2025年3月期第2四半期決算ハイライト

辻本敏氏:みなさま、こんにちは。フジオーゼックス社長の辻本です。ただいまより、2025年3月期第2四半期決算説明を行います。

決算の概要です。今期は、売上高、営業利益については前年同期比で増収増益となりましたが、経常利益、中間純利益については減益となっています。

売上面では、国内需要については、認証不正問題による一部自動車メーカーの生産停止などの影響もあり、販売が前年同期比で1.3パーセント減少しています。一方で海外については、昨年12月より納入開始した北米・日産自動車向けや、8月より一部の販売が始まったアメリカ・トヨタ自動車向け新規受注の効果などにより、前年同期比で7.2パーセントの増加となりました。

コスト面では、新規拡販に向けた増産対応によって一時的に在庫が増加したことなどから、営業利益は増益となったものの、急激な円高の進行によって、前年同期の為替差益計上から今期は一転、為替差損の計上となり、経常利益は減益となりました。

また、対ドルでメキシコペソ安が急激に進んだことを主な要因として、メキシコ子会社で2023年には約7億円計上した繰延税金資産が約3億円減少しました。この結果、中間純利益も大幅な減益となっています。これらは会計上の処理であり、キャッシュフローへの影響はありません。

営業利益の変化要因(前年同期比)

営業利益の変化要因分析です。先ほどお話ししたとおり、前期6億3,500万円からの増益要因として、国内の自動車販売減少影響がマイナス1億3,600万円となったものの、新規拡販対応の増産による在庫増などの増益要因がありました。その結果、営業利益は前年同期比1億5,700万円増の7億9,200万円となっています。

バランスシートの状況

バランスシートの状況です。新規受注対応による在庫、治工具類等の増加や、M&Aによるのれんの計上などがあった一方、M&Aでの買収資金の支出があり、資産合計は前期末よりわずかに200万円増加しました。

メキシコにおいて新規拡販のための初期在庫費用が発生し、約7億円の借入を行ったことなどにより、負債合計は前期末より5億円の増加となっています。メキシコの新規借入金については、納入が本格化する下期中に返済完了の予定です。

キャッシュフロー

キャッシュフローです。今期は、棚卸資産の増加や法人税の負担増の他に、M&Aによる新規事業投資や自己株式取得などの支出があり、現金・現金同等物は前期末より13億3,900万円減少しました。

業績見通しハイライト

2025年3月期通期の業績見通しについてご説明します。2025年3月期通期の業績予想については、本年5月8日に公表した予想に対し、売上高、各利益ともに下方修正しています。

理由としては、8月よりアメリカのトヨタ自動車向け新規受注の一部納入が始まっていますが、全面切り替え納入時期が当初計画より後ろ倒しになったことが挙げられます。加えて、北米の日系カーメーカーへの販売数量が当初予想を下回る見込みであること、さらには円高の為替差で売上高、利益の円換算額が減少することなどが要因です。

売上高/営業利益 推移

売上高と営業利益の推移です。前期上期から需要が増加し始め、今期上期は認証不正問題の影響を受けていったん伸び悩んでいます。

しかし、当社ホームページでも公開しているとおり、本田技研工業より生産移管となった鏡面バルブの納入が7月から開始したこと、また、アメリカ・トヨタ自動車への納入が遅ればせながら本格化することなどの影響により、今期下期からは再び上昇する見通しです。

新グループ会社「株式会社ピーアンドエム」の紹介

本年7月から新たにグループ会社となった株式会社ピーアンドエムをご紹介します。

株式会社ピーアンドエムは、福島県会津若松市に本社工場を有する会社です。1998年の設立以来、「『ものづくり力、技術力、開発力、行動力』で『お客様の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する』」を経営理念とし、高い技術力でファクトリーオートメーション機器等の精密部品を生産し、堅実な成長を続けています。

ものづくりにおける経営理念は当社と共通するものです。高い親和性を根幹として相互の力を合わせ、グループ内の経営資源の共有や事業提携を通じて相互にシナジーを発揮し、新たな価値創造と一層の企業価値向上に取り組んでいきます。