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佐藤彰紀氏:ワンダープラネット株式会社2025年8月期第3四半期決算説明会を開催します。本日はご多忙の中ご参加いただき、誠にありがとうございます。本説明会は、取締役COO兼CFO佐藤よりご報告します。
本日は、コーポレートサマリー、2025年8月期第3四半期決算概要、今後の事業の取り組み、2025年8月期通期見通しの順にご説明します。
IR投資家情報トップメッセージ
IR投資家情報トップメッセージを新たに設定しました。以下、そのまま読み上げます。「世界へ【THE JAPAN IP】を届ける。ワンダープラネットは、《技術で世界のスキマ時間を夢中に変える、日本発のモバイルカジュアルゲームカンパニー》として、日本が誇るIPコンテンツを安心して託される開発基盤・開発実績を強みに、その価値をグローバル市場で最大化することに取り組んでいます。」
このメッセージを掲げた背景として、当社はこれまで、日本を代表する数多くのIPを扱うタイトルの開発・運営を行ってきました。現在も、日本を代表するIPタイトルの新規開発を進めるとともに、新たなお問い合わせも継続的にいただいています。
このような状況を踏まえ、当社の強みを「日本を代表するIPを安心して託していただける会社」として、我々自身もあらためて認識しました。今後、国策でもあるIP・ゲーム領域において、唯一無二の存在感を発揮できるよう、さらなる成長を目指していきます。詳細については、後ほどご説明します。
2025年8月期3Q決算 ハイライト①
2025年8月期第3四半期決算のハイライトです。現在、有力IPタイトル2本を開発中です。株式会社バンダイナムコエンターテインメントが製作・配信する「ジャンプ+ジャンブルラッシュ」の開発を当社が担当しており、配信予定日は2025年秋頃となっています。
もう1本の有力IPタイトルについても、当初の予定どおり順調に開発が進捗しています。
2025年8月期3Q決算 ハイライト➁
ハイライトの続きとして、直近の業績についてお伝えします。2025年8月期は投資先行のフェーズであるものの、通期での収支コントロールに努め、来期からの利益成長フェーズの実現を優先して取り組んでいます。
第3四半期は、もともと数千万円の営業赤字を見込んでいましたが、「パンドランド」の売上が想定を下回ったことを主因として、赤字幅が想定以上に拡大しました。
開発・運営売上高は進捗に応じて、概ね想定どおりの推移を見せました。「クラフィ」は、第2四半期と比較すると、9.5周年キャンペーンの反動で減収となりましたが、前年同期比では増収を記録しています。一方、「パンドランド」は売上が想定を下回ったため、広告見直しを中心に収支改善を進めています。
第4四半期については、第3四半期比で大幅な増収・増益を見込み、営業黒字を想定しています。「クラフィ」は10周年イベントが好調に推移しており、通期での営業黒字達成は、「パンドランド」の収支改善の進捗に加え、成長投資の拡大が鍵となる見通しです。ただし、繰り返しとなりますが、来期からの利益成長フェーズの実現を最優先として取り組んでいます。
開発中タイトルの情報公開
開発中のタイトル情報についてご案内します。7月3日に株式会社バンダイナムコエンターテインメントより「ジャンプ+ジャンブルラッシュ」の情報が公開されました。
製作・配信元は株式会社バンダイナムコエンターテインメント、開発は当社ワンダープラネット株式会社が担当しており、配信予定日は2025年秋頃となっています。公式サイトも公開されており、さまざまな情報が掲載されています。タイトルの詳細は、公式サイトをご確認いただければと思います。
会社概要
コーポレートサマリーについてご説明します。会社概要です。ワンダープラネットは名古屋を本社とし、東京にもオフィスがあります。事業内容は「モバイルゲーム事業」で、従業員数は2025年5月末時点で142名です。
ミッション
当社のミッションは「楽しいね!を、世界中の日常へ。」です。この短い文章には、大きく4つの意味が込められています。「楽しい」がゲーム・エンターテインメントであり、そこに「ね!」が加わることで、それを友だちや家族と共有し、それらを日本だけでなく「世界中」へグローバル展開し、「日常」、つまり365日毎日楽しく遊んでいただけるものをご提供したいという思いが込められています。
2025年8月期3Q 決算業績サマリー
2025年8月期第3四半期の決算概要についてご説明します。第3四半期の決算業績サマリーです。売上高は4億7,800万円、営業利益はマイナス1億2,800万円でした。第3四半期は、もともと数千万円の営業赤字となる投資先行を想定していましたが、「パンドランド」の売上が想定を下回ったことを主因として、赤字幅が想定よりも拡大する結果となりました。
