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池内比呂子氏(以下、池内):みなさま、こんにちは。テノ.ホールディングス代表取締役社長の池内です。寒暖差が激しい毎日が続いていますが、お元気でしょうか? 本日は、私どもの決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。

それでは、アジェンダに沿って進めたいと思います。本日は、スライドに記載の上から4つのSectionについてご説明します。1つ目は全社の決算概要、2つ目はセグメント別の決算概要、3つ目は2024年12月期の業績予想、4つ目は中期経営計画と長期ビジョンです。

決算概要(全社)

決算概要です。今期は増収・増益となりました。

売上高は145億5,700万円で前年比20.0パーセント増、営業利益は1億8,700万円で前年比21.6パーセント増となっています。経常利益は1億9,400万円で前年比24.3パーセント増、当期純利益は1億円となり、増収・増益で着地しました。

増収の要因としては、テノ.コーポレーションが新設した公的保育施設と、前期4月に開設した公的保育・介護施設の売上が寄与しています。その他の売上高については、子会社3社の売上が寄与しました。

費用については、保育施設における労務費や経費、新規開設園の地代家賃等が増加しています。また、子会社化したホームメイドクッキングの費用増加と、のれん償却費が発生しました。

セーフティージャパン・リスクマネジメントは、株式取得に係る一過性の費用を計上しています。さらに、テノ.コーポレーションとテノ.サポートの合併により法人税が減少しました。

連結損益計算書概要

こちらのスライドは、連結損益計算書の概要です。

連結貸借対照表概要

こちらのスライドは、連結貸借対照表の概要です。

連結キャッシュ・フロー計算書概要

こちらのスライドは、連結キャッシュ・フロー計算書の概要です。後ほどご参照いただければと思います。

運営施設数の推移(セグメント別)

運営施設数の推移です。当社の運営施設は、首都圏、九州、関西東海を中心に全国各地に展開しています。施設数は増加しており、今後も新規開設に向けて取り組んでいきます。

施策(2023年12月期)

こちらのスライドには、2023年度の施策をまとめました。主力事業の強化として、保育事業に関しては新規開設や既存施設についての対応等を記載しています。新規事業である介護事業や生活関連支援事業についても進捗状況及び結果を掲載しているため、後ほどご参照ください。

2023年12月期の主なトピックス(2023年1月)

トピックスを3つご紹介します。1つ目として、2023年1月にセーフティージャパン・リスクマネジメントの株式を取得しました。こちらの目的は、女性のライフステージに応じた保険サービスの開発と提供です。

2023年12月期の主なトピックス(2023年4月)

2つ目として、2023年4月に「ほっぺるランド相生橋つくだ」を開設しました。

2023年12月期の主なトピックス(2023年4月)

3つ目は、2023年4月に子会社のテノ.コーポレーションとテノ.サポートを吸収合併したことです。企業構造のスリム化による経営資源の有効活用と業務効率化を目的に進めてきました。

他のトピックスについては、Section5に掲載していますので、後ほどご参照ください。

セグメント別【保育事業】

岡田基司氏:取締役管理本部長の岡田です。私からは、セグメント別の2023年12月期決算概要をご説明します。

保育事業は増収・増益となりました。売上高は114億2,700万円で、前年同期比2億9,800万円増の2.7パーセント増となっています。セグメント利益は6億9,400万円で、前年同期比5,800万円増の9.1パーセント増です。利益率は6.1パーセントとなりました。

業績の主なポイントとして、これまでの報告セグメントであった「公的保育事業」「受託保育事業」「その他の一部」を集約し、「保育事業」セグメントとして表示しています。

収入面では、新規開設及び前年4月に開設した施設の売上が寄与しました。また、保育士の処遇改善のための補助金収入増加により、増収となっています。費用面では、売上原価内の労務費及び、主に給食費、水道光熱費等の経費が増加しました。

なお、変更前の報告セグメント別の売上高もスライド右下に記載していますので、ご参照ください。

セグメント別【保育事業(詳細) 】

保育事業の詳細については、先ほどご説明のとおりです。後ほどスライドをご参照いただければと思います。

セグメント別【介護事業】

介護事業も増収・増益となりました。売上高は7億1,100万円で、前年同期比8,200万円増の13パーセント増となっています。セグメント利益は4,900万円で、前年同期比1,900万円増の63.5パーセント増です。セグメント利益率は7パーセントとなりました。

