目次
永田鉄平氏(以下、永田):みなさま、こんにちは。住江織物株式会社、代表取締役社長の永田です。本日はお忙しい中、当社のIRミーティングにご参加いただきまして誠にありがとうございます。
それでは、2024年5月期の決算概況についてご説明します。本日の目次はスライドのとおりです。
2024年5月期 (2023年6月~2024年5月) 連結業績
2024年5月期の連結業績についてご説明します。売上高は2003年の海外展開本格化以降初めて1,000億円を超えて1,034億7,800万円、営業利益は33億円、経常利益は36億6,800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億7,400万円となりました。前期と比べて大幅な増収増益、特に利益は2倍以上の増益となっています。
事前に開示していた業績予想からも、売上高、営業利益、経常利益ともに上回るかたちで終えることができました。親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法適用会社の住商エアバッグ・システムズの特別損失を計上したため8億7,400万円となり、業績予想には届いていません。
なお、終わった期の為替レートは145円31銭でした。
連結業績推移 (売上高/営業利益)
連結業績の推移です。2019年5月期の売上高は約986億円でしたが、新型コロナウイルスの発生により、2020年5月期の売上高は915億円、営業利益は約31億円から15億5,700万円まで大幅に落ち込みました。
その後も売上と営業利益は段階的に悪化していき、新型コロナウイルスの影響や、自動車向け電子部品不足の影響、鉄道・バス向け需要の大幅低下等の影響を受け、営業利益は大幅に下落してインパクトを残しました。
しかし、2023年5月期からは回復傾向に入り、売上高は948億2,800万円、営業利益は12億9,400万円まで戻りました。そして2024年5月期は、売上高が1,034億7,800万円、営業利益が33億円となり、先ほどお伝えした2019年5月期の売上高約986億円、営業利益約31億円を上回る業績でコロナ禍前を超えることができました。
セグメント別内訳
セグメント別の内訳です。2024年5月期の売上高比率は、自動車・車両内装事業が60.7パーセント、インテリア事業が35.9パーセント、機能資材事業が3.0パーセント、その他事業が0.4パーセントとなりました。
自動車・車両内装事業
自動車・車両内装事業です。スライドのグラフのとおり、新型コロナウイルスの影響を受けて段階的に売上高、セグメント利益ともに落ち込みましたが、2023年5月期から回復に向けて動き出しました。2024年5月期は、売上高が628億円、セグメント利益が前期比約2倍の44億円と、大きく回復することができています。
事業環境は、国内自動車生産台数が前年から3.2パーセント伸びました。工場停止などのいろいろな問題はまだ若干ありますが、増加しています。また、海外の生産台数も前期比で増えています。さらに、車両関連では徐々に内装材需要が回復してきています。
利益についてです。事業再編を進めていた北中米、特にアメリカの100%子会社STA(Suminoe Textile of America Corporation)が、何度も伝えているお約束どおり2年で黒字化しました。加えて、原材料やエネルギー価格高騰なども適正に価格転嫁できています。
自動車・車両内装事業
自動車内装については、半導体部品供給がすでに緩和されて国内生産が回復しています。
海外は、北中米拠点が黒字化して大きく伸びました。中国拠点は、日系自動車メーカーが売上的にも大きく苦戦しましたが、日本での完成車組み立て生産分の売上が堅調に推移し、その影響を若干緩和できています。東南アジア拠点はおおよそ前期並みで推移しましたが、「GRACE CORD(グレースコード)」という加飾材が売上を伸ばしています。
鉄道車両の売上高は着実に伸びていますが、それでもまだコロナ禍前に対し70数パーセントまでしか戻っていないため、今後2年から3年かけて戻っていく段階です。また、関織物がグループに加わり、同社の鉄道・バス向けのシェアが当社に入ることで、開発力強化に加え売上増と市場シェア拡大に貢献しました。
インテリア事業
インテリア事業です。コロナ禍の中でも構造改革等を進めて利益を伸ばしてきましたが、2024年5月期は増収減益となりました。
タイルカーペットの拡販や、M&Aを行ったスペース デザイン ビジネスが大きく寄与し、売上高は増収となりました。一方で、巣ごもり需要の反動で家庭用カーペットが回復できていないことや、急激な円安による輸入原材料価格高騰の影響を受けたことなどから、利益は微減益となっています。
