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蒲原稔氏(以下、蒲原):東京産業株式会社代表取締役社長の蒲原です。本日は弊社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日は、2025年3月期決算の実績をご説明した後、2026年3月期の計画と中期経営計画の進捗についてご紹介します。
決算概要 損益及び配当状況(連結)
2025年3月期決算の実績をご説明します。まず、損益の状況です。
2025年3月期は、旺盛な電力需要やエネルギートランジションへの動き、及び取引先の設備更新需要への対応を進めました。また、前連結会計年度における損失計上を踏まえ、改善報告書に基づきリスク管理体制の整備を進め、経営ガバナンスの強化に取り組んできました。
その結果、売上高は前期比56億円増加の707億円、営業利益は22億円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億円と、増収増益となりました。
配当については、今期の計上を見込んでいた太陽光発電資産の譲渡に伴う特別利益計上が翌期にずれ込んだことにより、当期純利益が期初業績予想を下回ったものの、「DOE4パーセント以上、安定配当」の基本方針に鑑み、年間配当金は期初予想どおり1株当たり36円とする予定です。
決算概要 財政状態
財政状態です。当社が保有する太陽光発電設備の売却、及び太陽光関連ビジネスに係る事業認定権利の譲渡が実現したことなどにより、現金及び預金が前期比48億円増加、借入金が63億円減少しています。
また、太陽光ビジネスに関連して計上していた長期未収入金の回収が一部進んだことにより、固定資産が31億円減少しています。
自己資本比率は、前期末とほぼ同水準の24.8パーセントとなりました。
決算概要 セグメント別業績(連結)
セグメント別の業績です。今期はすべてのセグメントにおいて、前期比で増収増益となりました。電力事業は、火力発電所向けの保守・メンテナンスなどの基幹業務が堅調に推移したことに加え、原子力などの事業領域の伸長により、売上高157億円、営業利益14億8,000万円となりました。
環境・化学・機械事業は、自動車関連企業向けの設備・機器販売が順調であったことに加え、欧州子会社では化学プラント向けが好調であったこと、さらに太陽光関連ビジネスの損益が大幅に改善したことにより、売上高498億円、営業利益5億6,000万円となりました。
生活産業事業は、主力製品である包装資材やトイレ自動流水器の取り扱いが堅調に推移したことに加え、大口の新規取引の獲得もあったことから、売上高が51億円、営業利益2億1,000万円となりました。
事業領域別実績①火力
事業領域別の状況です。まずは、火力事業領域についてです。基幹業務である火力発電所関連の代理店業務については、前期と比較してリプレース案件は減少したものの、設備の更新・メンテナンスの受注が引き続き堅調に推移しました。また、基幹業務から派生した取引の増加も寄与し、連結売上高は45億円となりました。
さらに、国内重電メーカー向けの発電所設備に関連する機器の輸入販売も伸びています。
本事業領域は基幹の代理店業務が安定しており、引き続き堅調な推移を見込んでいます。発電事業者などとの強固なリレーションを活かし、代理店業務以外の領域でのビジネス拡大にも注力していきます。
事業領域別実績②原子力等
原子力等の事業領域です。本事業領域は、主に原子力関連の代理店業務と、主力取引先プラントメーカー向けの設備販売で構成されています。
原子力関連では、核燃料再処理工場向け大規模安全対策工事に伴う代理店業務と、同工事から派生した付帯取引が堅調だったことに加え、原子力発電所向け安全対策工事と再稼働支援業務も伸長しました。
世界的に旺盛な電力需要を背景に、主力取引先プラントメーカー向けの設備導入も引き続き好調に推移したことで、連結売上高が前期比22億円増加の64億円となりました。
本事業領域は引き続き成長が期待できると考えており、原子力発電所の再稼働支援業務や核燃料再処理工場向けの代理店業務に注力しつつ、代理店業務から派生する付帯業務、プラントメーカー向けの設備需要に対処すべく体制強化を図っていきます。