業績の主なポイントとして、2023年12月期から、フォルテが運営する介護施設に、テノ.コーポレーション(合併以前はテノ.サポート)が運営するデイサービスを加えた数字で表示しています。

収入面では、フォルテの通期寄与と前年4月に開設したデイサービスの売上が貢献し、増収となりました。利益面では、デイサービスにおいて、前期に比べて施設の稼働状況が改善しています。また、経費を抑制したこと等により増益となりました。

そして、フォルテは2024年以降に新規開設を複数計画しています。予定どおりの開設が遂行できるよう現在取り組んでいるところです。

セグメント別【生活関連支援事業】

生活関連支援事業は増収・減益となりました。売上高は21億8,600万円で、前年同期比20億5,100万円増の1521.2パーセント増となっています。セグメント利益はマイナス5,600万円で、前年同期比7,600万円減です。利益率はマイナス2.6パーセントとなりました。

業績の主なポイントとして、2023年12月期から、セーフティージャパン・リスクマネジメントの経営成績を生活関連支援事業に含めて表示しています。決算期の違いから、9ヶ月分の業績をP/Lに反映しています。

また、ホームメイドクッキングは営業赤字となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へ移行した後も、料理教室の稼働状況が以前の水準に戻りきれていないことが要因です。

一方、セーフティージャパン・リスクマネジメントは営業黒字となったものの、のれん償却費を含めると、セグメント利益としては赤字となっています。

セグメント別【その他】

その他のセグメントについては、減収・増益となりました。売上高は2億3,100万円で、前年同期比300万円減の1.4パーセント減となっています。セグメント利益は100万円で、前年同期比800万円増です。利益率は0.8パーセントとなりました。

業績の主なポイントとして、2023年12月期から、その他に区分していた認可外保育所や地域型保育事業施設を「保育事業」セグメントへ集約しています。また、先ほどお伝えしたとおり、デイサービスを「介護事業」セグメントへ集約したことから、その他の主な事業内容はスライド右下に記載のとおりとなりました。

「テノスクール」については受託が堅調に推移しており、売上改善もしているものの、その他の事業で売上が減少しています。一方で販管費の削減により利益は改善しました。

2024年12月期 業績予想

池内:2024年12月期の業績予想については、増収・減益となる見込みです。

売上高は158億8,000万円で前年比9.1パーセント増、営業利益は1億5,500万円で前年比17.2パーセント減と予想しています。経常利益は1億3,800万円で前年比28.8パーセント減、当期純利益は3,200万円で前年比67.7パーセント減としています。

スライド右側に記載のとおり、成長に向けた事業投資を積極的に行います。今期については、保育事業と介護事業に2億円超の投資をする予定です。

【成長に向けた事業投資】保育事業 新規開設 KDI福岡アイランドシティ

成長に向けた事業投資として、まずは今年4月に、福岡県福岡市に「KDI福岡アイランドシティ」を開設します。私どもにとっても初めての取り組みですが、定員数342名の大規模な保育施設です。こちらはバイリンガル幼児園のため英語と日本語の両方が習得でき、かつ保育機能と教育機能を兼備した保育施設です。

KDI福岡アイランドシティの収益モデル

こちらのスライドには「KDI福岡アイランドシティ」の収益モデルを記載しています。左下のグラフは園児数の充足率、右下のグラフは売上・費用計画です。

園児数の充足率について、定員数は342名ですが、認可保育所と同様に1年目は2歳児と3歳児だけ募集をかけています。そのため、充足率的には1年目が41パーセント、2年目が78パーセント、3年目の4月以降に100パーセントになる予定です。

売上・費用計画については、ピンクの棒グラフが売上高、グレーの棒グラフが費用を示しています。園児数の充足に伴い、1年目、2年目は赤字になる予定です。そして、充足率が約80パーセントになれば、3年目からは黒字化すると見込んでいます。