「パンドランド」については、広告見直しを中心に収支改善に努めています。「クラフィ」は第2四半期比で反動減となりましたが、前年同期比では増収となり、堅調に推移しました。新規タイトル等の開発および運営売上高については進捗に応じた推移となり、第3四半期は2億5,500万円となりました。
2025年8月期3Q 運営中タイトル状況
第3四半期の運営中タイトルの状況についてご説明します。「クラフィ」では、3月から4月に『Re:ゼロから始める異世界生活』コラボ第4弾、5月に『祝★全世界1,500万DL突破記念』キャンペーン、5月から6月にTVアニメ『炎炎ノ消防隊 参ノ章』コラボ第2弾を開催しました。直近の進捗状況としては、7月には節目となる10周年を迎え、盛り上がりの最大化を目指しています。
「パンドランド」では、3月に「ロックマン」シリーズコラボを開催し、4月にはグローバルローンチを行いました。グローバルローンチ以降、注力した繁体字圏の事前登録数は計画どおりに積み上がりましたが、初速以降は獲得効率が悪化し、特に獲得単価が目標以上の高単価でしか獲得できませんでした。
その後、ユーザー継続率も想定を下回り始めたことで、売上規模を維持できない状況となり、広告の見直しを中心に、費用の圧縮をすでに実施しました。そのため、「パンドランド」において第4四半期以降に大きな赤字は想定しておらず、引き続き収支改善に努めていきます。
売上高・営業利益の四半期と通期の推移
売上高と営業利益の四半期および通期の推移です。第3四半期は想定より赤字幅が拡大しましたが、第4四半期は第3四半期比で大幅な増収増益を見込んでおり、通期での営業黒字を引き続きコントロールしていきます。
PL
PLはスライドのとおりです。
会社全体のコスト内訳の四半期推移
会社全体のコスト内訳の四半期推移についてです。第3四半期の会社全体のコストは6億600万円となりました。広告宣伝費や開発進捗に伴う外注費が増加しましたが、会社全体としては費用をコントロールしたことで、第2四半期比で減少しました。
従業員数の推移
従業員数の推移です。第3四半期末の従業員数は142名となりました。引き続き、事業運営に適した体制規模を維持する方針です。第3四半期末の内訳として、ゲーム事業部門は114名で、その職種別構成比はデザイン29パーセント、企画32パーセント、開発39パーセントとなっています。間接部門は28名でした。
BS
BSの状況についてです。後ほどご説明しますが、第4四半期の6月に3億円の借入を実施しました。その他、特に大きな動きはありません。詳細は、スライドをご参照ください。
借入の実施
借入の実施についてです。現在の事業方針の実現に集中する目的で、6月に株式会社あおぞら銀行から3億円を借り入れました。第2四半期に実施した5億円の無担保社債発行に続き、運転資金の確保にはデットファイナンスを活用しています。
現在の新規タイトルの採用座組
現在開発中の新規タイトルにおける座組について補足します。当社では、拠出費用の抑制を重視し、そのトレードオフとして事業利益が緩やかに拡大する座組を採用しています。
一般的な共同事業タイトルと比較すると、リターンに時間がかかるものの、その分、当社の投資余力を超える大規模なプロジェクトに参画しやすくなっています。また、当社の強みである長期運営力を活かし、中長期的に同等程度の累計収益機会の確保に努めていきます。
今後については、必ずしも同様の座組を継続するわけではありません。後ほどご説明しますが、開発基盤「SEED」のアップデートにより、低コスト・短期間・高品質の開発や運用が進んでいることを背景に、今後は協議状況やタイトルの投資規模、その時点での当社の投資余力などを総合的に勘案し、合理性を軸に適宜判断していく予定です。
日本コンテンツの海外売上の市場トレンド
今後の事業の取り組みについてご説明します。冒頭で、IR投資家情報トップメッセージを「世界へ【THE JAPAN IP】を届ける。」と新たに設定したとお伝えしました。その背景となる市場トレンドについてご説明します。
日本コンテンツの海外売上における市場トレンドです。アニメやゲームといった日本コンテンツの海外展開は近年顕著に加速しており、2023年には5兆7,000億円の規模となり、日本では自動車に次ぐ産業規模にまで拡大しました。
IP・ゲーム領域は、今後も日本の中核産業として、国策のもと成長が期待される領域です。当社としても、拡大が続くこの大きな市場トレンドの中で、責務をしっかり果たしたいと考えています。
世界メディアフランチャイズトップ17
