【QAあり】サイバーリンクス、上期として過去最高業績を更新 自治体DXの流れを背景に官公庁クラウド事業が好調に推移
0.事業概要
東直樹氏:サイバーリンクス代表取締役社長の東です。2025年12月期第2四半期の決算概要についてご説明します。まず、当社の事業概要についてお話しします。
現在、当社は4つの事業を展開しています。1つ目は流通クラウド事業で、食品流通業界に特化したクラウドサービスを提供しており、主な顧客は食品スーパーや食品卸売業です。この事業は、今後さらなる成長加速の段階を迎えています。
2つ目は官公庁クラウド事業で、地方自治体向けにDXソリューションを提供しています。自治体がデジタル技術を活用して効率的に住民サービスを提供できるようサポートしています。
3つ目はトラスト事業です。2021年にスタートした新しい事業で、マイナンバーカードを基盤としたトラストサービスと、電子証明書を発行するサービスを提供しています。現在、主力の電子証明書発行サービスは紙の証明書を電子化するものであり、ブロックチェーン技術を活用することで高度な信頼性を確保している点が特徴です。
4つ目はモバイルネットワーク事業です。和歌山県内でドコモショップを運営しています。県内の販売シェアは約50パーセントでトップシェアを誇ります。
円グラフは前期の売上構成比を示しており、ご覧のとおりの構成です。
1.エグゼクティブサマリ 2025年12月期 第2四半期
エグゼクティブサマリです。第2四半期の実績は、売上高88億円、定常収入42億円、経常利益9.9億円となり、いずれも上期として過去最高の業績を達成しました。
流通クラウド事業における各種サービスの拡大や、官公庁クラウド事業における各種案件の進行などが寄与しています。
1.エグゼクティブサマリ 2025年12月期 第2四半期
スライドのグラフは、2022年以降の四半期累計の業績推移を示しています。左側の売上高は継続的に増収を続けており、通期も過去最高となる見通しです。
スライドの右側、経常利益については、M&Aに伴う費用や開発人員の増強などによるコスト増加を吸収し、通期で過去最高を更新したいと考えています。
2.2025年12月期 第2四半期連結決算と通期見通し 経常利益増減要因
2025年12月期第2四半期の業績と通期見通しについてご説明します。まず、経常利益の増減要因についてです。前期経常利益は5.7億円に対し、流通クラウド事業では各種サービスの提供拡大や前期に取り組んだ料金改定の効果などにより売上が増加しました。
一方で、人員増強や給与水準の引き上げなどによる労務費や人件費の増加、「@rmsV6」という大規模スーパー向けサービスの開発に関わるソフトウェア償却費の増加により、やや減益となりました。
官公庁クラウド事業は、自治体DXの流れを背景に、自治体基幹業務システムの標準化関連案件や文書管理システムの提供拡大、防災行政無線工事案件などが寄与し、大幅に増益となりました。
トラスト事業は営業体制強化に伴う費用増加の影響でやや減益となり、モバイルネットワーク事業ではインセンティブ収入の増加により、増益となりました。
全社費用については、業務効率化を目的として基幹システムを刷新したことに伴うコスト増が発生しました。これらの結果、今期の経常利益は9.9億円となりました。
2.2025年12月期 第2四半期連結決算と通期見通し 流通クラウド事業<ARR>
ここからはセグメントごとの振り返りです。まず、流通クラウド事業のARRについてです。サービスの普及拡大に加え、昨年10月からサービス料金の改定を進めたことにより、前年同期比で大きく増加しています。
2.2025年12月期 第2四半期連結決算と通期見通し 流通クラウド事業
続いて、流通クラウド事業の実績と通期見通しについてです。実績は増収である一方、やや減益となりました。主なトピックスとして、中大規模スーパー向け基幹業務システム「@rmsV6」について、第2四半期中に新たに1社が稼働を開始しました。
また、食品卸売業向けの「クラウドEDI-Platform」については、他社サービスと併用されていた既存の大手顧客が当社サービスへ完全移行を完了し、シェア拡大が進みました。
さらに、生鮮EDIシステム「せんどねっとV2」については、足元で需要が活発になっており、豊富な導入実績を持つ当社への引き合いが増加しています。これにより、複数の新規受注を獲得しました。
通期見通しについてですが、上期の利益計画に対する進捗率が83.4パーセントとやや出遅れていますが、下期には「@rmsV6」や「せんどねっとV2」などの受注済み案件を着実に遂行するとともに、新規受注獲得に向けた営業活動にも注力していきます。
また、「C2Platform」という食品流通のサプライチェーン全体を網羅する商談プラットフォームについては、大手スーパーであるライフコーポレーションさまでの利用拡大が進む見込みです。さらに、卸業界団体である日本加工食品卸協会さまと協力し、卸売業やメーカーへの普及を進めていきます。