【成長に向けた事業投資】介護事業 新規開設「ほっぺるの家」

また、介護事業においては、フォルテが運営主体の住宅有料老人ホームを開設します。これは今回のM&A後、初めて私どもがオープンする介護施設です。

埼玉県さいたま市に建設予定で、施設の名前は「ほっぺるの家」です。私どもの保育所と同じブランド名となっています。

新設ホームの収益化推移(年度イメージ図)

スライドの図は、新設ホームの収益化の推移です。開設2年目に黒字化し、3年目にはほぼ満室稼働により収益が安定すると見ています。ただし、こちらも1年目は充足率が70パーセント程度となり、単月赤字が続く予定です。

【成長に向けた事業投資】介護事業 株式会社ウイッシュ

2月1日にウイッシュの株式を取得しました。こちらでは児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所を運営しています。

私どもは健常者の保育施設を運営している中で、障がいのあるお子さまへの支援が必要だということを実感していました。その思いから、保育事業における療育機能を追加し、保育サービスの強化・拡充に努めていきたいと考えています。

ウイッシュの事業モデル

スライド左下は、福祉サービス等の報酬支払の流れです。サービス事業者は私どもを指しますが、利用者や市町村から報酬をいただきながら、それを売上に計上していきます。

スライド右側はウイッシュの事業モデルです。ウイッシュの下に子育てサポートという会社があります。ウイッシュ自体も児童発達支援、放課後等デイサービスを直営で6施設運営しています。

そして、子会社の子育てサポートがフランチャイズ事業を進めており、現状では42施設をフランチャイズ化しています。こちらは加盟金やロイヤリティをいただくビジネスモデルです。

ウイッシュの事業環境

近年の障がい児向けサービスについて、スライド左側のグラフは児童発達障がい支援や放課後等デイサービスの利用者数を示しています。ピンクの部分が児童発達支援、黄色の部分が放課後等デイサービスとなっていますが、ご覧のとおり、年々利用者数が増加している傾向にあります。

スライド右側のグラフは国の障がい者向けの予算ですが、こちらも年々増えています。そのような中で、私どもの認可保育所、事業所内保育所、学童保育所、そして「KDI福岡アイランドシティ」のバイリンガル幼児園、さらにウイッシュの障がい者向けサービスは、大きく成長できる領域であると認識しています。

今年度は福祉サービスの報酬改定もあるため、今後も特色のあるサービスを作っていきたいと思っています。以上3つが、今回の2億円超の投資内訳です。

施策(2024年12月期)

2024年12月期の施策においても、既存事業の基盤強化と新規事業へ積極的に取り組むことを掲げています。詳細については後ほどご参照ください。

セグメントの市場動向と今後の取り組み

セグメントの市場動向と今後の取り組みについてです。スライドはセグメント別に記載しています。

保育事業においては、少子化が進む中ではありますが、今年は政府も「こども誰でも通園制度」に取り組む予定のため、保育所の利用者数は増えてくるのではないかと思っています。また、小学校の学童保育所については、これまで1年生から3年生が対象でしたが、現在は6年生まで預ける時代です。まだまだ需要が拡大する見込みがあるため、営業を強化していきたいと考えています。

また、生活関連支援事業においては、共働きが今以上に増えていく社会の中で、どのようなものが必要なのかを考えながら、サービスを提供していきたいと思っています。

1株当たり配当について

1株当たりの配当についてです。2023年12月期は、3月25日に1株当たり9円の配当支払いを予定しています。2024年12月期も同様に、1株当たり9円の配当を実施予定です。

わたし、選んで、生きていく。

中期経営計画と長期ビジョンについてご説明します。まずは当社のPurposeについてご紹介しますので、動画をご覧ください。

当社は、「わたし、選んで、生きていく。」を掲げています。女性が育児や介護、家事をしながら働き続けるためには、多くの選択肢が必要です。がんばっている女性たちを、私たちの手のぬくもりで支えていきたいと思っています。

Purpose 存在意義

こちらのスライドでは、当社のPurposeを図にしています。キーメッセージは、先ほどの「わたし、選んで、生きていく。」です。Purposeは「『手の』ぬくもりで、安心できる社会を創造する。」とし、経営理念とともに「teno VISION 2030」をしっかり進めていきたいと思っています。

戦略)女性が活躍する事業展開(女性のライフステージと事業)