インテリア事業
業務用カーペットの売上高は、前期比2.7パーセント増となりました。水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS(エコス)」の納入物件数が着実に増加しています。
しかしながら、家庭用カーペットは前期比14.9パーセント減となりました。お伝えしたように、外出機会の増加によって内向きの消費需要が戻ってこないことが要因だと考えています。
カーテンの売上高は、家庭向けが低調となりました。一方で、医療・福祉・教育向けの「コントラクトFace(フェイス)Vol. 20.1」が伸び、トータルでは前期比0.7パーセント減で着地しています。
壁装関連の売上高は、我々のグループ会社であるルノンが販売する壁紙や襖紙(ふすま紙)が対象ですが、襖紙については、新しい見本帳を出して堅調に推移しました。ルノンは日本の襖紙市場においてトップシェアを持っており、着実に売上を伸ばしています。加えて、壁装関連の適切な価格転嫁も功を奏し、前期比2.2パーセント増で着地しました。
M&Aしたスペース デザイン ビジネスの売上高は、前期比9.4パーセント増となりました。店舗系の受注やタワーマンション向けのオプション販売などを含め、受注物件数が増加したことが要因です。
機能資材事業
機能資材事業については、グラフのとおり乱高下しています。売上高は新型コロナウイルスでの落ち込みから若干戻してきましたが、暖冬の影響により繊維系暖房商材が大幅に受注数を落とし、売上高は31億2,700万円に減少しました。
セグメント利益については、それを生産するベトナムの工場の操業低下もあり、6,600万円の損失となりました。
現在、繊維系暖房商材は冬物以外の夏物等の開発を試みていますが、まだ開発中であるため今後にご期待ください。消臭フィルターも若干需要減の影響を受け、機能性浴室床材も同様に受注数の減少で大きく業績を落とした期になりました。
連結バランスシート
連結バランスシートです。事業規模の膨らみによって、資産合計は921億9,900万円と、前期末から約40億円強伸びました。そのうち、流動資産が509億4,900万円です。キャッシュは、前期末比で約12億円増の83億円ほどあります。
棚卸資産は前期末比で約4億円増の163億3,100万円ですが、ここは為替で膨らんだ部分が6億1,400万円あるため、実質的には2億円ほど減少しています。棚卸資産については着実に落としていく方針で、一定の成果は出たと思っています。
負債についてです。借入金が180億9,000万円と、前期末から約31億円減少しました。これは神奈川県伊勢原市にある物流センターの土地売却や在庫減少なども含め、想定どおりです。今後の中長期経営目標後半3ヵ年ではD/Eレシオ0.5を目標にしているため、160億円から150億円台を目指していきたいと思います。
利益剰余金については、当期の利益を加え121億9,800万に増加しました。
設備投資・減価償却費
設備投資と減価償却費についてです。当社は、毎期20億円前後の減価償却を行っています。設備投資も若干増減がありますが、2024年5月期については、メキシコの合皮工場の投資が大きく出ています。
2025年5月期は、引き続きそちらへの投資を中心として、基幹システムの再構築などのIT投資も含め35億円、減価償却は19億円を想定しています。
中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」
中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY 2022~2024~2027」についてご説明します。2024年5月期までの前半3ヵ年を「STEPⅠ」、これから始まる次の後半3ヵ年を「STEPⅡ」と呼ぶようにします。
SUMINOE GROUPの変革
SUMINOE GROUPの変革についてです。当社は1883年創業で、2024年には創業141年を迎えます。住江織物という会社組織になってからは111年が経ち、歴史のある企業ですが、ここを境に商号変更を行います。
2024年12月2日から、アルファベットの「SUMINOE株式会社」にしたいと考えています。住江織物という漢字の社名は、長らくご好評いただいており、我々の会社そのものでした。しかし、今後は繊維系以外の商材も伸びていきます。また、今はグローバルに展開しており、将来的にはヨーロッパを含めた拠点への展開も加速すると思います。
