2023年12月期第3四半期業績の総括
平良真人氏:こんにちは。THECOO株式会社代表取締役CEOの平良です。本日はお忙しい中、決算説明会ライブ配信にご参加いただき誠にありがとうございます。まず私より2023年12月期第3四半期決算についてご説明します。よろしくお願いします。
最初に、2023年12月期第3四半期業績の総括についてお話しします。第3四半期の売上高・営業利益がともにYoYで大きく下回ったのは、デジタルマーケティング事業で発生した不正発注による不振が継続していることが主な理由です。後ほどセグメントごとのご説明で詳細をお話ししますが、取扱件数と案件単価がYoYで大きく減少しています。特に年内はスタッフの教育などを通じて、体制強化を継続して実施していこうと考えています。
ファンビジネスプラットフォーム事業は、新規アイコン・ファン獲得はここ1年続いた停滞から抜け出し、回復基調にあります。ファン数はYoYで27.1パーセント増、アイコン数はYoYで13.4パーセント増となりました。特に個別アプリでのファン数の増加が顕著となっています。
2023年12月期業績予想に対する進捗について
2023年12月期業績予想に対する進捗についてご説明します。売上高の第3四半期累計の進捗を前年度・前前年度と比較すると、今期は金額としては低調ですが、進捗率は71.9パーセントと順調です。
Vision
会社・ビジネス概要についてご説明します。弊社はビジョンとして「“できっこない”に挑み続ける」を掲げ、社員全体で新しい事業・新しい価値を提供し、社会課題を解決していくことを創業以来行っています。このビジョンに共感した社員がさまざまな事業を興し、現在はメインとなる2つの事業に取り組んでいます。
会社概要
会社概要です。2014年1月に創業し、現在は原宿にオフィスを構え、144名の社員で事業を行っています。
2つの主力事業
2つの主力事業についてです。コア事業であるデジタルマーケティング事業と、成長事業であるファンビジネスプラットフォーム事業をメインに取り組んでいます。
事業内容
事業内容を少し詳しくご説明します。コア事業であるデジタルマーケティング事業に関しては、クライアントの広告主からフィーとマージンをいただき、インフルエンサーマーケティングとオンライン広告コンサルティングの2つのサービスを、代理店事業として行っています。
成長事業であるファンビジネスプラットフォーム事業では、「Fanicon(ファニコン)」というファンコミュニティ、ファンクラブを誰でも簡単に開設できるアプリのプラットフォームを運営しています。
我々が「アイコン」と呼んでいるアーティスト、インフルエンサー、スポーツ選手、俳優、アイドルなど、さまざまなファンがいらっしゃる方が自分のファンコミュニティ、ファンクラブをすぐに開設し、ファンの方々に有料課金・月額課金で入会していただくことで、レベニューをシェアするモデルです。
新時代のファンコミュニティ
新時代のファンコミュニティとして、「双方向のコミュニティで、大好きな人を継続的に支援する」という大きなテーマのもと、「Fanicon」は大きく成長してきました。
特徴は、コミュニティ、つまり双方向におけるコミュニケーションを非常に大事にしていることです。双方向のコミュニケーションが成り立つことにより、ファンとアイコンの強いつながりやエンゲージメントが高まっていきます。
ファンの方はそれによって満足し、アイコンの方々は収益源となるため、自分たちの活動に活かしていけるプラットフォームになっています。
なぜ完全有料制・完全会員制なのか
完全有料制・完全会員制である理由についてご説明します。1つ目は、ファンを維持するためです。ファンベースの大小にかかわらず、コアなファンや熱心に応援するファンは必ずいます。ファンビジネスを行っているアイコンの方々がそのようなファンをきちんと維持し、熱量を高めていくことが非常に大事になります。
2つ目は、安定した収益基盤の確保です。すべてのファンは月額課金を通して入会します。
その中でアイコンの方々はさまざまな活動を通じ、他の収益を上げることも可能です。このようなかたちで安定した収益を得ることで、自分のメインとなる活動をさらに広げていくことができます。
3つ目は心理的安全性で、こちらも非常に大事です。クローズドの完全有料制で、熱心なファンしかいない空間であるからこそ、やりたいことを自由に表現でき、それを支持してもらったり、応援してもらったり、支援してもらうことができます。それにより心理的安全性が高まり、ファンとのつながりがより強くなっていきます。
ご利用中のアイコン一例(一部抜粋)
現在ご利用いただいているアイコンの方々の一例になります。スライドに記載のとおり、アーティスト、俳優、スポーツチーム、選手、アイドル、インフルエンサーなど、さまざまな方々に「Fanicon」を広く使っていただいています。
【全社】2023年12月期第3四半期 業績PL
