目次

成田隆志氏:ニフティライフスタイル代表取締役社長の成田です。当社の動画をご覧いただき誠にありがとうございます。

当社は本日、2025年3月期通期の決算を発表しました。今年度は新たに子会社を加え、前年を大幅に上回る良い決算を出すことができました。

本日は、まず2025年3月期通期決算概要をご説明し、次に各事業の状況など決算のポイントをわかりやすくお伝えします。その後、2026年3月期業績予想についてお話しします。最後までどうぞよろしくお願いします。

2025年3月期 通期:決算ハイライト

2025年3月期通期決算の概要をご説明します。

連結決算ハイライトです。売上高はYoYプラス38.8パーセントの49億3,800万円、EBITDAはYoYプラス19.6パーセントの13億7,900万円、営業利益はYoYプラス7.5パーセントの10億400万円で着地しました。

決算のポイントについてご説明します。売上高及び各段階利益において、開示している業績予想を上回って着地しました。この結果、中期経営計画における定量目標を、1年前倒しで早期達成しました。

売上高には、M&Aで子会社化した株式会社ドアーズ(以下「ドアーズ社」)の貢献に加え、株式会社GiRAFFE&Co.(以下「ジラフ社」)が既存クライアントから大型受注を受けたことにより、設立以降、過去最高となる売上高を更新しました。

営業利益は、主力事業である「ニフティ不動産」の売上伸長に加え、効率的な事業運営によるコストの最適化が進んだことが貢献し、過去最高を更新しました。EBITDAもYoYプラス19.6パーセントで着地しました。

2025年3月期 通期:連結損益計算書

連結損益計算書です。売上高及び営業利益から親会社株主に帰属する当期純利益までの各段階利益において、通期業績予想を上回る実績で着地しました。

2025年3月期 通期:四半期別売上高

四半期別の売上高推移です。2025年3月期第4四半期単独での売上高は14億7,600万円と、YoYプラス24.6パーセント成長し、四半期別で過去最高を更新しました。子会社2社の連結貢献と成長に加え、「ニフティ不動産」をはじめとする既存事業の安定的な成長が寄与しました。

2025年3月期 通期:営業利益及びEBITDA推移

通期営業利益とEBITDAの推移です。営業利益とEBITDAがともに過去最高となり、中期経営計画の定量目標も1年前倒しで達成しました。

2025年3月期 通期:コスト四半期別推移

コストの四半期別推移です。コスト増加は、主にドアーズ社及びジラフ社の連結影響によるものです。

単体では、適切なコストコントロールを通じて、「ニフティ不動産」における売上高販売促進費率が低下傾向となっています。

2025年3月期 通期:コーポレートアクションハイライト

事業面での成長に加え、今期はコーポレートアクションにもいくつか進展がありました。

配当については、今後の配当方針を一部反映するかたちで、期末配当を23円に引き上げています。この結果、年間配当額は当初予想の18円から32円へと大きく増額しました。

株主優待のさらなる拡充として、紙での優待券から電子チケットへの移行を行いました。この結果、対象施設は全国7エリアをカバーする約40施設へと大きく増加し、今まで以上にご利用いただきやすい株主優待になったと考えています。

さらに、当社株式が貸借銘柄に選定されました。通期決算ハイライトについては以上です。

事業とサービスについて

各事業領域の概況です。まずは当社の事業ドメインについてご説明します。当社が手がけるビジネスは、日常生活における意思決定を支援する行動支援サービス事業です。

売上高構成は、不動産テック領域が全体の75パーセントを占める状況であり、ドアーズ社も加わったことで不動産事業領域の拡大が進んでいます。

2025年3月期 通期:不動産テック領域売上高

領域別の決算概況です。不動産テック領域の通期売上高は、ドアーズ社の連結貢献もあり、YoYで大幅にプラスとなる36.9パーセント増の36億8,900万円となりました。

「ニフティ不動産」は、アプリのUI/UXを継続的に改善する取り組みが奏功して送客数増加に寄与し、安定成長となっています。

不動産テック領域トピックス:ニフティ不動産

不動産テック領域のトピックスです。「ニフティ不動産」においては、アプリダウンロード数の成長が継続しており、2025年3月に累計1,200万ダウンロードを突破しました。

「掲載物件情報数No.1」「こだわり条件数No.1」の2冠を達成しており、情報量の多さと絞り込みのしやすさ、アプリの使いやすさで、選ばれるサービスへと強みが進化しています。

