インタビューにご協力いただいた方々のご紹介(順不同・敬称略)
DAIBOUCHOU 氏(@DAIBOUCHO)
個人投資家。1973年生まれ。東京都在住。各企業の財務諸表分析を中心とした、割安成長株への超分散投資を得意とする。会社員時代の2000年に200万円の元手から株式投資を始めて、約4年で資産が大膨張して「億り人」になる。ところが、専業投資家になったとたんに、ライブドアショックやリーマンショックの影響で資産が大暴落。その後、安定重視の中長期投資にシフトして、資産10億円を達成。その投資経験や知見を個人投資家に伝え、株式投資の成功者を増やすことがライフワーク。会社四季報オンラインで「DAIBOUCHOU流 超分散投資」を連載中。著書に「DAIBOUCHOU式 新・サイクル投資法」(宝島社)がある。
個人投資家。1973年生まれ。東京都在住。各企業の財務諸表分析を中心とした、割安成長株への超分散投資を得意とする。会社員時代の2000年に200万円の元手から株式投資を始めて、約4年で資産が大膨張して「億り人」になる。ところが、専業投資家になったとたんに、ライブドアショックやリーマンショックの影響で資産が大暴落。その後、安定重視の中長期投資にシフトして、資産10億円を達成。その投資経験や知見を個人投資家に伝え、株式投資の成功者を増やすことがライフワーク。会社四季報オンラインで「DAIBOUCHOU流 超分散投資」を連載中。著書に「DAIBOUCHOU式 新・サイクル投資法」(宝島社)がある。
たけぞう 氏(@noatake1127
)
元証券ディーラー。証券ディーラー時代は、多い時に約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益を上げた。現在は個人投資家兼経営者でラジオやYouTube、TVなどに出演しセミナー講師も勤める。四季報オンライン、MONEY PLUSに記事を寄稿。いろはにマネーにて記事監修。メルマガとコミュニティでは毎日最新の株式情報を配信。
元証券ディーラー。証券ディーラー時代は、多い時に約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益を上げた。現在は個人投資家兼経営者でラジオやYouTube、TVなどに出演しセミナー講師も勤める。四季報オンライン、MONEY PLUSに記事を寄稿。いろはにマネーにて記事監修。メルマガとコミュニティでは毎日最新の株式情報を配信。
ちょる子 氏(@kabu_st0ck)
240万→2億を達成した平成生まれの兼業投資家。大企業営業→同社マーケティング→スタートアップで広報の立ち上げ→PR支援で独立。PR×IR×個人投資家で、企業様の企業価値向上のお手伝いをしています。
240万→2億を達成した平成生まれの兼業投資家。大企業営業→同社マーケティング→スタートアップで広報の立ち上げ→PR支援で独立。PR×IR×個人投資家で、企業様の企業価値向上のお手伝いをしています。
ヘム 氏(@pygmy_hem)
京都大学卒業後、総合商社に入社。社会人1年目より投資を初め投資歴は27年になる。30歳で脱サラをし起業。現在も2社を経営する投資家兼会社経営者。390銘柄保有中、投資時価4.0億円(2025年2月28日時点)。個別銘柄分析&ポートフォリオ構成銘柄&成績をXで公開したところ、アカウント開設後、1年半でフォロワーが3万人突破。本当に価値のある会社に投資する「小型割安株」と「増配期待銘柄」を戦略の軸とし、さまざまなPFで構成した投資戦略。データを重視した投資手法で、その再現性の高さから、株クラ〜投資初心者まで幅広い支持を得ている。
京都大学卒業後、総合商社に入社。社会人1年目より投資を初め投資歴は27年になる。30歳で脱サラをし起業。現在も2社を経営する投資家兼会社経営者。390銘柄保有中、投資時価4.0億円(2025年2月28日時点)。個別銘柄分析&ポートフォリオ構成銘柄&成績をXで公開したところ、アカウント開設後、1年半でフォロワーが3万人突破。本当に価値のある会社に投資する「小型割安株」と「増配期待銘柄」を戦略の軸とし、さまざまなPFで構成した投資戦略。データを重視した投資手法で、その再現性の高さから、株クラ〜投資初心者まで幅広い支持を得ている。
名古屋の長期投資家(なごちょう)氏(@Nagoya_Tyouki)
株式投資は95年12月から始めた超分散投資の長期投資家。インカムゲインと配当の成長を重視したPFを組んでいます。(2023年2月末時点では227銘柄保有)
