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畠賢一郎氏:みなさま、こんにちは。株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング代表取締役社長、執行役員の畠でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日は大変ご多忙の中、当社の2023年3月期決算説明会のライブ配信にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の内容としては、昨日開示した決算説明資料に沿って、スライドに記載したとおりの構成となっています。それではさっそく始めます。
サマリー
2023年3月期の業績サマリーです。売上高は、再生医療受託事業の売上が拡大した一方で、再生医療製品事業と研究開発支援事業の売上が減少し、前期比3.4パーセント減の20億3,200万円となりました。
営業損失はマイナス7億2,800万円、経常損失はマイナス7億2,500万円となっています。当期純損失はマイナス7億2,900万円、前期比マイナス2億3,100万円でした。
一方、2023年1月27日付で開示した業績予想修正後の計画は達成しています。売上高は対計画プラス6,100万円、営業損失は対計画プラス5,900万円で着地しました。
サマリー
外部環境、売上、開発、そして産学官連携の観点で、2023年3月期の総括を記載しています。
2023年3月期の業績
ここからは4月27日に開示した決算短信の内容に沿って、2023年3月期の業績とトピックスについてご説明します。
2023年3月期の業績です。売上高は、再生医療受託事業の売上が拡大した一方、再生医療製品事業と研究開発支援事業の売上が減少したため、前期比3.4パーセント減の20億3,200万円となりました。
再生医療製品事業では、眼科領域の新製品である自家培養口腔粘膜上皮「オキュラル」の売上が大きく拡大した一方、自家培養表皮「ジェイス」と自家培養軟骨「ジャック」の売上が減少しました。
営業損失はマイナス7億2,800万円、対前期マイナス2億2,900万円となっています。経常損失はマイナス7億2,500万円、対前期マイナス2億3,100万円、当期純損失はマイナス7億2,900万円、対前期マイナス2億3,100万円となりました。
再生医療製品事業:自家培養表皮ジェイス
製品別にご説明を加えていきます。まずは、自家培養表皮「ジェイス」についてです。2023年3月期における「ジェイス」の売上高は8億2,700万円、前期比19.8パーセント減となりました。
重症熱傷では、適応となる症例の発生が少ない状況が続きました。また、先天性巨大色素性母斑と表皮水疱症では待機患者が一巡したことや、新型コロナウイルスのまん延による通院控えがあったため、前期に対して売上高が減少しています。
特に当期は重症熱傷の重篤化が目立つ傾向にあり、受注は受けるものの患者さんが亡くなってしまう例が多く見受けられました。これが新型コロナウイルスの影響かどうかは、今、社内で精査していますが、例年10億円程度で推移していたものが、今期は熱傷の患者さんがかなり少ない状況です。学会等で先生方に営業活動した際にも、今年は熱傷患者が少ないとよく聞きました。
再生医療製品事業:自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨「ジャック」についてです。2023年3月期における「ジャック」の売上高は3億7,100万円、前期比3.7パーセント減となりました。
まさに新型コロナウイルスの影響により営業活動が制限された結果、売上が減少しています。特に第8波では、病院の閉鎖や手術ができない状況が発生したため、新型コロナウイルスの影響を少なからず受けた1年でした。
一方、当社は外傷に起因する二次性の変形性膝関節症への適応拡大を目指して、治験を実施しています。当該治験は順調に進んでおり、速やかにデータをまとめて申請準備を行う予定です。
再生医療製品事業:眼科領域、その他
「眼科領域、その他」についてです。2023年3月期における「眼科領域、その他」の売上高は2億700万円、前期比232.1パーセント増となりました。
「ネピック」に続き「オキュラル」の販売が開始され、大きく売上を伸ばしています。また、販売を担う株式会社ニデックと協働して眼科の主要学会にてセミナーを開催するなど、製品の認知度向上や治療成績に関する情報発信も実施しました。
