第18期 定時株主総会

菅原充氏(以下、菅原):おはようございます。代表取締役社長の菅原充でございます。本日はご多用のところ、第18期定時株主総会にご出席いただき、誠にありがとうございます。定款第16条の定めにより、私が本総会の議長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、ただいまより株式会社QDレーザ第18期定時株主総会を開会します。本日の株主総会の目的事項は、議決権数の報告、監査等委員会の監査報告、報告事項、本日の決議事項の上程です。ご審議は、決議事項のご説明の後にお願いしたいと思います。株主さまのご発言は、報告事項及び決議事項のご説明がすべて終わった後、一括してお受けします。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。

株主総会 定足数のご報告

菅原:本総会におけるご出席株主数並びにその議決権数等を事務局よりご報告します。

事務局:本総会において、議決権を行使できる株主数は4万4,107名、その議決権の数は41万6,972個です。本日ご出席の株主さまは、議決権行使書またはインターネット等によって議決権を行使いただいた株主さまを含め1万8,942名、その議決権の数は18万4,282個です。

菅原:ただいまご報告のとおり、本総会の議案を審議するために必要な定足数を満たしていることをご報告します。

監査等委員会の監査結果報告

事業報告並びに各議案の審議に先立ち、監査等委員より監査報告をします。

内田悟氏:常勤監査等委員の内田悟でございます。当社の監査等委員会は、第18期事業年度における取締役の職務の遂行に関する監査の結果、監査等委員会監査報告書を作成しました。監査報告書の謄本は、当社Webサイトにある招集ご通知の52ページに掲載しています。

監査の結果、1、事業報告は、法令・定款に従い、会社の状況を正しく記載していると認めます。

2、取締役の職務の執行に関しては、不正な行為、または法令・定款に違反する重大な事実は認められません。

3、計算書類に関する会計監査人、みおぎ監査法人の監査結果は、当社Webサイト掲載の招集ご通知50ページの独立監査人の監査報告書のとおり、当社の財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているとの報告を受けています。

4、監査等委員会は会計監査人との連携を密接にし、監査計画・監査方法と内容及び結果について会計監査人から説明を受け、双方で意見交換を行いました。監査等委員会は、会計監査人の監査の方法と結果は相当であると認めます。

5、各監査等委員は、本日の株主総会に提出した議案及び書類について調査しました。いずれも法令及び定款に適合しており、その内容についても不当な事実は認められません。

事業の経過及びその成果

菅原:報告事項についてご報告します。第18期の事業報告及び計算書類の内容については、当社Webサイト掲載の招集ご通知の11ページから35ページに記載のとおりです。概要をスライドにてご説明します。

ナレーション:当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法の位置づけの5類移行に伴う経済活動の正常化や、賃金の上昇による個人消費の持ち直しの動き、インバウンド拡大により、景気は緩やかな回復傾向が見られました。

一方、世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に加えて、イスラエル、パレスチナの軍事衝突による地政学リスクの高まりや、円安の進行及び物価上昇により、引き続き先行きは不透明な状況となっています。

事業の経過及びその成果

このような状況の中、当社では「人の可能性を照らせ。」のコーポレートスローガンのもと、新波長の小型可視レーザや箱型モジュール・多波長集積光源、半導体検査用超高速DFBレーザ及び次世代アイウェアの開発、既存製品やレーザ網膜投影機器の新製品の販売拡大ならびに眼の健康チェックサービス事業の展開を進めてきました。

事業の経過及びその成果

事業別の市場動向です。レーザデバイス事業の分野においては、売上高は前事業年度から増加しました。製品別では、精密加工用DFBレーザ、通信用量子ドットレーザ、センサ用高出力レーザが増収となりましたが、小型可視レーザが減収となりました。

レーザアイウェア事業の分野においては、網膜投影式ビューファインダーである「RETISSA NEOVIEWER」の北米販売、眼の健康チェックツールである「RETISSA MEOCHECK」の販売増加、眼の健康チェックサービス販売増加等により、前事業年度から増収となりました。

各製品の成果

各製品別の状況についてご説明します。精密加工用DFBレーザにおいては、欧州の半導体ウエハ検査装置用光源の需要が増加したこと、医療用光源の受注が好調であったことにより、受注が増加しました。本製品の売上高は3億9,430万7,000円となりました。

バイオ検査装置用小型可視レーザにおいては、新型コロナウイルス対策収束により、バイオ検査装置需要が減退し、細胞解析装置大手顧客の在庫調整により受注が減少しました。本製品の売上高は2億201万8,000円となりました。