株式投資は95年12月から始めた超分散投資の長期投資家。インカムゲインと配当の成長を重視したPFを組んでいます。(2023年2月末時点では227銘柄保有)
投資における“バイブル書籍”と呼べるような、これまででもっと勉強になった投資関連書籍を教えてください
DAIBOUCHOU 氏
『ピーター・リンチの株で勝つ ―アマの知恵でプロを出し抜け』です。
投資家が低評価になりがちな業種、事業内容、成熟産業の成長企業など、良い成長企業を安く買う投資のコツを教わりました。
投資家が低評価になりがちな業種、事業内容、成熟産業の成長企業など、良い成長企業を安く買う投資のコツを教わりました。
たけぞう 氏
『相場サイクルの見分け方<新装版> ―銘柄選択と売買のタイミング』です。
30数年前に読みましたが、現在でも通じる内容になっています。「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」など。
30数年前に読みましたが、現在でも通じる内容になっています。「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」など。
ちょる子 氏
『高圧経済とはなにか』です。
インフレ時に何が起こるのかという投資というよりも経済についてのお話です。これを読むと、しばらく日本政府がどのような思惑で政策を行っていたかわかりますし、これからの経済がどう動いていくかわかります。
あとはテクニカルの勉強に『マーケットのテクニカル百科 入門編』と『マーケットのテクニカル百科 実践編』の2冊も。テクニカルとはその時その時の投資家の心理の軌跡です。
テクニカルとはその時その時の投資家の心理の軌跡です。いろいろなチャートの分析が書いてあるのと、証券マンが入社1年目に読む本とお聞きしています。
インフレ時に何が起こるのかという投資というよりも経済についてのお話です。これを読むと、しばらく日本政府がどのような思惑で政策を行っていたかわかりますし、これからの経済がどう動いていくかわかります。
あとはテクニカルの勉強に『マーケットのテクニカル百科 入門編』と『マーケットのテクニカル百科 実践編』の2冊も。テクニカルとはその時その時の投資家の心理の軌跡です。
テクニカルとはその時その時の投資家の心理の軌跡です。いろいろなチャートの分析が書いてあるのと、証券マンが入社1年目に読む本とお聞きしています。
ヘム 氏
1冊に絞るのは難しいので、3冊挙げさせてください(笑)。
ベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法』、バートン・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』、ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』です。
『賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法』からは、「投資とは企業の本質的価値を大きく下回る価格で株を買い、安全域を確保することで、不確実性のある市場でも長期的にリターンを得るゲームである」 という原則を学びました。企業の解散価値や安全域という概念に初めて触れた時は衝撃的でした。財務分析の詳細さや時代背景などからも内容はかなり難解ですが、私にとってバリュー投資の原点とも言える1冊です。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』では、効率的市場仮説の考え方を学びました。つまり、市場は基本的に効率的であり、大半の投資家は市場を出し抜くことが難しい。したがって、手数料が安く、銘柄分散によるリスク低減が可能なインデックス投資が、一般の投資家にとって最適な選択肢であるという理論です。
しかし、本書の本当におもしろい点は、インデックス投資を推奨しつつも、市場の非効率性(アノマリー)として「小型株効果」や「割安株効果」についてデータ上は認めている点です。ただし、それらのアノマリーが一貫して持続するかどうかには慎重な立場を取っています。
私の投資手法の大きな特徴として、「小型割安株投資」と「暴落時の買い向かい」 があります。この2つの手法は、「効率的市場仮説の盲点」を突く戦略 です。効率的市場仮説の前提条件として、以下のようなものがあります。
・十分な市場参加者がいる
・市場参加者は十分な情報と知識を持っている
・市場参加者は常に合理的な判断を行う