そこで、織物だけに縛られるような社名でなく、グローバルで進めていく上でも、漢字の住江織物からアルファベットのSUMINOEに変えることとしました。8月末の株主総会の決議で、正式決定となります。
中長期経営目標の全体像
中長期経営目標の全体像です。スライドに2018年からの売上高と営業利益率を記載しています。このように、2019年5月期は売上高986億円、営業利益率3.2パーセントというところで、コロナ禍前の一番よかった状態でした。
そこから新型コロナウイルスで落ち込み、2024年5月期は売上高が1,000億円を超える1,034億円に達し、営業利益率は3.2パーセントとなりました。ひとまず、前半3ヵ年の目標は概ね達成できたと思っています。
後半3ヵ年は円高が進行する前提で、売上高の増加は1,053億円、1,060億円、1,090億円というかたちで少し控えめになっています。営業利益率は3.1パーセント、4.0パーセント、4.6パーセントと、我々が目標としている5パーセントにはまだ達していません。
しかし、営業利益率は5パーセントという目標を変えずに進めていきます。
目指す未来と、そのための取り組み
具体的な取り組みについてです。「グローバル展開の加速」と称し、新たにベトナムの拠点を自動車内装向けに振り向けようと思っています。
「非繊維領域の拡充」については、何度もお伝えしているようにメキシコ工場での合皮生産を開始します。加えてブランディングを進めており、「 SUMINOEブランドの確立」を推進していきます。
目指す未来を創造するために
2022年から、若手社員も含め「シン・ミライPROJECT」を進めています。我々がどのような会社になっていきたいのか、理念の共有と浸透、部門を横断しての共有を社内で進めています。
2050年という遠い未来に向けて、バックキャスティングで、どのような会社でどのようなものを作るのか、経営が指名した次世代を担うメンバーを中心にいろいろなアイデアを出してもらいました。若手の考えの中で、実現可否がまだわからない状況のものもありますが、次世代を見据えた取り組みとしてはそのようなことも進め始めています。
中長期経営目標
「STEPⅠ」の振り返りです。この3年間は、着実に変えてきました。財務面・非財務面ともに、D/Eレシオの改善や在庫回転率のアップも含め、ある程度の成果が出たと思っています。
また、社員とのビジョンの共有、企業ブランドの価値向上、ガバナンスの強化等も積極的に進めてきました。
実績と今後の課題
実績と今後の課題についてです。
自動車・車両内装事業については、北中米拠点の経営基盤強化と収益拡大、そこを中心とした外資系メーカーへの提案強化と新規商材の拡販を進めていきます。メキシコの合皮工場の稼働は、本年6月から量産開始とお伝えしていましたが、直近の見通しでは6ヵ月後ずれしています。
これは生産設備の到着から組み立て、それに付随する配管等を含めた環境設備等の施工等が大幅に遅れたためです。現在は設備稼働が開始されており、約半年ずれますが着実に進めていきます。
この取り組みにより、外資系メーカーとの交渉もスタートしています。今まで我々が合皮で取引のなかった日系自動車メーカーとの新たな取り組みや、採用の道筋なども見えてきています。
また、すでに発表したとおり、アメリカの大手電気自動車メーカー向けのフロアカーペットを受注しました。それに必要な増産体制の整備も進めています。
こちらはその外資系メーカーの1工場生産分に相当し、売上規模は30億円以上になるため、当社の小さな事業部門程度の売上が乗ってくることになります。これは今年11月ぐらいからになるため、2025年5月期すべてには乗ってきませんが、来期以降に大きく影響してきます。
車両内装事業は、着実に進めていきます。関織物を加えたことで、技術力と開発力の強化を図ることができましたので、安定的な生産で鉄道・バス事業に取り組んでいきます。
インテリア事業は、まだこれから改革等をしていかないといけませんが、まずは「SUMINOE」ブランドの認知、それと家庭用商材の販売回復に向けた戦略を実行していきます。家庭用商材についてはずっと落ち込んでいたものの、今期後半から来期に向けて戻っていくと思っています。
機能資材事業については現在非常に苦戦していますので、大幅な立て直しが必要と考えています。
重点テーマ
STEPⅡの方針についてです。収益性の向上、グローバル展開のさらなる強化、ブランディング、経営基盤の強化、非繊維領域の強化という5つの重点テーマを追求します。
目指す収益率は、営業利益率が5.0パーセント、ROEが8.0パーセント、PBR1.0倍です。
自動車内装事業の方針
