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里見一典氏:ただ今より、株式会社オプロの2025年11月期第1四半期決算説明会を行います。代表取締役社長の里見一典です。よろしくお願いします。
本日は、まず当社のことが初めてという方に向けて、会社概要・事業内容をご説明します。その後、競合他社に対する優位性、2025年11月期第1四半期の実績、2025年11月期通期の業績見通し、中期経営目標および成長戦略についてご説明します。
会社概要
会社概要です。株式会社オプロの設立は1997年4月です。代表は私、里見一典です。2025年2月の段階で従業員数は104名で、資本金は4億8,365万円となっています。
本社は東京都中央区の京橋に構えており、2024年の12月から、営業所として大阪オフィスをオープンしました。事業内容は、法人向けクラウドサービス事業です。
マネジメント体制
マネジメント体制についてご説明します。代表取締役社長は私、里見一典が務めています。常勤取締役は安川、吉田、社外取締役は宮澤、内田、長井の合計6名の取締役がいます。また、常勤監査役は澤野、社外監査役は大塚、澤田の合計3名の監査役がおります。トータル9名の役員で運営を行っています。
経営方針
当社は経営理念として「謙虚・誠実・進取」の3つを掲げています。「謙虚」とは、人を敬い尊敬すること、つまり相手を認めるということです。「誠実」とは、人や仕事に真面目に対応することです。「進取」とは、自ら進んで新しい事を取り込み、誰よりも先に行うということです。
当社のMissionは「make IT simple」です。最近複雑になってきたITをシンプルにまとめ上げて、さまざまな変化に対して迅速に対応するサービスを提供していきます。
我々はソフトウェアを提供する会社として、ソフトウェアのプロダクトとサービスに対してポリシーを持っています。それが「Less is More」です。「無駄を省くことで、さらにより良いものになる」という考えでパフォーマンスの高い製品開発を続け、お客さまに喜んでいただけるサービスを強化しています。
事業内容
事業内容についてご説明します。我々は、大きく2つのソリューションを展開しています。1つがセールスマネジメントソリューション、そしてもう1つがデータオプティマイズソリューションです。
セールスマネジメントソリューションは、販売管理のソリューションです。特に、サブスクビジネスに強い販売管理のソリューションとなります。一方、データオプティマイズソリューションは、帳票形式でデータのインプットおよびアウトプットができるソリューションです。
収益モデル
まず、収益モデルについてご説明します。我々の収益モデルは、フロー型とストック型があります。このうち、ストック型モデルが売上の約90パーセントを占めています。ストック型モデルはいわゆるライセンス利用料、サービスの利用料です。月次に売上を計上していくため、進捗率はどうしても前半が低くなり、後半に向けて高くなっていきます。
一方、フロー型モデルは、我々のサービスを導入するためのコンサルティングや帳票開発などによる収益です。いわゆる定収をもらって売上を上げるというモデルで、売上の約10パーセントを占めています。
主要顧客
主要なお客さまはスライドのとおりです。私どものホームページで、お客さまとの事例などもご紹介していますので、お時間ございましたらご覧ください。
データオプティマイズソリューション
データオプティマイズソリューションについてご説明します。本日は、アウトプットでは「帳票DX」、インプットでは「カミレス」をご紹介します。我々は現在、エンタープライズ向けのソリューションとして、この2つを提供しています。
帳票出力サービス「帳票DX」
帳票出力サービス「帳票DX」についてです。帳票とは、ビジネスで使うすべての書類のことをいいます。見積書、請求書、契約書、個社特有のグラフィカルな帳票などいろいろありますが、これらをまとめてアウトプットできるものが「帳票DX」です。
帳票出力サービス「帳票DX」
「帳票DX」の主な機能です。まず、帳票のデザインが自由にできます。また、帳票出力が多様です。PDFだけではなく、Microsoft Officeの「Word」「Excel」「PowerPoint」にも対応しています。
特にPDFについては、UDフォントというユニバーサルデザインフォント、いわゆるプロのデザイナーが使うフォントを使える点が特徴です。加えて、帳票をアウトプットするだけではなく、その後続処理、例えば電子署名や保存などを自動化できるという点も特徴です。
帳票出力サービス「帳票DX」
「帳票DX」ではさらに、PDFを出すためのデザインソフトである「XAデザイナー」が使えます。「XAデザイナー」はAdobe社のPhotoshopやIllustratorの操作性と似ているため、「XAデザイナー」を使う上での技術的ハードルは低いと思われます。