しかし、日本市場の小型割安株の世界では、十分な市場参加者がおらず、参加者も十分な情報や知識を持ち合わせていません。つまり、効率的市場仮説の前提が崩れているため、ミスプライス(市場の誤った価格付け)が生じるというのが私の考え方です。また、暴落時は市場参加者がパニック売りなどの過剰反応を起こし、合理的な判断ができなくなる局面であり、ここでも効率的市場仮説の前提が崩れます。
私の手法は、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の理論的根拠の盲点を突く戦略でもあります。その意味でも、本書からの学びは非常に大きかったです。
『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』を読んで、「株式投資が最適な資産運用先である」という信頼感を持つことができました。また、バリュー株投資の有効性に加え、配当を増やし続ける企業(増配株)が長期的に最も高いリターンを生むことを学びました。
本書では、膨大なデータをもとに、成長株よりもバリュー株・増配株の方が長期的に有利であることが論じられています。私の投資スタイルである「割安+増配期待狙い」という考え方は、本書の影響を大きく受けています。
現在、米国市場では「小型株効果」「割安株効果」「高配当株効果」が薄れていると言われています。その原因は、GAFAMやマグニフィセント7のような革新的企業の成長が資金を引き寄せ、資金の集中が進んだことにあると考えています。
一方、日本市場では、革新的な企業が生まれる可能性は米国ほど高くなく、また日本の小型割安株を分析すると、市場(特に小型割安株)には非効率的なバリュエーションで放置されている銘柄が多く見られます。これらの点から、今後も「小型株効果」「割安株効果」「高配当株効果」が持続すると見ています。
これらの古典と呼ばれる投資関連書籍は、今の時代にそのまま当てはめることができない内容も含まれます。それでも、投資の根本的な考え方を醸成するうえで、非常に重要な示唆を与えてくれる本です。そのため、初中級者の方にもぜひ読んでいただきたい書籍だと思います。
ただし、洋書は特有の読みにくさがあり、非常に難解なことも事実です。こうした洋書のエッセンスを日本市場向けにカスタマイズし、私自身の投資経験を交えて解説したのが、私の著書『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』です。幸い、多くの読者の方に「初中級者向けの現代版バリュー株投資の教科書」と評価していただいています。個別株投資の入り口として、ぜひ本書を活用していただければと思います。
ベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法』、バートン・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』、ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』です。
『賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法』からは、「投資とは企業の本質的価値を大きく下回る価格で株を買い、安全域を確保することで、不確実性のある市場でも長期的にリターンを得るゲームである」 という原則を学びました。企業の解散価値や安全域という概念に初めて触れた時は衝撃的でした。財務分析の詳細さや時代背景などからも内容はかなり難解ですが、私にとってバリュー投資の原点とも言える1冊です。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』では、効率的市場仮説の考え方を学びました。つまり、市場は基本的に効率的であり、大半の投資家は市場を出し抜くことが難しい。したがって、手数料が安く、銘柄分散によるリスク低減が可能なインデックス投資が、一般の投資家にとって最適な選択肢であるという理論です。
しかし、本書の本当におもしろい点は、インデックス投資を推奨しつつも、市場の非効率性(アノマリー)として「小型株効果」や「割安株効果」についてデータ上は認めている点です。ただし、それらのアノマリーが一貫して持続するかどうかには慎重な立場を取っています。
私の投資手法の大きな特徴として、「小型割安株投資」と「暴落時の買い向かい」 があります。この2つの手法は、「効率的市場仮説の盲点」を突く戦略 です。効率的市場仮説の前提条件として、以下のようなものがあります。
・十分な市場参加者がいる
・市場参加者は十分な情報と知識を持っている