2.2025年12月期 第2四半期連結決算と通期見通し 官公庁クラウド事業
次に、官公庁クラウド事業についてです。実績としては、自治体DXを背景に増収増益となりました。具体的には、政府が進めている自治体基幹業務システムの統一標準化関連の案件や、需要が旺盛な文書管理システムの提供拡大、自治体の防災行政無線工事案件など、複数の分野で好調な結果となりました。
また、文書管理システム「ActiveCity」については、東京都大田区や千葉県船橋市などといった大型の受注がありました。また、自治体向けのオンライン窓口サービス「みんなの窓口」が奈良県奈良市で稼働するなど、DX関連で大きな動きが見られています。通期見通しについても、これらDX関連の案件を着実に遂行し、大幅な増収増益を実現したいと考えています。
2.2025年12月期 第2四半期連結決算と通期見通し トラスト事業
続いて、トラスト事業についてです。実績は、デジタル証明書発行サービス「CloudCerts」の提供拡大により増収となりました。
一方で、営業体制の強化に伴う費用増加などにより、やや減益となりました。受注はまだ思い描くような順調な状況には至っていないのが正直なところですが、4月に出展した展示会「Japan DX Week」では、過去最高のリード顧客数を獲得しました。潜在顧客の開拓を着実に進めています。
通期見通しについては、潜在顧客との継続的な接触により、着実な案件化と大型案件の受注を目指します。また、官公庁クラウド事業と連携した自治体での利用シーンの研究にも着手しており、新たな市場の開拓にも取り組みます。
2.2025年12月期 第2四半期連結決算と通期見通し モバイルネットワーク事業
モバイルネットワーク事業についてです。実績としては、インセンティブ収入が増加し、増収増益となりました。端末販売の売上は減少しましたが、キャリアが設定する指標の達成に注力した結果、インセンティブ収入が増加しました。この結果、利益率が大きく改善し、上期時点で通期の業績見通しを上回る数値となっています。
新たな取り組みとして、店舗接客のオンライン化を試験導入しました。これに加え、店舗間の人員配置を柔軟化することで店舗運営の効率化を進めています。
通期の見通しについては、対応品質の維持・向上を通じて顧客ロイヤルティの向上を図るとともに、2026年3月末に予定されている3G回線停波に伴う端末買い替え需要に対応していきます。また、店舗接客のオンライン化定着など、店舗運営の効率化を推進します。
2.2025年12月期 第2四半期連結決算と通期見通し 2025年12月期 四半期推移
今期の四半期ごとの利益推移について、グラフで説明します。グレーは前期の実績、赤の点線は今期の計画、赤の実線は今期の実績を示しています。今期第2四半期は、第1四半期に続いて期初計画を上回り、順調に推移しています。
通期は、計画どおりに中期経営計画を達成し、過去最高益を更新する見込みです。
3.サステナビリティへの取組
サステナビリティへの取組についてです。「E」環境面では、CO2排出量や削減に関する開示を行っています。「S」社会面では、人的資本投資として給与水準の引き上げ、女性活躍の促進、業務効率化に取り組んでいます。「G」ガバナンス面では、IR活動の積極化やインターネット議決権行使の採用などを進めています。
4.資本コストや株価を意識した経営について 取組方針
資本コストや株価を意識した経営においては、効率的に稼ぐ力の底上げと将来への期待の醸成という両面から、企業価値の向上を図る必要があると考えています。この内容は、現在策定中の次期中期経営計画に織り込み、来年2026年2月に公表する予定です。
5.株主還元
株主還元についてです。当社はこれまで、増配あるいは前年維持の累進配当を継続してきました。今期は前期比13円の増配を予定しており、1株当たり配当金は30円、配当性向は約30パーセントとなる見通しです。今後も成長のためのシステム開発、M&A、人的投資に積極的に投資を行いつつ、業績の成長とともに還元強化に取り組んでいきたいと考えています。
その他 IRコンテンツのご紹介
最後に、当社のSNSについてご紹介します。投資家のみなさまへの情報発信の一環として、「IR noteマガジン」と「X(旧 Twitter)」を運用しています。ぜひフォローしていただき、当社の情報をタイムリーにキャッチしていただければ幸いです。
また、シェアードリサーチ社による企業レポートも公開されていますので、ぜひご覧ください。ご視聴ありがとうございました。
質疑応答:流通クラウド事業の売上高について
質問者:流通クラウドについて、売上が計画に対して未達であり、利益も減
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