エグゼクティブサマリ
清久健也氏(以下、清久):みなさまこんにちは、代表の清久です。本日は株式会社ROBOT PAYMENT、2023年12月期第1四半期の決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。決算をご説明したいと思います。よろしくお願いします。
冒頭はエグゼクティブサマリとして、全体のまとめを述べます。第1四半期の売上高は4億9,100万円で、前年同四半期比22.9パーセント増となりました。通期の目標20億6,800万円に対して進捗率は23.7パーセントで、四半期売上高としては過去最高を更新しています。
売上の先行指標であるARRは、第1四半期時点で20億円に迫っています。次に、事業方針に基づいて効率的な費用投下を行いました。こちらの方針は2月14日に中期経営計画の説明でも触れているところで、第1四半期から黒字化を実現しています。
第1四半期の営業利益は3,500万円、前年同四半期比3.3パーセント増となり、進捗率は34.2パーセントと計画を上回っています。
顧客単価についても、過去最高を更新しています。「サブスクペイ」は1万4,387円で、前年同四半期比15.2パーセント増となり、「請求管理ロボ」は8万1,598円で、前年同四半期比2.2パーセント増となっています。
最後に新規事業についてです。「サブスクペイ」の大手版または複雑版と言うように、さまざまなことができる「サブスクペイ Professional」と、請求書の支払いを遅らせることができる「1click後払い」が、ともにまずまずのスタートを切っています。どんどんアクセルを踏んでいき、売上に貢献が始まります。今後にご期待いただければと考えています。
目次
これから、目次の流れでご説明します。
2023年12月期第1四半期 実績
久野聡太氏(以下、久野):それでは私から、2023年12月期第1四半期の全社実績について、詳細も含めてご説明します。
まず第1四半期の実績です。先ほど清久からもご案内したとおり、四半期の売上高は過去最高で、着実に成長を遂げています。営業利益についても説明があったとおり、業績予想に対して順調に進捗しています。
売上高については、ご案内ありましたが前年同期比22.9パーセント増と、約23パーセントの増収を実現することができ、4億9,000万円を超える四半期売上高となりました。売上総利益は、基本的に今お伝えした売上高の増収効果に伴い、前年同期比22パーセント以上の増益が確保できています。
「販管費は効率的に費用投下を行います」という話をしましたが、若干増やしつつも営業利益を確保できました。直近4四半期ぶりの営業黒字となっています。
売上高の四半期推移
四半期別の売上高の推移です。ご覧いただくと、着実に売上高が積み上がっています。まさに、我々のビジネスモデルどおりに積み上がっていることがこ確認いただけるかと思います。
そのドライバーは、当社の収益源になっているリカーリング収益です。リカーリング収益比率は、第1四半期末で両事業ともに96パーセントを超えており、引き続き我々の安定的な経営基盤を支えているものです。リカーリング収益が十分に積み上がっていることがご確認いただけるかと思います。
セグメント別では、第1四半期は「サブスクペイ」が成長を牽引しました。全社の売上高は、前年同四半期比22.9パーセント増となっています。
営業利益の四半期推移
スライドに、営業利益の2021年12月期第1四半期から四半期別の推移を記載しています。前期、2022年12月期は、成長投資を実施しています。
効率的な費用投下も心がけましたが、昨年の第2四半期から第4四半期については営業赤字を計上しています。最終的な営業赤字幅は、当初見込んでいたほどにはなりませんでした。
冒頭に清久からもお話ししたとおり、今期は生産性を重視して売上と利益の創出にフォーカスを行いスタートしています。第1四半期から営業黒字を達成することができた点は、我々が1つ評価しているところです。
前期第4四半期からの変化を見ると、営業利益に約6,500万円の差があり、営業黒字に復帰できています。
貸借対照表
バランスシートについては、特に大きなポイント等はありませんが、この第1四半期で長期借入金の返済をすべて終え、1年以内にすべて返済予定です。引き続き、バランスシートは健全であると我々は考えています。
自己資本比率について
ご案内のとおり、当社のビジネスモデル上、預り金が総資産をかなり大きくしています。
見た目の自己資本比率は13パーセントちょうどですが、我々は預り金を差し引いた調整後自己資本比率をウォッチしており、第1四半期末で65パーセントを超える水準になっています。
東京証券取引所が公表しているデータベースを元に確認したところ、当社が属する情報通信業の全上場企業における調整後自己資本比率の平均は32パーセント程度です。東京証券取引所のデータベースは、2022年3月期の全平均をとっています。
そちらと比べると、先ほどお伝えしたとおり当社の調整後自己資本比率は65パーセントを超えているため、財務の健全性は高いと考えています。
そのような健全な財務ベースを元に、今後も柔軟な事業展開が可能だと考えています。
サブスクペイの売上高推移
セグメント別の実績についてご説明していきます。まずは「サブスクペイ」です。
先ほどご説明したように、この第1四半期の全社売上高は前年同四半期比22.9パーセントの増収でしたが、その牽引役が「サブスクペイ」でした。
「サブスクペイ」では、前年同四半期比26.9パーセントの増収が確保できました。「サブスクペイ」においては、取扱高に応じた手数料売上であるスプレッド収益が大きく伸長しました。