また、今までは、帳票のレイアウト作成後にどのデータをどこに出力するのかというマッピングと呼ばれる作業に、ITスキルが必要でした。当社はこの課題に対して、最近「帳票AIマッピング」という機能を実装しました。これにより、どのデータをどこに出力するのかを自動的にマッピングできるようになったため、さらに技術的ハードルが下がりました。
帳票出力サービス「帳票DX」
「帳票DX」は、さまざまな他のSaaS(Software as a Service)と連携ができます。スライドでお示ししたとおり、例えば、「CloudSign」や「GMOサイン」「DocuSign」などの電子署名と自動的に連携します。
連携された後、「Google ドライブ」や「Box」などに保存して、そのURLをSMSで配信します。このように、帳票を出すだけでなく、後続処理も自動化できるということが「帳票DX」の特徴の1つとなります。
金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」
「カミレス」についてです。「カミレス」は、特に金融や行政、公共などの機関向けの電子申請サービスです。紙の申請書があれば、それを「カミレス」に取り込み、マウス操作でフォームにしたい部分をなぞるだけで、非常に簡単に電子フォームができるというツールです。
また、「カミレス」は「Salesforce」のプラットフォーム上で開発されているため、ワークフロー機能が実現できます。具体的には、申請後の審査、承認、あるいは否認といったワークフローが簡単に組むことができます。いわゆる電子申請サービスを一気通貫で開発できることが、「カミレス」の特徴です。
金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」
スライドの図は、「カミレス」と「帳票DX」を組み合わせたモデルで、あるお客さまの事例をそのまま図示しています。
職員自身が申請フォームを作成しオープンすると、利用者のスマ-トフォンやパソコン、窓口の端末などに合わせて自動的に画面が出るため、そこで実際に入力できます。入力して申請したら、審査、請求と進み、承認した後、それを電子帳票化するという一連のワークフローを、一気通貫で対応できます。
また、「帳票DX」はいろいろな連携ができるため、マイナポータルとの連携も実現しています。マイナポータルと連携することにより、利用者はさらに入力を削減することができます。
導入事例
このシステムを導入いただいた機関の1つが、埼玉県庁です。埼玉県庁は現在、法人向けのサービスで「カミレス」と「帳票DX」を使っていますが、来年度に向けて、いわゆる市民のサービスにも提供していく予定になっています。そのようなところで、マイナポータルとの連携が活きてくると思います。
セールスマネジメントソリューション
セールスマネジメントソリューションです。これは、サブスクビジネスに強い販売管理のソリューションで、「ソアスク」と「モノスク」の2つを展開しています。
「ソアスク」はソフトウェアなどの無形商材でご利用いただくソリューション、「モノスク」は有形商材でご利用いただくソリューションです。
無形商材のサブスクビジネス管理サービス「ソアスク」
「ソアスク」の拡張機能として「モノスク」があるため、まずは「ソアスク」についてご説明します。
「ソアスク」の主な特徴です。「ソアスク」も「Salesforce」のプラットフォーム上で管理されています。まず、多様なプライシングに対応できます。課金方法にはID課金、従量課金、ネットワーク課金、ファイル容量課金など、さまざまなものがありますが、これらを十分に管理できるため、複雑な見積にも対応できます。
請求書の出力はもちろん可能ですが、特に大きな特徴は、契約管理という機能です。サブスクビジネスで大事なことは、LTV(Life Time Value)、いわゆるいかに長くお客さまに使ってもらうかということですので、この契約管理が非常に重要な機能となります。
契約期間という情報だけではなく、お客さまが導入した背景や実際の利用状況などの情報を管理できるため、特にカスタマーサクセスなどの観点で、非常に有効に活用できます。
また、セルフサーブにも対応しており、マイページの機能を提供しています。このため、お客さまと直接マイページでやり取りすることも実現しています。
無形商材のサブスクビジネス管理サービス「ソアスク」
「ソアスク」は「Salesforce」のプラットフォーム上で開発されているため、「Sales Cloud」との連携が簡単にできます。これにより、マーケティング、営業活動からバックオフィスまで、一気通貫でデータ管理を行うことができます。また、これらの情報をもとに、カスタマーサクセスに十分に対応できます。
さらにセールスフォース・ジャパン社は、自律型AIエージェントの「Agentforce」を載せてきています。これを利用することで、今後AIの機能をさらにいろいろ使っていける流れとなっています。
無形商材のサブスクビジネス管理サービス「ソアスク」