世界メディアフランチャイズトップ17についてご説明します。トップ17の中で、日本のIPは半数近い7つがランクインしており、日本のIPは現在もグローバル市場で競争優位を維持しています。
日本のコンテンツ産業全体の市場規模は、日本IPを主力に据え、依然として成長を続けています。当社は、その成長の一助となる手段としてモバイルゲームを通じて、その価値をグローバル市場で最大化することに引き続き注力していきます。
世界モバイルゲーム市場(更新)
世界モバイルゲーム市場についてです。2024年に市場規模が更新されています。世界のモバイルゲーム市場において、最大の市場は北米で4兆1,800億円となっていますが、海外の各エリアや国単位でも、それぞれまとまった市場規模を有しています。各エリアや国単位でのシェア拡大の重要性を認識しており、今後もシェア拡大を目指していきます。
当社の強みや実績と目指す姿
当社の強みや実績および目指す姿についてご説明します。「世界へ【THE JAPAN IP】を届ける。」に向けて、当社がこれまで手掛けた有力IPゲームやオリジナルゲームによるヒット実績、カジュアル性やグローバル展開、長期運営といったノウハウをもとに、当社の強みを「日本を代表するIPを安心して託していただける会社」としてあらためて認識しています。
現在の取り組みは主に2点です。1つ目は、継続的なIPゲームの開発であり、現在、有力IPタイトル2本を開発中です。2つ目は、当社では「SEED」と呼んでいる開発基盤の整備を推し進めてきたことにより、低コスト・短期間・高品質な開発と運営を実現しています。
その結果、「技術で世界のスキマ時間を夢中に変える、日本初のモバイルカジュアルゲームカンパニー」として【THE JAPAN IP】を安心して託される唯一無二の会社となります。今後、国策でもあるIP・ゲーム領域で唯一無二の存在感を発揮できるよう、さらなる成長を目指し、当社の将来の姿として目指していきたいと考えています。
新規タイトル開発の状況
新規タイトル開発の状況についてです。冒頭でも触れましたが、有力IPタイトルの開発中①は、7月3日に株式会社バンダイナムコエンターテインメントより「ジャンプ+ジャンブルラッシュ」の情報が公開され、当社が開発を担当しています。有力IPタイトルの開発中②についても、当初予定どおり順調に進捗しています。
「世界へ【THE JAPAN IP】を届ける。」に向けて、開発中タイトルの当社役務をしっかり全うするだけでなく、今後は有力IPタイトルの開発本数を増やしていくことにも努めていきます。
開発基盤(SEED)の整備
開発基盤「SEED」の整備についてです。共通の開発基盤として資産化し、これは当社の競争力の強みの1つとなる取り組みです。これにより、低コスト・短期間・高品質という業界トップ水準の開発・運営を実現していきます。「SEED」は常にアップデートを続けており、現在開発中の新規タイトルにもすでに活用されています。
2025年8月期 4Q想定
2025年8月期通期見通しについてご説明します。第4四半期では、第3四半期比で大幅な増収増益および営業黒字を想定しています。通期の営業黒字は、「パンドランド」の収支改善の進捗と成長投資に依存する見通しです。
タイトル別では、「クラフィ」は第3四半期比で10周年イベントが好調に推移し、大幅な増収増益を想定しています。「パンドランド」はすでに費用を圧縮したことで、第4四半期以降に大きな赤字は見込んでいません。
「新規開発」は、第4四半期も開発進捗に応じた堅調な開発売上高を見込む一方で、当社の開発投資負担の増加を想定しています。冒頭でお伝えしたとおり、通期での収支コントロールに努めながら、来期からの利益成長フェーズの実現を優先的に取り組んでいます。また、開発中のタイトルの成功確度をさらに高める目的で、投資額を増額する可能性もあります。
2025年8月期 通期見通し
2025年8月期の通期見通しについてです。全体の流れは従前と変わりません。これまでご説明してきたとおり、通期の収支コントロールに取り組みつつも、来期以降の利益成長フェーズを優先的に実現しようとしています。
2025年8月期の各タイトル方針についてです。「クラフィ」は、節目となる10周年イベントを契機に再成長を目指す方針で、10周年イベントに合わせて、新規ユーザーの獲得やユーザー復帰を目指したプロモーションを実施しています。
「パンドランド」は、4月のグローバルローンチにおける売上が想定を下回ったため、すでに費用を圧縮し、広告の見直しを中心に収支改善に取り組んでいます。開発中の「有力IPタイトル2本」については、開発進捗に応じて成長投資を活用してきた結果、前期比で開発売上高の増収を見込む一方、開発費負担の増加も想定しています。