事業領域別実績③再生可能エネルギー
再生可能エネルギー事業領域です。前期に太陽光発電工事請負案件に関連した多額の損失を計上しましたが、2025年に無事引渡しが完了し、一連の対応に一定のめどが立ち、損益が改善しました。残る再生可能エネルギー関連の工事請負案件も順次完工予定です。
バイオマス関連では、燃料供給ビジネスで大口の契約は完納したものの、前期受注した木質ペレットの長期契約の案件の納入を開始しました。
事業領域別実績④生産・環境設備
生産・環境設備の事業領域です。売上高は、特殊要因を除けば前期比ほぼ横ばいの375億円となりました。自動車産業向けの大型設備更新案件や、欧州子会社での化学プラント向け設備・機器納入、包装資材やトイレ自動流水器などの生活関連事業が寄与し、利益面では前期比増加となっています。
本事業領域については、引き続き損益面での改善を図っていきます。設備・機器販売に付随する工事需要をセットで捕捉するなど、付加価値の高い事業展開を図っていくとともに、各事業の見直しなどの選択と集中、体制の適正化などを進めていきます。
2026年3月期計画
2026年3月期計画についてご説明します。連結売上高650億円、営業利益24億円、当期純利益37億円を計画しています。
売上高は特殊要因控除後ベースでほぼ横ばいを見込むものの、損益面では増益を計画しています。貸倒引当金の戻入などの特殊要因剥落、人件費の増加などの影響を考慮すると、売上利益ベースで前期比10億円程度の増益幅となります。引き続き原子力などの事業領域の堅調な推移を見込んでいます。
基幹業務である火力発電所向け業務、代理店業務から派生する取引の伸長、燃料供給ビジネスの伸びが期待できると考えています。計画達成に向けてしっかり取り組んでいきます。
株主還元
株主のみなさまへの還元についてご説明します。当社は2024年3月期にスタートさせた中期経営計画「T-ScaleUp2027」において、株主還元の拡充を重点戦略「コア5」の1つとして位置付けています。
「中計期間中、早期DOE4パーセントを達成」を掲げ、中期経営計画初年度からDOE4パーセント以上を維持しています。2026年3月期の配当方針に関しては、既定方針「DOE4パーセント以上、安定配当」を維持し、中間及び期末の配当でそれぞれ1株当たり19円、1株当たり年間配当金は38円と、増配を予定しています。
中期経営計画の進捗 重点戦略(コア5)
中期経営計画の重点戦略「コア5」の進捗についてご説明します。
1つ目の「エネルギートランジションへの積極関与」についてです。成長が期待される原子力関連及びプラントメーカー向けビジネスについては、人員を増強するなど体制を強化しています。再生可能エネルギー事業については、投資資産の売却を進めたほか、取組方針や経営資源配分の見直しを進めています。
2つ目の「サステナブル社会構築に資する事業創出」については、主に生産・環境設備の事業領域となりますが、これまで開発、育成に取り組んできた各商材の収益化はいまだ道半ばです。事業ごとの成長性や収益性を点検し、選択と集中に着手しています。
3つ目の「グループ総合力強化」については、成長領域へのリソース再配分、ガバナンス強化の観点から、再エネ関連子会社を含む国内外、子会社の位置付けを明確化し、攻守両面において本社関与を強化する体制整備を行いました。
4つ目の「強靭な経営基盤の構築」については、再発防止策(改善報告書)で示したリスク管理強化に係る対応策を着実に実行しています。特に、案件の採り上げ過程における牽制機能の発揮、その後のモニタリングについては、新設したリスク評価会議の運用が定着してきたことにより、効果が出てきていると考えています。
5つ目の「株主還元の拡充」については、先ほどご説明したとおりです。引き続き財務基盤の強化を進めつつ、株主還元の拡充の方針に沿って進めていきます。
私からの説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:西華産業との協議の予定について
司会者:「今後、西華産業となにか協議を行う予定はありますか? 貴社の方針について教えてください」というご質問です。
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