投資家バクさんのこれまでの投資遍歴と、現在の投資スタイルについて簡単に教えてください。
私はかつて、SNSや投資雑誌で話題になった株を感覚だけで売買し、大きな損失を被るなど、ギャンブルのような投資を繰り返していました。しかし失敗を重ねる中で「投資は一攫千金を狙うもの」ではなく、「企業・世の中の成長の恩恵を受け取るもの」というマインドに切り替わりました。
現在はインデックス投資と高配当株投資を実践しています。高配当株投資においては決算や配当方針、買い時を見極めて、安定した配当収入を積み上げる投資スタイルに辿り着きました。
5月14日に出版された『驚異のバク益高配当株 サラリーマンが月10万円の不労所得でお金の不安から解放される「黄金ポートフォリオ」 のつくり方』について、書籍の概要や特徴などを簡単に教えてください。
本書は、高配当株投資を通じて月10万円の不労所得を目指すサラリーマンや個人投資家に向けて書いた実践ガイドです。企業分析や買い時の見極め方、さらには具体的なポートフォリオ構築法や注目企業のウォッチリストを100社まで網羅。初心者でも読みやすく、今日から実践できる「再現性の高い」投資の手順を丁寧に解説しています。
本書を執筆されることになったきっかけ・経緯などを教えてください。
かつての自分のように、「なんとなく配当が高いから」という理由で株を買い、うまくいかずに悩んでいる方を多く見てきました。そういった方に向けて、正しい情報の見方と判断軸を提供したいと思ったのが執筆のきっかけです。高配当株で資産・配当金を増やしていく方法を、実体験をベースにわかりやすく伝える書籍を目指しました。
本書を執筆される中で、特に意識していたことは何かありましたか?
1番意識したのは「難しい話を、実践的に・かみ砕いて伝えること」です。投資の書籍は専門用語が多く、最初の段階で挫折する方も少なくありません。だからこそ、読んですぐに使える情報や、図解や実例を多く取り入れて、読者が一歩を踏み出せるような構成にこだわりました。
投資家バクさんは2023年5月に『バクでも稼げる高配当・増配株投資』という書籍も出版されていますが、今回の書籍とはどのような違いがありますか?
前作『バクでも稼げる高配当・増配株投資』は、「高配当株って何?」という入門者向けの内容でした。今回はそこから一歩進んで、銘柄分析・ポートフォリオ設計・買い時の見極め方など、より実践的かつ再現性の高いノウハウを詰め込んでいます。1冊目の書籍で高配当株投資の前提や概要、流れを掴んでいただき、今作では「より実践的」に高配当株投資の分析・ポートフォリオ構築などを進めていただくための1冊に仕上げています。
投資家バクさんは、かつてギャンブルのように投資を行っていたとのことですが、その時の投資スタイルから現在の投資スタイルに変化することになったきっかけ・経緯・考え方の変化などは、何かあったのでしょうか。
ちょうどコロナショックのタイミングが転機でした。大きな失敗を繰り返す中で、ふと「自分は企業を何も知らないまま株を買っていた」と気づき、自分の投資手法を見直すようになりました。今までは数字を見ず、感情で売買をし、お金を失うことを繰り返していましたが、「このままではいけない」と感じ、そこから財務や配当の仕組みを学び始め、企業の価値を見極める楽しさに目覚めました。分析して投資した銘柄が想定どおりに配当を出す。この経験が、投資の向き合い方を変えてくれました。
かつてのギャンブルのような投資スタイルから現在の投資スタイルに辿り着くまでに、特に苦労した部分はどんなところでしたか?
最大の苦労は「すぐに成果が出ないこと」に耐えることでした。ギャンブル的投資は刺激が強く、当たれば一気に利益が出ることもあります。しかし分析型の投資は、地味な作業を積み重ねて、少しずつ結果に現れるスタイルです。分析した企業の決算が良く、「増配」を発表してくれることはうれしい瞬間ですが、決算は四半期に1回と、ギャンブル的な投資とはそもそも時間軸が違います。
また「株価」ではなく「配当金」を重視する投資のため、株価の上下を狙う投資からするとリターンの変動幅は非常に小さく、地味な投資です。こういった地味な投資であることを理解し、我慢と継続を繰り返しながら、少しずつ投資のマインドを変えていきました。
本書の中では決算短信や決算説明書などのチェック方法が紹介されていますが、日々の生活で自由時間が制限されている方の中には、このような作業を「大変だ」と感じられてしまう方も少なくないかと思います。
第1歩を踏み出すにあたり、どのようなことに意識を向けて取り組むようにするのが良いと考えられますか?
第1歩を踏み出すにあたり、どのようなことに意識を向けて取り組むようにするのが良いと考えられますか?
まずは「未来の自分の生活」を具体的に想像してみることが大切です。配当月に自動的に振り込まれる数万円が、家計をどれだけ楽にしてくれるか。その実感が“行動の原動力”になります。また、いきなり完璧を目指す必要はありません。自分が興味を持った企業の決算情報を軽く見てみる、何が書かれているかを想像しながら読む。最初から完璧を目指さず、まずは1社・1指標だけでも見る習慣をつけていけば、少しずつ慣れていけます。
本書を読んで、投資を本気で頑張ってみようと考える方も多いかと思います。そんな方々に、エールとして何かメッセージをいただけますでしょうか。
「難しそう」「自分には無理」と思うかもしれませんが、正しい知識と少しの行動力があれば、高配当株投資は誰にでも実践できる投資スタイルです。焦らず、でも着実に進めば、5年後・10年後には「配当金が生活費を超えた!」と思えるような世界が待っているかもしれません。本気で取り組めば、人生は想像以上に変えられます。一緒に豊かな未来を目指しましょう!