不動産テック領域トピックス:外壁塗装の窓口

ドアーズ社が運営する「外壁塗装の窓口」については、「ニフティ不動産」との相互送客及びプロモーション最適化への取り組みを進めています。相互送客については、「ニフティ不動産」内に外壁塗装コーナーやコラムを新設しました。

「ニフティ不動産」の集客力を活用することで、プロモーションに頼らない顕在ユーザーの効率的な集客を行い、成約売上の向上を図ることが狙いです。

不動産テック領域 主要KPI

不動産テック領域の主要KPIは、スライドのとおりです。「ニフティ不動産」では、顧客接点のアプリシフトが加速しており、送客数の堅調な推移が売上高に寄与しました。なお、3月末時点で掲載物件情報数は1,376万件、累計アプリダウンロード数は1,208万ダウンロードとなっています。

「外壁塗装の窓口」のKPIとして、強みの1つである累計加盟店数を出しています。累計加盟店数は、3月末時点で累計5,570社となっています。

2025年3月期 通期:ウェルネステック領域売上高

ウェルネステック領域の通期売上高は、前年度サンプリング売上高の反動減や、クーポンから電子チケットへのサービス利用者の移行要因もあり、YoYマイナス1.4パーセントの3億2,500万円で着地しました。

ウェルネステック領域トピックス:ニフティ温泉 電子チケットの普及拡大に向けた取り組み

「ニフティ温泉」のトピックスです。電子チケットのサービス開始から1年強が経過し、導入店舗数は3月末時点で206店舗となりました。集客力が高い施設や複数店舗を運営するグループ施設への導入を優先し、引き続き積極的な営業活動を行っています。

3月には「ニフティ温泉」の会員数が100万人を突破しました。施設情報の閲覧やクーポンの利用は誰でも可能ですが、「ニフティ温泉」に会員登録すると、会員限定のログインクーポンや電子チケットの利用、登録エリアに応じたお得な情報のメール配信など、より利便性の高いサービスをご利用いただけます。

会員数の増加については、2026年3月期業績予想パートでもご説明しますが、今後の事業展開につながっていく重要な要素だと考えています。

ウェルネステック領域 主要KPI

ウェルネステック領域の主要KPIは、スライドのとおりです。「ニフティ温泉」では、第4四半期においてMAU/送客数ともに伸び悩みました。今期は不動産同様、Webでの顧客接点からアプリシフトを強化していきます。

なお、3月末時点での総掲載施設数は2万2,662件、クーポンと電子チケットを合わせた掲載施設数は延べ642件となっています。

2025年3月期 通期:クロステック領域売上高

クロステック領域の売上高は、ジラフ社の連結効果により、YoYプラス73.2パーセントと大幅に伸び、9億2,300万円で着地しました。既存クライアントからの大型案件受注の影響が寄与しています。なお「DFO」は引き続き安定的に推移しています。

クロステック領域トピックス:ジラフ社 大型案件の受注、DFO広告運用連携の強化

クロステック領域のトピックスです。ジラフ社の大型受注案件については、中長期的に顧客と寄り添うことで信頼を築いています。

「DFO」においては、2月に株式会社メルカリが提供する広告配信サービス「メルカリAds」との連携を開始しました。「DFO」によるデータフィード構築に加え、広告運用までを一括でお任せいただけるワンストップサービスにも対応しています。通期決算説明については以上です。

中期経営計画の策定

2026年3月期業績予想です。本日、決算公表と同時刻に、新たな中期経営計画「XPANSION 2030」を開示しました。この中で、2030年3月期までの5ヶ年に向けた新たなビジョン、事業ドメイン、定量目標を設定しています。

ビジョン及び事業ドメイン

新計画では、2030年3月期を対象とする新たなビジョンとして「『人生100年時代の意思決定』を支える企業へ」を定めています。

事業ドメインとして、一層の「幸せな暮らしの意思決定」をサポートすべく、2つの領域を定めました。LIFE STYLE領域では、多様なライフスタイルに伴う「意思決定」を支援し、人々の豊かな生活に貢献します。WORK STYLE領域では、企業や働く人の「意思決定」を支援し、生産性向上や企業競争力の向上に貢献します。

中期経営計画のサブタイトル「XPANSION 2030」には、このようなかたちで、事業領域、提供価値を、2030年3月期までにそれぞれ大きく拡げていく当社の思いを込めています。

