2024年3月期 第2四半期 決算サマリー

萩尾陽平氏(以下、萩尾):みなさま、こんにちは。2024年3月期第2四半期の決算説明会を開始します。よろしくお願いします。

2024年3月期第2四半期の決算ハイライトです。会計期間・累計期間ともに、過去最高の売上収益を達成しています。営業利益についても、四半期ごとの会計期間において過去最高を達成しています。保有顧客数も順調に伸びており、上期は前期末比6万件増の160万件を突破しました。

新たな取り組みとして、取次店への出資や連携強化を実施しています。こちらについてはいくつか動きがあったため、後ほどご説明します。加えて、A種優先株式28億円分の全部取得および消却を実施しました。

連結損益計算書 -四半期業績(7月-9月)-

第2四半期の業績です。売上・営業利益・当期利益ともに良い数字が出ています。第1四半期は少しご心配をおかけしましたが、営業に資金を投下した部分がリターンとしてしっかりと第2四半期に返ってきたため、良い数字が出たと思っています。

連結損益計算書 -累計期間(4月-9月)-

上期の数字もおおむね順調です。進捗としては、今期の予想に対して多少乖離がある部分もあるのですが、第3四半期と第4四半期でしっかりと取り返していけそうです。第2四半期に良い数字が出ているため、問題はないと考えています。

四半期売上収益推移

四半期ごとの売上です。売上収益は過去最高で順調に純増しています。こちらも良い数字が出ているため、問題はないと思っています。

四半期営業利益推移

営業利益推移です。当社の事業の特性上、基本的に第3四半期のほうが良い数字が出てくるのですが、前期第3四半期の数字も超えて、前年同期比20.6パーセント増・約4億円アップの24億円となりました。こちらも過去最高です。

四半期EBITDA推移

四半期EBITDAの推移です。順調に新規獲得が進み、利益も積み上がっており、こちらも過去最高の数字が出ています。

連結貸借対照表

連結貸借対照表です。配当をしっかりと出し始めているのですが、自己資本比率は同水準で推移しています。配当を出しながらも自己資本比率を少しずつ上げていくことができているため、こちらも順調だと思っています。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フロー計算書です。営業キャッシュ・フローが順調に推移しています。

財務指標

財務指標です。自己資本比率については先ほどご説明を差し上げましたが、数字をご確認いただければと思います。

経営指標

経営指標です。ROEは30パーセントくらいを目標にしていくことになると思いますが、現段階では24.1パーセントと予想しています。

2024年3月期 通期業績予想(前期比)

2024年3月期の通期業績予想と今後の戦略についてお話しします。

スライドに記載の数字は期初に出している予想で、売上収益は820億円、営業利益は82億円、当期利益は48億円です。当期利益が若干下がっているように見えますが、こちらは前期に特殊要因があったため、その分を省くとしっかりと成長しています。当社としては問題なく良い状態で推移していると考えています。

少しでもこの数字から上振れていくように取り組んでいますので、期末まで楽しみに見ていただきたいと思います。

2024年3月期 通期業績予想に対する進捗

通期業績予想に対する進捗です。売上がしっかりと伸びていくことが当社の事業において一番大事です。こちらは820億円の通期予想に対し純増しており、順調に推移していると考えています。

営業利益については、第1四半期に営業強化に対して資金を使ったため、若干低くなりましたが、第2四半期に十分に取り返しています。進捗率は47.1パーセントで、こちらも悪くない数字だと思っています。

当期利益についても同じように考えていただければと思います。

2024年3月期 配当予想

上期の配当は35円と前期から大幅アップしています。今後も配当はしっかりと行っていきたいと思っています。配当性向は43.2パーセントです。

今後の方針

今後の方針です。これまで直営の営業で保有顧客の獲得に特化して取り組んできた結果、順調に保有顧客が伸びてきて利益もしっかりと出せるようになりました。

その利益を岐阜の工場などさらなる利益率向上のために投資しています。工場の投資については、当社は現在160万ユーザーを保有していますが、約250万ユーザーまで耐え得る設備投資がすでに完了しています。