AI機能を活用した例を1つご紹介します。スライド右上のように、お客さまの利用状況を把握できます。これだけでも十分カスタマーサクセスで利用できますが、さらに現在、「AIタイムライン」という機能を実装しています。
これは、お客さまの利用状況やお問い合わせ内容に応じて、AIが「これやるべきだ」「今アップセルを狙える」「解約の可能性がある」などと判断して知らせてくれるものです。
このように「ソアスク」を使って、カスタマーサクセス活動を非常に能動的に動かすことができます。
有形商材のサブスクビジネス管理サービス「モノスク」
「モノスク」は、「ソアスク」の機能にモノの管理がついたサービスです。モノの管理が含まれると、いろいろな機能が必要になってきます。最近、製造業がモノのサブスクに非常に興味を持っています。
有形商材のサブスクビジネス管理サービス「モノスク」
「モノスク」はいわゆるモノのサブスクビジネスで、モノをデリバリーする、設置する、メンテナンスするといった管理を「モノスク」で行います。それだけではなく、モノを使った回数分で課金する従量課金に対応しており、この機能が非常に注目されています。モノを貸し出してレンタルフィーをサブスクで得るという従来のかたちは非常に簡単にできますが、それはリースやレンタルとあまり差がありません。
これに対して、実際にモノを設置した後、利用した回数で課金する方式は、IoTの技術も関連してきます。モノにチップを入れ、使った回数分をインターネット経由で「モノスク」が管理することができます。
そして、管理されたデータから、実績をもとに従量課金の請求を出します。その請求についても、「GMO後払い」「Stripe」「NP掛け払い」などとの連携ができているため、請求の自動化も実現しています。
導入事例
「モノスク」を導入されているMTG社の事例をご紹介します。MTG社は、Cristiano Ronaldo選手を宣伝で使った「SIXPAD」という筋肉を鍛える機械などでも有名ですが、最近ではシャワーヘッド「ReFa」をコンシューマーに販売しています。「ReFa」は法人向け製品でもあり、美容室や高級ホテルに納品されています。
同社はこの販売に関して、製品でお金を取るのではなく、使った回数分を課金するというビジネスモデルを実現しています。さらに、使用後の自宅でのニーズに向けて、いわゆる民生用の「ReFa」が売れるというモデルで使っています。
以上が私どもの事業内容です。
3つの強み
ここからは、競合との優位性についてご説明します。スライドのとおり、当社には「パートナーとの協業体制」「顧客ニーズ把握力と製品アップデート力」「柔軟な価格戦略」という3つの強みがあります。
パートナーとの協業体制
1点目の強みである「パートナーとの協業体制」についてご説明します。まず、私どもの売上の約9割は「Salesforce」絡みとなっています。セールスフォース・ジャパン社との強いパートナーシップが実現できており、年間複数のマーケティング施策を共同で行っています。
当社の「ソアスク」「モノスク」「カミレス」は「Salesforce」のプラットフォーム上で動作しているため、これらの販売価格の一定割合を、セールスフォース・ジャパン社とレベニューシェアしています。したがって、我々のサービスは、売れれば売れるほどセールスフォース・ジャパン社にとっても良いことになります。
「パートナーとの協業体制」のもう1つの特徴として、大手コンサルティングパートナーとの協業が挙げられます。セールスフォース・ジャパン社のパートナーで非常に強いのが、大手コンサルティングパートナーです。セールスフォース・ジャパン社は、アクセンチュア社、デロイト トーマツ コンサルティング社、日本IBM社、富士通社、NEC社、みずほリサーチ&テクノロジーズ社、NTTデータ社など、名だたるコンサルティングパートナーと強いパートナーシップを構築しています。
したがって当社は、セールスフォース・ジャパン社を通じて、このような大手コンサルティングパートナーと確固とした関係を築くことが可能となっています。彼らが、我々のサービス「ソアスク」「モノスク」「カミレス」を扱う際、技術的ハードルは低いです。なぜなら、我々のサービスは「Salesforce」のプラットフォーム上で動いており、新しく技術を学ぶ必要がないからです。
さらに「ソアスク」「モノスク」「カミレス」は、単体での販売が可能です。これらは「Salesforce」上のプラットフォームで動いていますが、我々はOEM契約を行っているため、プラットフォームをセットで販売しています。そのため、「Sales Cloud」や「Service Cloud」が入っていなくても、我々のサービスを単体で販売できるというのも、当社の強みの1つです。
パートナーとの協業体制
「パートナーとの協業体制」を、違う側面から見た特徴についてご説明します。特に「帳票DX」ですが、いろいろなSaaS会社のサービスと連携しています。そのため、その他のSaaSベンダーと共同のマーケティングを行い、そこで新しいリードを発掘するという活動を行っています。このようなことができることも、我々の強みとなっています。