再生医療受託事業
再生医療受託事業についてです。2023年3月期における再生医療受託事業の売上高は4億1,900万円、前期比7.2パーセント増となりました。
親会社である帝人株式会社からの受託が拡大したことで、前期に対して売上が増加しています。また、帝人、国立研究開発法人国立がん研究センター、三井不動産株式会社とともに、再生医療等製品の研究・開発から、事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで実現する柏の葉「再生医療プラットフォーム」を推進しています。
当社が培ってきたノウハウを活用することで、再生医療等製品の事業化を加速し、日本発の革新的な治療方法の提供を通じて、社会に貢献することを目指していきます。我々はCDMO事業と呼んでいますが、後ほど詳しくご説明します。
研究開発支援事業:ラボサイト
研究開発支援事業についてです。2023年3月期における研究開発支援事業の売上高は2億600万円、前期比11.1パーセント減となりました。
主力商品の「ラボサイト」シリーズは、オンライン面談による営業活動を強化した結果、経済情勢が悪化している中でも、前期比で売上が増加しました。一方、ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」は販売を終了しました。こちらの減少をカバーするには至らなかったため、全体では前期に対して売上が減少しています。
以上、セグメント別の売上高についてご報告しました。
営業損失増減の内訳
営業損失増減の内訳です。売上総利益は1億1,800万円減少しました。主な要因としては、利益率が比較的高い「ジェイス」の売上減少、そして、当社に限らず一般的な話ではありますが、水道光熱費等々が高騰した結果、売上原価が増加したことが挙げられます。
その他販売費及び一般管理費は、1億円増加しました。こちらも同様に水道光熱費の高騰の影響もあります。一方、コロナ禍から営業活動を再開するための費用をかけたことも要因です。
貸借対照表の概要
2023年3月期末における当社の貸借対照表の概要は記載のとおりです。なお、2023年3月期末時点の流動資産のうち、現金及び預金は41億3,400万円となっており、十分な手持ち金は確保している状況です。
キャッシュフローの概要
2023年3月期末における当社のキャッシュフローの概要は記載のとおりです。
2023年3月期 トピックス一覧
2023年3月期のトピックス一覧です。当事業年度もたくさんのイベントがありました。この中から主要なものをピックアップしてご紹介します。
2022年度「新あいち創造研究開発補助金」採択
愛知県が公募した2022年度「新あいち創造研究開発補助金」事業において、当社の事業が採択されました。軟骨関係の研究開発事業です。本事業を通じて、再生医療等製品の実用化の基盤整備を目指してきました。
「自家培養軟骨ジャック」再審査結果に関するお知らせ
自家培養軟骨「ジャック」の再審査結果についてです。当社にとって大変大きなイベントです。当社は、7年間にわたり、自家培養軟骨「ジャック」の全症例を対象とする使用成績調査を実施してきました。その再審査の結果、厚生労働省により「ジャック」の承認時の有効性及び安全性があらためて確認されました。
再生医療等製品は、このような再審査が課せられています。今回の再審査の結果は、効能・効果に特に問題がないことに加え、長期間のフォローアップも良好であったことを示していますので、当社にとっては大変大きな評価をいただいたと思っています。このように事業をしっかりと定着させる活動は、当社の経験として今後にも役立つと感じています。
角膜内皮の再生医療 早期事業化を支援
角膜内皮の再生医療の早期事業化支援についてです。当社の「オキュラル」「ネピック」は角膜の上皮、表面の障害に対する製品です。そこで当社は、角膜内皮の障害への再生医療等の研究開発を手掛けるアクチュアライズ株式会社が、株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所と共同で開発を進める角膜内皮の再生医療製品候補の製品開発の一部を受託する契約を、アクチュアライズ社と締結しました。
眼科領域の製品である自家培養角膜上皮、自家培養口腔粘膜上皮の開発・上市を通じて獲得した知見とノウハウを生かして、アクチュアライズ社が手掛ける角膜内皮の新たな治療方法である再生医療製品候補の早期事業化を実施していきたいと思います。
