25年3月期 3Qサマリ

宮倉康彰氏:代表取締役社長の宮倉です。2025年3月期第3四半期の決算内容についてご説明します。

2025年3月期第3四半期のサマリです。営業収益は624億円、前年比プラス6.8パーセントです。営業利益は137億円、前年比プラス0.4パーセントで増収増益でした。

各事業の状況です。モバイルのハンドセット純増数は8,800契約、FTTH純増回線数は4,100回線、ライフデザインの「auでんき」純増件数は3,100契約でした。

連結損益概況

連結損益概況についてです。営業収益と営業利益は、お伝えしたとおりです。経常利益は137億7,800万円、前年比プラス1億1,400万円です。当期純利益は94億7,700万円、前年比マイナス1億円でした。前期に離島海底ケーブルの竣工があり、沖縄振興特別措置法による投資減税の適用があった反動となっています。EBITDAが188億8,100万円、前年比プラス1億2,500万円となっています。

営業収益 増減要因

スライドは、営業収益の増減要因について示したものです。スライド一番下の矢印は、営業収益の前年比プラス39億7,200万円を示しています。その上部にある両矢印のとおり、電気通信事業がプラス1,700万円、附帯事業がプラス39億5,400万円となっています。

内訳は滝グラフで示しています。通信ARPU収入がプラス4,100万円、「auでんき」売上がプラス20億3,100万円、その他附帯事業収益がプラス19億2,300万円でした。こちらの内訳は、端末販売収入やソリューション売上が主なものとなっています。これらにより、営業収益は624億900万円となっています。

営業利益 増減要因

営業利益の増減要因についてです。滝グラフの左側は、営業収益の状況です。右側は費用の増分となり、「auでんき」の原価が前年比プラス22億9,600万円となっています。

営業関連コストはプラス17億4,500万円です。販売促進費と端末原価の増がありましたが、新規販売が好調に推移し、奨励金が前年より減少したことなどにより、コストの効率化が図れています。これらにより、5,900万円の増益につながりました。

業績予想対比

業績予想対比です。営業収益は、計画800億円に対して進捗率が78パーセントです。営業利益は、計画175億円に対して進捗率79パーセントとなりました。どちらも計画どおりに進捗しています。

その他業績概況

その他業績概況です。フリーキャッシュフローは100億6,200万円、前年比マイナス54億3,600万円となっています。前期のTOBにかかる費用捻出のため、投資キャッシュフローが増えたことによる反動減となっています。

関係会社への貸付増減額を除くと43億5,600万円、前年比プラス7億3,300万円でした。売上債権や棚卸資産の減少に伴い、営業キャッシュフローが増加したことが要因となっています。

設備投資(竣工)

設備投資は、第3四半期までで41億7,700万円、前年比マイナス21億9,300万円となっています。離島海底ケーブルの竣工が昨年あったことによる反動が要因ですが、計画に対してはおおむね順調な進捗です。

モバイル稼働概況

「au」「UQ mobile」「povo」のモバイル事業についてご説明します。純増数は8,800契約で、総契約数は68万6,400契約と着実に増加しています。端末販売台数は11万2,900台となっています。

モバイル純増数

スライドは、モバイル純増数の四半期ごとの推移を示しています。競争激化の中でも、モバイル純増数は第2四半期比プラス2,100契約の3,500契約と純増になりました。

通期予想に対する進捗状況については、1万3,500契約の計画に対して8,800契約でした。進捗率は65パーセントと、前年よりも若干マイナスとなっていますが、最後までこちらを追いかけて達成に向けて尽力します。

解約率推移

解約率の推移です。解約率は1.14パーセントと非常に高止まりしている状況です。このような状況でも新規が好調に取れており、純増を残していますが、解約率の対策は喫緊の課題となっています。引き続き、解約抑制に向けて尽力していきます。

モバイル総契約数推移・au5G浸透率

モバイル総契約数の推移です。前年から1万3,600契約伸びて、68万6,400契約となりました。「au」スマートフォンに占める5G対応端末の浸透率も75パーセントに達しています。

ARPU収入概況

ARPU収入の概況です。マルチブランドARPU収入は329億4,500万円、前年比プラス3億8,200万円となりました。内訳は、通信ARPU収入が274億3,000万円、前年比プラス4,100万円、付加価値ARPU収入が55億1,500万円、前年比プラス3億4,100万円です。

通信ARPU収入

スライド左側は、四半期ごとの通信ARPU収入の推移です。第3四半期は、昨年のローミング収入拡大の反動減を受けて、前期比マイナス0.9パーセントの91億5,300万円となっています。ローミング収入は「楽天モバイル」のローミングではなく、KDDIとのローミングです。

前期ほど国内入域観光客の伸びがないことによる、ローミング収入減があるものの稼働増とARPU増に向けて取り組むことで、通期の総合的な反転は達成していきたいと考えています。

付加価値ARPU収入

付加価値ARPU収入の推移です。第3四半期は遡及精算があり、スライドの棒グラフは少し強い伸びとなっていますが、引き続き携帯補償サービスの伸びが牽引しているものです。スライドの折れ線グラフは伸び率です。遡及精算分を除き、前期比5.9パーセント増と、堅調に推移しています。