・市場参加者は常に合理的な判断を行う
しかし、日本市場の小型割安株の世界では、十分な市場参加者がおらず、参加者も十分な情報や知識を持ち合わせていません。つまり、効率的市場仮説の前提が崩れているため、ミスプライス(市場の誤った価格付け)が生じるというのが私の考え方です。また、暴落時は市場参加者がパニック売りなどの過剰反応を起こし、合理的な判断ができなくなる局面であり、ここでも効率的市場仮説の前提が崩れます。
私の手法は、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の理論的根拠の盲点を突く戦略でもあります。その意味でも、本書からの学びは非常に大きかったです。
『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』を読んで、「株式投資が最適な資産運用先である」という信頼感を持つことができました。また、バリュー株投資の有効性に加え、配当を増やし続ける企業(増配株)が長期的に最も高いリターンを生むことを学びました。
本書では、膨大なデータをもとに、成長株よりもバリュー株・増配株の方が長期的に有利であることが論じられています。私の投資スタイルである「割安+増配期待狙い」という考え方は、本書の影響を大きく受けています。
現在、米国市場では「小型株効果」「割安株効果」「高配当株効果」が薄れていると言われています。その原因は、GAFAMやマグニフィセント7のような革新的企業の成長が資金を引き寄せ、資金の集中が進んだことにあると考えています。
一方、日本市場では、革新的な企業が生まれる可能性は米国ほど高くなく、また日本の小型割安株を分析すると、市場(特に小型割安株)には非効率的なバリュエーションで放置されている銘柄が多く見られます。これらの点から、今後も「小型株効果」「割安株効果」「高配当株効果」が持続すると見ています。
これらの古典と呼ばれる投資関連書籍は、今の時代にそのまま当てはめることができない内容も含まれます。それでも、投資の根本的な考え方を醸成するうえで、非常に重要な示唆を与えてくれる本です。そのため、初中級者の方にもぜひ読んでいただきたい書籍だと思います。
ただし、洋書は特有の読みにくさがあり、非常に難解なことも事実です。こうした洋書のエッセンスを日本市場向けにカスタマイズし、私自身の投資経験を交えて解説したのが、私の著書『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』です。幸い、多くの読者の方に「初中級者向けの現代版バリュー株投資の教科書」と評価していただいています。個別株投資の入り口として、ぜひ本書を活用していただければと思います。
名古屋の長期投資家(なごちょう)氏
ジェレミー・シーゲル著の『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』です。
この本は、豊富なデータで資産運用は株式投資が圧倒的に有利ということを説明している本です。サブプライムローンからリーマンショックまでの暴落時にフルインベストメントで乗り切れたのは、この本のおかげでした。
この本は、豊富なデータで資産運用は株式投資が圧倒的に有利ということを説明している本です。サブプライムローンからリーマンショックまでの暴落時にフルインベストメントで乗り切れたのは、この本のおかげでした。
2024年に読んだ中でおすすめの投資関連書籍を教えてください
DAIBOUCHOU 氏
『電子版 謎のトレーダー「しん」の〈株〉バリュー投資法』です。
20年前の本で、一時プレミア価格で割高でしたが、電子書籍となり安く買えます。資産バリュー株×カタリスト投資の話で、20年後の今でも通じるのが素晴らしいです。
20年前の本で、一時プレミア価格で割高でしたが、電子書籍となり安く買えます。資産バリュー株×カタリスト投資の話で、20年後の今でも通じるのが素晴らしいです。
たけぞう 氏
『わが投資術 市場は誰に微笑むか』です。
証券ディーラー時代からお名前を聞いていた、清原氏の本です。「投資とは」の真髄が書かれていました。
証券ディーラー時代からお名前を聞いていた、清原氏の本です。「投資とは」の真髄が書かれていました。
ちょる子 氏
“バイブル書籍”で回答した『高圧経済とはなにか』、『マーケットのテクニカル百科 入門編』、『マーケットのテクニカル百科 実践編』です。
2024年に初めて投資の本を読みましたw
2024年に初めて投資の本を読みましたw
ヘム 氏
2024年に読んだ書籍でおすすめは、清原達郎さんの『わが投資術 市場は誰に微笑むか』 です。
