目次

松井孝敏氏:ただ今から2024年3月期第2四半期の決算説明を行います。よろしくお願いいたします。本日は、会社概要、事業内容、会社業績、トピックス、経営計画という流れでご説明いたします。

(1) 社是・経営理念・経営方針

はじめに会社概要をご説明いたします。ポバールグループの経営理念は、「私たちは、常に新しいサムシングを求め、現場視点でものづくりを発想し、チャレンジし続けることで進化していきます」としております。

弊社はお客さまのニーズに合わせて最適な技術とサービスを選定しオンリーワンのカスタムメイド製品を製作する会社であり、お客さまの製造現場での問題に対し、一緒に考え、当社のコア技術を駆使することで、解決できるという姿勢を大切にするという思いがあります。この姿勢をグループ全体に浸透させています。

(2) 会社現況

次に会社現況をご説明いたします。会社設立は1964年、本社所在地は名古屋市中村区となります。資本金1億7,960万円、連結従業員数200名となっております。

(3) 営業所

ポバールグループの営業所について、ご説明いたします。国内は東京・名古屋・大阪・福岡、海外は中国とタイに営業拠点を展開しております。

(4) 生産拠点

ポバールグループの生産拠点は、国内は、名古屋の本社工場、三重の大安工場の2工場でベルト・研磨部材を生産しており、大阪の3工場で機械を生産しております。海外は韓国・中国・タイに展開しております。

(5) 業績推移

次に業績推移についてご説明いたします。2014年6月に、名古屋証券取引所市場第二部に上場いたしました。その後、ユーザーさまからのコンベアなど機械の販売もしてほしいとの要望実現のため、2016年10月に日新製作所を子会社化し、特殊設計機械事業を開始いたしました。

その後、2017年、2019年とM&Aを実施し特殊設計機械事業の拡大を図ってまいりました。名古屋証券取引所の上場後は、5期連続増収増益で推移しておりましたが、2021年3月期には新型コロナウイルス感染症拡大による景気後退の影響を受け減収となりました。

2022年3月10日に会社の知名度・信用度のさらなる向上と優秀な人材確保を目的に東京証券取引所市場第二部、現スタンダード市場に上場しました。東京証券取引所上場以降は、2期連続の増収となっております。

(1) 事業構成

次に事業内容についてご説明いたします。ポバールグループの事業構成は、工業用の樹脂ベルト、ディスプレイ用ガラスの研磨部材、その他樹脂加工製品を取り扱う、総合接着・樹脂加工事業と、食品業界向けの、搬送機・回転式熱交換器・制御盤、メカニカルシールを取り扱う、特殊設計機械事業の2つに分かれております。

総合接着・樹脂加工事業の売上構成は、2023年3月期で82.7パーセント、特殊設計機械事業は17.3パーセントとなっております。

(2) 製品紹介1

続きまして、当社の製品について簡単にご説明いたします。総合接着樹脂加工事業の主な製品は、工業用のコンベアベルトと研磨関連の研磨パッドとなっております。自動車、鉄鋼、食品など幅広い業界で使用されております。

画面左側の写真は、窓枠に使用していますアルミサッシを製造するラインで、アルミ材を押し出し高温となったアルミを冷ます工程で使用されている耐熱不織布を使用しましたベルトです。

(2) 製品紹介2

特殊設計機械事業の主な製品は、食品業界向けの製造ラインで使用される回転式熱交換機となっております。画面右側の写真が、回転式熱交換機です。

(3) 当社の強み

次に当社の強みについてご説明いたします。当社には、コア技術・ソリューション・周辺領域の事業化の3つの強みがございます。

(3) 当社の強み~3つのコア技術とは

まずコア技術についてご説明いたします。総合接着・樹脂加工事業におきましては、長年培った、素材選定技術・接着技術・樹脂加工技術の3つのコア技術を駆使することで他社との差別化を図ることができる最大の強みとしております。

素材選定技術は、当社過去データの蓄積からさまざまな素材の中より、目標性能のみを有する最適な素材を選定いたします。

次に、接着技術です。これは、素材の目標性能を最大限活かし、欠点をおさえるオリジナルの接着方法を選定しています。

最後に、樹脂加工技術です。これは、さまざまな用途や使用環境にて、最大限性能を発揮するように樹脂素材を当社独自の加工技術を駆使し樹脂製品を加工いたします。

それでは、当社の強みを活かした事案をご紹介いたします。金属であるアルミ製品の押出し製品を製造している顧客にて、アルミは製造工程で、非常に高温となり金属としては柔らかく、キズが付きやすいデリケートな製品であります。このデリケートな製品を搬送するため、ポバールの接着・樹脂加工技術が活かされています。

