2023年10月期 決算の総括(連結)

森田康寛氏:みなさま、こんにちは。本日は大変お忙しい中、アイ・ケイ・ケイホールディングスの決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

まず、決算の総括についてご説明します。2023年10月期については、施行組数は順調に回復し、売上高は過去最高を更新しました。新型コロナウイルスの影響から抜け、着実に回復しています。

売上高は前年同期比15.4パーセント増の219億9,000万円、約29億円の増収となりました。施行組数が前年同期を427組上回ったことに加え、国内婚礼事業の施行単価が18万9,000円増加したことによるものです。おおむね計画どおりに推移しています。

営業利益は前年同期比8.1パーセント増の19億5,500万円、約1億4,000万円の増益となりました。主な要因は、先ほどお伝えしたとおり売上高が回復したことによるものです。一方で、計画比は11.1パーセント減となりました。これは、販管費が計画比で約5億3,000万円増加したことによります。

主な要因は3点あります。1点目は水道光熱費の高騰、2点目は積極的な販売促進費および広告宣伝費の投下、3点目は当社が2020年6月に導入した信託型従業員持株インセンティブプラン「E-Ship」が2023年7月に終了したため、福利厚生費として計上したことです。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比4.2パーセント減の13億4,000万円となりました。主な要因は、前年同期は雇用調整助成金2億4,000万円を営業外収益に計上していたことです。

受注残組数は、2023年10月末時点で4,874組で推移しています。前年同期比6.7パーセント減ですが、引き続き高水準で推移しています。

参考としてお伝えすると、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年度の受注残組数は4,168組です。東京支店や水戸支店の開業もあり、前提条件はやや異なりますが、比較するとプラス706組で推移しています。翌期はこの高水準の受注残をベースに、過去最高の施行組数を予定しています。詳細は後ほどご説明します。

2023年10月期 決算概況(連結)

決算概況はスライドに記載のとおりです。施行組数は回復傾向にあります。売上高の増加に伴い、営業利益も前年同期比でプラスとなっています。

売上高の推移

売上高の推移です。売上高の水準は、コロナ禍前の2019年10月期と比較してプラス18億円ほどとなっており、コロナ禍からの復調がおわかりいただけるかと思います。

売上高の推移(四半期毎)

四半期ごとの売上高の推移です。2023年10月期においては、第1四半期から第4四半期までの全四半期でコロナ禍前の2019年10月期を上回って推移し、過去最高の売上高となりました。

婚礼事業の状況

婚礼事業の状況についてご説明します。売上高は前年同期比25億6,400万円の増加、施行組数は前年同期比プラス427組となりました。国内がプラス399組、海外がプラス28組です。受注組数は前年同期比プラス405組となりました。国内がプラス382組、海外がプラス23組です。

受注残組数は、前年同期比マイナス349組です。国内がマイナス362組、海外がプラス13組で推移しています。前年同期比で減少していますが、先ほどお伝えしたとおり、新型コロナウイルスの影響を受ける前と比較して、高水準の受注残高を保持しています。

施行単価は、前年同期比プラス18万9,000円の379万8,000円となりました。主な要因は、平均ゲスト数が前年同期比7.4名増加したためです。

施行組数はほぼ回復しましたが、施行単価はまだ回復途上です。引き続き、結婚式の価値を高め、施行単価の回復に努めていきます。

施行組数の推移(四半期毎)

施行組数の推移についてご説明します。新型コロナウイルスによる業績の落ち込みから順調に回復していることがおわかりいただけると思います。第1四半期、第2四半期、第4四半期においては、過去最高の施行組数を更新しています。

受注組数の推移(四半期毎)

受注組数についてご説明します。スライドのグラフのとおり順調に回復していますが、全支店においてまだコロナ禍前の水準までは回復していません。新型コロナウイルスの影響があった期間は広告投資を抑制していましたが、現在はコロナ禍前の水準に戻しています。戦略的な広告投資を実施していきながら、受注の回復に努めていきます。

