは12パーセント以上を維持し、かつ15パーセント以上を目指す方針をとります。

国内事業の中期戦略

先ほどお話ししたように、中期的な戦略としては複数ブランド戦略を採用し、中心業態である「カーブス」だけでなく、「メンズ・カーブス」や「ピント・アップ」という新業態も含めた3つの業態で成長を図っていくことを中心に据えます。

これらの中心戦略として、「カーブス」で培った「競争しない競争戦略」をとります。これは、他社と決して競合しない新しいマーケットを創造し、そこでオンリーワンのポジションを確立するという戦略です。これを、「メンズ・カーブス」という新業態においても展開していきます。

健康市場の拡大

これらの成長の背景として、私たちは今後、この健康市場が大きく拡大していくと見込んでいます。

スライド左側の図は、日本の人口ピラミッドを示したもので、人口を年齢別に表示したグラフです。50歳から79歳の人口は約5,000万人います。さらに、いわゆる人口の塊である2つのベビーブーマーが、この50歳から79歳の層に含まれています。

第一次ベビーブーマーである団塊世代の方々は、現在75歳を超えてきました。そのことによって、健康意識が非常に高いシニアが続々と生まれており、介護予防やフレイル予防といった分野で市場が拡大しているのが現在の状況です。

さらに、第二次ベビーブーマーである団塊ジュニア世代は、約1,000万人の人口があり、2025年から続々と50代に入ります。現在、すでに50代前半に差しかかっている方々もおり、この世代はさらに健康意識が高いことがわかっています。また、今後メタボや生活習慣病の予備軍が増大すると考えられ、新たな健康市場の拡大が見込まれています。

したがって、量・質ともに非常に魅力的な市場として、この50代以上の健康市場は拡大していくと捉えています。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 2030年2035年ゴールと成長戦略

以上のことを背景に、業態別の成長戦略についてご説明します。まず、主力業態である女性専用30分健康フィットネス「カーブス」についてです。「カーブス」の成長戦略として、新規出店は年間20店舗から30店舗で、着実な店舗網の拡大を図っていきます。

さらに、成長の中心となるのは既存店です。既存店の1店舗当たりの会員数と物販数を伸ばしていく計画です。また、労働生産性の向上や人的資本投資を通じて、オンリーワン戦略をより強固にしていきます。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 既存店の成長

この既存店の成長余地について、いくつかの視点からご説明します。まず結論から申し上げると、私どもとしては会員数の成長余地が、既存の約2,000店舗だけで20万人以上あると考えています。現在の会員数は約90万人弱ですが、110万人程度まで十分に会員数が伸びる可能性があると見込んでいます。

この会員数の伸びにより、チェーン全体の売上は約150億円、当社の売上に換算するとロイヤルティ等で15億円強の売上増となる余地があると考えています。

さらに、会員向け物販の成長余地については、既存商品の拡大のみで約150億円の末端売上成長余地があると見込んでいます。

これらを総合すると、チェーン全体の売上としては向こう数年間でプラス300億円、当社の連結売上高としてはプラス165億円程度の成長余地が、控えめに見積もっても可能であると考えています。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 既存FC加盟店の成長余地

その背景の1つとして、前期2025年8月期において、先ほど申し上げた4万6,171名の会員数の純増の大半が既存店の会員数の増加によるものであることが挙げられます。また、新店舗の会員数の増加以上に、既存店1店舗ごとが会員数を伸ばしながら成長を続けていることも挙げられます。

さらに成長の余地がある点として、直営店とフランチャイズ店の1店舗当たりの業績を比較すると、まず会員数についてですが、直営店の平均会員数は2025年8月末時点で563会員です。一方、フランチャイズ加盟店の平均会員数は431会員であり、130会員以上の差があります。さまざまな商圏分析の結果、フランチャイズ店1店舗あたりの会員数は、軽くあと100名程度の増加が見込めると考えています。

また、物販売上に関しても、月間の物販売上は、直営店の平均が142万円であるのに対し、フランチャイズ加盟店の平均は約100万円にとどまっており、1店舗あたり40万円以上の差があります。したがって、現時点でも1店舗あたり40万円程度の物販売上を拡大できる余地が十分にあると見ています。

当社グループの強み①

さらに、これは3業態共通ですが、これらの戦略を推進するために、当社グループの強みと捉えているものについてご説明します。

一つ目は、創業以来追求してきた「顧客生涯価値(LTV)を高め続ける経営」です。これはお客さまの満足度を向上させることで継続率の向上を図り、長期間にわたって運動を続けていただくことを目指したものです。