提供価値の拡大

「人生100年時代」を想定すると、生活する時間や働く時間が長くなり、暮らしの意思決定の仕方にも従来との変化が発生すると考えています。

これまでの「探す」だけではなく、「探す」ことと「相談する」ことを意識することで、より多くの気づきが生まれ、結果として意思決定がより良いものになります。これが「人生100年時代」における意思決定のあり方だと考えています。

ニフティライフスタイルは、この意思決定のあり方に沿って、「探す」「相談する」の2つの観点から、一人ひとりの意思決定を支え続けることを目指します。

2026年3月期 方針

2026年3月期は中期経営計画初年度として、今後5ヶ年における経営戦略/事業戦略を踏まえた事業基盤の構築、必要経営資源の獲得に向けた投資を行っていきます。

売上高は着実な成長を目指し、キャッシュフロー創出力を示すEBITDAについては、オフィス関連や人材などの必要投資を行いつつも、2桁成長を計画しています。

LIFE STYLE領域 2026年3月期 主な取り組み

領域ごとの主な取り組みについてです。LIFE STYLE領域では、サーチ(探す)カテゴリーの中心となるアプリの強化を進めていきます。住まい事業の「ニフティ不動産」においては、今後も成長が見込める購入領域でのアプリ強化を行っていきます。

購入アプリ経由の流入ユーザーに対するリテンション施策の推進を行うことで、ユーザー数及びコンバージョンレートの引き上げによる送客数増を目指します。具体的には、行動履歴に応じた物件レコメンドの強化、PUSH通知によるリテンション強化などを想定しています。

LIFE STYLE領域 2026年3月期 主な取り組み

ウェルネス事業では、「ニフティ温泉」におけるアプリ集客、リピートユースのフロー構築を進めます。

「ニフティ温泉」アプリから電子チケットへの導線を設計し、集客したユーザーの会員化を進めることにより、「ニフティ温泉」のリピートユースを引き上げるとともに、ウェルネス事業での今後の事業展開に向けた基盤の構築を目指します。

LIFE STYLE領域 2026年3月期 主な取り組み

住まい事業のアドバイス(相談)カテゴリーについては、「外壁塗装の窓口」による元請型事業の店舗拡大及び事業領域の拡大による売上成長を目指します。

本日発表したリリースのとおり、「ニフティ不動産」・ドアーズ社のそれぞれの強みを活かした「住まい探しの窓口」を開始し、住まい探しユーザー及び不動産事業者向けの新たな提供活動の創出を目指します。

WORK STYLE領域 2026年3月期 主な取り組み

WORKSTYLE領域は、アドバイス(相談)カテゴリーでのマーケティング支援を引き続き強化していきます。

既存事業である「DFO」広告運用代行サービスは「メルカリAds」の運用が堅調であり、「DFO」・SaaSサービスを利用している顧客へのご提案により、シェア拡大を目指します。

新規領域は、企業や働く人をサポートする、サーチ(探す)カテゴリーに展開できるプロダクトの開発を検討中です。

2026年3月期 通期業績予想

以上の取り組みなどの結果としての、2026年3月期の通期業績予想です。売上高は53億2,400万円、営業利益は10億7,200万円、EBITDAは15億2,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億9,200万円を計画しています。

中期経営計画初年度として、売上高は着実な成長を想定しています。営業利益はオフィス関連投資等中期的成長への基盤作りも進めつつ、増益を想定しています。EBITDA、当期純利益はそれぞれYoY2桁の伸びとなります。なお、オフィス関連投資が営業利益に与える影響は約8,000万円となります。

配当予想

配当予想です。本日開示した中期経営計画に記載したとおり、成長投資とのバランスや資本効率などを十分に勘案しながら、今後は配当性向の目途を50パーセントとすることにしました。この方針に基づき、配当予想は中間27円、期末27円の1株当たり年間54円を想定しており、2025年3月期の年間32円から22円の増配となります。

2026年3月期の業績予想については以上です。

企業価値向上に向けたIR活動の実施

企業価値向上に向けたIR活動を強化していきます。引き続きオープンかつ積極的な対話を大切にし、持続的成長に向けた透明性と説明責任を果たしていきます。

成田氏からのご挨拶

本日開示した中期経営計画2026年3月期業績予想に基づき、株主のみなさまにより良い結果を示せるよう取り組んでいきます。

今回の動画でご紹介した2024年度の通期決算発表に加え、2030年に向けた中期経営計画を発表していますので、ぜひご覧ください。引き続きみなさまからの温かいご支援をよろしくお願いします。