アルミ製品製造工程で搬送用に耐熱不織布を使用し搬送していました。耐熱不織布の長所は表面タッチが柔らかく製品に傷がつきにくく、耐熱性(高温)に優れています。反面、伸びやすく、スリップするなど不具合も発生していました。

このため、使用中に何度もベルト調整をしなくてはならず、また、スリップするためアルミがきちんと整列されない問題がありました。これに耐熱不織布とタイミングベルトを接着・樹脂加工をすることを提案いたしました。

タイミングベルトの長所は、伸びにくく、スリップしないことです。反面、耐熱性(高温)に弱く、表面タッチが硬いため、やわらかいアルミ製品にはキズが付きやすいなどデメリットもありました。

この2つの素材を弊社のコア技術にて接着・樹脂加工をすることにより、表面タッチが柔らかくキズが付きにくい、耐熱性に優れ、伸びにくく、スリップしない、長所のみを持った製品をお客さまへご提供できることとなりました。このような、ポバールの強みを活かした製品が数多くあります。

(3) 当社の強み~ソリューション営業とは

次に2つ目の強みである、ソリューションです。当社のセールスエンジニアは、現場の潜在ニーズやあらゆる要望に対して、具体的な解決策を提案する力があります。

既製品では対応できない、特殊用途・短納期・多品種など、お客さまからのさまざまな要望一つひとつに対応したカスタマイズにより、差別化を図っております。特殊用途を可能にする技術・顧客の要望に丁寧に対応する力が高付加価値をもたらし、他社と比べて価格優位性の確保につながっております。

(3) 当社の強み~周辺領域の事業化とは

最後に3つ目の周辺領域の事業化です。樹脂ベルト事業で培った技術を核にして、研磨関連、樹脂加工製品および搬送機などの特殊設計機械へ事業拡張をしております。

次に2024年3月期第2四半期の決算概要を鈴木よりご説明いたします。

2024年3月期第2四半期決算概要〈連結〉

鈴木哲彦氏:それでは、2024年3月期第2四半期の業績についてご説明いたします。売上高は18億8600万円となりました。これは対前期4.0パーセントの増収であり、上期売上高としては過去最高であります。

営業利益は前年同期比0.9パーセント減益の1億8,900万円(営業利益率10.0パーセント)、経常利益は、5.9パーセント減益の1億9,500万円、当期純利益は、21パーセント減益の1億600万円となりました。当期純利益につきましては、2024年12月竣工に向け、一部工場の建て替えが進行中であり、これに伴う解体・移設費用の影響であります。

次に、18ページで売上高の過去3年間の推移、また19ページで各利益の過去3年間の推移を示しておりますのでご確認ください。

営業利益 増減要因

20ページは、営業利益の前期比増減要因です。先期1億9,100万円に対し、売上量の増加等によりプラス2,800万円、先期原料価格高騰分の販価反映でプラス1,000万円、当期原料価格高騰の影響でマイナス600万円、工場棟建替えに伴う設備移設費用等がマイナス2,000万円あり、これらによって当期1億8,900万円となりました。なお、通期利益については社内の原価低減などで吸収し当初予想を確保する見通しです。

セグメント別状況(総合接着・樹脂加工事業)

総合接着・樹脂加工事業につきまして、21ページをご覧ください。ベルト関連製品では、自動車・鉄鋼業界向けのコンベアベルトが底固く推移したこと、また、研磨関連製品でも、次世代半導体用研磨パッドの販売拡大により売上高は合わせて15億600万円となりました。

営業利益につきましては、原材料価格他高騰や、新工場建設に係る費用等が発生しため、1億9,600万円となりました。

セグメント別状況(特殊設計機械事業)

次に、特殊設計機械事業につきまして、22ページをご覧ください。売上高は、国内の設備投資全般は引き続き低調な状況にあるものの、当社は新規顧客の開拓が奏功し、メカニカルシールなどの受注が好調に推移した結果、売上高は3億7,900万円となりました。

