エグゼクティブサマリー

大島康広氏(以下、大島):プラザホールディングス代表取締役の大島康広です。本日は2025年3月期決算についてご説明します。

2025年3月期は売上高が186億4,400万円、営業利益が3億3,600万円で着地しました。

2025年3月期連結会計期間の連結業績

経常利益は3億8,800万円、当期純利益は2億7,500万円です。

2025年3月期は、営業利益よりも経常利益が5,200万円多くなっています。これについては、10年ほど前にアメリカのシリコンバレーのファンドに映像系、画像系、写真系のベンチャーのリサーチも含めて投資した結果が主な理由です。

2026年3月期通期の業績予想(連結)

2026年3月期の業績予想です。売上高が190億円、営業利益が3億5,000万円、経常利益が2億8,000万円、当期純利益が2億円の着地予想となっています。

2026年3月期は前期から引き続き、人件費が前期比で約2億円増加する予想です。仮に人件費が変わらなければ、営業利益は5億5,000万円となります。そのような意味では、事業会社の営業利益は着地目標を4億3,000万円と置いて、2025年4月単月も順調に進んでいます。社内的には何としてでも4億3,000万円を必達したいと考えているところです。

全体的にP/Lとしてはある程度うまくいっていますが、2026年3月期にしっかり取り組んでいかなければいけないところは、やはり人材の育成です。より良い会社となり、「この会社で働きたい」と思えるように、従業員満足度サーベイを頻繁に行うなど、お金をかなりかけています。

また、金利上昇でこの1年間で3,500万円ほど影響があり、今後の動向も不透明です。今期は営業利益と経常利益のところで金利上昇分を織り込んでいます。現在は純有利子負債で約47億円、単純な有利子負債合計で約64億円ですので、今後の金利をきちんと読みながら、無駄なことをしないように進めていきたいと思っています。

当社セグメント別売上高

当社の事業について簡単にご説明します。

売上高の80パーセントを占めるモバイルセグメントは、向こう3年間は非常に安定的な収益を生んでいく予定です。

イメージングセグメントのソウゾウ事業「つくるんです」「One-Bo」、グランピング、アパレル事業は、2026年3月期は健全な黒字化となっていることが特徴的です。その中でも小粒なものをこれからどうしていくかという課題があります。

モバイルセグメント キャリアショップ事業

モバイルセグメントのキャリアショップ事業についてです。

通信料だけではなく、高齢者も含めて、月額定額でお客さまにスマートフォンの使い方をいつでもお店で教える「店頭スマホサポート」という商品が一番ヒットしています。

今まではこのようなサブスクはありませんでした。保険を売ったり、ソフトバンクから指定された商品を売ったりしても、月額の数パーセントの手数料が当社に入るようなかたちでしたが、2年前から始めたこのサブスクは、格段に手数料率があがりました。

2026年3月期はこの売上を2億円と見込んでおり、モバイルセグメントについては、ここから3年間上乗せされていくということです。

モバイルセグメントのキャリアショップ事業は踊り場を抜けたかたちで、向こう3年間は収益を生んでいきます。

質疑応答:ソフトバンク以外のキャリアショップについて

質問者:ショップはソフトバンク以外のキャリアでも展開していますか?

大島:以前はauショップもありましたが、5年ほど前にすべて売ってしまいました。2017年にソフトバンクの資本が当社に入った時点で、我々が自ら「他のキャリアはやりません」と口頭で宣言しました。

当社には「写真から始まる新しいサービスとして、デジタルプリントやアパレルマーケットなどに取り組んでいかないと生き残れないのではないか」というDNAがあります。写真の会社はどんどん潰れていきましたので、生き残るために写真の周辺事業にチャレンジしなければいけないという企業文化といいますか、DNAを持って進めてきました。

ただし、3年経っても黒字化できない場合は「売るか、やめるか、小さくして時を待つ」というルールをしっかり決めています。そのような意味では、この2年ほどは新しいものがぜんぜん出てきていないという気持ちもあります。

2024年3月期と2025年3月期は、5年前から3年前に作ったものを1億円ずつ減損し、さまざまな事業を整理した期でもありました。また、2025年3月期は上場維持基準をきちんとクリアするために、RS信託を作るなどさまざまな制度を作った期となりました。

質疑応答:新規事業の立ち上げについて

質問者:ここ数年は新規事業を立ち上げず「2025年3月期は整理をした期だった」というお話がありました。常に挑戦していると思っていましたので、そのような位置づけだったのは少し意外でした。会社としてはいろいろな新しい挑戦をしていたと思いますが、社長として納得していないだけではありませんか?

大島:おっしゃるとおりです。3年前にプラザクリエイトの事業のすべての権限を、新谷に渡しました。私としてはプラザホールディングスの立ち位置ですので、先週も新谷に「もっとがんばれ」という話をしました。

もちろん、ソフトバンクの主力代理店になり、「プラザクリエイトの新谷さん、すごくいい社長になりましたね」とソフトバンクにも言われます。したがって、モバイルセグメントは200億円ほどの規模まで2年、3年で伸びていきます。

一方で、5年前に入社して、3年前に社長を継ぎ、プラザクリエイトの歴史を背負った中での新しい事業やブランド、サービスを作ることは簡単ではないということだと思います。やはりすごく慎重です。

また、アパレル事業についても一生懸命がんばっていますが、やはりうまくいきません。2024年3月期と2025年3月期は、アパレル事業で約6,000万円の減損を出しています。

彼は減損になってしまって申し訳ないという思いが先に来てしまいます。私は「そんなことじゃない。通常の事業で購入した商品を減損するのは駄目だよ。でも、新しくチャレンジした事業がうまくいかず、1度塩漬けにするなどの減損があっても、もっとチャレンジしろ」と伝えています。

質疑応答:今後の取り組みについて

質問者:いろいろな企業がバトンタッチで乗り越えていかなければいけないところだと思います。その他にどのような取り組みをされていますか?

大島:新谷の場合はリクルート時代もそうですが、ゼロからイチを生み出すことができる人間です。