2025年12月期 第2四半期 決算発表サマリー
佐藤健太郎氏:社長の佐藤です。本日はお忙しい中、説明会へご参加いただきありがとうございます。GMOペパボ2025年12月期第2四半期決算説明会を始めます。
第2四半期の決算サマリーです。7月22日に開示したとおり、金融支援事業の「FREENANCE」を運営するGMOクリエイターズネットワーク株式会社の株式譲渡を決定しました。譲渡価格は概算で11億円です。
GMOクリエイターズネットワーク株式会社は、フリーランス・個人事業主向けのサービス「FREENANCE」を提供しています。このたび、事業ポートフォリオの見直しと最適化を進める中で、既存のストック型ビジネスと新サービスへ経営資源を集中し、価値の再構築を図るべく株式譲渡を決定しました。
金融支援事業以外の既存事業は、「ロリポップ!」や「カラーミーショップ」をはじめとした、ストック型ビジネスが価格改定やプラン集約の効果を受けて堅調に推移しています。
法人向けの新サービスも積極的に展開しており、「ムームードメイン」のサービスラインナップ拡充のほか、新たに提供を開始した「ロリポップ!固定IPアクセス」や「GMO即レスAI」などの契約獲得を図り、顧客単価上昇を目指します。
また、GMOインターネットグループでは、M&Aのことを仲間づくりと呼んでいますが、手元資金を活用した30億円規模の仲間づくりに着手することで、中長期の事業成長を目指していきます。
AGENDA
本日のアジェンダです。第2四半期の決算概況をご説明ののち、中長期の事業成長についてご説明します。
資料後半には会社概要やサービスのご説明も掲載していますので、お時間のある際にご覧ください。
2025年12月期 第2四半期 連結業績
2025年12月期第2四半期の決算概況です。2025年12月期第2四半期の売上高は前年同期比103.2パーセントの55億3,900万円、営業利益は前年同期比120.3パーセントの5億9,700万円となりました。
経常利益以下はご覧のとおりです。
連結業績推移(四半期ごと)
四半期の売上高、営業利益の推移です。売上高はストック型ビジネスの堅調な推移を受け前年同期比で増収となりました。営業利益は前年同期比で横ばいとなりました。
売上高 (ストック型ビジネス)
業績を牽引するストック型ビジネスの四半期売上高です。ドメイン・レンタルサーバー事業の主要サービスと「カラーミーショップ」を合算したストック型ビジネスの売上高は順調に積み上がっています。
第2四半期のストック型ビジネスの売上高は18.4億円となり、前年同期を上回りました。
営業利益の増減分析(第2四半期)
営業利益の増減分析です。売上高が前年同期比で増加した結果、営業利益は増益となりました。
2025年12月期 第2四半期 セグメント別業績
セグメント別売上高と営業利益です。ドメイン・レンタルサーバー事業は、「ムームーサーバー」の契約件数が積み上がり増収となりましたが、法人向けの新サービスへ投資していることから減益となりました。
EC支援事業では、「カラーミーショップ」の上位プランへの移行が進み、増収増益となりました。
ハンドメイド事業は、流通額の減少を受け売上高は減少しましたが、コストコントロールにより増益となりました。
金融支援事業は、手数料率の高い個別取引の請求書買取額が増加したほか、債権回収が堅調に推移し、増収増益となりました。
ドメイン・レンタルサーバー(ホスティング)事業
続いて、セグメント別にご説明します。ドメイン・レンタルサーバー事業の売上高は前年同期比101.9パーセントの30億9,800万円、営業利益は前年同期比96パーセントの9億7,100万円となりました。
「ロリポップ!」の価格改定効果や「ムームーサーバー」の契約件数の積み上げにより増収となった一方で、法人向けのプロダクトへの投資により減益となりました。
ドメイン・レンタルサーバー(ホスティング)事業 KPI推移、ストック型売上
ドメイン・レンタルサーバー事業のKPI推移です。ドメイン・レンタルサーバー事業では、「ロリポップ!」「ムームードメイン」によるストック型収益に加え、新サービスの収益が上乗せされています。