顧客ニーズ把握と製品アップデート力
2点目の強みである「顧客ニーズ把握と製品アップデート力」についてご説明します。こちらについて、我々は社内全員が「ソアスク」を利用しています。
我々自身がいわゆる商談からバックオフィスまでの商流を、一気通貫でデータを管理しているため、非常に能動的なカスタマーサクセス活動ができます。その中でお客さまの要望、ニーズを十分に汲み取ることができるため、製品を非常に早くアップデートし、提供することが可能となっています。
柔軟な価格戦略
3点目の強みである「柔軟な価格戦略」についてご説明します。私どもは2007年からサブスクビジネス、クラウドビジネスに参入しました。そのため、いろいろな課金をサポートしています。
ID課金、アクセス数課金、従量課金、通信容量、出力ファイル容量、組織課金など、多岐にわたる課金モデルを持っており、それらをいろいろ組み合わせることによって、プライシングができます。
これにより、「Salesforce」用のプライシング、「SAP」用のプライシング、「SmartHR」用のプライシング、「kintone」用のプライシングなど、それぞれのターゲットにあるプラットフォームに合わせたプライシングができるというのが、我々の強みとなっています。
1つの製品で複数のプラットフォームに対して適正なプライシングができることが、我々の強みとなります。
主要KPI
2025年11月期第1四半期の実績についてご説明します。まず、我々の主要なKPIについてです。ARRは19億6,000万円、前年同月末との比較で24.6パーセントの成長率です。契約者数は1,439社、ARPUは136万円となりました。月次解約率は0.46パーセントと低位安定しています。なお、従業員数は104名となっています。
トピックス
トピックスです。残念ながら団体名は出せませんが、政府系の某省外郭団体に「カミレス」の採用が決まりました。この要因の1つには、ISMAPが将来登録されることがあります。今後はISMAPを早めに取得できるよう注力し、もっと大きな案件に対応していきたいと考えています。
トピックスの2点目として、セールスフォース・ジャパン社の「BEST HIT APP RANKING 2024」で、「カミレス」「帳票DX」「ソアスク」が5部門にランクインしました。特に「カミレス」は、公共業界売上部門で1位を獲得しました。
また、スライドには記載していませんが、先日、セールスフォース・ジャパン社の「Salesforce Japan Partner Award 2025」で、「Industry of the Year -Government & Public Sector-」を受賞することができました。このアワードは、デロイト トーマツ コンサルティング社とともに受賞しました。
トピックスの3点目として、人材採用・強化が順調に推移しています。まずキャリア、いわゆる中途採用は、第1四半期においては2名入社が決まりました。第2四半期は4名の入社が内定しており、そのうち2名はマネジメントクラスです。2025年4月の新卒は13名で、無事に入社できました。
トピックスの4点目として、「ソアスク」について、新たなAI機能に対応した「ソアスク for Agentforce(β版)」を発表しました。これについては、セールスフォース・ジャパン社の都合もあり、製品は出来上がったのですがいわゆるプライシングが出来上がっていないため、我々がこれを販売できるまでにはもう少し時間がかかります。セールスフォース・ジャパン社から発表され次第、おそらく、夏頃には発表できるのではないかと思います。
「ソアスク for Agentforce(β版)」は、「Salesforce」のAI機能「Agentforce」との連携により、一例として、会議の内容を録音してそれを自動的に文字に起こし、その内容を「Agentforce」が把握して自動的に商談を作る、あるいは見積を作る、あるいはプロジェクトを作るといった対応を実現します。
業績サマリー
業績のサマリーです。スライドは、前年同期である2024年11月期の第1四半期と、2025年11月期の第1四半期の実績を比較しています。
売上高は5億8,000万円で、増減額はプラス8,500万円、増減率はプラス17.2パーセント、進捗率は22.4パーセントです。増減率プラス17.2パーセントは低いように感じるかもしれませんが、当初の計画どおり順調に推移しています。
理由としては、プロフェッショナルサービスおよびフローの売上について、「帳票DX」の機能アップによりお客さまの内製化が進み、帳票開発の売上ニーズが下がっていくことを計画に入れ込んでいたためです。したがって、決して低いとは思っていません。
その証拠として、ライセンス利用料は増減率25.2パーセントを記録しており、比較的順調に進んでいると考えています。