スライドのとおり、当社は毎期着実に退会率を下げ続けており、全国平均で現状は約2パーセント前後の水準まで退会率を引き下げることができています。

さらに、お客さまの満足度とロイヤルティを高めることで、運動面だけでなく、食生活についてもご相談に応じることにより、お客さまにより健康的な生活を送っていただきながら、当社としてはプロテインなどの物販の売上を引き上げていきます。

スライド右側のグラフは、プロテインなどの商品の定期契約数の推移を示しています、毎期着実に伸びていることがご確認いただけるかと思います。

このようにお客さまの満足度を高め、長く継続していただくことで顧客ロイヤルティを向上させ、当社の客単価を引き上げる経営が、当社の中心軸の一つとなっています。

当社グループの強み②

さらに、新しいお客さまを獲得するためのマーケティングについてです。結論として、2022年度から2025年度を比較すると、マーケティングを通じた入会数は25パーセント増加しました。一方で、1会員当たりの獲得コストは30パーセント削減され、つまり7割のコストで25パーセント増の新規顧客を獲得できる状態に改善を続けています。

これは単なる広告宣伝ではなく、トータルの総合力を基盤としたマーケティング力の向上に長年取り組み続けてきた結果です。

まず第1に、お客さまのロイヤルティを高めることで、「カーブス」の良い評判をお客さまの口コミを通じて地域に広げていただくことが中心となります。また、地域密着型のさまざまな健康イベントの実施や、先ほど申し上げた自治体や医療機関との連携により、「カーブス」のブランドイメージを向上させます。

これらの取り組みによって対象見込み客の好感度が向上し、信頼性が高まり、いわゆるマーケティング用語でいうプレファレンスを引き上げるということを継続して行っています。

特に中心となるのは、お客さまの満足度を高めることで得られる口コミ効果です。その上で、「カーブス」に好感を持っていただいたお客さまの興味関心を高めるため、集中的なテレビCMやコラボ施策を継続的に展開しています。だいたい年3回ほど、2ヶ月連続で集中的にテレビCMを打つというかたちです。

このテレビCMでは、当社は対象顧客を絞り込んでおり、50歳以上の女性をさらに年齢層ごとに3区分しています。我々は、それぞれのお客さまが、健康上どのような悩みを抱えており、運動を始めるに当たってどのようなハードルがあるのかを熟知しているため、お客さまの心を動かすテレビCMを打っています。

また、年数回、さまざまなコラボイベントも実施しています。例えば、現在の取り組みとして、8月から10月にかけてサンリオの「ハローキティ」を活用したコラボを展開しています。

フィットネスクラブが「キティちゃん」を使うとは何事かと思われる方もいるかもしれませんが、これも「どういうキャラクターを選び、そのキャラクターにどんな役割を与え、ブランドイメージを上げるために演じていただくか」について十分な研究を行った結果です。お客さまのことを深く理解しているからこそ、実現できる施策だと認識しています。

特に、この9月と10月に口コミ紹介により大きく数字が伸長している背景には、「ハローキティ」とのコラボによる「キティちゃん効果」が一つの要因として挙げられます。

これらに加え、年3回の魅力的な新規入会キャンペーンを展開しています。これは、直接的なWebマーケティングの広告宣伝や、店舗ごとに行う取り組みである地域密着型の販売促進活動も含みます。そして中心となるのは、会員さまからのご友人や知人の紹介となります。

これらの活動が連動し、チェーンの中で、種まきとしてスライド下段の2つの取り組みを着実に行いながら、しっかり入会員数を増大させるという一連の総合的なマーケティングが、我々の強みの2つ目です。

当社グループの強み③

3つ目の強みは、「使命感あふれる高い現場力」です。当社は人材ビジネスを営んでいるため、各店舗の一人ひとりのインストラクターがどのようなサービスをお客さまに提供するかが、商売の最も重要な鍵となっています。

また、当社はフランチャイズ展開を行っており、350社のフランチャイズ加盟店と強いエンゲージメントで結ばれていると考えています。「健康を広める」という使命感や理念を共有するとともに、顧客満足度を重視し、働く人を大切にする経営のスタイルを貫いています。

働く人の環境を改善し、待遇を向上させ、やりがいのある働きやすい環境を常に追求します。このような経営の価値観を共有した企業ネットワークが、我々のフランチャイズチェーンです。

