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柴田洋一氏:みなさま、こんにちは。プレミアグループ株式会社代表取締役社長の柴田洋一です。本日はご多用の中、2024年3月期第2四半期の決算説明動画をご視聴いただきありがとうございます。それでは、こちらのアジェンダに沿ってご説明を行います。
2024年3月期 第2四半期 ハイライト①
まずは、今回の決算ハイライトです。中古車価格は正常化の兆しが出てきており、新車よりも高くなることはなくなってきたものの、全体的な価格水準が大きく下がっているわけではありません。高止まりの状況で推移しており、消費者価格はまだ下がってきていないのだと思います。
第2四半期における新車販売台数の伸び率は、22.7パーセントと非常に大きい数字となっていますが、徐々に落ち着いてきています。中古車登録台数は、わずかな回復にとどまっています。本来であれば、もう少し伸びる見込みでした。
当社のKPIである取扱高(トップライン)は、クレジット、故障保証ともに高い伸びで推移しています。特にクレジットは累計で31.2パーセント、第2四半期単体でも29.2パーセント伸びており、順調に推移しています。故障保証は第2四半期単体で24パーセント増と、マーケットの成長に比べると、かなり大きな伸びで推移してきたと考えています。
金利上昇の影響は、長プラ(長期プライムレート)が第1四半期末から第2四半期末に比べて約0.15ベーシスアップしている状況です。しかしながら、機動的に金利等へ転嫁しているため、利益率はしっかりとキープできています。
2024年3月期 第2四半期 ハイライト②
各事業が順調に伸長し、営業収益、営業利益ともにしっかりと2桁成長を記録しています。将来収益も500億円に迫る495億円となり、積み増しも行っています。
税引前利益が前期比で18.4パーセントのマイナスとなっていますが、前期はタイの関連会社などの一過性利益が約10億円ありました。こちらを除いた本業の部分で比較すると、19.2パーセントとしっかりと利益が出ています。営業収益も25.7パーセントと高い数値を出しているため、事業としては順調に推移しています。
2024年3月期 第2四半期 ハイライト③
中期経営計画「-ONE&ONLY 2026-」で掲げているカープレミア事業モデルの確立について、進捗をご報告します。
「カープレミアディーラー」数は、目標5,000社に対し、2,317社となり、進捗率は46.3パーセントです。「カープレミアガレージ」数は、目標1,500店舗に対し、522店舗となり、進捗率は34.8パーセントとなりました。今後も計画どおりに推移していき、計画以上に獲得できると考えています。
その他のトピックスとしては、本日(2023年10月27日)公開したとおり、自己株式の取得を行います。株価については、自己株式を取得できる適正な価格だと考えています。上限を30億円に設定し、しっかりと株主還元や資本効率を向上させていきます。
第2四半期では、フィンテック企業であるAND GLOBAL社に対して戦略的投資を行いました。個人ローン事業のノウハウを有しており、丸紅やSBIホールディングスもすでに先行出資を行っています。当社も、ファイナンス関連とのシナジーがあると考え、投資を行っています。
現在、自動車マーケットではEV化が進んでいます。日本はまだ遅れていますが、今後急速に進んでくると予想される状況で、BACEコンソーシアムへ加盟し、中古EVの価値向上やEV普及推進について情報収集しながら、次世代に向けた環境型の社会への投資も進めていきたいと考えています。
連結業績
決算概要についてご説明します。連結業績は各事業の堅調な成長によって、営業収益は前年比25.7パーセント増の150億5,600万円となりました。営業利益は前年比16.4パーセント増の27億6,300万円、税引前利益は28億2,400万円と、しっかり数字が残せたと考えています。
税引前利益は、前期の34億6,100万円のうち約10億円が、タイの関連会社等の評価損に出していたものを戻し入れた利益です。こちらの部分を除いた本業部分との比較では19.2パーセントと、約20パーセント近く伸びています。
基本的1株当たりの当期利益も、前期はマイナスとなっていますが、一過性利益の実効税率が約3パーセント加わっている影響がありました。今回の決算では、計画どおりの堅調な数字を示していると考えています。
営業費用(内訳)の推移
営業費用は、売上拡大を行ったためコストも増えています。人件費は、社員の給与等もアップしていますが、そちらをしっかりと吸収し、営業収益の伸びと概ね同程度で推移しています。
また、前期第4四半期はマス広告を実施していましたが、今期は年間を通して実施するという考え方になっていますので、この部分が前期と比べると約1.8億円増加しています。こちらも、ほぼ営業収益の伸び率と同程度キープできていることから考えれば、営業費用の内訳等も大きな問題はないと考えています。