サブスクペイの主要KPI推移①
「サブスクペイ」の主要KPI推移です。継続的にお伝えしていますが、顧客単価・アカウント数ともに順調に推移しています。顧客単価については、先ほど清久からもご説明したとおり、着実に推移し過去最高を更新しました。
サブスクペイの主要KPI推移②
重要KPIである決済取扱高と決済処理件数も順調に増加しており、既存のお客さまのアクティビティも順調に推移しています。先ほどお伝えしたとおり、特にスライド左側の決済取扱高の好調が「サブスクペイ」の売上に寄与し、全社の売上を牽引するかたちとなりました。
請求管理ロボの売上高推移
「請求管理ロボ」についてご説明します。「請求管理ロボ」は、昨年を通して第1四半期と特に第2四半期に、初期費用としてショット性の売上が大きくなりました。そのため、増収率は前年同四半期比で17.5パーセント増というかたちですが、先ほどお伝えした我々の重要な経営基盤であるリカーリング収益にフォーカスすると、前年同四半期比21.4パーセント増となっています。
「請求管理ロボ」についても、リカーリング収益の着実な積み上げがドライバーとなり、第1四半期は前年同四半期比で17.5パーセントの増収が確保できました。
請求管理ロボの主要KPI推移①
「請求管理ロボ」の主要KPIについてご説明します。スライド左側のグラフは、顧客単価の推移を示しています。昨年の半ば頃はこちらに対して課題感を持っていましたが、前期第3四半期を底として、前期第4四半期から今期第1四半期にかけて回復できています。お客さまの数を示すアカウント数も引き続き順調に増えています。
請求管理ロボの主要KPI推移②
請求金額と請求書発行枚数についても、前年同四半期比で順調に成長を遂げています。
主要KPI
6つの主要KPIについてご説明します。こちらも毎回開示していますが、先ほどご説明したとおり、売上の先行指標としているARRが20億円の手前まで来ています。加えて、先ほどご説明したように当社の安定的な経営基盤であるリカーリング収益比率は97パーセント弱となり、引き続き高水準となっています。
さらに、スライド左下のアカウント数(AC)も引き続き増加して7,700ACを突破し、スライド下段中央の顧客単価も順調に伸び、過去最高となっています。
一方で、スライド右下の解約率は引き続き低水準を推移しています。
2023年事業方針の進捗
藤田豪人氏:私から、第1四半期のビジネスハイライトについてご説明します。まず、前回の決算発表時にお示しした2023年の事業方針について、進捗をご説明します。
「サブスクペイ Professional」については、販売の開始と、業界ごとの課題に対応するパッケージの提供を方針として掲げています。
進捗として、第1四半期には体制ができました。体制とは、ただ人が揃ったということではく、「どんなニーズがあるか」「契約はどのようなフローで動くのか」「どうすれば導入・稼働できるか」など、営業を始めるための基本的な認識から仕組み化のところまでが、この第1四半期に完了しました。
加えて、業界ごとのパッケージ化に向け、受注の開始と併せてヒアリングを強化しており、こちらも順調に推移しています。
「請求管理ロボ」については、顧客単価の向上を企図し、大手顧客の獲得を大きなテーマとしました。結果としては、先ほどもお伝えしたとおり顧客単価が向上しました。
また、大手顧客獲得に向けた営業組織が出来上がり、商談数も増加しています。大手企業はリードタイムが長くなるため、契約に至るまでに時間がかかります。そのような中でも徐々に中堅規模の顧客が獲得できており、単価増に寄与しました。
「1click後払い」については、販売強化のため、第1四半期は販売パートナー制度を開始し、ご利用いただくための流通網の拡大を狙いました。また、Webサイトを訪問したお客さまがサービス利用前に行う会員登録数も順調に増加してきています。
それに伴い利用顧客も増えているため、今後は利用顧客がリピーターになるかどうかが重要になります。現在、リピーター施策のテストを行っており、効果が見え始めています。今後は、新規顧客をいかに獲得し、リピーターを増やしていくかが次のフェーズになると思います。
M&Aについても実行方針であり、第1四半期はソーシングを強化し、件数を集めるためにさまざまな取り組みを行いました。その結果、複数の案件がトップ面談まで進んでいますが、まだみなさまにご報告できるところまでには至っていません。引き続き、M&Aの強化に努めます。
トピックス サブスクペイ
続いて、第1四半期にリリースしたサービスについてご紹介します。
「サブスクペイ」がWeb口座振替受付サービスに対応しました。こちらは、これまで紙と印鑑で行っていた口座振替を、銀行印なしでWeb上で完結できるサービスです。
結果的に印鑑相違等のやり取りがなくなり、リアルタイムで口座振替が使えるようになります。利用顧客の中でも特に加盟店から見ると、口座振替を使う場合、初回は請求書で請求することが多いため、未収金リスクが上がります。
この手続きがリアルタイムに行えるようになると、加盟店は初回から口座振替を使用でき、手間もなく確実に引き落としと回収ができます。このようなサービスが第1四半期にスタートしました。
トピックス 請求管理ロボ
大塚商会との業務提携です。もともと大塚商会とは販売代理店契約をしており、今回の業務提携はさらなるパワーアップというイメージです。