各製品の成果

センサ用高出力レーザにおいては、最近の半導体不足による設備投資拡大の流れを受け、半導体工場で使用されるウエハ搬送機用センサ及びパーティクルカウンタの受注が増加しました。本製品の売上高は2億2,888万4,000円となりました。

通信用量子ドットレーザにおいては、シリコンフォトニクス用光源として、日米欧の9社と光コネクタ、チップ間通信、LiDAR用途等で共同開発を行っています。光配線用の量産試作用チップ販売は増加し、量産用チップの受注も始まった一方で、顧客の共同開発案件の時期ズレのために受注が減少しました。本製品の売上高は1億945万6,000円となりました。

各製品の成果

レーザアイウェア事業においては、ソニー製コンパクトデジタルスチルカメラとのバンドルにより、網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」として販売しているデジタルカメラ用網膜投影ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」を全国5店舗のソニーストアに加え、米国でも発売しました。

眼の健康チェック機器「RETISSA MEOCHECK」については、眼科医療機器のディーラーを代理店として拡販を進めています。また、タクシー、トラックなど自動車運送事業者を主な対象とする、眼の健康チェックサービスも継続して提供を拡大しています。

さらに、スマートグラスとなる次世代網膜投影型アイウェアに向けた各種要素技術の開発受託も拡大し、売上高は3億1,281万6,000円となりました。

各製品の成果

網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」については、製品及び取り組みに高い評価をいただき、2023年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」、オーディオビジュアルアワード VGP2023 Summer「ユニバーサル賞」を受賞したほか、2023年の「日本の歴史的カメラ」の1つに選出されました。

グッドデザイン賞については、審査員セレクション「私の選んだー品」にも選ばれています。

各製品の施策

当事業年度においては事業の発展に合わせ、スライドに記載した施策を行いました。招集ご通知12ページにも記載していますので、ご参照ください。

事業の経過及びその成果

これらの施策の結果、当事業年度の事業別売上高は、レーザデバイス事業で9億3,466万8,000円、レーザアイウェア事業で3億1,281万6,000円となり、レーザデバイス事業では継続して営業黒字となりました。全社における当事業年度の売上高は12億4,748万5,000円、当期純損失は6億4,262万7,000円となりました。

株式会社の現況に関する事項

設備投資及び資金調達の状況については、招集ご通知13ページをご参照ください。

対処すべき課題 レーザデバイス事業の成⻑

対処すべき課題についてご説明します。1点目は、レーザデバイス事業の成長です。加工、センサ領域では、既存製品の受注継続と拡大、新規品開発と製品化、新規アプリケーションへの参入、高付加価値モジュールの製品化を進め、安定的な事業成長を図っていきます。

シリコンフォトニクス用量子ドットレーザについては、国内外の顧客からの受託開発、特性改善、低コスト量産化を進め、量産受注案件を増やすことで事業を強化します。

対処すべき課題 ロービジョンエイド領域での取り組み

2点目は、ロービジョンエイド領域での取り組みです。レーザアイウェア事業のうち視覚支援領域においては、販売拡大が継続的な課題となっています。

国内販売については、ロービジョン当事者による直接のご購入は限定的であることから、施設への導入やイベントの実施などを通じたバリアフリー・インクルーシブ社会の実現を目指し、持続可能な取り組みの構築を進めていきます。

海外市場においては、医療機器と誤認されるリスクを避けるために、CSUN技術会議など対面の場におけるPR活動を中心に行っています。認知の浸透には相応の時間と費用がかかると考えられますが、パートナーとの関係強化、提携先の拡大、中国を含む市場開拓、事業開発を進めていきます。

対処すべき課題 眼の健康維持(ビジョンヘルスケア)領域の確立

3点目は、眼の健康維持のためのビジョンヘルスケア領域の確立です。レーザ網膜投影技術を活用した眼の健康チェック機器「RETISSA MEOCHECK」の発売に加え、交通事業者向けのサービスビジネスを立ち上げています。この新たな領域、ビジネスモデルへの取り組みを着実に進め、事業の確立・拡大を図っていきます。

また、医療機器としての検眼器等についても、提携先と上市に向けて引き続き原理検証と試作を進め、事業化の道筋を明確にしていきます。

対処すべき課題 スマートグラス実現に向けた取り組みの継続・拡大

4点目は、スマートグラス実現に向けた取り組みの継続・拡大です。レーザアイウェア事業の飛躍的成長を実現するためには、多くの方が日常的に使うスマートグラスへの技術採用が欠かせない要素です。