自動車内装事業の方針についてです。我々がグローバルで展開している拠点について、中国と東南アジアの工場はほぼ合弁のため、最終的に利益の半分近くを持っていかれます。
しかし、北中米拠点は我々の100パーセント出資子会社ですので、ここで売上高・利益を拡大することが最終的な親会社株主に帰属する当期純利益の底上げにつながります。そのため、北中米拠点へ積極的に投資しています。実際に、日系自動車メーカーだけでなく外資系メーカーに対する提案も進めており、フロアカーペットはすでに受注しました。
現在は6ヵ国11拠点に自動車内装の海外事業を展開していますが、ここにベトナム拠点を加えることになります。もともとベトナムの拠点は、機能資材事業の繊維系暖房商材を作る工場として運営していますが、繊維系暖房商材が暖冬の影響を連続で受けて非常に苦戦しています。
そこで使用する「ニードルパンチ」というカーペット生産用設備の稼働が非常に落ちています。したがって、ニードルパンチでの生産を自動車内装向けに振り分けることで、拡大していく自動車内装向けのカーペットの拠点として使おうと計画しています。
まだスペース的にも余裕がありますので、自動車向けのカーマットの生産もベトナムで一部開始したいと思っています。この2つは、今期中の今秋以降にスタートさせる予定です。
車両内装事業の方針
車両内装事業の方針については、1世紀以上、我々がトップシェアを守っています。鉄道事業については、日本の鉄道の80パーセント程度のシェアを持っていますので、今後も技術革新に取り組み、安定的に伸ばしていきたいと思っています。
自動車・車両内装事業の3ヵ年計画については、2025年5月期が売上高641億8,000万円、セグメント利益が46億1,000万円で増収増益です。2026年5月期は売上高636億2,000万円で、若干落ちます。ただし、セグメント利益は51億3,000万円で増益です。2027年5月期は売上高650億8,000万円で、セグメント利益は55億4,000万円です。
為替は2025年5月期を144円、2026年5月期を131円、2027年5月期を125円で見ています。特に2025年から2026年にかけては大きく円高に振れる想定です。それによるマイナス要因が入るため、実質的には伸びるものの、売上は落ちる流れになります。
インテリア事業の方針
インテリア事業の方針については、非常に競争の激しい業界の中で展開しているため、自動車内装事業のように一気に売上を伸ばせませんが、すでにM&Aした会社も含めて増収になっています。
3ヵ年計画の売上高は2025年5月期が380億4,000万円、2026年5月期が387億9,000万円、2027年5月期は400億3,000万円を目標としています。2025年5月期のセグメント利益10億円を2026年5月期には11億3,000万円、2027年5月期には13億6,000万円にすることを目指しています。
この時点でセグメント利益率は3.4パーセントとまだ低いですが、まずはここまでは持っていきたいと思っています。中長期的には5パーセントですから、売上高400億円であればセグメント利益20億円が目標になります。
機能資材事業の方針
機能資材事業の方針については、2025年5月期もセグメント利益がマイナス1億8,000万円で、大幅なマイナスになります。
これは繊維系暖房商材が大幅な受注減となり、ベトナム工場が大幅な打撃を受けることで、事業自体も影響を受けるためです。そのため、設備を自動車内装向けに転用することによって、ベトナムの工場自身は立ち直っていくことになります。
また、冬物向けの商材に加えて夏物向けも開発していきます。さらには、もともと機能資材事業が行っているOEMビジネスの拡大に着手していきたいと思います。
3年後の目標である売上高33億9,000万円、セグメント利益1億7,000万円は、従来の状態に戻るレベルです。従来のレベルに戻すというのが、2025年5月期からの3ヵ年計画の動きになります。
技術開発の方針
技術開発の方針はスライドのとおりです。今後は、水漏れ防止やセンシングなどのさまざまな技術を、どのように活用していくかを考えていきたいと思っています。
3ヵ年連結収支計画(1)
3ヵ年の連結収支計画です。3年間の売上高は、2025年5月期が1,053億円、2026年5月期が1,060億円、2027年5月期が1,090億円です。営業利益は、2025年5月期が33億円、2026年5月期が42億円、2027年5月期が50億円です。