営業利益と経常利益、当期純利益は、2024年11月期第1四半期と比べて下がっています。しかし、計画に対しては順調に進んでいると考えています。進捗率はすべて30パーセントを超えているものの、ISMAP以外の投資で行えなかった分の広告販促費が後ろに回ったことによる数字となっています。
売上高(四半期推移)
売上高についてです。まず、ストック売上比率が約9割となりました。理由としては、プロフェッショナルサービスの売上が減っていることが挙げられます。一方、ライセンスが増えているため、売上はしっかり伸ばせているかと思っています。
ARR (四半期推移)
ARRは前年同期比でプラス24.6パーセントの成長で、決して悪いとは思っていません。平均の成長率はプラス31.2パーセントとなっており、過去のパターンから見ても順調に推移していると思います。
大概、第1四半期のこのような成長率はアベレージとして出ており、後半にどんどん大きくなっていくことが我々のパターンとなっているため、こちらも順調であると理解しています。
契約社数及びARPU (四半期推移)
契約社数は前年同期比で15.1パーセントの伸びです。また、ARPUの成長率はプラス8.2パーセントで、こちらも順調に伸びてきているかと思います。
月次解約率(四半期推移)
月次の解約率についても、0.46パーセントと低位安定をしています。
営業費用(四半期推移)
営業費用です。前期よりも若干下がっているように見えますが、前年同期と比べると経費も売上もしっかりと伸びていっています。
第1四半期にはISMAP関連投資を行っていますが、イベントのずれなどにより、広告宣伝費や販売促進費が少し減少しています。
営業利益の増減要因
営業利益の増減要因です。前年同期と比較してみると、しっかり投資はできているかと思います。売上高はプラス17.2パーセントとなり、それに合わせて、売上原価もプラス10.5パーセントと良いかたちで伸びています。
人件費はプラス15.1パーセントと順調な伸びで、広告宣伝・一般管理費もISMAP関連の投資により前年同期比で大きく伸びています。また、営業利益についても、計画どおり出せていると理解しています。
従業員数(期末推移)
従業員数は、退職者が1名いたため、前期末と比べて人数に変更はありません。
貸借対照表
貸借対照表です。現預金は約16億円で、自己資本比率は52.0パーセントと、財務基盤は非常に安定していると理解しています。
なお、流動資産のうち、現金が16億4,200万円となっており、前期末と比べて1億2,300万円減っています。これは、我々はお客さまから1年契約でまとめてお金をいただきますが、約5割強のお客さまからは4月・5月にいただくことから、今は徐々に減っていく段階であるためです。したがって、次の第2四半期の発表の際にはここが大きく上がってきていると思います。
固定資産は、前期末比400万円アップの3億500万円となりました。順調に新しい機能が追加され、それがリリースされたことによるものです。
流動負債に関して、特に契約負債については我々の契約がこれだけあるという1つの証拠であるため、ここが大きくなるのは正しい伸び方です。今回は残念ながら前期末と比べて8,000万円減っていますが、これは先ほどお伝えしたように4月・5月に売上の5割強が集中しており、今は減っていく段階になっているため、正しい減り方かと思います。
利益もしっかり出せたことから、現在の自己資本比率は52.0パーセントとなりました。
業績見通し
2025年11月期通期の業績見通しについてご説明します。基本的に、前回発表した内容と変更はなく、売上高は25億8,400万円、増減率は前期比プラス22.8パーセントを目標としています。営業利益、経常利益、当期純利益については、前期と比べてあまり大きな差はありません。
2025年11月期は投資と決めているため、しっかり投資をして2026年11月期以降はしっかりと数字を伸ばしていきたいと考えています。
中期経営目標
中期経営目標および成長戦略についてご説明します。2025年11月期は投資と決めているため、営業利益率と売上の伸びの合計を40パーセント以上にする、いわゆる「Rule of 40%(ルール・オブ・フォーティ)」という目標を2026年11月期以降にしっかり達成できるよう、2025年11月期を仕込んでいきたいと思います。
目安としては、だいたい売上高の成長は25パーセントから30パーセント、営業利益率は10パーセントから15パーセントを目標としています。
中期経営目標(ARR)
大きな目標は、2030年11月期までにARR100億円を達成することです。これを達成するためには、平均成長率を30パーセント、ARRを30パーセント以上伸ばしていく必要があるため、30パーセントを少しでも超えるような伸びをしていきたいと考えています。
3つの成長戦略
目標を実現するための成長戦略は、3つ考えています。1つ目はエンタープライズ市場の開拓、2つ目は人材領域、3つ目は収益基盤の多様化です。
エンタープライズ顧客
我々は社員数500名以上のお客さまをエンタープライズ顧客と位置づけていますが、そのお客さまのARPUが非常に高く、我々の平均である136万4,000円に対して343万4,000円です。