パートナー企業とともに、眼球の動きにレーザが追随するアイトラッキング機能の開発、低消費電力化、小型化、高精細化といった要素技術の成熟に向けて取り組むとともに、これまで蓄積した知財・ノウハウの収益化を目指していきます。

対処すべき課題 マーケティングと営業体制、新製品開発力の強化

5点目はマーケティングと営業体制、新製品開発力の強化です。市場・業界・顧客分析及び分析に基づく戦略的営業活動をさらに充実させるとともに、従来の活動を継続して、売上増大と利益確保を図っていきます。また、製品開発、研究開発基盤とマーケティングを連動させ、新製品開発力を強化します。

対処すべき課題 水平分業提携先との協業体制の維持と発展

6点目は、水平分業提携先との協業体制の維持と発展です。各生産提携先と、将来ビジョン、年間計画、スケジュール連携、結果のフィードバック、定期的な訪問、打合せ等を行い、より一層の関係強化を図っていきます。

対処すべき課題 高品質・安定した製品の供給

7点目は、高品質・安定した製品の供給です。高品質・高性能な製品を市場に供給し、顧客満足度を継続して向上できるよう、ISOに準拠した製品開発を行っていきます。また、顧客の性能・品質・価格・納期への要求に常に耳を傾け、開発・生産・営業が一体となりスピーディーに対応できるよう、体制の継続的改善を行っていきます。

対処すべき課題 MBE装置の維持管理

8点目は、MBE装置の維持管理です。当社の技術を支えるMBE装置は、事業部の移転に合わせて2026年4月に新拠点に移設する予定です。本装置は繊細な管理を必要とするため、移設時及び日々の保守や修繕において、安定的な運用ができるよう、体制構築・維持を図っていきます。

対処すべき課題 適切なコーポレートガバナンスとIR体制強化

9点目は、適切なコーポレートガバナンスとIR体制強化です。開示書類の早期作成、業務プロセスの改善、内部管理体制の強化を継続的に推進するとともに、株主のみなさまとのコミュニケーションを強化し、株主満足度の高いIR体制を構築していきます。

対処すべき課題

当事業年度の営業損失は6億401万4,000円となりましたが、レーザデバイス製品の販売拡大と網膜投影機器の販売拡大及び眼の健康チェックサービスの事業拡大によって、長期安定的な経営へつなげ、早期黒字化の実現に向けて事業を行っていきます。今後とも格別のご支援を賜りますよう、お願いいたします。

株式会社の現況に関する事項

株式会社の現況に関する事項については、招集ご通知15ページから16ページに記載していますので、ご参照ください。

事業報告

スライドのその他の事項については、招集ご通知17ページから31ページに記載していますので、ご参照ください。

貸借対照表

計算書類についてご説明します。まずは貸借対照表についてです。2024年3月末の資産合計は61億4,635万3,000円となりました。このうち流動資産は57億6,201万7,000円、固定資産は3億8,433万5,000円となりました。負債合計は4億7,856万1,000円となりました。このうち流動負債は4億4,455万7,000円、固定負債は3,400万4,000円となりました。純資産合計は56億6,779万1,000円となりました。

損益計算書

損益計算書について、2024年3月期の売上高は12億4,748万5,000円、売上総利益は3億1,908万1,000円、営業損失は6億401万4,000円、経常損失は6億97万2,000円、当期純損失は6億4,262万7,000円となりました。

議案

本日の決議事項である議案についてここで上程し、その内容についてご説明します。

議案は、監査等委員である取締役を除く取締役3名選任の件です。監査等委員である取締役を除く取締役4名は、本総会終結の時をもって任期満了となります。つきましては、3名の選任を一括してお願いするものです。取締役候補者は3名で、長尾收、吉田勉、波多野薫です。

各候補者の略歴、推薦の理由等については、当社Webサイト掲載の招集ご通知の株主総会参考書類7ページから9ページに詳細を記載していますので、ご参照ください。

それでは、報告事項の他、当社Webサイト掲載の招集ご通知に記載の決議事項について、ご出席の株主さまからのご質問ならびに動議を含めた審議に関する一切のご発言を受けて、その後に決議事項の採決をしたいと考えています。ご賛成いただける株主さまは拍手をお願いします。

(会場拍手)

ありがとうございます。過半数の賛成と認めますので、この方式で行います。それでは報告事項及び決議事項について、ご質問をお願いします。

質疑応答:「IOWN構想」への参加について

質問者:NTTが開発中の「IOWN」において、御社は部品提供をされているのでしょうか? あるいは、今後予定があるのかについて教えてください。

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