2025年5月期の33億円は、機能資材事業部門がマイナス1億8,000万円と大幅に悪化するため、その影響で2024年5月期と一緒というかたちになります。2026年5月期が42億円、2027年5月期が50億円で、この段階で営業利益率はまだ4.6パーセントですが、なんとか5パーセントを達成したいと思っています。
親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年5月期が15億円、2026年5月期が21億円、2027年5月期が26億円です。為替は144円、131円、125円という前提で考えています。
国内外の売上高比率はスライドに記載のとおりです。連結と同様に国内は伸びていきますが、海外拠点は2026年5月期に若干売上高が落ちるところがあります。しかし、内容的には着実に伸ばしていきます。
3ヵ年連結収支計画(2)
セグメント別の内訳は繰り返しになりますので省略します。
マテリアリティ
マテリアリティは、中長期経営目標で掲げた9つの課題から選定した5つの重要課題であり、それを意識した経営を進めていきたいと思っています。
方針
資本コストと株主還元についてです。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、我々は株主資本コストを5パーセントから7パーセントと認識しています。
2024年5月期のROEは2.9パーセント、PBRは0.5倍と、まだ非常に低い状態です。それを2027年5月期には、ROEを8パーセント、ROICを8パーセント、PBR1倍、WACCを4パーセント、配当性向を38パーセントにしたいと考えています。
資本コストを上回るための取り組み
資本コストを上回るための取り組みについてです。
自動車向けに関しての肝は、北中米拠点の拡大です。メキシコを中心とした生産は、着実に進めています。STA(Suminoe Textile of America Corporation)はカーペットを生産しますが、それ以外は北中米すべての営業を担うため、現在は日系以外のメーカーも含めた積極的な営業活動を実施しており、今後は売上・利益ともに大きく拡大できると考えています。
インテリア事業についても、M&Aした会社とのシナジーを活かし、大きく収益改善していきます。家庭用商材については、富裕層にも届く中高級商材も拡大する予定です。財務体質の改善については、預金・借入金・在庫の適正化を着実に進めていきます。
キャッシュ・アロケーション
キャッシュ・アロケーションです。3年間の営業キャッシュ・フローは110億円と想定しています。
資産の流動化、政策保有株の縮減、遊休資産の活用などを行い、設備投資とM&Aで80億円、基幹システムの再構築で5億円、その他開発への投資、人的投資、株主還元に振り分けます。
IR活動の充実
情報発信と相互対話のさらなる強化についてです。IR活動はスライドのとおり取り組みますが、さらなる開示資料の充実化や英文開示の対応などを進めていきます。まだ認知度が低いため、広報活動をさらに進めて認知度の向上に努めます。
対話については従来から進めていますが、特に1on1ミーティングは2019年比で3倍ほどに回数を増やしています。今後もこのような対話を進めていきたいと思っています。
株主の皆さまへの還元
株主還元についてです。配当は従来70円でしたが、コロナ禍で若干減配して2020年5月期に50円、2021年5月期に35円となりましたが、2024年5月期は70円に戻しました。我々の配当政策として、よほどのことがない限り年間配当は下限70円を維持していきます。
配当性向も従来の33パーセントから38パーセントに上げようと思っていますので、2025年5月期は80円を考えています。
我々が今中長期経営目標で考えている2027年5月期の利益を達成すると、配当性向38パーセントでの配当は従来の倍の140円となります。今日の株価も非常に低いのですが、現在の株価から言うと6パーセントを超える配当になりますので、非常に期待できる株になるのではないかと思っています。
コロナ禍前のPERは15倍程度だったのですが、今日のPERは10倍程度です。我々は積極的に業績を改善しようとしていますが、コロナ禍を境にPERは低い状態です。そのため、今日のPBRは0.5を割っている状態です。
会社自身を良くするのはもちろんのこと、着実に株主さまとの対話を進め、時価総額も含めて伸ばすことが当面の課題と考えています。
質疑応答:競合他社の状況について
質問者:御社の競合がこの2年から3年間で新規事業の展開も含めて伸びていますが、競合がどのような状況の中で御社が伸びているのかを教えてください。
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