2025年2月期 決算ハイライト
松本俊人氏(以下、松本):代表取締役の松本です。2025年2月期の決算説明を行います。
決算ハイライトとして、3つポイントがあります。1つ目に、売上高は前期比8パーセント増、営業利益は前期比46.9パーセント増と、大幅な増収増益となりました。
2つ目に、配当は期首予想から10円増配の30円とします。株主優待は100株以上保有の株主さまに対し、年間6,000円分の「QUOカード」贈呈を継続します。
3つ目に、販売用不動産の期末残高は79億円を確保し、期末としては過去最高となりました。2026年2月期計画は前期比約10パーセントの増収増益で、中期経営計画を1年前倒しで達成する予定となります。
重要な指標と主要なトピックス
重要な指標と主要なトピックスです。通期営業利益は9億7,000万円、販売用不動産の期末残高は79億3,000万円と大幅に増加しています。
トピックスの1つ目は、仕入・販売が非常に順調に進み、販売用不動産の在庫は79億3,000万円となり、期首の販売用不動産を十分に確保していることです。想定販売価格の中央値は前期末の6億7,000万円から9億1,000万円となり、価格帯が上昇しています。
トピックスの2つ目は、2026年2月期の営業利益が中期経営計画最終年度から1年前倒しの目標となっていることです。売上高135億円、営業利益10億8,000万円、経常利益8億円、当期純利益5億円を計画しています。
2025年2月期 連結P/Lサマリ
2025年2月期の連結決算概要とセグメント別決算概要、中期経営計画、2026年2月期の業績予想、そして株主還元についてご説明します。
2025年2月期の連結P/Lサマリです。売上高は124億3,000万円、営業利益は9億7,500万円、経常利益は7億4,000万円、当期純利益は4億6,100万円で、営業利益率は7.8パーセントとここ数年で最高となりました。販売用不動産の期末残高も過去最高の79億3,000万円となり、業績的には順調です。
後ほどお話ししますが、利益率を上げることを意識してきた結果だと考えています。
売上高・営業利益の推移
売上高と営業利益の推移です。業績が下期偏重であることが弊社の課題となっています。1月から3月くらいに売上が伸び、下期に売上目標を達成するというのは、我々の業界の傾向でもあります。
ただし、スライドのグラフにあるように、第2四半期から第4四半期にかけてやや分散化の傾向になってきたのではないかと見ています。期首に十分な在庫を持てるようになったため、今期も第1四半期からしっかりと売上を作って平準化していきたいと考えています。
販売費及び一般管理費の推移
販管費についてです。人件費は5億7,000万円と増加しましたが、居住用不動産の販売が期中に進んだため、租税公課は2,600万円と例年よりも低く抑えられています。
2025年2月期 連結B/Sサマリ
貸借対照表のサマリです。例年、販売用不動産の在庫を売り切って、自己資本比率が上がるという下期偏重の傾向でした。今期は79億円分という在庫残高を確保し、それに対して自己資本比率22パーセントと、そこまで下がらず決算を終えられたのではないかと考えています。
当社事業セグメントについて
事業セグメント別の決算概要です。不動産販売事業、不動産賃貸事業、不動産管理事業の3つの事業がありますが、売上構成比の92パーセントを占める不動産販売事業が売上高の大半を占めています。フロー収益の不動産販売事業でしっかりと売上を作り、ストック収益である不動産賃貸事業と不動産管理事業も厚くしていきたいと考えています。
2025年2月期 セグメント別実績概要
セグメント別の実績です。不動産販売事業の売上高は114億9,000円、営業利益は10億円を超え、大幅な増収増益となりました。
不動産賃貸事業は売上高7億1,200万円、営業利益1億2,800万円で、増収増益となりました。特に、不動産賃貸事業の利益をストック収入として今後も高めていきたいと考えています。
不動産管理事業は売上高2億2,300万円、営業利益8,100万円で減収減益となりました。管理戸数に多少増減はありますが、利益率の高い案件を優先して管理することで質を重視していこうという方針です。
2025年2月期 不動産販売事業の状況(1)
メインの不動産販売事業の状況です。販売が順調に進み、売上高は114億円、営業利益は10億3,100万円となりました。今後も不動産販売事業が業績を牽引していくと考えています。
2025年2月期 不動産販売事業の状況(2)
不動産販売事業の価格帯と種別です。スライド左側のグラフにてオレンジ色で示した「5~10億円」の部分と、赤色で示した「10億円以上」の部分が増えてきています。今後も価格帯は上がってくると考えています。
一方、水色で示した「2円億未満」の部分はすべて区分の案件となっています。区分マンション、区分オフィス、区分店舗などの事業も増やしているところです。
右側のグラフは種別を表しています。寮が1件、区分・事業用が8件、区分・居住用が6件など、多種多様な構成になってきています。
2025年2月期 不動産販売事業の状況(3)
不動産販売事業の状況です。仕入・販売とも順調に進んだ結果、在庫は過去最高の79億3,000万円となりました。2026年2月期第1四半期でも仕入が順調に進んでおり、4月10日現在、第1四半期で38億円の仕入が見込まれています。営業が大変順調に進んでいる状況です。