清原さんは個人資産800億円超、2005年には長者番付で1位となった伝説の投資家です。本書は、清原氏が自身の運用するK1ファンドを閉鎖し、投資の世界から引退された後に執筆されたものです。後継者がいないことから、「自分の運用ノウハウをすべて世の中にぶちまけてしまえ」という思いで書かれたそうです。
私のように数億円の資産を運用するのと、1,500億円の資産(K1ファンド閉鎖時の資産額)を運用するのでは、その難しさは桁違いです。資産が大きくなると、市場の歪みを見つけても、それが小型株であれば自らの買いで株価を釣り上げてしまったり、逆に自らの売りで株価を押し下げてしまったりと、いわゆるマーケットインパクトが大きくなり、見つけた歪みを活用するのが難しくなります。そのような制約の中で、長期にわたって市場を大きく上回るリターンを上げてきた清原氏の手法には、大変興味があり、ワクワクしながら本書を手に取りました。
本書を読んでの私の率直な感想は 「清原氏の投資手法は私のそれと非常によく似ている」でした。リターンの差は、手法の精度と張る力(期待値が高いと思った投資先に大きく賭けること)の違いによるものだと思います。本書を読んで自分の投資に対する考え方は間違っていなかったと、あらためて自信を持つことができました。
本書に書かれている清原氏の投資手法を抜粋すると、以下のようなものが挙げられます。
・企業の本質的価値より割安で放置されている銘柄に投資する。
・隙や歪みを見つけやすく、機関投資家が後追いで買い上げてくれる期待のある小型割安株の中から、成長性のある企業を選定する。
・市場に織り込まれていないアイデアを探す。そのようなアイデアは大型株より小型株に多く存在する。
・資産価値(特にnet cash)を含めた割安度(Cash Neutral PER)を重視する。
・マクロ経済よりミクロ経済の分析が投資判断において重要になる場面が多い。
・時間の経過とともに割安度がより際立ち、修正される可能性が高まる企業に投資する。
・成長性やイメージが悪いと思われている業界から割安成長株を探す。
これらの考え方は、個人投資家が市場で長期にわたって勝ち抜くために非常に重要な視点であり、読者のみなさんにも大いに参考になると思い、本書をおすすめの書籍として紹介しました。
清原さんは個人資産800億円超、2005年には長者番付で1位となった伝説の投資家です。本書は、清原氏が自身の運用するK1ファンドを閉鎖し、投資の世界から引退された後に執筆されたものです。後継者がいないことから、「自分の運用ノウハウをすべて世の中にぶちまけてしまえ」という思いで書かれたそうです。
私のように数億円の資産を運用するのと、1,500億円の資産(K1ファンド閉鎖時の資産額)を運用するのでは、その難しさは桁違いです。資産が大きくなると、市場の歪みを見つけても、それが小型株であれば自らの買いで株価を釣り上げてしまったり、逆に自らの売りで株価を押し下げてしまったりと、いわゆるマーケットインパクトが大きくなり、見つけた歪みを活用するのが難しくなります。そのような制約の中で、長期にわたって市場を大きく上回るリターンを上げてきた清原氏の手法には、大変興味があり、ワクワクしながら本書を手に取りました。
本書を読んでの私の率直な感想は 「清原氏の投資手法は私のそれと非常によく似ている」でした。リターンの差は、手法の精度と張る力(期待値が高いと思った投資先に大きく賭けること)の違いによるものだと思います。本書を読んで自分の投資に対する考え方は間違っていなかったと、あらためて自信を持つことができました。
本書に書かれている清原氏の投資手法を抜粋すると、以下のようなものが挙げられます。
・企業の本質的価値より割安で放置されている銘柄に投資する。
・隙や歪みを見つけやすく、機関投資家が後追いで買い上げてくれる期待のある小型割安株の中から、成長性のある企業を選定する。
・市場に織り込まれていないアイデアを探す。そのようなアイデアは大型株より小型株に多く存在する。
・資産価値(特にnet cash)を含めた割安度(Cash Neutral PER)を重視する。
・マクロ経済よりミクロ経済の分析が投資判断において重要になる場面が多い。
・時間の経過とともに割安度がより際立ち、修正される可能性が高まる企業に投資する。
・成長性やイメージが悪いと思われている業界から割安成長株を探す。
これらの考え方は、個人投資家が市場で長期にわたって勝ち抜くために非常に重要な視点であり、読者のみなさんにも大いに参考になると思い、本書をおすすめの書籍として紹介しました。
