2025年4月期 第4四半期決算
田角陸氏(以下、田角):みなさま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。ANYCOLOR株式会社代表取締役CEOの田角です。まず、2025年4月期第4四半期および通期業績について、CFOの釣井よりご報告します。
釣井慎也氏(以下、釣井):CFOの釣井です。私からは、2025年4月期第4四半期の決算ハイライトおよび通期業績についてご説明します。
はじめに、第4四半期の業績です。売上高が約140億円、営業利益が約53億円、当期純利益が約39億円と、3月に出していた第4四半期の見通しの上限をそれぞれ上回って着地しています。
売上高について、領域別にご説明します。まず、ライブストリーミング領域です。メンバーシップを中心とした収益構造が引き続き継続しており、安定的に推移しています。YouTube再生という点でも、第4四半期は「Oriens」「Dytica」による8週連続の3Dお披露目や、「にじさんじ」全体として盛り上がるような施策などを通じて、好調に推移しています。
コマース領域は、見通し対比で大きく上振れました。個別施策としては、後ほどあらためてご説明しますが、「にじさんじ」7周年を記念したグッズをはじめとする大型施策について、ファンのみなさまから当初の想定以上の反響がありました。
また、「にじさんじ」7周年記念グッズ以外にも、VTuberユニット単位での周年グッズ、季節性のグッズ、また毎月販売している定常的な商品などがいずれも非常に好評で、全体として当初の想定を大きく上回る着地となっています。
イベント領域は、2月に開催した「にじさんじフェス」による貢献が中心です。「にじさんじフェス」自体は、見通しを出した時点ですでに終了していましたが、その時点で想定していた以上に開催後のネットチケットが伸びました。
また、「にじさんじフェス」以外にも、VTuberのユニットないしはソロによるイベントも開催しており、それらの反響が想定以上だったことから、見通し対比で上振れとなりました。
最後に、プロモーション領域です。見通しの範囲内の着地となっており、四半期単位では過去最大となりました。案件数と案件単価の両面で成長しています。案件単価では、足元では特にIPコラボでの取り組みで、規模感の大きいものが増えてきている状況です。
売上高および営業利益推移(四半期)
スライドは、四半期別の売上高および営業利益です。2025年4月期第4四半期は、いずれも四半期単位で過去最大の着地となりました。
コスト内訳推移(四半期)
コスト面についてです。直接変動費は46.1パーセントで着地しました。内訳としては、イベント領域による売上高が一定程度大きく、イベント領域の原価率が直接変動費の原価率上昇に影響しました。
一方でコマース領域では、この1年を通じて、製造管理の徹底など管理体制を強化してきました。その効果もあり、コマース領域は適切な原価コントロールができたと思っています。
ライブストリーミング領域およびプロモーション領域は、安定的な推移となっており、それらの結果、全体としてはイベント領域が大きく影響することなく、40パーセント台半ばと通常通りの水準で着地できました。
次に、その他原価・販管費についてです。決算賞与として約4億円を第4四半期に計上しています。また、2024年10月から新スタジオに係る減価償却および敷金の償却を開始していますが、第4四半期のタイミングで償却の計算方法を一部修正し、本来であれば第2四半期、第3四半期で計上する予定だった費用4,000万円を追加的に第4四半期に計上しています。それらの結果、第4四半期のその他原価・販管費が大きくなっています。
ただし、売上高が成長していることから、売上高対比の比率では、決算賞与が生じる第4四半期としては過去最低の水準でコントロールできています。
VTuber数およびANYCOLOR IDの推移
VTuber数およびANYCOLOR ID数の推移です。VTuber数については、この4月に「にじさんじ」から2名の新規デビューを行っています。「スーパーエリートライバー」と銘打った、特色あるVTuberのデビューです。
また、「NIJISANJI EN」からも「BY THE BEAT」という4名のVTuberユニットがデビューしており、ファンの方から非常に好評です。「BY THE BEAT」のデビューが「NIJISANJI EN」全体へのポジティブな影響につながっていると認識しています。