通期業績見通し
通期の業績見通しについてです。営業収益、税引前利益、進捗率ともに、概ね今期の業績予想どおりに推移しています。
クレジット債権残高、故障保証残高もしっかり積み上げを行ってきています。四半期ごとの業績は残高に対して利益計上していきますので、徐々に増加を予定しています。
営業収益に関しては、進捗率が49.4パーセントと、ほぼキャッチアップできています。税引前利益に関しては、進捗率が47.1パーセントと、前期に比べるとマス広告を年間で均等に使っていくため、若干少なくなっていますが、計画どおりに進捗しており、今期予想の数字は、しっかりとキャッチアップできると考えています。
カープレミア事業 カープレミアクラブ会員数推移
カープレミア事業についてです。当社の中計においては、最も重要な戦略に位置付けています。
自動車販売店と整備工場の有料会員から、会費(メンバーシップフィー)をしっかりと頂戴して、クラブの組織拡大を行っています。順調に構築を行っており、今まではゴールド会員を中心に組織を形成していたのですが、上級会員であるダイヤモンド会員も、今回は74社増えています。今後はダイヤモンド会員の大幅な増加を図っていきます。
また、ゴールド会員の会費収入の増加を目指して、既存会員への会費価格改定をすべて終了しました。10月からの新価格交渉もすべて終えたため、今後は会費増につながってくると考えています。
中古車業界のクリーン化に向けた取り組み
昨今は、大手の中古車販売店の保険金不正請求などによって、中古車業界自体に非常に不信感を持たれ、不安な状況になっていると考えています。お客さまからの信頼を回復し、安心して中古車を購入できたり、整備したりできる環境を、しっかりと作っていきたいと考えています。
現状の問題点から必要とされることとして、当社は「カープレミアクラブ」の会員への取り組みをしっかりと行い、お客さまから信頼を得られるサービスを提供していきたいと考えています。
社内においても、コンプライアンス、ガバナンスなどをしっかりと遵守し、強化していきます。当社グループの具体的な施策に関しては、第3四半期に内容を開示したいと考えています。
当社の有料会員組織である「カープレミアクラブ」でご購入、または整備を受けられた際に、何らかの問題が起こった場合、「カープレミアクラブ」が補償をしっかりと行います。また、それぞれの店舗に安心安全宣言を行っていただき、当社は「カープレミアあんしんショップ(仮称)」として認定していきたいと考えています。万が一何か問題が起こったとしても、しっかりとお客さまの保護を行っていきたいという考えを持っています。
社内においても、ミッションやバリューなどの価値観を重視した教育研修や評価制度をしっかりと強化し、整えていきたいと思っています。さらに、業界不正をいち早く社内で共有し、検証する仕組みも作っていきたいと考えています。
ファイナンス事業 クレジット取扱高推移
それぞれの事業についてご説明します。ファイナンス事業は、マーケット自体は大きな伸びはありませんが、取扱高に関しては前年比31.2パーセント増、営業社員1人当たりの売上高(PH)は2億円以上をキープしており、しっかりとマーケット以上の大きな伸びを作ることができていると思っています。これは前段でご説明した「カープレミアクラブ」を組織化していくことが、戦略的に非常に奏功していると考えています。
ファイナンス事業 クレジット債権残高推移
クレジット債権残高については、約25パーセントの伸びで推移しています。延滞債権残高に関しては0.94パーセントと、非常に低い数字をキープできています。前期に比べると若干上がっていますが、いわゆるパンデミックが明けて消費が盛んになり、初期延滞債権に遅れる方が増えてきているためだと考えています。
この点に関しては、コレクションの人員を増強し、オートコールシステムをより改善して、当社の子会社である債権回収会社サービサーとしっかり協業しながら、延滞債権回収の継続的な強化を行っていきたいと考えています。
ファイナンス事業 その他指標
その他指標についてです。「カープレミアディーラー」をしっかりと作ってきていますが、全体のオートローン売上のうち38.6パーセントが、「カープレミアクラブ」会員からの売上となってきています。前年比で7ポイント増えており、今後もディーラー数、オートクレジット割合が増えて、全体のボリュームアップにつながってくると考えています。
営業人員数は、5パーセントから7パーセント増です。売上の伸びは非常に大きいものの、それに比例した増員を行うのではなく、営業活動の効率化の実施によって、しっかりと売上を出す仕組み作りがほぼ出来上がってきたと考えています。
バックヤード部分においても、AI審査判定率がすでに40パーセントとなってきています。一気に増やすと問題が出てくる部分もありますので、しっかりとヒストリーを残しながら、パーセンテージを上げていきたいと考えています。