営業利益の推移(四半期毎)

水道光熱費の高騰や積極的な販売促進費および広告宣伝費への投下等により、計画比はマイナスとなっているものの、施行組数の回復および施行単価の上昇に伴い、営業利益は順調に回復しています。

財務の状況

財務の状況についてご説明します。現在、自己資本比率は50パーセント、有利子負債依存度は22パーセントです。一時は新型コロナウイルスの影響により借り入れを行い有利子負債依存度が高まりましたが、現在はコロナ禍前の水準まで戻り、安定して推移していますので、財務基盤については安心してご覧ください。

2023年10月期の取り組み①

ここから、2023年10月期の取り組み内容をご説明します。婚礼事業においては、茨城県水戸市の偕楽園内に新規出店し、2023年4月7日にグランドオープンしました。

偕楽園はみなさまもご存じのとおり、金沢市の兼六園、岡山市の後楽園と並ぶ日本三名園の1つです。日本全国や海外からも多くの観光客が訪れる日本屈指の名所に、すばらしい施設ができました。グランドオープンから半年以上が経ちますが、計画を大きく上回って推移しています。

また、先日開催されたG7茨城水戸内務・安全担当大臣会合では、水戸支店がワーキングディナーの会場に選ばれました。このような重要な会合の場所として選んでいただき、大変光栄です。

2023年10月期の取り組み②

2023年3月に、愛知県名古屋市に2店舗目となるフォトスタジオを出店しました。名古屋駅から1駅の伏見駅から徒歩3分の好立地です。名古屋市は人口229万人と大きな市場を有し、出店場所は駅近かつロケーション撮影の人気スポットの名古屋城、徳川園等へ車で10分から15分と好アクセスの立地です。

こちらもグランドオープン後、受注状況は順調に推移しています。今後も人口50万人以上の都市をメインターゲットとして、年1店舗から2店舗の出店を目指すための基盤構築を行っていきます。新たな店舗の発掘も鋭意行っていますので、今後のフォトスタジオの展開もぜひご期待ください。

2023年10月期の取り組み③

2023年3月25日に、介護事業の新規店舗を佐賀県伊万里市に開業しました。本件は、伊万里市において小規模多機能型居宅介護施設の公募に応募した結果、事業者として認定されたものです。伊万里の既存施設から車で5分ほどの距離にあり、人的リソースの利活用が図られることに加え、弊社の介護事業の運営ノウハウを活かせると判断して出店を決定しました。

Topics

この度、「2023年オリコン顧客満足度調査ハウスウエディング部門」にて、昨年に引き続き2年連続で総合1位を獲得しました。「式場スタッフの対応」「ドレス・衣装」「写真・映像の仕上がり」など全13の評価項目で構成されたランキングです。

私たちが提供しているサービス、大切にしている結婚式への思い、そしてチームワークがお客さまより評価されたことをとてもうれしく思っています。この結果に満足することなく、引き続きお客さまの笑顔と幸せのために挑戦していきます。

2023年10月期のご説明は以上になります。

2024年10月期 業績見通しのポイント

2024年10月期の業績見通しのポイントについてご説明します。2024年10月期は、水戸支店の通期稼働と施行単価の上昇に伴い、過去最高の売上高を見込んでいます。その内容について、簡単にポイントをご説明します。

売上高は、前期比6.2パーセント増の233億5,000万円を見込んでいます。主な要因は、国内婚礼事業において施行組数が前期比120組増の5,550組、施行単価が前期比11万6,000円増の391万4,000円で推移することを見込んでいるためです。施行組数は過去最高を更新し、施行単価は前期よりさらに回復することを想定しています。

営業利益は、前期比8.9パーセント増の21億3,000万円を見込んでいます。主な要因は、先ほどお伝えしたとおり、過去最高の施行組数と回復を見込んでいる施行単価によるものです。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比5.9パーセント増の14億2,000万円を見込んでいます。今期もお客さまの感動を追求し、業績の向上に努めていきます。

