本日のアジェンダ
かぶ1000氏(以下、かぶ1000):みなさんこんにちは、かぶ1000です。今日はよろしくお願いいたします。今日の講演の内容は、投資と万博というところで、つながりがあるのかなと、ちょっと疑問を持つ生徒さんも多いと思いますが、2025年4月13日から開催される大阪万博も絡めてお話しします。サブタイトルが、「意外なところから投資につなげるヒントとは」となっていますが、今回はそういうところをみなさんと一緒に学んでいきたいなと思います。よろしくお願いします。
今日学んでほしいことは全部で3つあります。1つ目が、「詳細な目標を設定しよう」ですね。2つ目は、「リスクとリターンの関係」です。投資には必ずリスクがあるので、自分が取っているリスクに対してどれぐらいのリターンがあるか、ここの精度を上げていくことが非常に大事なので、このことを学んでいこうかなと思います。
次が3つ目ですね。番外編ですが、「投資と万博の深い関係」ということで、ここはたぶん僕独自の目線になると思ういますが、ぜひ聞いてみてください。
学んでほしいことその1 「詳細な目標を設定しよう」
1番目、「詳細な目標を設定しよう」というところから始めようと思います。みなさん、投資を始めてまだ間もないですし、経験も少ないと思いますが、具体的に詳細な目標を立てて、やっているって人はどれぐらいいますか?
司会者:5人ほど手を挙げてくれています。
かぶ1000:5人も。けっこう優秀ですね、5人いればすごいと思います。なぜ詳細な目標を設定したほうがいいのかということを、今から説明していこうと思います。
株の場合、年初に大発会というものがあります。相場が始まる前に、投資の方針や投資の目標を詳細に決めるのはすごく大事なことです。
なぜかというと、市場の雰囲気は本当にコロコロコロコロ変わるからです。2024年8月に、史上最大の下げ幅に日経平均がなったというニュースを見た方もいると思いますが、本当に株というのは気まぐれで、コロコロコロコロ変わっちゃうんですね。
しっかり事前に目標とか方針を決めておくと、市場が大きく変化した時にも流されずに済むんじゃないかと思います。
2つ目です。当然私もそうですが、株って本当に難しいんですよ。この株は上がるかなと思って買ったけどまったく上がらないとか、みなさんもいろいろと経験されていると思います。うまくいかない時は私でもあります。そういう時は、途中でその方針や目標を変えていくのもすごく大事なことなんですね。
なぜそういうことをやるかというと、うまくいかなかった部分に対して変えたところを、また後で検証できるからです。予定や目標を何も立てずにやってしまうと、コロコロコロコロ方針が変わってしまって、結局どこが良くなかったのかを後で検証することができないんですよね。
だから最初にきちっと方針を決めて、うまくいかなかったらこう変えた、どういう理由で変えたのかまできちんと書いておく。それでうまくいくとは限りませんが、検証する時に非常に役に立つので、ぜひこういう習慣を身に付けると良いと思います。
最後に3つ目です。年末になったらその目標や方針がどれぐらい達成されたかを検証していきます。この結果を検証するという作業は投資の中でものすごく大事なことなので、ぜひみなさんも、この1、2、3を毎年毎年習慣づけできるようにするといいと思います。
投資方針および目標1 生き残ることを最優先に考えてリスク管理を徹底する
目標や方針を決めていくことによって、ちょっとずつ投資のスキルを上げていくということが私は大事じゃないかなと思います。私自身、2025年の投資の方針と目標を10項目決めました。この10個を具体的に説明していこうと思います。
1つ目、これはもう毎年一番大事にしていることです。まず生き残ることを最優先に考えて、リスク管理を徹底するというところで、この生き残るという文言に生々しい印象を受けちゃう人もいるかもしれませんが、やはり相場は何が起こるかわからないんですね。
先ほども言いましたが、去年の8月に暴落しちゃったりなど、そういったことがいろいろあります。せっかく資産を築いていっても、そういうたった一度の失敗ですべてをなくしてしまう危険が投資にはあるんですよね。だからこそ常に生き残ることを最優先に考えて、勝つことよりも負けないこと、投資を継続するために無理をしないこと、これを徹底することがすごく大事だと思います。
みなさんが知っているかはわかりませんが、ヘッジファンドの投資家でジョージ・ソロスという方がいます。この方も「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」と言っています。私もこれには本当に共感していて、株をやる以上、儲けたいとか、お金を増やしたいというのがまず先に出ちゃうと思いますが、そういうところで足元をすくわれちゃうことって多いんですよね。