繰り返しになりますが、女性が活躍するためには何が必要なのかを考え、事業展開していきたいと思っています。

中期経営計画の基本方針

中期経営計画の基本方針です。1つ目は、M&Aも含めた保育事業における事業の拡大です。2つ目としては「サービス品質」を追求し、選ばれる施設作りを行っていきます。3つ目は、人事制度と人材育成制度の一体改革への着手です。

4つ目は新規事業の立ち上げで、将来への投資として多くの種をまいていきます。5つ目としては、介護事業における事業拡大に注力し、保育事業に続く柱の事業へと成長させていきたいと思っています。

「teno VISION 2030」

「teno VISION 2030」についてです。「時代に求められるサービスを提供するプロフェッショナル集団」となり、「働き手にとって最も自己実現が可能な家庭総合サービスグループ」を目指します。働き手視点と顧客・クライアント視点の理想を達成することで、当社ビジョンの実現につなげていきたいと思っています。

「teno VISION 2030」を実現するための取り組み

「teno VISION 2030」を実現するための取り組みについてです。保育所で勤務する方の「働きがい」がある会社、そして「選ばれる」保育所になるための取り組みとして、昨年から「チームエンゲージメントセンター」と「保育みらい研究所 Compass」を立ち上げました。この2つの取り組みをバラバラに展開するのではなく、相互に連携させながら、より良い園づくりを推進しています。

SDGsの取り組み

こちらのスライドには、SDGsの取り組みについて記載しています。

SDGs:ジェンダー平等を実現しよう

当社は創業時から、女性のライフステージを応援するために、特に「男女平等を実現し、すべての女性と女の子の能力を伸ばし可能性を広げよう」という目標に注力しています。当社のビジョンは「女性が活躍する社会の創造」であり、戦略は「女性が活躍する事業展開」です。

SDGsの取り組み

テノ.グループにおける、社内のSDGs行動計画についてです。育児休暇取得率と管理職に占める女性の割合をKPIに設定しています。2023年度は目標数値に到達できなかったものの、目標達成に向け、今後も継続して取り組んでいきたいと思っています。

中期経営計画と長期ビジョン

中期経営計画と長期ビジョンについてです。スライドに記載のとおり、2024年、2025年、2026年と毎年ローリングしながら2030年を目指したいと思っています。

ご説明は以上です。今回は、当社の成長戦略と投資に関するご説明に多くの時間をいただきました。今期を含めた3年間は、成長のために大きく投資をしてきていますが、今期は計画どおり結果を出せるよう進めたいと思っています。そして、Purposeを軸とし、社会貢献と収益の両輪で進めていきたいと思いますので、今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願いします。

質疑応答:離職防止や採用活動の結果について

司会者:「離職防止や採用の取り組みによって、どのような結果が表れているのでしょうか?」というご質問です。

寺田尚平氏(以下、寺田):経営企画部長の寺田からお答えします。まず、「チームエンゲージメントセンター」の取り組みによって、離職防止に効果が出てきています。直近1年では、認可保育所の離職率が約4パーセント低下しているという報告を受けており、働きがいを感じる従業員が増えているのではないかと実感しています。

また、受託保育所における従業員の採用活動については、当社は友人の紹介および過去に勤務いただいた従業員の再雇用の比率に特徴があります。昨年は17パーセントでしたが、現在は29パーセントと、3割弱まで伸びてきている状況です。

質疑応答:「KDI福岡アイランドシティ」の入園状況について

司会者:「『KDI福岡アイランドシティ』の入園状況について教えてください」というご質問です。

寺田:2月時点の申し込み園児数は100名を超えています。引き続き、4月に向けてしっかりと人数を確保していきたい考えです。特徴としては、外国籍を持っているお子さまも約2割いるという報告を受けています。

質疑応答:セーフティージャパン・リスクマネジメントにおける新商品の開発状況について

司会者:「セーフティージャパン・リスクマネジメントにおける新商品の開発状況を教えてください」というご質問です。

寺田:もうすぐローンチできそうな段階にまで来ています。女性のライフステージの支援にはさまざまある中で、当社は高齢者向けの介護マーケットに着目しており、具体的に商品設計を進めている状況です。