したがって、エンタープライズ顧客をしっかり伸ばしていくことが、我々の成長には非常に重要となります。現在のARR全体を見ても、約6割がエンタープライズ顧客となっています。
エンタープライズ市場の開拓
エンタープライズ市場を開拓するためにまず我々がやるべきことは、導入コンサルティングの強化です。超大手については、大手のコンサルティングパートナーとしっかり手を結んで実施していきますが、準大手になると、我々がしっかり行わないとお客さまも増えていかないと考えています。
したがって、我々自身が導入コンサルティングをしっかり実施していくということを考えています。そのための人材を採用していくとともに、それに必要な製品のエンハンス(機能追加)をしっかり行っていきます。
なお、これを実現するためにはやはり信用力の向上が重要となります。したがってIR活動も含め、しっかりとお客さまやステークホルダーのみなさまに事例などの情報を提供していきたいと考えています。
人材領域
お客さまへ十分な情報提供をするには、やはり今の人数ではまだ足りません。したがって、開発人員やコンサルティング領域の人材、カスタマーサクセス人材やマーケティング営業人材の増員をマストとして、しっかり行っていきたいと考えています。
従業員数増員計画
イメージとしては、2028年11月期までには200名を超える体制にしていきたいと考えています。
収益基盤の多様化
今までは「Salesforce」あるいは「kintone」などを中心に展開していましたが、特にデータオプティマイズソリューションについては、まずは「帳票DX for SmartHR」、そして「帳票DX for SAP」を十分に提供していきたいと思っています。
SmartHR社は日本で非常に有名なユニコーン企業で、意外と知られていませんが、25パーセントがエンタープライズのお客さまです。そこに対し、我々が人材領域の提携の帳票フォーマットを提供しています。
現在、SmartHR社には営業が販売する上で「帳票DX for SmartHR」もあわせて販売するという活動を行っていただいています。「帳票DX for SmartHR」が販売でき次第、SmartHR社にレベニューシェアを行っており、それが営業の数字となるため、「帳票DX for SmartHR」も合わせて販売するという活動を行っていただいています。
続いて、「帳票DX for SAP」についてです。2027年問題というものがあります。これは、SAP社は今まで「SAP ECC(SAP ERP Central Component)」というERPを提供していました。俗にいうオンプレミスのサービスですが、これを「SAP S/4HANA Cloud」に変えていくというプロジェクトです。
実は2025年に予定されていたものの、やはり難しく、2027年に延期されました。そのため現在、エンドユーザーは「SAP S/4HANA Cloud」の移管をいろいろと進めている最中です。
なお、SAP社もAIを考えています。ただし、AIをいろいろ実装していくとなると、バージョンアップが欠かせません。しかし今までのSAP社のビジネスは、カスタマイズが非常に多いものでした。特にコアの部分のカスタマイズでは多くの時間がかかっていたため、バージョンアップも簡単にはできません。
SAP社はそれを非常に問題視しており、「Fit to Standard」「クリーンコア」というメッセージのもと、「BTP(Business Technology Platform)」というプラットフォームの提供を始めました。すべて「BTP」経由で「SAP」と連携を行い、カスタマイズする場合も「BTP」を経由して行うことになります。
これに対して我々は、「BTP」を経由して帳票を出すというソリューションを実現しました。SAP社の「SAPストア」にも登録を行い、提供を始めています。おそらく今年の後半にはみなさまに事例などをご紹介できるのではないかと思っています。
また、「帳票DX」の前に開発した「oproarts」という帳票サービスをOEM版にしたものの提供も行っています。
弁護士ドットコム社には昔から、我々のサービスが組み込まれている「クラウドサイン Sales Automation」を提供しています。特に介護系のサービスで強いところで、このサービスを展開していただいています。
最近では「HubSpot」というマーケティングオートメーションのツールがあり、ここに「RepoEasy」というサービスを、100社を中心にOEMで提供しています。
このような、我々の営業が売らないようなサービスもしっかりと収益として捉えていこうと考えています。
質疑応答:出来高が少ない現状について
「出来高がほとんどないので、株が買いづらい状況がずっと続いています。調査するとのことですが、それはどうお考えですか?」というご質問です。
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