次に、ANYCOLOR ID数についてです。ANYCOLOR IDは「にじさんじオフィシャルストア」での物販購入などで使用されるIDです。第4四半期は、ANYCOLOR ID数が大きく増加しました。
背景としては、「にじさんじ」7周年など大型企画が多かったこと、ぬいぐるみ商材などで特色ある商品を企画したことなどが新規グッズ購入者層の拡大に寄与したことがあります。
従業員数の推移
従業員数の推移です。2025年4月期は532名で着地しています。第4四半期は、他四半期と比べて増員数が多い傾向にあり、4月には10名超の新卒採用者が入社しています。
第4四半期における主要施策(コマース・プロモーション)
第4四半期に行った主要施策について簡単にご紹介します。まず、コマース領域です。スライド左側に「にじさんじ 7th Anniversary」と「ART OF NIJISANJI」があります。「にじさんじ 7th Anniversary」では虹をテーマにしたグッズ、「ART OF NIJISANJI」では絵画をコンセプトとしたグッズをそれぞれ企画しました。いずれも「にじさんじ」7周年という節目に合わせて販売したグッズで、大変好評でした。
スライド左下の「にじさんじ 束縛ボイス」についてです。我々は、毎月いろいろなボイスコンテンツを企画・販売しています。この3月には「にじさんじ 束縛ボイス」を発売し、ファンの方から親しんでいただいています。
「Oriens 2nd Anniversary」は「Oriens」の2周年記念グッズです。「Oriens」は2023年3月にデビューした4人組ユニットです。「にじさんじ」の中でも大きく人気を集めるユニットの1つとして、足元で成長してきています。
また、4月に台湾でポップアップストアを開催しました。「にじさんじ」のVTuberと「NIJISNJI EN」のVTuberを複数名起用した取組みであり、台湾現地でSNSにて話題となりました。「にじさんじ」、「NIJISANJI EN」ともに、現地の方にも非常に熱量を持って親しんでいただいていることが認識できたイベントとなりました。
次に、プロモーション領域です。「デュエル・マスターズ」と「にじさんじ」のIPコラボを行っています。「にじさんじ」のファンの方はもちろん、「デュエル・マスターズ」のファンの方にも親しんでいただけるコラボレーションになり、ファン層の裾野を広げていけるような良い取り組みになりました。
また、「Lemino」と「にじさんじ」のコラボとして、我々がこれまで開催したライブイベントの映像を「Lemino」で楽しんでいただけるという取組みとなっています。
第4四半期における主要施策(イベント)
イベント領域の主要施策です。スライドに記載のとおり、「にじさんじフェス2025」を2月に開催しました。イベントホールでの6つのライブイベント公演、着ぐるみ&ヒーローショーステージでの公演などを行いました。
スライド左下でご紹介しているとおり、三菱UFJ銀行さまなど協賛企業の出店エリアや、アトラクション・展示なども準備しました。来場していただいた方にもネットチケットで視聴いただいた方にも楽しんでいただけたと思っています。
以上、第4四半期の振り返りでした。
通期業績サマリー
通期の振り返りです。2025年4月期は売上高が428億7,700万円、営業利益が162億8,000万円、当期純利益が115億1,100万円となり、期初の業績予想を上回るかたちで着地できました。
なお、利益率は前年比で少し落ちています。これは、スタジオ拡張に伴って、スタジオ機能に関わる人員強化やスタジオ費用の増加があったことなどが影響しています。この体制強化によって、今後も持続的に成長していきたいと思っています。
ビジネス領域別の売上高推移
領域別の売上高推移です。まず、ライブストリーミング領域です。第4四半期のご説明でもお話ししましたが、メンバーシップ、広告収益などが底堅く推移した一方で、スーパーチャットは減少傾向にあり、全体としてはここ数年横ばい傾向が続いています。
次に、コマース領域です。絶対額でも成長率でも、コマース領域の売上成長が強いと認識しています。所属VTuber人気の高まりとグッズ企画自体の魅力の高まりによって、グッズ売上がしっかりと成長してきています。
イベント領域は、開催数やイベントの規模が影響します。前年比で大型イベントが多かったことが寄与し、成長率でみて大きな成長となりました。
プロモーション領域です。第4四半期のご説明と重複しますが、案件の実施数、案件単価それぞれが上昇傾向にあります。IPコラボ案件の増加やリピート案件を着実に積み上げたことを背景に、しっかりと成長できた1年でした。