毎年10月から11月にかけて、全フランチャイズ加盟店の経営幹部の方々を対象にアンケートを実施しています。昨年の結果をスライドに示していますが、「カーブス」事業に対する満足度では、99パーセントの方が「満足」と回答しました。また、フランチャイズ本部であるカーブスジャパン本部との関係性についても、92パーセント以上の方が「信頼できる」と回答しています。

このほかにも細かい項目についてアンケートを実施し、毎年その結果を見直しています。その上で、フランチャイズ加盟店の経営課題を解決し、お互いに成長するために、どのようなエンゲージメント向上の手を打つべきかという課題に対して、PDCAサイクルを回しながら取り組んできた結果です。

さらに、現場最前線の人材力についてです。使命感あふれる8,000名のカーブスコーチが活躍しています。先ほどお伝えしたとおり、働きやすい環境と高待遇での人材採用と定着に力を入れており、創業以来、全員正社員として採用しています。週休2日制を導入し、営業時間は19時までとなっており、遅くとも19時半には帰宅できる環境です。

したがって、女性のインストラクターが結婚や出産後も働き続けられ、将来にわたって安心して働ける環境を作り上げています。また、段階的に給与水準を引き上げており、さらに日曜・祝日が休みという点も、多くの方々にとって非常に働きやすい環境となっています。

その上で、体系的・実践的なOFF-JTやOJTの教育を持続的に行い、スキル向上を図っています。このようにして、プロフェッショナルとして活躍できる人材を育成しています。

さらに、この仕事自体がやりがいや成長実感を得やすい特性を持っています。毎年、8,000名のコーチ全員を対象に年1回アンケートを実施し、働きがいの状況を継続的に計測しています。

スライド下段の左側は、「お客様に役立ち、やりがいにあふれている」という項目の結果で、「大変そう思う、そう思う」と回答した方が84.1パーセントとなっています。これはさらに引き上げるべき課題です。右側は「仕事を通じて日々成長できていると感じる」という項目の結果で、「大変そう思う、そう思う」という回答が86.4パーセントというかたちになっており、比較的高い水準に達していると考えています。

これらは毎年、中長期的な人事施策の参考として、この結果を基にフランチャイズ加盟店と協議を行い、さまざまな対策を講じている状況です。

女性だけの30分健康フィットネス カーブス 労働生産性向上と人的資本投資

人材力をさらに高めるという点について、さらにお話ししたいと思います。先ほどご説明したとおり、これまで1店舗当たりの会員数と物販売上の増大を中心施策として進めてきました。

これらは、店舗の人材を増加させることなく実現しています。各店舗にはおおよそ3名から4名のインストラクターがいますが、増員することなく会員数を引き上げ、物販売上を向上させる仕組みとなっています。

これを可能にしているのは、業務を効率化するために行ったDX投資です。これらの投資はコロナ禍の期間を通じて進めてきました。

各店舗ではインストラクター1人につき1台のiPadを常備し、iPadを通じて、店内のお客さまの状況やお悩み、またそのお客さまがどの程度定着されているのかといった情報をすべて把握できるようになっています。それによって、一人ひとりのお客さまに対してきめ細やかなサポートが提供できるかたちになっています。また、事務的な作業をすべてシステム化しています。

さらに、労働生産性を向上させるため、オペレーションの改善も継続的に実施しています。これらの仕組みによって、売上を伸ばしながら労働時間の圧縮を実現しています。これらにより、1人当たりの付加価値である労働生産性が継続的に向上しています。

具体的な概算の数字ですが、現在の足元の状況をお伝えすると、関連業種、いわゆる接客サービス業の公的な平均値と比較して2倍から3倍程度、1人当たりの労働生産性が高く、すなわち1人当たりの稼ぎや付加価値額が多い状況にあります。

こうした状況を背景に、この数年間で人的資本投資をさらに強化してきました。第1に賃金アップをはじめとした待遇向上を計画的に進めてきました。同時に、働く環境の整備を進めるとともに、一人ひとりに合わせたきめ細かな教育をオンラインなどを通じて実施し、人材力を継続的に高めています。このように、優秀な人材に選ばれる職場を作り、その方々が活躍できる環境を整備しています。

これにより、働く人の満足度が向上し、それがさらなるサービス品質の向上と、お客さまの満足度向上につながっていきます。これを基盤として、1店舗当たりの会員数や物販売上が拡大するという好循環を生み出す経営を我々の重点分野として、継続的に取り組んでいます。