2023年12月期第3四半期の業績についてご説明します。まず、業績のPLです。売上高は、デジタルマーケティング事業での不正発注の影響により、第3四半期もYoYでマイナス19パーセントとなりました。販売管理費に関しては、主に人件費関連とオフィス関連費用の増加で、YoYで5.5パーセント増加しています。
売上高と売上総利益の減少が影響し、当期純損失はYoYでマイナス8,100万円の1億6,400万円となりました。QoQでも売上高・売上総利益ともにデジタルマーケティング事業の不振が続き、マイナスとなっています。
【全社】四半期売上高・営業利益推移
四半期売上高・営業利益の推移についてご説明します。お伝えしたとおり、全社売上高はYoYで19パーセント減の8億6,300万円となりました。営業利益は、YoYで1億1,500万円減のマイナス1億6,200万円です。売上高・営業利益のYoYでの減少の原因は、デジタルマーケティング事業の不振によるものです。
【全社】販売管理費・役職員数
販売管理費・役職員数についてご説明します。販売管理費は、主に採用増に伴う人件費関連、オフィス移転に伴う賃料の増加等がある一方、広告宣伝費と販売促進費は4,100万円の減と抑えられた結果、全体でYoYで5.5パーセント増にとどまりました。
役職員数に関しては、特にファンビジネスプラットフォーム部門および開発部門での採用を継続しており、全社ではYoYで21名の増加となっています。
【ファンビジネスプラットフォーム事業】四半期売上高・売上総利益率、営業利益推移
ここからはセグメント別にご説明します。まず、ファンビジネスプラットフォーム事業です。四半期売上高・売上総利益率・営業利益の推移に関してです。ファンビジネスプラットフォーム事業部の第3四半期売上高は、YoY5.5パーセントの増加となっています。
昨年度後半から新規アイコンの獲得に苦戦していましたが、何度か過去にお伝えしてきたとおり、個別アプリにおける増加が主な理由で、ファン数回復の兆しを見せています。
次のスライドで触れますが、QoQで、ストック売上のサブスクの売上はわずかながら増加しています。また、EC/チケットが前四半期との比較で伸びず、売上高全体では微減となりました。売上総利益率はQoQで42パーセントに回復し、標準的なレンジにあるといえます。営業利益は、YoY、QoQでほぼフラットになっています。
【ファンビジネスプラットフォーム事業】 商品別売上高
ファンビジネスプラットフォーム事業部の商品別売上高に関してご説明します。EC/チケット売上がQoQで伸びなかったため、売上高全体では伸びませんでしたが、新規アイコンの獲得は回復基調にあり、ストック売上は堅調となっています。
また、フロー売上のポイント売上高は、ストック売上とともに新規獲得が回復基調となっている影響で、YoYとQoQで伸びています。
【ファンビジネスプラットフォーム事業】 KPI アイコン数とファン数
KPIのアイコン数とファン数はともに堅調に伸びています。特に、スライド右側のグラフでお示ししているようにファン数は、QoQで第1四半期は1.4万人増で、第2四半期は0.8万人増と低迷していましたが、第3四半期は2.3万人増と大きく伸びました。グラフのオレンジ色の部分が個別アプリの増加を示しています。今後も増加傾向は継続すると考えています。
Faniconはストック型のビジネスモデル
「Fanicon(ファニコン)」はストック型のビジネスモデルです。この1年は新規アイコンの獲得に苦戦していましたが、第3四半期で回復基調にあります。
【ファンビジネスプラットフォーム事業】 KPI ARPU
KPIのARPUについて、ご説明します。スライドの折れ線グラフで示している個別アプリにおけるファン数シェアの増加に対して、ARPUは下降しています。個別アプリではネットでの売上計上が適用されるため、ARPUのベースとなるグロス売上にはそれほど貢献しませんが、結果としては、スライドのようにARPUが低く見えています。
個別アプリのファン数は増えていくことを見込んでいます。今後は「Fanicon」を通じて消費者に提供する販売総額である流通総額を重要なKPIと位置づけます。
【ファンビジネスプラットフォーム事業】 流通総額
流通総額について、スライドのグラフでご説明します。まず、流通総額とは、ファンビジネスプラットフォーム事業を通じて消費者に提供する商品やサービスの販売総額という意味です。こちらはQoQで10パーセントと大きく増加しています。「Fanicon」は市場において確実に浸透していると言えます。
TOPICS① コラボ配信機能
いくつかのトピックに関してご説明します。コラボ配信機能をローンチしてからしばらく経つのですが、こちらの機能を多く使っていただけるアイコンの方々が出てきています。