このような製品開発がCDMO事業、いわゆる受託事業の延長線上にあります。当社も角膜領域に注力していますので、その経験や実績を踏まえてアクチュアライズ社から受託し、しっかりと事業化していきたいと思っています。
「第8回女性技術者育成功労賞」 受賞
少し毛色が変わりますが、当社の製造部長である藤田美穂が一般社団法人技術同友会の主催する「第8回女性技術者育成功労賞」を受賞しました。大変光栄なことです。
当社は社員の約60パーセント、管理職の約30パーセントが女性であり、女性の社会活動を積極的に推進しています。今後もSDGsの目標の1つである「ジェンダー平等を実現しよう」を達成するために、男女共同参画社会の実現に向けてさまざまなかたちで貢献していきたいと思っています。
柏の葉「再生医療プラットフォーム」
柏の葉「再生医療プラットフォーム」についてです。2022年9月、当社は国立研究開発法人国立がん研究センター、帝人株式会社、三井不動産株式会社の4者で、「再生医療プラットフォーム」を柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)に、共同で構築する契約を締結しました。がんをはじめとする未解決の疾患への革新的治療法の創出を目指し、再生医療等製品の研究・開発から、事業計画策定、さらに商用生産までの過程をワンストップで実現するものです。
帝人との連携、そして当社の技術を遺憾なく発揮し、また、三井不動産、国立がん研究センターが協力することで、まさに今、ワンストップでCAR-T細胞等を使ったがん治療を開発することを可能にすると考えています。このようなプラットフォームを積極的に活用し、当社のCDMOの基盤を作り上げていきたいと思っています。
柏の葉「再生医療プラットフォーム」 〜当社にとっての価値・意義〜
柏の葉「再生医療プラットフォーム」について、当社における価値をまとめました。
このプラットフォームは当然ながら、国立がん研究センターという全国規模の病院と連携しており、プラットフォーム自体に集まっている多種多様な企業との協働ができる場所であり、当社が有していない知見・ノウハウを集積することができます。さらに、このプラットフォームは、Greater Tokyo Biocommunityの一環にもなっており、情報発信力の強化ができると考えています。
当社にとっても、製造拠点を分散化することで地産地消モデルの実現につながっています。このように、今後さまざまなかたちで本プラットフォームを活用しながら、当社の事業を進めていきたいと思っています。
メラノサイト含有自家培養表皮「ジャスミン」:製造販売承認を取得
2023年3月17日付で、メラノサイト含有自家培養表皮「ジャスミン」の製造販売承認を取得しました。当社5つ目の製品です。
現在、我が国には再生医療等製品は19品目あります。そのうち3品目が遺伝子治療で、遺伝子をそのまま投与するものです。残りの16品目は細胞を使ったもので、そのうちの5品目が当社の製品です。今回新たに、白斑の治療を目指し、メラニンを作り出すメラノサイトを含有した培養表皮の承認をいただきました。
自家培養表皮「ジェイス」とは違い、表皮角化細胞ではなく、色素を作る細胞が主成分ですので、別の製品としてゼロベースでしっかり議論された上で承認をいただきました。今後、速やかに保険適用を目指していきたいと思っています。
開発パイプラインの上市目標
開発パイプラインの一覧についてです。先ほどご説明した「ジャスミン」の承認申請についてアップデートしています。この資料の性質上、各ボーダーを越えるまでは矢印の位置を中央に置いています。
他家培養表皮は2025年3月期の上市目標ですが、今、治験をまとめている最中です。「ジャック」の適応拡大も2025年3月期を目途に治験をまとめているところです。そして、2026年3月期の上市目標として自家CAR-T細胞治療というラインナップになっています。
表皮水疱症ドキュメンタリー動画公開
ここからは当社のIRというよりも、広報として開示されたものをご説明したいと思います。まず、表皮水疱症ドキュメンタリー動画についてです。
当社はご存知のとおり、自家培養表皮「ジェイス」の3番目の適応拡大として、先天性表皮水疱症の患者さんの治療に寄与しています。その表皮水疱症の患者さんの会である「DebRA Japan」が1月にドキュメンタリー動画を公開しており、当社の自家培養表皮にも少し触れられています。