2024年10月期 業績見通し(連結)

2024年10月期の業績見通しについては、先ほどお話ししたとおり、婚礼事業の業績回復により各指標が良化して推移しています。

売上高・営業利益・経常利益の見通し(連結)

売上高・営業利益・経常利益の見通しについては、スライドに記載のとおりです。2024年10月期は、営業利益率9.1パーセントを目指します。前期同様、水道光熱費や原材料費の高騰等にも対応しながら、営業利益率の目標達成に向けて鋭意取り組んでいきます。

出店計画・施行組数、設備投資・減価償却費の見通し

出店計画・施行組数、設備投資・減価償却費の見通しについてです。今期の計画で海外店舗が2店増えていますが、これは業務提携店舗が増えたことによるものです。設備投資は約5億円を計画しており、国内店舗のリニューアルや衣装等の購入を予定しています。引き続き不要不急のコストを引き締めつつ、戦略的に投資を実施していきます。

配当計画

配当計画についてご説明します。2024年10月期は業績の回復を踏まえ、年24円の配当を計画しています。配当性向は40パーセントから50パーセントを目安としています。中長期的な事業計画と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた配当を実施していく方針です。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いします。

2024年10月期の取り組み①

2024年10月期の取り組みについてご説明します。1つ目は、国内婚礼事業3店舗のリニューアルです。今期は鳥栖支店、富山支店、盛岡支店において大規模なリニューアルを計画しています。

鳥栖支店は、2024年2月にガーデンのリニューアルを計画しています。ナチュラルな雰囲気からスタイリッシュなガーデンへと一新します。

富山支店は、2024年3月にラウンジスペースと披露宴会場のリニューアルを計画しています。白を基調とした会場に、温かみのある木目のデザインをアクセントに加え、「大人かわいい」空間を演出します。

盛岡支店は、2024年4月にガーデンのリニューアルを計画しています。バンケットのガーデンにウッドデッキを設置し、プールをバックに写真を撮ったり、バーベキューなどのガーデン演出を楽しめる空間にリニューアルします。

その他、既存店においても定期的にリニューアルを実施していきます。今期も投資計画に基づき、計画的にリニューアルを行っていく予定です。

2024年10月期の取り組み②

2つ目は海外事業についてです。2023年10月に、インドネシアのジャカルタで高いブランドイメージを持つ「Plataran」の2会場と婚礼プロデュースの業務提携契約を締結しました。弊社既存施設のMenara Mandiri支店の正面に位置し、Menara Mandiriやその他の提携会場とは大きく異なり、アウトドアウエディングを楽しめる空間となっています。

また、五つ星ホテルレベルの高級レストランであることから、シナジー効果が見込めると判断し契約締結に至りました。

2024年10月期の取り組み③

3つ目は、組織変更による集客および企業ブランディングの強化についてです。2023年12月に、新たに「デジタルマーケティング推進部」を設立しました。

この度、外部よりデジタルマーケティング部長を採用し、今後、各事業会社の集客のさらなる拡大や事業のブランディング、デジタルマーケティング面での社内教育に取り組み、総合的な強化を図っていきます。

以上で決算説明を終わります。最後になりますが、当社は今後も持続的な成長のために挑戦を行っていきます。引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。

ご清聴いただき誠にありがとうございました。

質疑応答:水戸支店の計画の推移について

質問者:水戸支店は計画に対し、どのように推移しましたか?

森木信吉氏:水戸支店の状況についてご報告します。売上高は予算比13.2パーセント増で推移しました。特に施行組数は予算比2.1パーセント増、施行単価は予算比9.9パーセント増で推移しています。

茨城県内の市場平均単価が335万2,000円に対し、水戸支店の前期は417万5,000円と、市場平均に対し25.5パーセント増で寄与したことが売上予算を大きく達成した要因です。

質疑応答:施行単価の評価と回復時期について

質問者:施行単価の着地についての評価を聞かせてください。また、400万円台の単価にはいつ頃戻る見込みですか?