ファイナンス事業 セグメント業績
ファイナンス事業のセグメント業績です。本業であるクレジット事業は、順調に売上、利益ともに伸長しています。金利は若干、長プラが上がってきていますが、クレジットに関しては機動的に金利へ転換できていると考えています。
今回新しい指標としてクレジット粗利益率を用い、過去の期と比較しています。クレジット粗利益率は分母を営業収益とし、クレジット獲得のために直接発生した費用(金利、保証料、人件費、地代家賃等)を除して出した管理指標です。
スライド右側のグラフに示したとおり、金利が上昇局面でも当社のクレジット粗利益率はプラスに動いており、機動的に転換できていると考えています。
税引前利益は前年比29.3パーセント減となっていますが、前期の税引前利益30億2,000万円のうち、約10億円はタイの子会社の一過性利益として計上されており、これを取り除くと前年比8.5パーセント増となります。
営業収益の伸びと比較すると若干低いイメージはありますが、今期に行ったマス広告などの先行投資を考慮すると、営業収益の前年比と概ね同程度で推移しています。
故障保証事業 取扱高推移
故障保証事業についてご説明します。故障保証事業の取扱高は前年比19.3パーセント増となり、これまで10パーセント強だったものが20パーセント近い伸びとなっています。
現状のポートフォリオとしては、自社商品の取り扱いを大きく推進しています。「カープレミアクラブ」会員限定で使える「カープレミア故障保証」の取り扱いを開始することにより、自社商品の取扱高は前年比33.5パーセント増となり、順調に推移しています。
故障保証事業 セグメント業績
税引前利益は前年比8.6パーセント増と、営業収益の伸びに比べ若干少なくなりました。しかし売上拡大に伴うコスト増や人件費増等により、概ね順調に推移していると考えています。
スライド右側のグラフに示したとおり、商品自体の原価率は継続的に低減できており、粗利益率は着実に上がっていることがおわかりいただけると思います。
今後は、さらに原価率を下げるため、コストダウンまたは売上拡大により、全体利益を上げていきたいと考えています。
オートモビリティサービス事業 セグメント業績
オートモビリティサービス事業についてご説明します。こちらも営業収益は前年比でほぼ倍増しています。特に「カープレミアクラブ」会員の営業収益は前年比で約2倍になっており、順調に推移しています。
税引前利益も前年比の約1.5倍となっており、カープレミア単体の事業に関しても、前期は赤字だったものの今期は黒転して収益を出しています。また子会社であるプレミアソフトプランナーのソフトウェア販売も、大きな伸びを示しています。
オートモビリティサービス事業は新規事業という位置付けですが、「カープレミアクラブ」会員が増えることにより、ファイナンス事業・故障保証事業だけでなく、オートモビリティサービス事業についても利益が増大している状況になっています。
持続的成長へ向けた取り組み
サステナビリティに対する取り組みについてご説明します。今年9月に、新中期経営計画をスタート後、初となる統合報告書を開示しました。
原稿を作成した当時は、まだ中古車業界の大きな問題は出ていませんでしたが、すでに当社は中古車業界自体のクリーン化を推進していくことを発表しました。業界全体が向上し、ボリュームアップしていけるよう、当社自身ができる範囲で伸長させていきたいと考えています。
また今回の統合報告書において、現在就任いただいている3名の社外取締役による「社外取締役座談会」を行い、ガバナンスについてのコメントを掲載しています。ぜひご覧いただきたいと思います。
その他の取り組みをご紹介します。「第五回 WOMAN’S VALUE AWARD」において、当社はサステナブル部門で最優秀賞を受賞しました。さらに女性活躍推進部門リーダーであるメンバーも、個人賞を受賞しています。今後も、会社として女性活躍推進をバックアップしていきたいと考えています。
また情報交換の一環として、「人的資本経営コンソーシアム」に入会しました。さまざまな会社の人的資本の取り組みについて情報収集し、当社でも可能なものは活かしていきたいと考えています。
さらに今回、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を活用し、石垣市と事業構想大学院大学と共同で、「イシガキシ・ミライ共創プロジェクト研究」を発足しました。
本プロジェクトは、石垣市という非常に自然豊かな環境の地域における地方創生を目的とした、産官学民連携による取り組みです。当社としても企業版ふるさと納税で寄付を行い、貢献していきたいと考えています。
以上で、2024年3月期第2四半期の決算説明を終了します。本日はご清聴いただきありがとうございました。