2025年2月期 不動産賃貸事業の状況
不動産賃貸事業は収益力が改善し、売上高・利益ともに大きく伸びました。その要因は、仕入段階や家賃交渉でのコスト削減、あるいはインバウンドの増加により民泊事業の利益率が高くなったことが挙げられます。1億円を超える営業利益を出していますが、将来的にさらに増やしていくことを目標に事業を行っていきたいと考えています。
2025年2月期 不動産管理事業の状況
不動産管理事業は減収減益となりました。管理受託を増やすことを目指しているものの、解約があったり、新規の管理受託ができなかったりしたため、多少波があったことが要因です。今後も、質を重視して管理受託を増やしていきたいと考えています。
当社が重視する指標
中期経営計画と2026年2月期の業績予想についてお話しします。まず、当社が重視する指標です。
新たな中期経営計画策定の前提として、当社は「1人あたり営業利益」を重視し、社員1人あたり営業利益1,800万円×社員60名分となる10億8,000万円を、この3年間の目標に掲げていました。将来的には1人あたり営業利益3,000万円を目指し、営業利益18億円という目標値を設定しています。
2026年2月期 業績予想
2026年2月期の業績予想です。来期の営業利益目標を今期に達成しようと考えており、売上高135億円、営業利益10億8,000万円、経常利益8億円、当期利益5億1,000万円の計画を立てています。
なお、社員数が65名に増えているため、1人あたり営業利益は1,800万円ではなく1,662万円となっています。
【補足】具体的取組み:不動産小口化商品
事業成長に向けた具体的な取組みとして、不動産特定共同事業法に基づく任意組合の組成準備を進めています。これまで資金調達を目的とした匿名組合型の不動産小口化商品を4案件運用してきましたが、調達が非常に早く順調にできる反面、P/Lに計上できないため、今回新たに任意組合型の不動産小口化商品の準備を開始しました。
不動産投資家にとっても節税効果や分割効果、都心の実物不動産を小口化して収入にできるなどのメリットがあり、非常に売れています。当社も7月を目途に青山のビルを対象に組成準備をしており、「AURAZONA(アウラゾーナ)」という名称で販売する予定です。
事業戦略について(全体像)
事業戦略についてです。「営業利益向上」「社外との連携」「販売事業の規模拡大」の3つの戦略を強化します。
事業戦略① 営業利益向上に向けた取組み
1つ目の「営業利益向上」に向けた取組みについてです。当社の強みは回転が速いことだと思っていますが、それだけでは利益率がなかなか上がらないため、物件を今までよりも長く持ち、その間にリフォームや賃料の交渉、コスト削減などをじっくり行うという戦略です。
また、利益率の高い物件やインカムの高い物件はなるべく長めに保有します。2025年2月期は賃料収入が前期比で32.5パーセント増加し、不動産賃貸事業の営業利益が1億円になりましたが、それをさらに増やすために保有期間を長めに持ち、利益を上げていきたいと考えています。
事業戦略② 社外との連携に向けた取組み
2つ目の「社外との連携」に向けた取組みについてです。これまでバリューアップやDXなどに取組んできました。資本業務提携など、日頃から取引のある企業ともう一歩連携できる関係を築いていきたいと考えています。
相手がいることですが、経営者同士でさまざまな打ち合わせをして進めていこうという機運がいずれ出てくるのではないかと思っています。当期にそのような実例が出れば、社外との連携も加速していくのではないかと考えています。
事業戦略③ 販売事業の規模拡大に向けた取組み
3つ目の「販売事業の規模拡大」に向けた取組みについてです。取扱不動産の価格帯の向上、種別の多様化に取組みますが、先ほどお話しした不動産の小口化もある意味では種別の多様化と言えます。つまり、種別を多様化することで、それをもって販路を拡大していこうということです。
価格帯については、先ほど10億円以上の物件が増えてきているとお伝えしましたが、今準備している物件には20億円以上のものもあるため、今後上がってくると思います。
種別については、区分の種類が増え販売も順調なため、増えてくると思います。このようなことで販売事業の規模拡大の取組みを引き続き進めていきます。
配当政策
株主還元についてです。期首時点では、1株あたり20円と予想していましたが、2025年2月期の配当は1株あたり30円とし、前期比で10円の増配とします。
配当方針としては、今までどおり業績を重視し、業績に基づいて検討する方針です。ただし、現状の配当は維持していきます。
株主優待
2023年2月期から開始した株主優待を継続し、100株以上保有の株主さまに対し、年2回、計6,000円分の「QUOカード」を贈呈しています。こちらは今後も継続していきたいと考えています。
以上で、私からの2025年2月期の決算説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:ストック収益の売上規模について
司会者:「ストック収益である不動産賃貸事業は、安定的な収益獲得のためにも重要と考えられますが、具体的にどの程度の売上規模を目指しているのでしょうか?」というご質問です。
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