四半期売上高推移
過去5年間の四半期の売上高推移です。一定の四半期のボラティリティはあると思っています。売上で大きな比率を占めているコマース領域は、季節性の商品もありますが、季節性とは関係なくその都度で特色ある商品も販売しており、商品ごとでの収益の変動幅も大きいです。
このため、特定の季節や時期に規則的に売上が大きくなるというよりは、年間で見た時には施策によって変動幅が大きくなる傾向にあります。これは当社業績の特徴であるため、今後も四半期ごとの業績見通しの開示を通じて透明性を高めていきたいと思っています。
2026年4月期 業績予想
スライドは、進行中の2026年4月期通期の業績見通しです。期中を通じた「にじさんじ」全体の盛り上がりや、デビューから比較的活動年数の浅いVTuberの成長度合い、新規デビューなどの動向を踏まえて、一定のレンジ幅で開示しています。
スライド右側は、領域別の施策です。基本的には、これまで行ってきたことをしっかりと継続していくことに尽きると思っています。
ライブストリーミング領域は、「にじさんじ」全体としてしっかり盛り上がりを作れるようにサポートしていきます。コマース領域は、VTuberのユニットを中心としながら、いろいろな組み合わせで魅力的なコンテンツを企画していきます。
イベント領域は、すでに発表している「にじさんじ」7周年を記念したライブツアーを実施する1年になります。プロモーション領域は、さまざまな業種の案件や大型IPコラボなどを実施して、しっかりと成長を牽引していきたいと思っています。
2026年4月期 第1四半期業績見通し
スライドは、これらを踏まえた第1四半期の業績見通しです。主要施策は、すでに発表しているものを掲載していますが、これ以外にもさまざまあり、それらを中心に第1四半期の業績見通しを組み立てています。
また、2025年4月期第4四半期にすでに発売を開始し、発送待ちとなっている商品が非常に多く積み上がっています。第1四半期としては、しっかりとした良いスタートを切れると見ています。
私からは以上になります。今後に向けた事業進捗は、田角よりご説明します。
2025年4月期の「にじさんじ」
田角:ここからは私から、中期的な成長に向けた事業進捗についてお話しします。まず、2025年4月期の「にじさんじ」全体におけるお客さまの指標について簡単にご説明します。
まず、ライブストリーミング領域では、YouTubeの再生回数が前年比プラス26パーセントの52億回となりました。コマース領域では、グッズの施策数が前年比プラス33パーセントの190施策となりました。イベント領域では、視聴チケット販売枚数が前年比36パーセント超の53万6,000枚となりました。プロモーション領域では、実施案件数が前年比プラス11.4パーセントの993件となりました。
どの領域においても、「にじさんじ」全体のお客さまの層が拡大した1年だったと思っています。
中期経営目標
昨年公表した中期経営目標についてです。売上高600億円、営業利益240億円に対して、2025年4月期は売上高が約429億円、営業利益が約163億円となりました。2026年4月期の予想は売上高が490億円から510億円、営業利益が190億円から200億円と計画しています。
中期計画の売上高600億円、営業利益240億円に向けて、線形の推移でしっかりと着実に歩んでいっています。
中期経営目標達成に向けて、事業基盤の拡大、継続的かつ多様なVTuberの輩出、VTuber1人あたりの成長や収益性の拡大に取り組んでいきます。
中期経営目標における主要方針の振り返り(1年目)
中期経営目標における主要方針の振り返りです。スライドには、事業基盤の強化、継続的なVTuberの輩出、VTuberあたり収益の拡大をまとめています。次ページ以降で、それぞれについてご説明します。
VTuber を支える会社基盤の強化
まず、VTuberを支える会社基盤の強化についてです。昨年1年間で100名超の人材を採用しました。これは中途採用が中心ですが、新卒採用も一部含んでいます。
スライドに記載のとおり、タレントマネジメント領域やプロデュース、VTA(Virtual Talent Academy)、デザインなど、VTuber活動のプロデュース・サポート強化をする部門があります。
また、グッズ部門であるIPマーケティング本部、プロモーション領域であるビジネスマーケティング部、番組などを制作するプラットフォーム戦略本部、イベントや配信などを企画するクリエイティブエクスペリエンス事業本部など、VTuberの活躍機会を最大化する部門もあります。