金子和斗志氏(以下、金子):前期の施行単価に関しては、ウィズコロナのためこのような数字になったと考えています。

施行単価の400万円台への回復時期については、現状いろいろな物価が値上がりしているため、今期の後半から回復してくるのではないかと思います。我々の感覚ですが、第3四半期、第4四半期あたりから戻ってくると仮説を立てています。

質疑応答:第4四半期の広告投資増額について

質問者:第4四半期に広告投資を急遽増額せざるを得ない理由があったのでしょうか?

金子:来期の施行組数を考え社内で検討した結果、必要であると考えました。理由としては、ライバル企業が広告費を増加させている中では集客の見込みが立てづらいため、我々も広告を打ち出してしっかりと集客したいと考えています。集客ができれば必ず成約まで持っていけると考えていますので、増額を決定しました。

質疑応答:2024年10月期の利益計画が前期の計画を下回っている理由について

質問者:2024年10月期の利益計画が、前期の計画を下回っている理由について教えてください。

金子:現在、3ヶ所のリニューアルを予定しています。それ以外にも2ヶ所、3ヶ所と追加する予定もあるため、このような計画を予想しています。

質疑応答:目標とするKPIについて

質問者:目標とするKPIはありますか?

金子:売上高に関する組数と、売上高・営業利益にコミットしていきたいと思っています。最近では新型コロナウイルスの流行、その前には東日本大震災、バブルの崩壊と、次から次に「100年に1度の災害」や「100年に1度の危機」と言われる状況が起こっています。

それを想定するための組数・売上高・営業利益・自己資本比率は一定のKPIを目標としています。

質疑応答:子会社について

質問者:それぞれの子会社についてコメントをお願いします。

金子:本体のアイ・ケイ・ケイホールディングス以外についてお話しします。

海外婚礼事業のPT.INTERNATIONAL KANSHA KANDOU INDONESIA社は、コロナ禍も終わり、森田、谷口をはじめ、インドネシアスタッフが力を合わせて組織体制を固めてきています。採用と教育を着実に行いながら、順次進めていきたいと考えています。

食品事業の株式会社明徳庵は、売上・利益は想定内で推移しており、いろいろな取り組みを進めています。組織の変更に加え、170名の厨房スタッフがいろいろな商品を開発しています。また、年明けに新たに2名の新商品開発部隊を採用し、新たな商品開発にも前向きに取り組んでいきたいと考えています。

ポップアップストアなども堅調な売上と利益を確保しており、10年後には大きな1つの柱として運営していけるように取り組んでいきたいと考えています。

フォト事業のAmbihone株式会社は、今期、大阪支店と名古屋支店は黒字化に向けて動いていますので、単年の黒字化には根拠があると考えています。また、次の展開も計画しています。

結婚仲介事業のララ・クゥール株式会社は、我々の想定よりも業績があまりよくなかったため、少し見直しを図っています。

アナログとデジタルの掛け算が非常に大事だと思っており、チームを作りながら、新規事業の将来について探り検討しています。

金子氏からのご挨拶

あらためて、大変お忙しいところ決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございました。我々はまだまだ成長発展途上の会社だと思っています。すばらしい組織の拡充を図り、新たな人財の採用・教育を行いながら、いろいろな仕組みを構築し、コミットした数字に対しては全員で一致協力して取り組んでいきたいと考えています。

2024年がすばらしい年になるように、我々、社員一同気持ちを1つにして取り組みますので、今後ともみなさまのご指導ご鞭撻をよろしくお願いします。

みなさま、良い年をお迎えください。我々も年末まで集客、成約、いろいろな事業体系を精査しながら、努力、精進します。ご清聴ありがとうございました。