以上が、「カーブス」および全体に関する強みについてのお話です。

30分 予約不要 サポート付きジム メンズ・カーブス 出店加速・会員数増

続いて、新事業についてお話しします。まず、「メンズ・カーブス」についてです。「メンズ・カーブス」についてはこの進行期から出店を拡大し、5年後には最低180店舗、10年後には380店舗から500店舗規模にチェーンを展開したいと考えています。

また、会員数については10年後に20万人を超えることを目標としています。

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その背景として、既存店の業績が非常に好調に伸び続けています。スライド左側のグラフでは、2023年度と2025年度における1店舗当たりの会員数を比較しています。この2年間で、1店舗当たりの会員数が28.1パーセント増加しました。

また、スライド右側のグラフは、入会者の入会ルートの内訳を示しています。マーケティング経由での入会が全体の35パーセントを占めています。「紹介」という項目については、その90パーセントが「女性カーブス」の女性会員のご紹介である旦那さまやご家族です。これが27パーセントです。また、地域密着型の健康イベントからの入会は21パーセントとなっています。

2023年頃は、マーケティングからの入会が非常に少なく、女性メンバーさまからのご紹介や、地域密着の販売促進活動からの入会が大半を占めていました。しかし、この2年間でマーケティングを強化した結果、入会数が大きく伸びるかたちとなっています。また、マーケティングでご入会いただける方は、紹介でご入会いただける方とは客層が異なります。

「女性カーブス」のメンバーさまからのご紹介は、比較的年齢層が高く、60代から70代が中心です。一方で、マーケティングを通じてご入会いただいている方々は、団塊ジュニア世代の50代から60代前半に該当する方々が中心です。

そのため、顧客構成としては、マーケティングで50代、60代を確保しつつ、「女性カーブス」からの紹介などの地道な活動を通じてシニア層を増やすことができています。この結果、非常にバランスの良い、成長する業態となってきています。

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そのことにより、前期に出店した店舗の業績も非常に順調です。2年前に立ち上げた際のオープンから3ヶ月目の会員数と比較すると、24.8パーセント増加しています。

現在、「女性カーブス」と比較しても、初めの3ヶ月の立ち上げ数値が良好なかたちで約半年間推移しています。オープンから約3ヶ月で単月黒字化が達成できるというレベルまで、業態が強化されています。

来年以降は、「カーブス」を展開しているフランチャイズ加盟店に対し、自社の「女性カーブス」の展開エリア内で「メンズ・カーブス」を順次出店していただき、店舗網の拡大を進めていきます。

Pint-UP

最後に、「新ブランドX」と呼んでいました新ブランドについてです。「からだ動き回復センター ピント・アップ」という業態になります。店舗外観はスライドの画像のようなデザインです。

からだ動き回復センター ピント・アップ ブランド概要

どのような業態かと言うと、運動施設ではありますが、これまでにない新しい運動施設です。特に対象顧客を絞っており、50代以上のお客さまをメインに、腰、ひざ、肩、股関節などにお悩みを抱える方のための会員制運動施設となっています。

からだ動き回復センター ピント・アップ 出店加速

現在、37店舗まで展開しており、非常に好調な推移をたどっています。来期はさらに35店舗から40店舗を出店し、5年後には380店舗から400店舗、10年後には700店舗から800店舗まで拡大することを目指しています。今期からは出店をさらに加速していくステージに入ったと捉えています。

有望な市場・オンリーワン

この業態のマーケットについてですが、腰・ひざ・肩などに悩みを持つ人口は、全国で約4,000万人いるという統計データが示されています。

「ピント・アップ」は、「カーブス」の20年の経験と6年間の開発期間を経て生み出された、これまで世の中に存在しなかった新しい事業です。「カーブス」とはまったく異なるマーケットに位置しており、「カーブス」にすらなかなか来られなかった、関節にさまざまなお悩みを持っている方々に来ていただけるサービスとなっています。

女性向けの「カーブス」と「メンズ・カーブス」、そして「ピント・アップ」は、それぞれまったく異なるマーケットでビジネス展開が可能であり、互いに補完関係を持ちながら成長していける業態です。

ブランドの特徴

ブランドの特徴としては、独自の運動プログラムを自社で開発しており、「からだ動きコンディショニング」というコンディショニングトレーニングのノウハウを活用しています。

これらの運動を安全かつ効果的に行っていただくため、オリジナルの運動器具を開発し、お客さまやインストラクターをサポートするための最新のDX技術を導入しています。また、専門インストラクターによる運動指導を通じて、お客さまの満足度を向上させています。