今後はさらに営業利益を純増させつつ、少しずつキャッシュ・フローを改善していくフェーズに入ってきていると考えています。

その中で、まずはしっかりと株主さまに配当として還元していきます。ただし、配当だけをどんどん出していくのではなく、事業の拡大に向けてもしっかりと投資していきます。資金が潤沢に回り始めたため、それを次なる拡大・戦略に向けて投資していくフェーズに入ってきたということです。

販売力強化-他企業とのアライアンス強化・出資①

その1つとして、ラストワンマイル社へのTOBを実施しました。株価は順調に上がっており、業績も少しずつ改善してきています。今後は営業での連携をさらに強めていきます。

販売力強化-他企業とのアライアンス強化・出資①

ラストワンマイル社は、電気・ガス・インターネットといった生活まわりのインフラの営業ができる会社です。特にインターネットは、引越しし入居した時点ではすでに営業が終わっており、加入している状態になっていることが、お客さまにとっての良いサービスです。

一方で、当社はプレミアムウォーターホールディングスという会社名のとおり、水の営業に特化しています。例えば、不動産会社のアライアンスでは、引越しのタイミングで「ウォーターサーバーはどうですか?」と提案します。

その際、不動産会社としては、当社にリスト連携をするよりも、すべてのインフラを営業できる会社のほうが1顧客当たりの単価が上がるため、そのような会社と連携したいという傾向があります。当社はそのような連携が十分に取れていませんでした。

ラストワンマイル社を通すことですべての営業ができるため、対法人のリストアライアンスの契約がかなりまとまってきている状況です。これから、ラストワンマイル社に出資した意味がしっかりと出てくると思います。

販売力強化-他企業とのアライアンス強化・出資①

今ご説明した内容を、こちらのスライドに記載しています。

販売力強化-他企業とのアライアンス強化・出資②

DREAMBEER社の株を16.7パーセント取得しました。残り20億円のCB(新株予約権付社債)もあるため、すべて行使すると40パーセントほどの株を保有する準備をしています。

もともと、当社が代理店として、DREAMBEER社のほぼ100パーセントの営業をしていました。しかし、当社は水の会社のため、代理店業で他社を売るのはメーカーとしてあるべき姿ではありません。そのため、しっかりと株を保有してDREAMBEER社のユーザーを伸ばしていこうと考えました。

販売力強化-他企業とのアライアンス強化・出資②

DREAMBEER社はビールサーバーの事業を行っています。お客さまにビールサーバーをレンタルし、契約している日本の100種類以上のクラフトビールをランダムにお届けする定期配送サービスであり、ビジネスモデルや営業手法も当社とまったく同じです。

11月から正式に稼動してマネジメントをしています。スタートダッシュとしては、ウォーターサーバーよりも数を取れています。ビールは好きな人が明確にいるため、水よりもかなり営業しやすい商品ではないかと思っています。

また、この商品は、中にペットボトルを設置して炭酸を充填するだけの非常にシンプルな作りで、事故が起こりにくく味が非常に良いため解約率が低いです。1回使っていただければ、けっこう長く使っていただける商品ではないかと思います。

現在はビールサーバーを日本国内で製造していますが、今後、例えば中国や韓国で製造することでサーバーの値段を下げることを考えています。さらに、全国50ヶ所以上のブルワリーで製造される100種類以上のビールと契約しているところ、セントラルのビール工場を造って、レシピの提供なども含めてお客さまに現地の味を楽しんでもらうことも考えています。

ユーザーを増やし、設備投資や製造コストを下げることで商品を良くしていくなど、ウォーターサーバーと同じことをしっかりとしていけば、かなり良いビジネスになるのではないかと思っています。こちらも、できれば数年以内にIPOまで持っていきたい考えです。

販売力強化-他企業とのアライアンス強化・出資②

スライドは契約しているブルワリーのマップです。本当に全国に広がっており、おいしいビールを作っているが、どうやって売ったらいいかわからないという会社が、おそらくたくさんあると思います。それを当社がユーザーを増やして全国に広げていくことで、地方創生やSDGsとしても、日本のために非常に良いビジネスモデルになると確信しています。

全国の良い商品を作っている方たちのものを広めるため、当社がしっかり役割を果たしていきたいと思っています。そのような意味では本当に水の事業と似ていると思っています。