大塚商会のサービスラインナップに、BtoB向けの「たよれーる」というサービスがあります。このサービスに「請求管理ロボ」を組み込むことが可能になりました。加えて、大塚商会の「SMILE」という販売管理システムの請求に関するステップにおいて、「請求管理ロボ」と連携することが可能になりました。
大塚商会のサービスラインナップに入って、そのシステムと連携できるようになったことで、大塚商会のお客さまへ幅広くアプローチすることが可能になりました。また、「SMILE」をご利用のお客さまに対しては、簡単に導入いただける状況を作ることができました。
トピックス 請求管理ロボ
ミロク情報サービスとの連携です。「請求管理ロボ」とミロク情報サービスの会計システム4製品をすべてAPI連携し、AIで仕訳することが可能になりました。
このような連携を見ると、みなさまは「ミロク情報サービスの会計システムには請求書発行機能があるのでは?」と疑問を持つと思います。実際、そのような機能はあるのですが、機能が合わないお客様もいます。
その場合、大手企業には対応できず、連携していない請求書発行ツールが使われ、業務が分断してしまう場合がある、ということになってしまいます。
そのため、簡単な請求管理システムでは対応できない大手、中堅のお客さまに、今回の連携を契機に「請求管理ロボ」を導入していただくことができるようになりました。
ミロク情報サービスが、自社の顧客ニーズを満たせるようにと考えて、「請求管理ロボ」と連携していただいたということです。
トピックス 請求管理ロボ
「請求管理ロボ」の銀行との自動連携です。これまで、完全な自動連携はメガバンクの3行のみで、国内の法人のメインバンクの利用としては実は約15パーセントのシェアです。それが、連携先の拡大で1,000行を超えるようになり、ほぼすべてと言っていい銀行とつながるようになりました。100パーセントに近い状態で自動連携ができるということです。
トピックス 1click後払い
最後に、「1click後払い」についてです。先ほどから「『1click後払い』が始まっています、順調です」とお伝えしていたため、「これはなんだろう?」と思われたと思います。実は前期末の第4四半期に、「請求管理ロボ」と連携した「1click後払い」がスタートしたというリリースを流しました。
その後、「請求管理ロボ」のお客さまにテストで利用いただいた結果、当社もカード会社も「安全だ、大丈夫だ」と感じていただき、すべてのお客さまを対象にスタートしようと完全にオープンになったのが今期の第1四半期です。
そのため、今後は「請求管理ロボ」を使っていないお客さまでも、広くご利用いただけるようになったということです。私からの説明は以上です。
中期的な経営方針
久野:それでは私から、第1四半期の費用についてご説明したいと思います。
その前に、特に重要な費用への考え方についてご説明します。2月14日に通期決算を発表した際、中期的な経営方針をリニューアルしたということで、ご説明に用いたスライドをそのまま再掲しています。
具体的には、今期は効率性、生産性を重視していくと冒頭に清久からもお伝えしており、私も先ほど、売上高と利益、特に利益にしっかりと注力していくというトーンでお話ししましたが、その点についてスライドで再掲しています。
特に費用で言うと、販売管理費の大半を占めるのが広告宣伝費、人件費、開発費であるため、これらを効率性、生産性を重視しながら費用投下していき、しっかりコントロールして利益を出していく、とご説明しています。
主な費用推移
その方針に則りまして、第1四半期の主要な各費用について振り返ります。広告宣伝費と開発費については、基本的には巡航速度に戻っています。
スライド中央は、フローと言うよりはストック性にあたる給与手当のグラフで、第1四半期は前期第4四半期に比べて若干増加していますが、こちらは計画どおりです。
第2四半期以降については新卒社員入社のインパクトなどがありますが、なだらかな増加ペースを見込んでいます。効率性と生産性に目配りしながら費用投下しているところです。
一方で、ただ単に費用投下を控えるということではなく、適材適所を見極め、必要なところには必要な攻めの投資もしつつ、トップラインと利益の創出、この2つをバランスよく実現していきます。この点にご理解いただければと思います。
月次リカーリング収益の推移
続いては参考資料になります。月次リカーリング収益の推移を掲載しています。グラフの始まりの2020年1月と比較すると、この3月末のリカーリング収益は約2倍を超えたところです。
リカーリング収益は、月次で1億6,000万円を超えてくる水準になっており、着実な成長をご覧いただけると思います。
職種別従業員数推移
従業員数の推移です。こちらについては先ほどお話しした、経営全体の費用の投下方針、あるいは人事の方針などに則って採用活動を実施しています。2023年については新卒採用を中心にしていく方針です。4月は新卒社員の増加で人員が増えていますが、しっかりとコントロールしていきます。
私からの決算説明については以上です。最後に、IR担当からご案内があります。
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清久氏からのご挨拶
清久:本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございました。中期経営計画でもお伝えしたとおり「安心・安全・安定」した投資先として、ROBOT PAYMENTはこれからもがんばっていきますので、引き続き応援のほどよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。