2025年3月期決算ハイライト
辻本敏氏:みなさま、こんにちは。フジオーゼックス代表取締役社長執行役員の辻本です。ただいまより、2025年3月期の決算説明を行います。
まず、決算概要です。国内需要は、本田技研工業からの鏡面バルブ生産移管などの増加要因があり、前年比4.5パーセントの販売増となりました。海外需要は、中国向けの販売不振といった減少要因はあったものの、北米向けの大口の新規受注の納入が開始したことが大きく貢献し、前年比21.6パーセントの大幅な販売増となりました。
この結果、売上高は前年比9.2パーセント増の255億4,000万円となっています。これは1991年度に記録した244億円を上回る新記録です。
コスト面では、賃上げによる労務費上昇の影響はありますが、売価への転嫁や継続的な固定費の圧縮と原価低減活動の推進などによりカバーし、営業利益および経常利益は前年比で大幅な増益となりました。
当期純利益については、海外取引先との取引終了に伴う補償費計上という増加要因がありました。一方で、メキシコ子会社において、前年に計上した繰延税金資産の評価額が対ドルでメキシコペソ安が進んだことで減少し、法人税等調整額を計上するといった減少要因がありました。その結果、前年比で減益となっています。
営業利益の変化要因(前期比)
営業利益の変化要因分析です。前期の16億2,700万円からの変動要因として、昨年7月にM&Aによって子会社化したピーアンドエム社のシリコンサイクル下降局面に伴う受注調整影響や、中国向けの販売不振といった減少要因が合わせて約3億円ありました。
一方で、国内および北米向けにおける新規受注の納入開始やロイヤルティ収入の増加といった増益要因が13億円ほどあり、トータルで9億8,900万円増益の26億1,600万円となりました。
バランスシートの状況
バランスシートです。資産については、売上の増加に伴って売上債権、棚卸資産が増加し、M&Aによるのれん計上などで無形固定資産が増加しました。一方で、有形固定資産の減少などがありましたが、結果として前期末比5億900万円の増加となりました。
また、自己資本比率は前年度から1.1パーセント上昇し、82.2パーセントとなっています。
キャッシュフロー
キャッシュフローです。今期は売上債権の一時的な増加に加え、M&Aによる新規事業投資や配当金の増額、自己株式取得などの支出が重なり、現金・現金同等物は前期比で6億4,000万円の減少となりました。
業績見通し ハイライト
2026年3月期通期の業績見通しについてご説明します。
2026年3月期の売上高は、前年の途中から納入開始となった新規受注が通期でフルに寄与する一方、米国の関税政策による需要減少について現時点で可能な限りの想定を織り込み、前年比3.7パーセント増収の265億円を見込んでいます。こちらを達成すると、前年の新記録をさらに更新することになります。
利益面では、物価高や賃上げによる労務費上昇の影響が引き続き想定されます。一方、原価低減活動および賃金上昇分の製品価格転嫁の継続により、営業利益は前年比3.2パーセント増益の27億円を計画しています。
米国の関税政策による影響の想定については、当社ホームページに掲載の社長メッセージで詳しくご説明しています。併せてご参照ください。
売上高/営業利益 推移
当社は長期経営方針として、2030年に売上高300億円、営業利益30億円を目指しています。そのための施策として、既存事業における拡販とM&Aを主体とした新事業開発を進めています。
本年は2026年中期経営計画の2年目となりますが、これまでは新規受注の獲得やM&Aの実行により、着実に進捗しています。米国の自動車関税の影響により、売上高は残念ながら中期目標に届きませんが、2年連続で過去最高の売上高を更新し、利益面では中期目標をクリアする見込みです。
株主還元
株主還元についてです。当社は2024年4月1日付で、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っています。そのため、スライドのグラフは2024年3月期以前は分割前の配当額、2025年3月期以降については分割後の配当額を記載しています。
当社は2026年中期経営計画において、DOE1.7パーセントを目安とした配当と、株主優待・自己株取得を合わせて総還元性向40パーセントを目標としています。
これを踏まえて、2025年3月期については、先月公表したとおり期末配当を32円とします。中間配当と合わせると52円で、DOEは1.8パーセントです。前年度比で実質2円増配となり、さらに1億5,000万円の自己株取得および株主優待の新設を実施することで、総還元性向は44.9パーセントとなります。
2026年3月期については、年間配当はDOE1.7パーセントの52円を予定しています。総還元性向40パーセントを目安に、さらに株主優待の拡充および自己株取得を実施していきます。
以上をもちまして、2025年3月期の決算説明を終了します。ご質問・お問い合わせ等がありましたら、弊社経営企画部までお気軽にご連絡ください。ご視聴いただき、誠にありがとうございました。