Contents:

浅井満知子氏:本日は2つのパートに分けてご説明します。まず、私からプレインランゲージとは何か、イギリスをはじめアメリカ政府が定めたプレインイングリッシュの歴史、EU各国24言語へのプレインランゲージの発展についてお話しします。次いで堀田より、プレインイングリッシュの基本原則について解説します。

何の数字でしょうか?

スライドに記載した3つの数は、何の数字だと思いますか? こちらは、本日お話しするコミュニケーションに関連した数値です。

各時代の英語一文の⻑さ(1センテンスのWord 数)

こちらの数値は、時代ごとの英文の長さを表しており、1文の中に含まれる英単語数の平均値です。時代とともに文がどんどん短くなっているのがおわかりになると思います。

情報量や情報伝達の範囲、取り扱う人の数が増えれば増えるほど、反対に文の長さは短くなってきました。現在、情報発信に推奨される英文の長さは18ワードの短文です。簡潔で、明確で、ダイレクトな表現が推奨されています。

情報化社会に求められるコミュニケーションとは

少し古いデータになりますが、人が1日にさらされる情報量は、2006年時点で新聞174部相当です。我々がいかに多くの情報にさらされているかがわかります。

そのため、発信する側も、重要な情報がほかの多くの情報に埋もれてしまわないように、読んでもらうための工夫をしています。例えば、その情報を見つけてもらうためのアクセシビリティの改善や、すっと頭に入って早く理解できるような工夫、離脱されないための工夫などです。

プレインランゲージとは、それらの情報発信の工夫を体系的にまとめたコミュニケーション術だと考えてください。

プレインジャパニーズとは

日本ではまだ馴染みのないプレインランゲージですが、私たちの身近なところでプレインランゲージが使われている代表例は、国連が定めたSDGsの17のゴールのアイコンです。

普段使っている親しみのある言葉で、簡潔に短く記し、イラストを使ってイメージしやすく作られています。イラストにも、印象深いはっきりとした色彩が使われています。

地球規模の課題に対し、70億人の人々に行動してもらうために必要なコミュニケーションが熟慮されたSDGsのアイコンは、プレインランゲージの集大成と言っても過言ではありません。

アメリカ政府 プレインランゲージの法律

アメリカ政府もプレインイングリッシュの記述法を政府内に導入し、1978年に大統領令で、国民への書簡をプレインイングリッシュで記述することを定めています。その後、オバマ大統領政権においてプレインライティングのさらなる法的強化が図られました。

各国政府のプレインランゲージの動向

イギリス・アメリカ政府の効果的な市民との対話とコスト削減が示されると、追随するかたちでカナダやオーストラリア、ニュージーランド、EUへとプレインランゲージは普及し、法整備が進みました。スライドの内容はその一部の紹介です。

PEの9つの基本原則

堀田祐介氏:我々は、PEの9つの原則を、「届く」「わかる」「響く」という3つのグループに分けています。これはけっこう考えたくくりで、「届く」は、「読みたくなる」「速く読める」「熱意が伝わる」という意味合いを込めています。

この3つの要素が、わかりやすいIR資料を書く上で非常に重要な方向性だと思いますので、ぜひこちらの表をご記憶いただき、外国人の投資家にとって、読みやすい文章をお書きください。

※「英文IR人材育成講座」について、詳しくは公式サイトをご覧ください。