なお、2025年8月期の業績予想は非開示としていますが、適正かつ合理的な業績予想が可能となり次第、開示する予定です。配当については、利益剰余金の改善を優先し、無配を予定しています。
ご説明は以上です。引き続き、企業価値の向上に努めていきます。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:「ジャンプ+ジャンブルラッシュ」の期待値について
「7月3日に公表された『ジャンプ+ジャンブルラッシュ』について、会社における期待値や今後の業績インパクトをどのように考えればよいのか教えてください」というご質問です。
よくいただくご質問となります。まず守秘義務もあり、公表されている以上の個別タイトル情報、詳細な契約内容、経済条件をお伝えすることができないため、見通しを含めたご質問の内容に対して、当社から具体的な言及はできないことをご承知ください。
今回のタイトルについては、版元さまのご期待もあり、任せていただいた当社としても、その期待にお応えできるよう、当初の目標を最大限実現させる考えです。
7月3日にタイトル情報が公開されて以降、SNSなどでの反響を拝見していると、当社が以前に開発・運営を手掛けていた「ジャンプチヒーローズ」のユーザー、通称「プチ友」と思われる方々から、多くの発信があり、非常に熱量を持って反応されている状況を確認しています。
「ジャンプチヒーローズ」は、6年以上にわたり当社も関与して運営され、累計ダウンロード数は2,300万以上、2019年には漫画キャラクターの登場数が世界最多と認定された記録を持つ、国内外で非常に多くのユーザーに長く親しまれたタイトルです。
サービスを終了してから約1年が経過した現在でも、「ジャンプチヒーローズ」の多くのユーザーからこれほど大きな反響をいただけたことは、当社にとって大変ありがたいことです。当タイトルは、過去からつながりを持つ熱量の高いユーザーからの期待に応えることが非常に重要であると、あらためて感じています。
引き続き、取引先やユーザーのご期待にお応えできるよう努めていきます。
質疑応答:IPタイトルの開発本数について
「今回、掲げられた方針により、これからIPタイトルの開発本数を増やしていくことに注力していくのか。また、今後の開発費や開発期間はどのように変わっていくのか、イメージなどがあれば教えてください」というご質問です。
ご説明しましたように、今後はIPタイトルの開発本数を増やすことに注力していきます。当社はこれまで、日本を代表する数多くのIPを扱うタイトルを開発・運営してきました。当社の強みを「日本を代表するIPを安心して託していただける会社」と再認識し、新たなお問い合わせを継続的にいただいており、引き続きニーズのある領域であると考えています。
今後、IP・ゲーム領域は国策でもあるため、モバイルゲームを通じて、唯一無二の存在感を発揮できるよう、引き続き努めていきます。
今後の開発費や開発期間については、タイトル属性や投資規模、開発の新規性などにより異なるため、一概にまとめることは難しい部分があります。しかし、ご説明したように、開発基盤「SEED」を常にアップデートし続けてきたことで、現在の開発タイトルにおいてもこれを活用し、従前より低コスト・短期間・高品質の開発・運営を実現可能にしています。今後も、さらにアップデートを重ねていきます。
当社は加速度的に、これまで以上にスピード感を持って開発に対応していけるよう取り組んでいきます。イメージとなってしまい恐縮ですが、以上をご回答とします。
質疑応答:久手堅取締役の辞任理由と今後の影響について
「本日同時に開示されている、久手堅取締役の辞任理由、経営や事業への影響について教えてください」というご質問です。
プライバシー保護の観点から、開示資料に「一身上の都合」と記載した以上の理由をお伝えすることは難しいことをご承知ください。ただし、なにか問題となる事案があったわけではありません。本人から辞任の意向があり、協議の上で、その意向を尊重して今回の決定となりました。
彼は12年にわたり会社に尽力してきた功労者であり、その功績を称え、会社として温かく送り出したいと考えています。なお、久手堅取締役が管掌していたマーケティングなどの業務については、すでに後任を配置し、引き継ぎを順次進めています。現時点で経営や事業に影響は出ておらず、実務を含め特段の問題はありませんので、ご安心いただければと思います。
ご清聴いただきましてありがとうございました。以上をもちまして、ワンダープラネット株式会社2025年8月期第3四半期決算説明会を終了します。本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。