ぜひご覧いただければと思いますが、すでに33万回の視聴があり、かなり多くの方々にこの疾患について知っていただけているようです。当社の名前が出ているわけではありませんが、この治療方法は本当に評価されており、地道に進めていきたいと思っています。
名古屋大学からのプレス発表
名古屋大学が支援しているタイのチュラロンコン大学のCAR-T細胞を用いた臨床研究において、悪性リンパ腫を患う5名の患者さんの治療に効果があったと名古屋大学がプレス発表しました。悪性リンパ腫に対する治療効果に関しては、名古屋大学が医師主導治験を考えており、引き続き当社が製造することを前提に進めていきたいと思っています。
このCAR-T細胞は生産コストが極めてリーズナブルになる可能性があり、当社もさまざまなことを考えながら計画を練っているところです。まさに新しいCAR-T治療として適切に提供していきたいと思っています。
2024年3月期の業績予想
ここからは、2024年3月期の計画についてご説明します。まずは業績予想をご覧ください。2024年3月期の売上高は、再生医療製品事業、再生医療受託事業、研究開発支援事業の売上拡大により、売上高27億4,900万円、対前期35.3パーセント増を計画しています。営業利益は8,300万円と、中期経営計画どおりの黒字化を見込んでいます。
自家培養表皮「ジェイス」は、通常ですと10億円程度の売上がありましたが、前期は8億2,700万円で着地しました。新型コロナウイルスの影響も受けてはいますが、今回は保守的に見積り8億7,500万円と見込んでいます。
また、「ジャック」も4億円を超える売上で推移していましたが、やはり昨年は新型コロナウイルスの影響を受けて、4億円を超えるのが難しい状況でした。
この中でも一番大きなものは、「眼科領域、その他」です。この背景には、「オキュラル」の売上の伸びと、新製品「ジャスミン」が保険適用の後、上市されることを見込んでいます。各製品をしっかりと定着させ、なんとかこの数字を達成していきたいと思っています。
再生医療受託事業については、帝人との連携による帝人からの収入や、先ほどご説明したアクチュアライズ社からの受託など、自社開拓案件でもさまざまな顧客から引き合いがあります。したがって、3億6,500万円の増加を見越し、業績予想は7億8,400万円としています。
売上高はトータルで27億4,900万円を目指していきたい考えです。
基本方針・業績目標
中期経営計画の進捗状況についてご説明します。開示した5年計画では、最終的には2026年3月期に売上高50億円、営業利益率10パーセント超を目指していきたいと思っています。
また、2024年3月期には黒字化を計画しています。前期に少しビハインドを背負っていますが、この後の2025年3月期に「ジャック」の適応拡大と同種培養表皮の上市も考えています。
再生医療等製品は、承認を取得してから先生方に定着するまでにタイムラグがあります。一方で「ジャック」の適応拡大に関しては、今「ジャック」を提供している先生方の中にも「変形性膝関節症に適応拡大されたら使う」と言っている方がかなりいます。よって、比較的早期に実装できるのではないかと考え、計画に織り込んでいる次第です。
なんとか2026年3月期に売上高50億を目指して、しっかりと計画していきたいと思います。
事業計画の進捗(サマリー)
研究開発費の進捗を含めたサマリーです。2023年3月期の売上高は20億3,000万円です。研究開発費は7億9,000万円で、当初の予定にある総額25億円において、年間約5億円ずつ使いながら5年間を進めていき、しっかりと成長していきたいと思っています。
研究開発投資の実施状況
研究開発費の投資状況です。当社は自社で合理的に研究開発費を使っており、2023年3月期は国の助成金とあわせて7億9,000万円を使って着実に研究開発を進めました。今後も予定どおり5年間で25億円を集中投資し、開発パイプラインを進めていく方針です。
「ジャスミン」に関しては、予定どおり販売開始を進めています。加えて、他家培養表皮の2025年3月期の上市目標と、自家培養軟骨「ジャック」の二次性変形性膝関節症の2025年3月期の適応拡大を目指して進めています。また、急性リンパ性白血病も2026年3月期の上市を目指し、今、治験の前段階に入っているところです。
具体的な研究開発の取組み
「ジャック」の変形性膝関節症への適応拡大と、他家培養表皮についてです。「ジャック」は、今、治験を計画どおり速やかに進めており、データをまとめて申請準備に入っている段階です。