「ムームーサーバー」と「ロリポップ! for Gamers」に加え、「ロリポップ!固定IPアクセス」の売上が若干ですが計上されました。引き続きストック型収益の積み上げを目指します。
顧客単価は「ロリポップ!」「ムームードメイン」ともに前年同期比で増加しました。
EC支援事業
EC支援事業の売上高は前年同期比103.5パーセントの14億8,300万円、営業利益は前年同期比132.6パーセントの4億5,800万円となりました。
「カラーミーショップ」は昨年9月末に「エコノミープラン」と「スモールプラン」の低価格プランを廃止し、「レギュラープラン」以上へのプラン集約を順次進めています。そのため上位プランへの移行が進んだことから、前年同期比で増収増益となりました。
「SUZURI」は生産体制の改善により出荷までの日数が短縮され、期ズレ影響が解消されたほか、企業案件が計上され増収となりました。
EC支援事業 KPI推移(カラーミーショップ)
「カラーミーショップ」のKPI推移です。「カラーミーショップ」の流通額は、前年同期比で横ばいの499億円となりました。1店舗あたりの四半期流通額と有料店舗の顧客単価は、引き続き増加傾向が継続しています。
「カラーミーショップ」では、引き続き「プレミアムプラン」の新規契約獲得と法人向けの機能強化を行いストック収益の増加を目指します。
EC支援事業 KPI推移(SUZURI)
オリジナルグッズ作成・販売サービスの「SUZURI」では、流通額が横ばいとなったものの広告運用の効率化に加え、AI活用で不正画像の検知業務やカスタマーサービスのコストが減少し、利益率の改善が進んでいることから第2四半期の営業利益は黒字化しました。
ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の「minne」です。売上高は前年同期比98.9パーセントの6億7,600万円、営業利益は前年同期比198.2パーセントの6,200万円となりました。
サイト内のクリック課金型広告や月額プランが伸び増収となったことに加え、利益率が改善し、前年同期比で増益となりました。
ハンドメイド事業
「minne」の流通額は前年同期比で減少しましたが、引き続き月額プランのストック型収益の積み上げを目指します。
また、7月には、「minne」の作家さま向け支援を強化するため「応援機能」を提供開始しました。ユーザーさまがショップページで広告を閲覧すると、作家さまの作品掲載に使える広告費がチャージされる仕組みで、作家さまを支援することができます。
金融支援事業
金融支援事業の売上高は前年同期比133.0パーセントの2億7,200万円、営業利益は7,500万円の黒字となりました。
売上高は、手数料率の高い個別取引での請求書買取額が増加したことから増収となりました。営業利益は売上高の増加に加え、債権回収が堅調に推移し黒字転換となりました。
金融支援事業
金融支援事業のKPIです。請求書買取額は前年同期比で横ばいとなりましたが、先ほどお伝えしたとおり、個別取引の割合が高まっています。
貸倒関連費用による営業利益への影響は、債権回収が堅調に推移し増加しました。
セグメントのご説明は以上となります。
2025年~2027年の連結売上高/営業利益目標
続いて、中長期の事業成長と仲間づくりをご説明します。
今年2月の本決算で2025年から2027年までの中長期の方針を発表しました。2025年から2027年の年平均成長率は、売上高で5パーセント、営業利益で15パーセントを目指しており、2027年12月期には、売上高126億円、営業利益12.6億円を目標に掲げています。
事業の選択と集中
これら中長期目標を達成するため事業の選択と集中を進めています。既存のストック型ビジネスは、さらなる収益性の拡大を目指し、法人向けのサービス提供を行うことで高単価プランの契約を獲得し、ストック収益基盤の強化を図ります。
また、ストック収益を新たに獲得するため、新サービスの提供も積極的に進めるほか、仲間づくりにも着手します。
そのような中で、金融支援事業は、よりサービスが成長できる可能性や事業シナジーがある企業さまへ株式譲渡を決定しました。