これらの部門と全社機能を支える機能を中心に、人員拡大と、これらの取り組みを通じた会社の基盤強化に取り組んできました。
新スタジオ開設の目的と効果
2つ目のVTuber事業基盤の拡大という観点で、昨年新スタジオを開設しました。これは旧スタジオの面積規模と比べて約3倍に拡張し、VTuberの人数増加、プロモーションやグッズ、番組3D配信、お披露目、2D、3D、レコーディングスタジオといった、さまざまなコンテンツの制作ニーズに対応しています。
具体的な旧スタジオ対比での稼働時間としても、2Dスタジオは30パーセント超、3Dスタジオは70パーセント超、レコーディングスタジオは100パーセント超となってきています。新スタジオの開設により、稼働時間や提供コンテンツ数をしっかりと増やせています。
引き続き、スタジオの人員も含めて、人員採用を中心に事業基盤の拡大に取り組んでいきます。
継続的なVTuberの輩出
ここからは、継続的なVTuberの輩出についてご説明します。前期末時点の所属VTuber数は、19名のデビューがあり、合計170名となりました。
昨年はVTAのオーディションを3回開催し、累計4万1,000人の方にご応募いただきました。オーディション内容としても、ペアのオーディション、男性アイドル、女性ゲーマー、U21など、多様なオーディションを開催しました。
引き続き、継続的なVTuberのデビューと多様なタレント輩出を目指して、オーディションやその開催方式、デビューのコンセプトなどをしっかりと継続的に展開していきたいと考えています。
新規デビューVTuber
スライドは、過去3年間にデビューしたVTuberを一覧にしています。昨年は19名がデビューし、マスコットのVTuberやスーパーエリートのVTuberなど、多種多様なVTuberを輩出することができました。
また、昨年1年間の業績や成長を通して、2023年4月期、2024年4月期にデビューしたVTuberがしっかりと成長したことが分かる1年間でした。
VTA(Virtual Talent Academy)の取り組み
スライドは、VTAの取り組みとして、過去3年間のVTAオーディションの実績を掲載しています。
定期的にオーディションを開催しており、応募人数も2023年4月期は2万8,000人、2024年4月期は3万3,000人、2025年4月期は4万1,000人と、しっかり増えてきています。
VTAオーディションのコンセプトとしても、通常のオーディションに加えて、マスコット、エリートなどのポジション、2025年4月期からはペアオーディション、アイドル、ゲーマー、U21など、多種多様な人材を確保するためのオーディションを開催してきました。
このような取り組みを通して、多様なVTuberの継続的な輩出を行っていきます。
VTuberあたり収益の拡大
ここからは、VTuberあたりの収益拡大についてお話しします。一昨年と比較をして昨年のVTuberあたりの収益は大きく成長しました。背景としては、「にじさんじ」全体としての大型企画や、ユニット・ソロでの活動の強化、またグッズの販売体制や企画体制の強化、プロモーション領域での幅広いコンテンツや幅広い企業さまとの取り組みが挙げられます。
「にじさんじ」全体での大型施策
具体的な大型施策についてです。「にじさんじ」全体の大型企画としては、「にじさんじ甲子園」「にじさんじ麻雀杯」「マリオカートにじさんじ杯」など、全体を盛り上げるライブストリーミング企画がありました。
また、イベント領域では「にじさんじ歌謡祭」「にじさんじフェス」、コマース領域では7周年企画グッズや「にじぱぺっと」などを企画しました。
各領域で「にじさんじ」全体としての施策が盛り上がることで、「にじさんじ」全体のお客さまの層を拡大していくことができると考えています。引き続き、「にじさんじ」全体としての施策に取り組んでいきたいと考えています。
VTuberユニットの展開拡大
ユニットの展開拡大についてです。個人のVTuber活動に加えて、それぞれのVTuber同士の相乗効果を見出すために、引き続きユニットとしての活動を各領域で行ってきています。
具体的には、公式番組、MV、3D配信のライブストリーミング領域、ユニットグッズなどのコマース領域、ライブイベントなどイベント領域があります。ライブイベントをユニット単位で開催したり、プロモーション領域もユニット単位で案件を受けたりといったかたちで、ユニット展開にもしっかりと取り組んできました。