FTTH回線概況

FTTHは純増回線数4,100回線、累計回線数は12万8,400回線となっています。

FTTH純増回線数

四半期ごとの推移です。前期比プラス300回線、第3四半期で1,600回線の純増と、「auひかり ちゅら」の販売強化が形をなしてきており、堅調に右肩上がりで純増を伸ばしてきています。その結果、計画4,000回線に対する進捗率は102パーセントと達成しています。引き続き、純増の拡大に努めていきたいと考えています。

auでんき契約概況

「auでんき」についてご説明します。第3四半期累計の純増数は3,100契約です。契約件数は7万8,100契約となっています。

auでんき純増契約数

四半期ごとの推移です。第1四半期から燃料の調達コストが上昇しており、採算が悪化している環境の中で、営業活動を抑制しています。その結果、第3四半期単独では400契約の純減となっています。第4四半期もコストコントロールを重視し、同様に営業活動を抑制する予定です。

ひかりちゅら10ギガサービススタート

トピックスをご紹介します。「auひかり ちゅら」は、今週行ったプレス発表のとおり、沖縄県では初めてとなる10ギガサービスをスタートします。2025年10月までに1ギガエリアの75パーセント相当まで、2026年6月までに県内全域まで急速にエリアを拡大します。

モバイルとセットにすることにより、エンゲージメント向上を狙っており、解約抑制策としても活用していきたいと考えています。

Opensignal社 通信体感分析

Opensignal社の通信評価についてです。前回、全国で「au」がNo.1とお墨付きをいただいたとお伝えしました。沖縄県は全18部門のうち、国内で最多の16部門1位を獲得しています。まだピカピカに磨ける部分がありますので、今後も高品質な通信環境をご提供できるよう努めます。

成長領域への取り組み①

成長領域のソリューション事業についてです。この四半期で一番大きかった案件として、琉球大学病院の移転があります。院内の通信環境をスマートフォンでも内線ができるようなFMCに連携し、スマートフォンで患者との会話の中でデータ確認もできる総合通信ソリューションを提供することができました。

そのほか、来院される方向けに癒しを与える大型のプロジェクションマッピングや、床に案内用のサイネージを表示するなどのソリューションを整備しています。こういった総合ソリューションを提供することで、今後も地域の医療サービス向上に貢献していきたいと考えています。

成長領域への取り組み②

おかげさまで「Starlink Business」は県内でさまざまなご依頼を受けており、活用事例も広がっています。琉球海運では、船内に「Starlink」を設置し、乗組員のWi-Fi環境を整えたことで、動画が楽しめるなど、満足度が上がっていると聞いています。

工事現場で電波が届かないところでも活用されています。通信が可能になったことで、地下トンネル内にカメラを置き、水漏れ等の箇所を遠隔で点検することが可能になりました。このような好事例が増えてきています。

地元貢献への取り組み①

ESG・SDGsへの取り組みについてです。地元貢献への取り組みとして、先月、那覇市主催の「Out of KidZania」に特別協賛しています。

KDDIが持つアセットを活用して展開しています。常設の「キッザニア」と違い、地元企業の社員が教えてくれるということで、いろいろな学びの場となっているようです。応募は5,000人を超えて、2日間で延べ2,100人の小学生が参加しました。

地元貢献への取り組み②

今回が8年目となる「子ども基金」についてです。支援額は累計3,570万円となっています。昨年11月に豪雨が発生し、その被害を受けた北部地区の3自治体に150万円の義援金を贈呈しています。

地元貢献への取り組み③

首里城復興を応援しています。「SYURI NO UTA」という応援ソングを展開しているプロジェクトがあります。2019年の火災で焼失した首里城の正殿が来年完成しますので、そちらに向けて盛り上げていきたいと考えています。

スライドの写真のとおり、プロジェクトメンバーのみなさんが小中学校をまわり、合唱曲として歌っていただく活動をしています。今年は、音響機器を提供する支援を行っています。

生物多様性への取り組み

生物多様性への取り組みについてです。石垣島にウミショウブという海草がありますが、絶滅危惧種となっています。地元のみなさまの保全活動が進んでいましたが、減少傾向が続いていました。

民間企業として当社も参画することにより、保全活動を強化していましたが、ようやく回復が見えてきています。その活動を評価いただき、県内としては初めて、環境省の「自然共生サイト」に認定いただきました。今後も、ネイチャーポジティブな取り組みを継続していきたいと思っています。

サステナビリティへの取り組み

今年度も、サステナビリティレポートを発行しています。投資家や多様なステークホルダーのみなさまにも、当社のサステナビリティへの取り組みをご確認いただきたいと考えていますので、ご参照いただけますと幸いです。

連結損益(修正業績予想)

修正業績予想についてご報告します。営業収益は、「auでんき」の売上や端末販売収入が増加したことにより、期初の業績予想比プラス30億円の830億円に上方修正します。そのほかの項目に修正はありません。

その他業績(修正業績予想)

その他業績です。第2四半期に自社株買いの取得額を増額したことにより、フリーキャッシュフローを期初業績予想プラス19億円の116億円へ修正します。竣工ベースの設備投資は、マイナス3億円の60億円に修正します。しかし、コストダウンが進行していることから、計画に沿った設備投資が順調に行えています。

サービスデータ(修正予想)

サービスデータについてです。FTTHが計画台数を達成していますので、プラス400回線の4,400回線へ上方修正します。「auでんき」は足元で採算が悪化しているため、営業活動の抑制を今後も継続し、純増件数を期初予想比マイナス5,000契約の1,800契約に修正します。来年度の改善に向けて準備ができ次第、内容についてご説明します。

(参考)ARPU

ARPUの推移はスライドに記載のとおりです。

(参考)業績の推移

業績の推移はスライドに記載のとおりです。後ほどご覧いただけたらと思います。私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。