販売力強化-他企業とのアライアンス強化・出資②

ストック型のビジネスモデルであるため、解約率を注視しながら獲得コストだけを見ていけば、しっかり利回り管理ができる商品だと思っています。

商品が非常に良い点が、当社が最後に意思決定した決め手です。水は水でしっかり伸ばしていく一方で、こちらのビール事業も将来のプレミアムウォーターグループのプラスアドオンの収益構造となるよう、しっかりがんばっていきたいと思っています。

また、当然、お互いのユーザーのシナジーがあると思っており、これから仕掛けていきたいと思っています。ぜひお聞きのみなさまにも使っていただきたいと思います。

今後のPWHDグループ

今、2社をご説明しましたが、今後、このように続々と発表していきたいと思っています。当社は水の会社であるため、基本的には水のユーザーをしっかり伸ばしていける代理店や、当社の水を取り扱っている営業会社など、上場か未上場かにかかわらず、その会社の成長性が見込めれば少しずつ出資していきます。

そして、その会社の成長をサポートしつつ、当社がかき集めた数字が純増につながるような戦略にしていければと思っています。したがって、今後、当社からそのような会社に少しずつ人が出ていきます。

営業利益等を、メーカーとして、例えばサーバーの開発や同業他社のM&A、お話ししたような営業会社に出資することで、さらに当社の獲得を伸ばしていきます。今、当社が内包している利益が顕在化してくるということであり、そのようなことに使える資金がしっかり溜まっていくように取り組んでいきたいです。

今までは直営で、採用して人がどんどん増え、直営の営業が強く、直営の数字をもとに効率的な投資を行うのが当社の勝ちパターンでした。それを、他社に参画しながら資本を使わせていただき、パイを増やしながら全体的なボリュームで押し上げていく戦略に変えていくということです。

発表のたびに関連会社が増えていくような取り組みを行いながら、当社を大きくしていきます。この戦略についても、数字で見えるようになってくると思いますので、ぜひ期待していただければと思います。

毎回ご説明している内容については資料に詳しく記載しています。そちらもご確認いただければと思います。

質疑応答:今後の商材拡大について

司会者:「御社は印象の良い営業マンが顧客の生活を理解して提案するというスタイルかと思います。今は水が中心ですが、今回のように関連会社を広げ、生活スタイルを深く理解し、生活スタイルに密着した商品をどんどん売っていくのだと思います。その一環がビールサーバーの会社であると理解しています。

今後、長期的にどのような商材の広がりが考えられるでしょうか? いくつかヒントをいただければ幸いです」というご質問です。

萩尾:当社は水のメーカーですので、水が商品であるのはもちろんですが、同時に営業力が他社と差別化できる強みであり、当社の商品の1つだと思っています。

営業会社は、そのような営業力を活かして売れるものを増やしていくものです。したがって当社も営業を実行していきますが、私は当社の代表ですので、会社の業績を継続的に伸ばしていくことに集中すべきだと思っています。

今回のビールサーバーの件は、1年前から小規模な別部隊を作って営業しており、商機があると感じたため、今回ある程度株を保有してIPOをしようという段階にきました。

水の営業リソースを分割して違うことをするというよりは、少しずつ余力を出した中で新しい事業を立ち上げていくことになります。いったん1年ほど試してみて、良さそうなものに関しては新しく会社を作って拡大していくというスタイルです。

今後の商材としては、電気やガスなどいろいろな物があると思います。例えば電気では、ここ数年で新電力がかなり厳しい状況になりました。水の事業がまだ伸びているのに、そのようなリスクがあるかもしれない新商材を大々的に扱うという考え方はありません。

基本的には、水をどのようにしっかり伸ばしていくかに集中します。その中で小さなリソースを使ってトライアルをし、水の事業にしっかりアドオンできる事業だと確信できれば、別会社を作って運営していくスタイルを続けていくことを考えています。

したがって、先に取り組みたい商材が出てくるのではなく、まず水が中心で、水を邪魔せず水にしっかりアドオンできることがわかった段階で力を入れていくことを、引き続き行っていきたいと思っています。