引き続きユニット展開を強化していくことで、VTuber一人ひとりの活躍の幅を広げることに取り組んでいきます。
ファンからのニーズに応えるグッズ企画
グッズ企画の領域についてご説明します。VTuberのユニット活動だけではなく、全体の施策やユニットではないVTuber同士のコラボレーションも含めて企画しています。
コンテンツの企画としても、記念日グッズやコンセプトグッズ、デジタルグッズ、イベントブルーレイ、さまざまなコンテンツ企画を掛け合わせて、昨年1年間で190施策を展開することができました。
このようにさまざまなグッズ企画を行うことで、ファンからの多様なニーズに継続的に応えていきたいと考えています。
ぬいストア・ぬいポータルサイトプレオープン
ぬいぐるみの商品展開を注力領域とし、特にぬいぐるみ系コンテンツの企画展開および宣伝に注力してきました。この4月25日には、初のリアル常設店舗である「にじさんじ ぬいストア」を横浜ビブレにグランドオープンしました。
また、「NIJI×BUDDY」というぬいぐるみ関連のポータルサイトも展開しています。引き続き、ぬいぐるみを主力商品としてしっかりと展開していきたいと考えています。
グッズの製造・プロモーションにおける取組み
これまではグッズの企画領域でしたが、グッズの製造管理やプロモーションでもさまざまな工夫をしています。製造管理においては、メーカーの選定・開拓、製造進行、品質管理をしっかりと行うことにより、安定したグッズの供給体制を作ることができています。
また、ファンのニーズに適切に応えられるような販売計画、製品リリースタイミングの体制を構築しています。
商品プロモーションの領域においては、例えばLive2Dのアニメーションを使ったPVプロモーションや特設サイトの開設など、新たな試みを含めた多様なプロモーションを実施していきます。
引き続き、製造管理と商品プロモーションの領域において、VTuber1人当たりの収益性の向上に取り組んでいきたいと考えています。
企業案件
企業案件の領域です。スライドに記載のとおり、さまざまな業界や会社との案件を実施することで、いろいろなお客さまのニーズに応えることができた1年だったと思っています。ゲームやウェブサービスから始まり、鉄道会社や自治体まで、さまざまな会社や業界とコラボレーションすることができたと考えています。
デビュー年度別の収益貢献度とVTuberあたり収益
それらの結果、昨年1年間はVTuber一人ひとりの成長と収益性の拡大が実績として表れたと考えています。スライド左側は、デビュー年度別の収益貢献度を記載しています。初期から所属しているタレントだけでなく、直近でデビューしたVTuberも、しっかりと収益に貢献していることがわかります。デビュー計画やコンセプト、オーディションの企画などがしっかりと実績として表れたと考えています。
スライド右側のVTuber当たり収益貢献のグラフも更新しています。トップ20でようやく40パーセントを超え、トップ50で全体の60パーセントを超えてきます。例えばトップ25では、1人当たりの収益貢献は約2パーセントになっています。幅広いVTuberが収益に貢献しており、安定的な体制が構築できていると感じています。
以上が、中期的な経営方針です。
事業投資と株主還元の基本的な考え方
最後に、事業投資と株主還元の基本的な考え方についてのアップデートをお話しします。スライドは、昨年6月に開示した資料をあらためて掲載しています。昨年1年間では、112億円の営業キャッシュフロー、スタジオ関連投資を中心に約23億円の投資キャッシュフロー、75億円の自社株買いを実施し、期末配当予定を含めて40億円の配当の支払いを見込んでいます。
また、配当について安定的かつ継続的に実施することを明示していきたいという背景から、2026年4月期以降は配当性向30パーセント以上を目安とする方針を開示しました。この方針に基づき、2026年4月期の配当予想は、1株当たり70円(中間35円、期末35円)を予想しています。自社株買いについても、余剰資金を原資として、機動的に実施していきたいと考えています。
質疑応答:2025年4月期の増収要因について
釣井:「2025年4月期が前年比34パーセントの増収となった要因分析について、客数と客単価、年間購入回数それぞれのイメージを教えてください。このうち、客数の増加については年代別などの特徴を教えてください。また、海外事業の底打ち時期や目途、テコ入れ策も教えてください」というご質問です。
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