タウンニュース社、基本ビジョンを推進し各事業分野での取り組みを展開 次年度は過去最高売上の更新を目指す
目次
宇山知成氏:みなさま、こんにちは。株式会社タウンニュース社にご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。代表取締役会長兼社長の宇山です。
本日は弊社の会社概要および第45期決算状況をご説明します。ご説明は、会社概要および事業紹介、45期決算概要の順に進めていきます。
ご挨拶
まずは会社概要から、ご説明します。
当社は、創業以来「1つの街に1つの新聞を」というコンセプトのもと、地域新聞『タウンニュース』の発行を主な事業として取り組んできました。
今後はこの事業を基幹としつつ、地域における情報ネットワークをはじめとするリソースを活かした多様な事業を展開していきます。目指すは「地域の総合情報企業」です。
会社概要
次に会社概要と沿革をご説明します。タウンニュース社は1980年に設立し、現在46年目の年度に入りました。2006年に東証ジャスダック市場に上場しました。
主要事業である地域情報紙『タウンニュース』の発行に加えて、デジタル情報サービス、各種印刷・出版物の制作、各種プロモーション事業、地域プロデュース事業、そして公民連携事業として行政の持つ施設の管理委託業務など地域を軸とした幅広い事業を手掛けています。
経営理念
当社の経営理念はこちらにあるとおりです。地域新聞社として報道を通して社会貢献を図ることと、生活情報紙としての広告を通して地域や企業の発展に寄与することを社会的な役割として掲げ、日々活動しています。
タウンニュースの発行
それでは次に当社事業の詳細をご紹介します。
まずは、主要事業である『タウンニュース』の発行です。『タウンニュース』は行政区単位に細分化された地域密着型の無料紙です。
フリーペーパーでありながら、身近なニュースを生活情報とともにお届けする「地域の新聞」を標榜しています。単に広告やイベント情報のみを掲載する「情報誌」とは明らかに異なり、全国紙や全県紙などでは取り上げることがない生活者が必要とする情報を丁寧に取材し、記事にしています。
性別を問わず幅広い年代に読まれていることが大きな特長で、家庭内で回読されることが多く、掲載された情報はしばしば各界、各方面で話題となっています。取り扱うネタは最新のニュースはもとより、地域の歴史、政治、経済、教育、文化、スポーツと扱うネタは幅広く、地域の方にその地域のあらゆる情報をお届けしています。
広告・プロモーション
タウンニュース紙面への広告出稿は地元の中堅中小企業、街の商店や個人事業主、さらには行政や諸団体など幅広い範囲に及んでいます。地域の事業者にとっての主要顧客は言うまでもなく地元住民です。地域住民を基本読者とするタウンニュースは、そうした事業者のニーズに応える最適メディアです。入念な取材に基づく店舗・会社紹介、商品PR、イベント告知、求人、行政の施策紹介などを掲載していただいています。
また、広告代理店を通じて大手企業などへもアプローチをしています。
地元事業者に対しては主にそれぞれの編集室が、広告代理店には専門部署が営業活動を行っています。
広告・プロモーション
地域との関係性の強いタウンニュースは、紙面広告以外の多様な広告・プロモーションニーズにもお応えし、確かな実績をあげています。
紙面製作で培った取材力、編集力を活かした自費出版物、記念誌制作をはじめ、複数の自治体の広報媒体の企画・編集などにも長年携わっています。また、近年では動画制作や各種販促グッズの企画・制作・販売も数多く手がけています。
デジタル関連事業
また、当社では時代の変化に対応し、デジタルメディアでの地域情報発信に力を入れています。
「Web版タウンニュース」や「メール版タウンニュース」「タウンニュース for LINE」のほか、「SmartNews」をはじめとするキュレーションサイト、SNSへのニュース配信など、紙面とは異なる読者層へも拡大を図っています。
デジタル関連事業
さらに、スピンオフサイトとして、イベントやお出かけスポットを紹介するご近所情報サイト「RareA(レアリア)」や神奈川県全域と東京多摩地域の全政治家を紹介する「政治の村」、その姉妹サイト「政治の村Students」なども手がけ、幅広い層に異なる切り口で情報発信を行っています。
自社サイトで得た知見を活かし、ホームページ製作なども手がけています。
地域プロデュース・PPP(公民連携)事業
地域との距離の近い当社では地域の活性化や街づくりイベント、各種講演会、お祭り、コンサルタント事業などの企画、運営にも積極的に関与し貢献を果たしています。