ブランドの特徴 ~独自の運動プログラム 「からだ動きコンディショニング・プログラム」

関節のお悩みの原因となる姿勢・動きの悪いくせを解消するために、6年をかけて試行錯誤を重ね、運動プログラムを作り上げました。これが、我々の独自の運動プログラムであり、「からだ動きコンディショニング・プログラム」と名付けたものです。関節の悩みの原因となる姿勢や動きの悪いクセを整える運動プログラムです。

このプログラムは3つの要素で構成されています。1つ目は筋肉の柔軟性を高める運動、2つ目は腹筋をはじめとする体幹の安定性を高める運動、そして3つ目は脳と体を連動させ、脳からの指令どおりに体が動くようにする動きの訓練の運動です。これら3つの要素を組み合わせたプログラムです。

専門インストラクターによる指導・サポート

また、「カーブス」「メンズ・カーブス」と同様に、インストラクターのサポートは非常に重要な鍵であるため、丁寧な運動指導を行い、お客さまのお悩みに寄り添ったサポートができるよう、人材育成を強化しています。

効果エビデンス取得の共同研究

「この運動にどういう効果があるのか」という医学的エビデンスの取得についても、現在、埼玉医科大学、東京都健康長寿医療センター、伊奈病院とカーブスで共同研究を進めています。

この共同研究の名称は「身体の痛みと動きを改善する運動プログラムの効果検証 ―無作為化比較対照試験による検討―」といい、科学的に最も厳密と言われる無作為化比較対照試験によるエビデンス取得を現在進めています。

ここまで、3業態それぞれの成長戦略についてお話ししました。

予防による健康イノベーション

最後に、私たちの戦略の基盤となる考え方について、あらためてお話ししたいと思います。ご存じのとおり、日本では高齢化が進展しています。しかし、日本ほどではないものの、ヨーロッパの重点地域であるイングランドやスペイン、イタリアといった地域でも高齢化が進んでいます。

高齢化率が上昇すると、大きな問題となるのは健康寿命と平均寿命の差です。現在、女性では健康寿命と平均寿命の差が約12年あり、不健康な状態や介護が必要な状態で過ごす期間が約12年もあるということです。また、老後の不安の第1位は健康維持であり、この点についてはスライドの数字をご覧ください。

さらに、このような状況下で医療と介護の分野は、高齢化によって対象顧客が増えるため、需要が増大しています。

ところが、供給力という側面から見ると、医療産業や介護産業において十分な供給力が確保されておらず、また低収益性に苦しんでいるのが実態だと思います。

こうした分野には大きなイノベーションの機会が眠っていると捉え、私たちはまさに、スライドにある「予防による健康イノベーション」を推進していきたいと考えています。

予防に基づくイノベーションによって事業を成功させると同時に、ビジネスを通じて社会課題を解決する存在へと成長していきたいと思っています。

「Exercise is Medicine」という標語は、現在アメリカのスポーツ医学界や医学界でも推進されており、要するに運動は薬であり治療である、という考え方です。そのため、先ほどご説明したさまざまなエビデンスに基づき、「カーブス」や「メンズ・カーブス」、さらに先ほどの新業態「ピント・アップ」においても、医学的・科学的にきちんとした効果のある運動を推進していきます。

これらの運動によって、Well-beingの向上や生活の質の向上、さらには医療費や介護費の適正化が期待されます。また、その結果として将来への不安の軽減や労働参加率の向上にもつながると考えています。

特に「メンズ・カーブス」を展開する中で、仕事に復帰できたというメンバーさまも多数いらっしゃり、元気を取り戻し、もう一度働こうという意欲が湧いたという声が非常に多く聞かれています。このことが、ひいては消費が活性化し、日本経済の活性化にもつながると考えています。

このように、「予防による健康イノベーションを広めることで、日本社会の課題解決に貢献できる存在でありたい」という思いが、我々のビジョンの中心にあります。

高いキャッシュ創造力を背景とした株主還元

最後に株主還元についてですが、スライドに記載のとおり、オンリーワンの業態、強固な顧客基盤、フランチャイズ展開による高いキャッシュ創造力を活用し、フリーキャッシュ・フローの年平均成長率10パーセント以上を堅持するとともに、目標連結配当性向50パーセントを目指して、今後も経営を進めていきます。

私からのプレゼンテーションは以上です。ご清聴ありがとうございました。

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