質疑応答:流通株式比率の改善について

司会者:「流通比率の改善について、何かアップデートがあれば教えてください」というご質問です。

清水利昭氏(以下、清水):株式の流通比率が低いことは当社も認識しています。こちらの改善には、新株を出す、あるいは大株主に売却していただくしかないと思っています。

これといったアップデートはないのが現状です。これについては社外要因はなく、自社で解決できる問題だと考えているため、引き続き親会社とも協議を重ねて対応していきたいと思っています。

質疑応答:DREAMBEER社について

司会者:「DREAMBEER社の出資比率は、CBの転換後は何パーセントまで上がるのでしょうか?」「DREAMBEER社とラストワンマイル社は、将来は連結化を考えているのでしょうか?」「今後、代理店などへの出資を積極化されるようですが、どの程度の規模の投資を考えていますか?」というご質問です。

萩尾:まず、DREAMBEER社の出資比率は、CBの転換後40パーセント弱ぐらいにはなると思います。

DREAMBEER社とラストワンマイル社の連結化については、どちらともいえません。先ほどお話ししたことにつながりますが、本業ではないため慎重に考えるべきかと思っています。

水の事業が非常に順調ですので、本業ではない事業で足を引っ張られる可能性もあります。今回は、営業の連携強化という出資で、今のところ連結化は考えてませんが、今後はどうなるかわかりません。

代理店などへの出資については、額の問題ではなくバリュエーションの問題だと思っています。経営判断として高すぎる投資は絶対にしません。いくら出資したくても、バリュエーションがあわない会社には出資しません。相手のこれからの成長や今の価値をしっかり吟味して、当社が必ず投資効果があると判断できるところにしか投資しないと考えています。

それが必ず合うというところがあれば、大きな投資がある可能性はあります。ただし、そのような会社はなかなかないため、基本的にはまだ立ち上げたばかりでバリュエーションが低い会社を当社が支援しながら、上場まで持っていくことが中心になってくるのではないかと思っています。

上場企業であれば、当社が今のリソースに対してバリュエーションが低いと算出したところに出資していくかたちになると思います。

質疑応答:岐阜の新工場の建設・稼働状況について

萩尾:「岐阜の新工場の建設・稼働状況を教えてください」というご質問です。

清水:今、3分の1が1期工事で稼働しており、2024年3月中に試験までを終え、2024年4月からフル稼働という状況になっています。

質疑応答:自己資本比率の目標について

萩尾:「自己資本比率の目標があれば教えてください。また、いつ頃目標を達成できますか?」というご質問です。

何度かお伝えしているのですが、もともと20パーセントを切って推移していたため、20パーセントを目指していました。今は安定して20パーセントを超えてきているため、徐々にですが30パーセントを目指していきます。

目標達成時期についてはお答えするのが難しいのですが、目標時期ありきで目指すことでもないと思っています。投資と自己資本比率は「下げすぎず上げすぎず」を目指します。

質疑応答:DREAMBEER社のIPOについて

司会者:「DREAMBEER社のIPOの時期についてお考えはありますか?」というご質問です。

萩尾:今回のタイミングで増資を募っており、いろいろな会社にお声がけしている最中です。他社に出資のお願いをするわけですから、ある程度の時期はお約束しなければならないと思っており、いったん5年以内を目指しています。

順調であれば3年もあると思いますが、いったんは5年以内を基準に、上場後もしっかりと成長できる絵が描けた時に上場したいと考えています。

質疑応答:中期経営計画について

司会者:「中期経営計画のようなものを出す予定はありますか?」というご質問です。

萩尾:もともと中期経営計画は出していたのですが、出さなくなった経緯があります。当社は、毎年の販売計画をもとに中期経営計画を出します。それを105パーセントにするのか、110パーセントや120パーセントにするかによって、出てくる数字はすべて変わります。その数字を決めるだけで達成できる中期経営計画になってしまうのです。

しかし、本来営業活動に関しては、計画はあれど毎年最大化していくことが一番大事であると思っています。その営業活動をもとに収支が出てくる事業ですので、中期経営計画を出してそれにあわせるのも、また少し違うと思います。

とにかく、毎年その年の純増にすべての力を注ぎ込みながら、その年の目標達成にコミットしていったほうが、投資家のみなさまにもミスリードがないという判断で1年ごとに出すようにしています。ぜひご理解いただけたらと思います。