その一環として、行政機関の施設運営管理業務を担うなど、新たな分野へも事業を拡大、強化し、「秦野市文化会館」「茅ヶ崎公園体験学習センター(愛称:うみかぜテラス)」に続く3弾目として、「小田原市民ホール(愛称:小田原三の丸ホール)」の指定管理業務を受託し開始しています。
決算概要
それでは次に、直近の当社第45期の決算内容をご説明します。
経営環境としては、物価高の長期化と人手不足、紙媒体市場の縮小傾向に加えて、紙面原材料費やエネルギーコストの高止まり等も重なっている状況下ではあります。そのような状況下においても、当社は地域の幅広い業種・職種のみなさまに支えられ、事業活動を継続してきました。しかしながら、売上・利益ともに44期に届かない結果となりました。
当期の概要
具体的にご説明します。
当社は2024年度から新たな中期経営計画を始動し、その基本ビジョンである「『地域情報紙を発行する会社』から『地域情報紙も発行する総合情報企業』へ」をより一層推進すべく、各事業分野での取り組みを展開してきました。
コア事業である紙面発行事業では、地域ニュースや生活に密着した話題を提供するだけでなく、地域課題解決に向けたアプローチや「SDGs」「介護」「防災」等のテーマを取り上げた全版一斉企画や「こどもタウンニュース」の定期発行を通じて、読者やクライアントのニーズを意識した紙面づくりを継続し、他メディアとの差別化を図ってきました。
また、人口・世帯数動態や生活圏の変化を踏まえた発行版の再編や発行部数の見直しを適宜行い、効率的かつ効果的な情報発信体制の整備を進めました。
デジタル事業においては、「Web版タウンニュース」や「タウンニュース for LINE」による情報発信の拡充を続けるとともに、メール版の強化やSNSとの連動により、新聞購読者以外の地域住民にもリーチできる体制を整備しました。
さらにスピンオフサイト「RareA(レアリア)」や「政治の村」等を通じて地域情報の発信力を強化し、記者レポート記事やデジタル広告商品を拡充するなど、デジタル領域における収益機会の確保に努めました。
非紙面事業においては、記念誌や販促グッズ制作、動画やWebサイト制作などの受注に加え、イベント企画・運営や地域防災関連商品の開発・販売など、地域の多様なニーズに対応した幅広い事業を推進しました。
PPP(公民連携)事業では、自治体が実施する各種プロポーザルへの参加を継続し、既存案件の運営を着実に進めるとともに、新規案件の獲得に向けた取り組みを行いました。当社3件目となる「小田原市民ホール(愛称:三の丸ホール)の指定管理業務を受託し、本年4月より開始しました。
こうした各種施策を進めてきた結果、指定管理事業の新規受託をはじめとするPPP(公民連携)関連事業やプロポーザル案件、デジタル事業などの非紙面売上が堅調だった一方、秦野市文化会館の通年休館に伴う収入減や紙面広告の出稿が鈍化傾向だったこと、また、「地域情報紙も発行する総合情報企業へ」の構造改革に想定以上の時間を要したことなどにより、売上高は前年実績を下回りました。
利益面においても、売上の減少に加え売上原価および諸経費の削減に努めたものの、従業員の処遇改善を目的とした賃金上昇に伴い人件費が増加したことなどを要因として、営業利益・経常利益・当期純利益のいずれも前事業年度を下回る結果となりました。
中期経営計画進捗状況
また、2024年12月に2024年度を初年度とする第2次「中期経営計画45期(2024年度)~47期(2026年度)」を策定・公表しています。初年度(45期)の各種目標(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率)はいずれも未達となりました。
当期の概要
以上、総合しますと、当事業年度の業績は、売上高36億7,700万円(前年同期比1.6パーセント減)、営業利益4億6,200万円(前年同期比19.8パーセント減)、経常利益5億8,700万円(前年同期比14.4パーセント減)、当期純利益3億8,900万円(前年同期比21.0パーセント減)となりました。
損益計算書の概要
損益計算書の概要をご説明します。
売上高は非紙面事業の堅調な伸長にもかかわらず、紙面広告の出稿減や一部構造改革に伴う収益減により前事業年度を下回りました。利益面については、売上原価・諸経費の抑制に努めたものの、従業員の処遇改善に伴う人件費の増加などにより、営業利益、経常利益、当期純利益ともに前事業年度を下回る結果となりました。
貸借対照表・キャッシュフロー計算書の概要
次に貸借対照表の概要です。
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ3億5,100万円増加し、57億9,200万円(前年同期比6.5パーセント増)となりました。これは主に、現金及び預金が3億5,100万円、投資有価証券が8,000万円、ソフトウェア仮勘定が3,700万円、長期預金が1,200万円増加したこと等によるものです。