儲けるのも大事ですが、そこを第1に考えずに、ゆっくりでも着実に慎重に資産運用を継続していくことが、私は一番大切なことじゃないかなと常々思っています。
投資方針および目標2 年20パーセントの運用利回り
これは私自身の投資の目標ですが、年20パーセントの運用利回りを目標に運用に励んでいます。安定した運用重視と書いてあって、右側に表があります。2001年からここ24年ぐらいの数字で、日経平均、トピックス、グロース250、S&P 500と、だいたい代表の株価指標と、かぶ1000と書いてあるのが私の運用利回りです。比較するとわかると思いますが、その年マイナスだったのは赤くなっています。
緑色の背景になっているのが5つの中で1番パフォーマンスが良かったのがどれかというもので、先ほど言ったように、私は安定した運用重視で、勝つよりも負けないことを重視しているので、マイナスにならないことを最優先に投資しているんですね。
見てもらうとわかると思いますが、それのおかげで他の指標に比べてもマイナスが少ないです。リーマン・ショックの時だけは、残念ながらマイナスでしたが、マイナスも少ないです。飛び抜けてすごいプラスはありませんが、安定的にこの指数に勝つ年が多いので、累計で見ると私の場合、過去24年間で1万3,873パーセントで、他の指標を見ると一番いいS&Pが351なのでもうぜんぜん差があります。
細かい負けをなるべく減らして、なるべく安定した収益を積み上げていくことが10年20年経つと非常に大きな差になるなということが、この表からわかっていただけると幸いです。単年度の爆益よりも、たとえ運用利回りが低くても、着実な運用を継続することが最終的には大きな利益を生むことになりますよ、というのがこの表ですね。
私の場合は、今のところ単体の単利で24年間の平均が34.8、複利でも22.9なので、目標の20パーセントはなんとかクリアしています。これが今後も継続できるかはわかりませんが、達成できない数字を掲げても意味はないので、自分の中で達成できる数字で最善を尽くすことに私は日々努力しています。そういったかたちで、今後も着実な運用を大事に考えていくということを重視して努力していきたいなと考えています。
投資方針および目標3 シャープレシオを意識したポートフォリオ作りに専念する
3番目に「シャープレシオを意識したポートフォリオ作りに専念する」とあると思います。シャープレシオというものを聞いたことがない人はけっこういる気がするので、シャープレシオについては、また後で説明します。
リスクとリターンをしっかり分析することがすごく大事です。当然、リスクとリターンは個別銘柄によって大きく異なります。なので、投資する前にどれぐらいのリスクとリターンがあるのかをしっかり把握することがすごく大事になってきます。異なるリスク資産をうまく組み合わせてポートフォリオ全体のリスクを抑えながら運用益を高めていくことが、資産運用では主な目標になってくるのですが、私は、一応株式に限って運用していこうと思っています。
証券口座に入れているお金は基本的に資産運用するためのお金で、リスクを取っていいお金と決めているんですね。私は専業投資家で、もちろん日常生活に使うお金も必要なので、別の銀行口座に1年分の生活費ぐらいは残すようにしているのですが、それ以外のお金はなるべく運用したいということで、その証券口座に入れたお金の範囲内で現物で買っていて、なおかつシャープレシオ1以上を目指しています。
シャープレシオは基本的に数字が大きいほうが成績がいいという指標なので、みなさんもシャープレシオ1以上が1つ目安であることを覚えておいてください。現物フルポジで投資機会を逃すことなく、株価変動率が異なる銘柄をうまく組み合わせることによって、ポートフォリオ全体の変動率を抑えていきます。
変動率が大きくなるとリスクも大きくなるんですね。変動率というのは、株価で言うボラティリティです。要するに、株価が急激に上がったり急激に下がったりする株と、そんなに大きく動かない株がある中で、変動率が大きい銘柄を入れれば儲かるというわけではなく、当然儲かるチャンスもありますが損する可能性も高くなるので、そのあたりのバランスがすごく大事になってきます。
変動率を大きくするとリスクも当然高くなるので、リターンを安定させることが非常に難しくなります。当然シャープレシオも小さくなりがちです。一方で、ポートフォリオ全体の変動率を抑えながら、リスクを少しずつ高めていくことによって、シャープレシオを大きくしていくということを私は一番の目標に励んでいます。
(次回へつづく)