アーティストでは、それぞれバンドのボーカリストをしている村松拓さんと菅原卓郎さんに、我々のスタジオを活用して有観客でコラボ配信していただき、多くの方々に見ていただいています。また、スライド右下にもあるように、『呪怨 THE LIVE』のメインキャストの大場美奈さんと原幹恵さんにコラボ配信していただいています。
このように、「Fanicon」でしかできない、コミュニティを持つアイコン同士でのコラボレーションを配信することが、新しい価値を生んでいます。
TOPICS② FY2023 4-9月 のFanicon開設事例
2023年4月から9月のFanicon開設事例をご紹介します。スライド左上から、hitomiさん、渡辺美里さん、西川貴教さんという大変有名なアーティストの方々の活用が進んでいます。元ヤクルトスワローズ投手の館山さん、BUDDiiSのボーカルのMORRIEさんなど、さまざまな方にスタートしていただいている状況です。
【ファンビジネスプラットフォーム事業】 アイコン増加施策①:エンタメ領域外への拡大による成長
今後のアイコン増加の施策に関してご説明します。今お伝えしたとおり、「Fanicon」はありとあらゆるジャンルの方々に使っていただいていますが、まだまだ多くのジャンルの方々に使っていただける可能性があると確信しています。
アーティスト、アイドル、インフルエンサー、俳優といった方々にメインで使っていただいていますが、VTuber、芸人、スポーツ選手、ゲーム・アニメ、またSMBの領域など、まだまだ多くの方々に使っていただけるプラットフォームであると確信しています。
特にスポーツ領域に関しては、先ほども元ヤクルトスワローズ投手の館山さんについてお話ししましたが、今後も多くの方に使っていただけると思っています。
【ファンビジネスプラットフォーム事業】 アイコン増加施策②:海外展開の本格化
海外展開も本格化しており、特に韓国で大きく進捗しています。マーケットは日本の数倍だと考えています。K-POPのアーティストや韓流の俳優などに「Fanicon」を使っていただくことで、世界中のファンの方々も「Fanicon」を知り活用して楽しんでいただけるという確信がこの第3四半期も進んでいます。
時間をかけて市場調査し、業界におけるネットワークを構築しています。10数組の韓国のアイコンの方々に使っていただいており、主に南米や東欧、東南アジアにいらっしゃるファンの方々に「Fanicon」を使っていただいている状況です。
【デジタルマーケティング事業】四半期売上高・営業利益推移
デジタルマーケティング事業の四半期売上高・営業利益推移に関してご説明します。四半期売上高は、YoYで51.2パーセントの減です。
主な理由は、4月に判明した不正発注の事案が大きく影響していることです。現在、スタッフの教育も含めて、組織体制の強化に尽力しています。また、スライド右側のグラフのとおり、営業利益もYoYで大きく減少しています。
【デジタルマーケティング事業】KPI取扱件数と案件単価
KPIの取扱件数と案件単価についてご説明します。売上高のところでもお話ししたとおり、デジタルマーケティング不調の影響は継続しており、今期に入り、取扱件数と案件単価はYoYで大きく前年を下回っています。第3四半期の取扱件数は、QoQで回復基調にあります。
【デジタルマーケティング事業】インフルエンサーマーケティングの特長
インフルエンサーマーケティングの特徴です。以前もお伝えしましたが、弊社が提供しているサービス「iCON Suite(アイコンスイート)」で、インフルエンサーのファンを可視化しています。このデータを活用することにより、広告主に価値のあるキャスティングやインフルエンサーの企画を提案することが可能になり、インフルエンサーマーケティングとしての位置づけを強固にしてきました。
【デジタルマーケティング事業】 インフルエンサーマーケティングのご紹介
今ご説明したとおり、インフルエンサーのフォロワーを可視化するツール「iCON Suite」を開発、提供しており、その価値が我々のインフルエンサーマーケティングの提案における大きな軸となっています。
スライド左に、いくつかの機能を記載しています。メインはインフルエンサーの検索や分析ができる機能で、インフルエンサーをリスト化するなどのさまざまな機能を、継続して開発しています。
TOPICS 自社ウェビナーによる集客事例とiCON Suiteの機能拡張
自社ウェビナーによる集客事例と「iCON Suite」の拡張機能についてご説明します。スライド上段にあるとおり、我々はインフルエンサーマーケティングの活用方法や、ステルスマーケティング規制による今後の注意点、どのように活用していけば良いかなどに関して、継続的にウェビナーを行っております。
また、「iCON Suite」に関しては、長年リクエストがあったTikTokerの検索機能を実装しています。このように、「Instagram」「YouTube」「Twitter」だけではなく、多くのSNSで活躍しているインフルエンサーのデータを活用した提案が可能となっています。以上で私からのご説明を終わります。