負債合計については、前事業年度末に比べ4,300万円増加し、6億8,300万円(前年同期比6.8パーセント増)となりました。これは主に、未払費用が30万円、未払法人税等が1,900万円減少したものの、未払消費税が4,300万円増加したこと等によるものです。
純資産合計については、前事業年度末に比べ3億700万円増加し、51億800万円(前年同期比6.4パーセント増)となりました。これは主に、利益剰余金が2億8,400万円、その他有価証券評価差額金が2,300万円増加したこと等によるものです。
次にキャッシュフロー計算書の概要についてご説明します。当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前事業年度末に比べ5億3,100万円増加し、12億2,200万円となりました。当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動によって得られた資金は、40億円(前年同期比2,800万円減)となりました。これは主に、税引前当期純利益(5億7,700万円)、減価償却費(4,600万円)、その他流動負債の増加(4,500万円)等の増加要因が、投資有価証券売却益(4,600万円)、受取利息及び受取配当金(4,400万円)、不動産賃貸料(2,800万円)等の減少要因を上回ったことによるものです。
投資活動によって得られた資金は、2億3,500万円(前年同期は3億6,100万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(4億3,900万円)、投資有価証券の取得による支出(2億1,900万円)、有価証券の取得による支出(1億円)等の要因を、定期預金の払戻による収入(6億600万円)、有価証券の償還による収入(2億円)、投資有価証券の償還による収入(1億円)等の要因が上回ったことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、1億400万円(前年同期比1,100万円増)となりました。これは主に、配当金の支払額(1億400万円)です。
次年度(46期)の見通し
それでは、最後に次年度46期の見通しについてご説明します。
46期については、中期経営計画の2期目として、「『地域情報紙を発行する会社』から『地域情報紙も発行する総合情報企業』へ」の基本ビジョンをさらに推し進め、45期で積み上げた成果を土台に過去最高売上の更新を目指し、弊社創業50年にあたる2030年に向けた確固たる基盤固めを強力に進めていきます。
次年度(46期)の見通し
具体的な取り組みについて、3大事業戦略に沿ってご説明します。
紙面関連事業においては、厳しい環境ではありますが、引き続き既存発行地区版の深化をより一層進め、顧客との接点確保を維持して、超地域密着の強みを活かした比類ない紙面づくりにより競合他紙との差別化を図っていきます。
デジタル事業については、この事業を成長ドライバーとして位置づけ、引き続き「Web版タウンニュース」「政治の村」「RareA(レアリア)」などオウンドメディアの広告販売強化をはじめ「メール版タウンニュース」および「タウンニュースfor LINE 」の読者拡大、キュレーションサイトなど、デジタル分野における記事配信事業の強化などを推進していきます。また需要が増加しているホームページ制作や部分リニューアル、動画制作、リスティング広告、SNS広告など、さまざまなWeb需要に応える体制を整え、販売を強化していきます。
さらに、非紙面事業においては、プロモーション事業部門がその中心的な役割を担い、Webを活用したハイブリッドなイベント・セミナーの企画運営や自治体のクロスメディアプロモーションの受注、指定管理事業をはじめとするPPP(公民連携)事業の一層の推進など、官民問わず、当社が保有するリソースをビジネスに繋げるべく、紙面以外の地域の広告需要の総合的取り込みに一層注力していきます。
これら施策の推進により、持続的な成長を見込んでいます。次期の業績見通しは、売上高41億1,700万円、営業利益5億2,000万円、経常利益5億5,100万円、当期純利益3億5,800万円を計画しています。
以上、当社の次年度に向けた方針と具体的な戦略をご説明しました。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。今後ともタウンニュース社に対するご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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