名古屋の長期投資家(なごちょう)氏
『わが投資術 市場は誰に微笑むか』です。
タワー投資顧問でとんでもない金額を稼いでいたけど、投資先の選定は自分と非常によく似ていて、このままこの投資法でやっていっても大丈夫なんだという自信がつきました。
タワー投資顧問でとんでもない金額を稼いでいたけど、投資先の選定は自分と非常によく似ていて、このままこの投資法でやっていっても大丈夫なんだという自信がつきました。
2025年現時点までに読んだ中でおすすめの投資関連書籍がありましたら教えてください
DAIBOUCHOU 氏
今年はまだ読んでいません。
もともと、あまり投資書籍を読んでいません。
もともと、あまり投資書籍を読んでいません。
たけぞう 氏
今年はまだ読めていません。
ちょる子 氏
米国バンス副大統領の『ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~』です。
2029年に米国大統領になると言われている、バンス副大統領の著書です。彼の生い立ちから、どういう政策に力を入れるかのヒントになります。
投資本ではないですが、日本製鉄のUSスチール買収については彼の原体験から反対があったとこの本からわかりますし、これからアメリカの保護主義は長く続くと予想しています。そういった意味で、これからのアメリカの行く末を占う・理解する意味でおすすめします。
2029年に米国大統領になると言われている、バンス副大統領の著書です。彼の生い立ちから、どういう政策に力を入れるかのヒントになります。
投資本ではないですが、日本製鉄のUSスチール買収については彼の原体験から反対があったとこの本からわかりますし、これからアメリカの保護主義は長く続くと予想しています。そういった意味で、これからのアメリカの行く末を占う・理解する意味でおすすめします。
ヘム 氏
私が読んだ中でおすすめなのは、田中慎一さん、保田隆明さんがご執筆された『コーポレートファイナンス 戦略と実戦』です。本格的なコーポレートファイナンスの専門書で、初心者にはかなり難解で、中上級者でも読み進めるのに苦労するほど本格的な内容です。しかしながら、本書は単なる理論書ではなく、企業戦略への応用が詳しく解説されており、実践的な視点が多く盛り込まれている点が魅力です。本書を読むと、最近の市場の動きとも密接につながっていることが実感できます。
例えば、近年の東証改革では、企業が資本コストを意識し、ROEを高めることが求められるようになっています。ROEが株主資本コストを下回るとPBRが1倍を割る傾向があるため、多くの企業が自社株買いや増配、成長投資を通じてPBR1倍割れを解消しようとしています。
本書では、WACCやCAPMを用いた資本コスト計算、DCF法による株価評価、EV/EBITDAやROICといった指標を企業分析にどう活かすかが詳しく書かれています。初心者には難易度が高いものの、長期で個別株投資を行う方にとっては、知っておくことで投資の視野が広がるはずです。
私自身もコーポレートファイナンスを完全に理解しているわけではありません。だからこそ、毎年少なくとも1冊はこのような会計やファイナンスの書籍を読んで、少しずつ学びを深めるようにしています。投資を本気で学びたい方には、ぜひ挑戦してほしい1冊です。
例えば、近年の東証改革では、企業が資本コストを意識し、ROEを高めることが求められるようになっています。ROEが株主資本コストを下回るとPBRが1倍を割る傾向があるため、多くの企業が自社株買いや増配、成長投資を通じてPBR1倍割れを解消しようとしています。
本書では、WACCやCAPMを用いた資本コスト計算、DCF法による株価評価、EV/EBITDAやROICといった指標を企業分析にどう活かすかが詳しく書かれています。初心者には難易度が高いものの、長期で個別株投資を行う方にとっては、知っておくことで投資の視野が広がるはずです。
私自身もコーポレートファイナンスを完全に理解しているわけではありません。だからこそ、毎年少なくとも1冊はこのような会計やファイナンスの書籍を読んで、少しずつ学びを深めるようにしています。投資を本気で学びたい方には、ぜひ挑戦してほしい1冊です。
名古屋の長期投資家(なごちょう)氏
今年になってからは買ってはいるものの、時間が作れなくてまだ読んでいません。
今回は凄腕投資家のみなさんに、投資関連のおすすめ書籍についておうかがいしました。ログミーFinanceでは幅広い業界の決算説明会やIRセミナー、株主総会などの書き起こし記事を掲載していますので、ぜひご活用ください!