他家培養表皮に関しては、大量生産にこだわっています。写真のような機械を試作し、コストを低減しながら大量生産することを目標に活動しています。
いずれも2025年3月期の承認を目指して進めているところです。
再生医療のCDMO
当社のCDMO事業についてあらためてご説明します。一般的なお話にはなりますが、再生医療のCDMOについて少し俯瞰してみたいと思います。
通常の医薬品は医薬品製造受託機関(CMO)が扱っているように受託ニーズがあります。こちらは、海外の医薬品メーカーが当該国に対する投資の余裕がない、もしくは効率化したい、さらには生産や開発のリスクを低減したいという理由で委託しているものです。また、長期収載品の生産ラインを維持したいために委託製造を依頼することもあります。
一方で、再生医療等製品は大変多様です。CAR-T細胞は比較的画一的ですが、再生医療自体は本当に多様で、製造・培養法の標準化、製品パッケージと輸送システム、市販後調査体制の構築・整備など、さまざまな業務があります。
当社は最近「再生医療等製品の作りこみ」という表現をしています。アカデミアの先生方が再生医療の技術シーズを持っており、製品としての量産適性・生産適性を持たせて作りこむことが重要です。
当社は幸いにも再生医療等製品を上市している経験があります。さらに自家培養軟骨「ジャック」で7年間の使用成績調査を経験しており、情報収集に関するさまざまなノウハウがあります。
再生医療等製品におけるCDMOニーズとしては、開発経験・ノウハウの必要性、多様性を有する製品への生産適性の付与、市販後を見据えた対応などがあります。依頼者は当社が培ってきた技術・ノウハウ等に期待して依頼してくるため、医薬品の製造とは根本的に異なるニーズがあるといえます。
当社CDMO事業の価値
これらを踏まえて、当社のCDMO事業の価値についてご説明します。ノウハウの蓄積とありますが、当社はまさに開発から製造、販売、市販後調査・対応などすべてのバリューチェーンにおいてノウハウを持っています。
2つ目に、当社はノウハウを生かした新製品開発をしてきています。ノウハウを上手く活用し、承認を取得できているということです。
3つ目に、ステークホルダーとの信頼関係があります。国やアカデミアの先生方、国立がん研究センターの先生方、医療現場の先生方など、さまざまなステークホルダーとの信頼関係を生かし、最終的にはこれまで培ったノウハウをもとに顧客へ提案できる仕組みがあります。この仕組みをぐるぐると回しながら、CDMO事業を有利に進めていくことがポイントです。
帝人とのライセンス契約を締結
2023年4月19日付で開示していますが、帝人とCDMO事業に関するノウハウを非独占的に提供するライセンス契約を締結しました。
当社にはCDMO事業のノウハウ等があります。一方で、以前から帝人とのシナジーというキーワードでご説明しているように、帝人には材料等のノウハウや海外への訴求力、大量生産に関する種々の機械をつくるノウハウがあります。
互いに上手く連携しながらCDMOを両者にとって有利に進め、さらに広げていけると考えています。ノウハウに価値があるとして、人材育成・教育等も含めて総額3億7,000万円としています。また、2024年3月期の黒字化に寄与するものとして、その一部が計上されています。
このようにCDMO事業を有利に進めていくことが、当社にとってのCDMO事業の価値です。
米国レジリエンス社との国際的な業務提携に合意
先般開示し記者会見を行いました、米国のレジリエンス社との国際的な業務提携についてです。レジリエンス社はかなり短期間で大きくなった会社ですが、細胞製品のみならず、その他の高度医療のモダリティ、ワクチンなどにも対応しています。
レジリエンス社は製品の作りこみに非常に関心があり、当社が長きにわたって製品を作り込んできた経験に大きな価値を認めていただきました。両社の連携によって、米国のユーザーを日本に紹介することはもちろん、日本のユーザーや当社が米国に出て行く時には、彼らを上手く活用できます。特に、彼らは日本の市場を大変高く評価しています。
そのような背景で、帝人およびレジリエンス社とともに、当社の再生医療のCDMO事業の価値をさらに高めていきたいと考え、推進しているところです。当社にとって、これは国内のみならず海外進出の1つのきっかけを作る意味でも価値があることです。今後もしっかりと経営を進めていきたいと思っています。以上、ご清聴、誠にありがとうございました。