ストック収益基盤の強化・事業領域の拡大
今後も安定的かつ確実な事業成長を実現するため、ストック型ビジネスを中長期的に育てていきたいと考えており、既存サービスだけでなく、新サービスや仲間づくりを通じストック比率を高めていきます。
環境の変化に適応
当社を取り巻く事業環境に適応するため、これまでの低単価で件数を獲得するモデルから、高単価で付加価値のあるサービスを提供するモデルへと転換を進めています。
ユーザーのみなさまが求めるものも変化しており、これまで求められていたのは汎用的な機能と手頃な価格でしたが、高機能で特定用途に特化したサービスが必要とされています。
このような環境変化に適応し、個人から法人へとターゲット層を広げていくためのプロダクトを提供していきたいと考えています。
ストック型ビジネスの新サービス「ロリポップ!固定IPアクセス」
2025年3月25日にリリースした、法人向けの新たなプロダクト「ロリポップ!固定IPアクセス」では、法人顧客をターゲットとした契約獲得に注力しており、企業さまに複数のライセンスをご契約いただくことで、顧客単価の上昇を目指します。
国内VPN市場は、市場も成長しており、今後の事業展開に大きなチャンスがある成長領域と考えているほか、IPアドレスに対し複数のライセンスを提供することができるので、複数人でもご利用いただくことができ、法人さまでの利用にも適しています。
すでに企業さまのご利用も開始していますので、中長期的に新たなストック型収益へつながるよう新規契約獲得を目指します。
ムームードメインのサービスラインナップ拡充
「ムームードメイン」ではサービスラインナップの拡充に取り組んでおり、2025年2月より、「Google Workspace」の販売パートナーとしてサービスの提供を開始しました。「Google Workspace」の導入と同時に独自ドメインの取得が必須となることから、「ムームードメイン」で契約をいただくことで、新規ドメインの獲得を図ります。
法人向けのソリューション提案の幅が広がるほか、自社商材も合わせた提案を行うことで顧客単価上昇につながると考えています。また、第3四半期以降には拡販に向けた新たな取り組みを開始する予定です。
「GMO即レスAI」の新しいサービス
昨年ローンチした「GMO即レスAI」では、法人向けにDify導入支援サービス「AIエージェント」の提供を開始しました。社外からの問い合わせ対応支援に加えて、AIによる業務効率化や生産性向上を支援します。
今後も、企業ニーズに合わせたカスタマイズを行い、新規契約を獲得することで、事業成長を目指します。
株式譲渡の実施 (2025/9/1予定)
また、7月22日に発表のとおり金融支援事業の「FREENANCE」を運営するGMOクリエイターズネットワーク株式会社の株式をフリー株式会社さまに譲渡することを決定しました。株式譲渡日は9月1日を予定しています。
今後の仲間づくり(M&A)方針
加えて、現状の手元資金を活用し30億円規模の仲間づくりに着手します。ストック型ビジネスかつ既存事業とのシナジーがあり、今後の事業成長が実現できるような企業さまとの仲間づくりを目指します。
株主還元について
最後になりますが、株主還元についてです。当社の株主還元は配当性向65パーセント以上を掲げています。
GMOクリエイターズネットワーク株式会社の株式譲渡に伴う業績影響については現在精査中です。今後、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示します。
株主優待については、本日発表したとおり、GMOクリック証券における当社株式の買付代金の0.03パーセントに相当するビットコインをGMOコインの暗号資産口座に付与することとしました。
今後も、自己株取得や配当による株主さまへの還元を行っていきます。
GMOペパボ
第2四半期累計期間での業績は期初予想に対して順調に進捗しています。今後もストック型ビジネスと新サービスに経営資源を集中し、安定的な収益基盤の獲得と事業成長につなげていきます。
私からのご説明は以上です。ありがとうございました。