営業利益につきましては、売上の回復により2,600万円となりました。

トピックス

最後に、23ページで前期のトピックスをご紹介いたします。

1つ目に2024年3月期では、本社工場再構築がスタートしております。当初2025年4月竣工予定から、約6ヶ月短縮し、2024年11月竣工予定を目指しております。今回の再開発の狙いといたしましては、生産能力の拡張、生産・物流効率の追求、およびDXによる業務革新、併せて、耐震・環境対応によるBCP(事業継続計画)の一環としての位置づけと、企業価値の一層の向上を図ってまいります。

2つ目にIRへの取り組み強化ということで、2023年3月期の決算説明会の動画配信の実施、個人投資家のみなさまとの対話を深めるために、「第18回 日経IR・個人投資家フェア2023」および「名証IRエキスポ 2023」への参加をいたしました。今後も積極的なIR活動を継続していきます。

配当政策

続きまして、配当政策におきましては、株主のみなさまへ長期にわたり安定した配当を継続的に還元していくという方針のもと、2024年3月期の配当において、中間配当18.5円、期末配当18.5円年間配当としては合計37円の連続増配を予定しております。これは2019年3月期以降7年連続の増配を予定しております。

(2) 株主優待

株主優待におきましては、2022年11月に、より多くの株主さまに中長期的に保有していただくことを目的に株主優待制度の拡充を実施しました。

中期経営計画

続きまして、中期経営計画についてご説明いたします。中期経営計画である「Next stage, Next POVAL」では、最終年度の2024年3月期に、売上高36億2,300万円を目指してまいります。

中期経営計画~Next stage, Next POVAL~

中期経営計画の方針の骨子としましては、次のステージのための基盤づくりの位置づけであります。

総合接着・樹脂加工事業と特殊設計機械事業の相乗効果を最大限に活かし、コンベアシステムをワンストップで製造販売できる体制の整備・強化を図っていくことを目標に取り組んでおります。

中期経営計画の達成に向けた基本方針として、ソリューションビジネスの推進、グローバルの展開の推進、成長事業・新規事業推進、生産の合理化、共感力の浸透、サステナビリティへの取り組みを実施していきます。

中期経営計画の進捗2

中期経営計画の進捗としまして、ソリューションビジネスの推進では、製品情報に特化したホームページをリニューアルし、お客さまから当社製品の特色をよりわかりやすく理解していただけるようにいたしました。引き続き、オンラインを駆使しコア業務に集中できる体制を構築し、営業効率と効果の向上を図ってまいります。

また、機械販売におきましては、将来的なワンストップ体制の構築に向けた、設備や要員の先行投資を実施しており、引き続き、グループ内連携による既存顧客の深耕に取り組んでまいります。

グローバルの展開では、アジアを中心に、自動車・鉄鋼業界向けの拡販に加え、食品・衛生材・紡績関連の業界向けに積極的な販路開拓を図ってまいります。

中期経営計画の進捗3

成長事業・新規事業推進では、車両用、眼鏡レンズ用、次世代半導体の研磨で使用される研磨パッドにつきましては、お客さまの高度な要望に対応するための製品開発に注力してまいります。

今年度は次世代半導体研磨パッドの販売もスタートし、今後より一層注力してまいります。

生産の合理化では、本社工場再開発に関連付けた生産能力の拡張、生産・物流効率の追求、DXによる業務革新に取り組む組織の改編を実施しました。また2025年予定で製造DXを推進しております。

中期経営計画の進捗4

共感力の浸透では、骨太な組織の構築を目的に、社外研修を実施し従業員への教育に注力していきます。

サステナビリティでは、企業価値向上と持続的な成長の実現のために、「サステナビリティ委員会」を発足し、主要指標の進捗管理を行っております。

中期経営計画の進捗5

生産性向上の項目では、作業工程・材料歩留まりの改善を行い、材料効率の向上を図っております。

環境の項目では、工場敷地内に太陽光発電の導入と照明のLED化による電気使用量の削減や、ロス改善の取り組みを行うことで材料効率の向上に取り組んでおります。

社会の項目では、働きがい指標として、引き続き、有給取得率の向上、労働時間の適正化、男性の育休取得、女性管理職率、外国人就労者の採用に取り組んでまいります。

ガバナンスの項目では、ハラスメント撲滅を目指し、グループでの研修を開催しております。